3月9日 9:30より、こども文教常任委員会が開催され、傍聴参加しました。審議、報告に対する質疑の抜粋は次の通りです。
陳情23第46号 子どもたちに放射線「副読本」を使用した授業の指示をやめることを求める陳情
この陳情は、文部科学省が作成した、放射線の副読本について、内部被ばく、セシウムの半減期などの放射性物質の特性が書かれておらず、子どもたちの不安や疑問に応えるものとなっていないことから、教育委員会が、この副読本を使って授業をするよう指示をしないように求めるものです。
市川委員
全児童数発注したとの事だが、全国的な状況は?→文部科学省の方針であり、小中高向けに作成した。文科省としては、必要な部数でとなっている。
文科省としては、副読本を作成したので、必要なところは言ったくださいということか?→その通り。
この副読本の評価は?→小学校では、学習指導要領に放射線について含まれていないので、子どもも保護者も興味があり、必要と考える。
子どもたちへの差別やいじめの考え方は?→放射線がうつるという話がでた。知識を教えることでいじめがなくなると考える。
3/11以降、これから、ずっと向き合っていかなければならない問題。カリキュラムでは中学生からとなっているが、放射線について、どのような方向で考えているのか?→様々な状況を踏まえ、小学生も自ら進んで学んでいく体制をつくれればと考えている。
有賀委員
教育委員会として、学校に対して、副読本を使用するよう指示したのか?→指示していない。必要なら支援をしていくという事。
学習指導要領から放射線について書いていなかった時期があったと思うが?→今回、30年ぶりに復活した。
加藤(なを子)委員
近隣他市の使用状況は?→どこも使用すると聞いている。
中学の理科の先生は、この副読本を見ての感想は?→まだ、学校に配布していないので。
放射能の安全をアピールした副読本だと思うが?→本文中に放射線は安全とは書いていない。
放射線について、継続して測定していく必要あるが、、副読本ではそんなことは書いていないが?→放射線の基礎、基本的事項を示すもので、子どもたちが興味を持ち調べていくようになれば。
副読本を使って授業したか確認するのか?→確認はしないが、授業での活用の例示もしているので、活用してほしい。
質疑の後、採決し、この陳情については、主旨不了承となりました。
報告(1)扶養控除廃止に伴う保育料等の取り扱いについて
平成22年度の税制改正により、平成23年度から年少扶養控除が廃止されたことに伴い、所得税額が増額となり、所得税額に応じて決定している保育料についても、影響が生じることとなりました。この度、厚生労働省からその影響を可能な限り生じさせないよう対応することの通知があったため、控除廃止前の所得税に対応する保育料となるよう、対応を図るものです。
加藤(なを子)委員
この措置はいつまでか?→通知には期間が示されていないが、変更あれば、改めて通知が出されると思われる。
この対応に伴い、担当課の事務量は増えるのか?→再計算などにより、一時的に事務量増えるため、2月中旬から、3月末まで、臨時職員を配置した。
この措置をしない場合、どのくらい保育料上がるのか?→適用しない場合、14億2,000万円で適用すると13億円となり、年間1億2,000万円の増額となる。
一世帯当たりの負担増は?→所得に応じて様々な例があるので、算出難しいが、1例として、年収400万円で1歳と3歳の子どもがいた場合、8,300円の負担増となる。
報告(2)東日本大震災における東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う放射能対策について
福島原発事故以降の、藤沢市の空間放射線量測定、土壌の測定、給食食材の測定及び、除染状況などについて、報告がされました。藤沢市の定めた地上5㎝における測定値が時間当たり0.19マイクロシーベルトを超え、除染を行った場所については、次の通りです。単位は時間当たりマイクロシーベルト。
