今日の朝刊に非常に残念な記事が載っていた。それは、もと連合会長の笹森清氏の訃報である。私が労働組合の役員をやって春闘などの中央行動に参加をしたときは、大変力強く、わかり易いしゃべりで参加者を引き付けていた。
また、笹森氏は、連合会長を退いた後、中央労福協の会長として、消費者金融のグレーゾーン金利の廃止や、脱貧困のキャラバン行動を展開するなど、世論を動かす社会的役割を果たしてきた。私も、湘南労福協の事務局長時代に、広島で労働運動の歴史と今後の役割について笹森氏の講演を聞いた。そのとき、改めて、今直面している課題に対して、簡単に判断してはいけないんだと思った。
何が言いたいかというと、課題を解決するためには、物事や運動の歴史を勉強し、そのことを尊重した上で、今どのような調整と判断をすればよいかを考える。何かと前例踏襲になりがちだし、前例踏襲が悪いとは思わない。ただし、去年は、なぜこのようなやり方をしたのだろう? なぜ5年前は違うやり方だったのだろう?というように。様々な角度から、経過を確認し、様々な角度から検討した上の判断は、必ず間違っていないと私は思う。
これから先のことを考えればいい。というのは正しい。ただし、歴史や経過を勉強していることが前提と思う。そういう考え方を教えてくれた、笹森氏に感謝するとともに、心からご冥福をお祈りします。