1.藤沢小学校 物置雨どい下 0.32→除染後0.07
2.藤沢小学校 作業室雨どい下 0.29→0.09
3.藤沢小学校 給食棟渡雨どい下 0.24→0.07
4.本町小学校 体育館渡雨どい下 0.52→0.14
5.本町小学校 体育館渡雨どい下 0.48→0.08
6.村岡小学校 調理場前側溝 0.20→0.06
7.六会小学校 第2プレハブ渡雨どい 0.33→0.05
8.辻堂小学校 プールトイレ雨どい 0.22→0.08
9.鵠洋小学校 飼育小屋入口雨どい 0.42→0.07
10.鵠洋小学校 体育館裏雨どい 0.33→0.08
11.鵠洋小学校 器具庫裏雨どい 0.25→0.07
12.鵠洋小学校 器具庫裏雨どい 0.39→0.07
13.鵠洋小学校 体育館裏雨どい 0.26→0.08
14.片瀬小学校 体育器具庫雨どい 0.23→0.05
15.大道小学校 体育館裏雨どい 0.24→0.10
16.大道小学校 体育館裏雨どい近く土 0.35→0.11
17.大道小学校 通用口近く雨水桝 0.21→0.06
18.秋葉台小学校 体育館雨どい下 0.19→0.10
19.御所見小学校 体育倉庫裏雨どい 0.22→0.12
20.御所見小学校 体育倉庫裏雨どい 0.35→0.10
21.御所見小学校 体育倉庫裏雨どい 0.23→0.09
22.長後小学校 プロパン庫雨どい下 0.20→0.12
23.長後小学校 プロパン庫裏中央 0.23→0.14
24.八松小学校 体育館渡雨どい 0.22→0.11
25.八松小学校 体育館渡雨どい 0.25→0.12
26.高砂小学校 栽培小屋雨どい下 0.21→0.07
27.高砂小学校 栽培小屋雨どい下 0.21→0.07
28.浜見小学校 体育館南雨どい下 0.51→0.07
29.浜見小学校 体育館北小屋雨どい下 0.25→0.07
30.大越小学校 ゴミ集積所雨どい下 0.22→0.08
31.大越小学校 ゴミ集積所雨どい下 0.24→0.10
32.亀井野小学校 体育器具庫 0.30→0.07
33.滝の沢小学校 体育館北側倉庫前 0.37→0.05
34.大鋸小学校 体育館裏土砂置場 0.24→0.06
35.大鋸小学校 プール裏LPG横 0.46→0.07
36.天神小学校 プレハブ渡り雨どい 0.37→0.14
37.天神小学校 プレハブ渡り雨どい 0.28→0.10
38.高谷小学校 プール脇倉庫 0.29→0.06
39.高谷小学校 プール脇倉庫 0.21→0.05
40.小糸小学校 職員玄関脇側溝 0.39→0.08
41.大清水小学校 土砂置場 0.21→0.08
42.石川小学校 中庭桝 0.20→0.08
43.明治中学校 ゴミ小屋裏 0.21→0.09
44.鵠沼中学校 校舎裏雨どい 0.26→0.08
45.鵠沼中学校 昇降口脇雨どい 0.20→0.16
46.御所見中学校 体育館渡り雨どい 0.27→0.11
47.湘洋中学校 技術科室前雨どい 0.26→0.06
48.湘洋中学校 体育館雨どい 0.22→0.09
49.長後中学校 体育館東側雨どい下 0.19→0.16
50.長後中学校 体育館器具庫裏校舎側 0.35→0.07
51.長後中学校 体育館北側地下1階 0.20→0.10
52.長後中学校 校舎雨どい保健室側 0.21→0.17
53.藤ヶ岡中学校 校門脇雨水桝 0.26→0.06
54.藤ヶ岡中学校 体育館雨どい 0.20→0.16
55.善行中学校 体育器具庫雨どい下 0.25→0.06
56.大庭中学校 体育器具庫雨どい下 0.22→0.07
57.湘南台中学校 渡り雨どい 0.20→0.13
58.湘南台中学校 渡り雨どい 0.20→0.13
59.高倉中学校 堆肥置場 0.20→0.06
60.南市民図書館 館外出入口脇雨どい下 0.246→0.082
61.大庭保育園 階段下 0.191→0.072
62.善行乳児保育園 縦樋下(ボイラー室) 0.192→0.110
63.藤が岡保育園 玄関左側縦樋下 0.217→0.091
64.藤が岡保育園 玄関右側縦樋下 0.319→0.085
65.六会保育園 縦樋下(物置裏) 0.583→0.131
66.辻堂児童館 雨どい下 0.249→0.076
67.高倉憩いの森 散策路脇巨木根元 0.330→0.09
68.花ノ木第二公園 東側擁壁下植栽 0.228→0.072
69.大鋸東公園 入口側溝 0.264→0.068
70.ふじがおか幼稚園 縦樋下(門扉右側) 0.273→0.083
71.片瀬山幼稚園 玄関脇雨水貯留槽排水口下 0.351→0.185
72.滝の沢中学校 職員玄関脇雨水桝周辺 0.23→0.06
73.教育文化センター 玄関右縦樋下 0.471→0.117
74.教育文化センター 玄関左縦樋下 0.728→0.111
75.教育文化センター 大会議室東南角縦樋下 0.900→0.092
76.西部学校給食合同調理場 車庫脇 0.238→0.095
77.第1収蔵庫 建物東側デッキ下 0.423→0.071
また、学校給食食材については、放射性物質が1kgあたり、40ベクレル以上検出された場合は、使用しないこととしています。測定結果は、ほとんどの食材が検出下限値である3ベクレルを下回っていましたが、茨城県産のさつまいもから、セシウム134が、4ベクレル、セシウム137が6ベクレル。大分県他3県産の乾しいたけから、セシウム137が6ベクレル、茨城県産のれんこんから、セシウム137が4ベクレル検出されましたが、いずれも、使用基準の40ベクレルを下回っています。また、1週間分の食材を合わせてミキサーにかけたものを測定した結果についても、同様の結果となりました。また、公立保育園の給食食材については、検出下限値である3ベクレルを下回っていました。
宮戸委員
松本市長の講演でも内部被ばくの危険性の話があった。除染は、だれが、どのような服装でしているのか?→教育委員会職員と学校用務員で除染。ゴム手袋、マスク、長靴で作業している。
防護服でなくて大丈夫なのか?→7/15に福島県内における地域での清掃について防災マニュアルが出され、一般的な除染は、このような服装で大丈夫とされている。
給食食材の検査にかかる費用は?→小学校は、995,400円。保育園は約130万円。
職員の通常業務以外で測定・除染している。東電に費用請求するのか?→2/8に内閣府大臣へ市長会を通じて、緊急要望を提出し、事故に伴う各市の実態を伝えている。
市川委員
局所的に放射線の高い場所の根拠は?→国が出しているガイドラインに沿っている場所。雨どい、排水溝、落ち葉だまりなどが例示されている。
この表以外の場所はないのか?→社会教育施設は93か所測定し、ホームページに掲載している。
市民からの通報の場所はどのくらいあるのか?→8か所。最初が鵠洋小学校。
学校給食の安全性は担保されているということか?→1月から毎日検査しているので安全。
除染した土の今後の処理は?→敷地内に埋められないものについては、市役所東館の倉庫に保管している。
脇委員
学校のビオトープや観察池の測定をするべきと思うが?→測定して結果を知らせる。
日光の修学旅行について、どうしていくのか?→現地と連絡を取り合っており、校長会でも現地に行って、測定してきたい。
加藤(なを子)委員
4月以降の給食食材の検査費用は?→小学校496万円、保育園643万円を予算計上している。
さつまいもや、乾しいたけ、れんこんから、セシウムが検出されている。40ベクレル以下だから使っているが、産地を変えられないか?→かなり低い数値だが、これが安全という数値はないので、産地の変更についても検討していく。
ミキサー検査について、高い数値が出たら、何の食材が高かったのか、分かるのか?→疑わしい食材から検査していく。食中毒の事態のために、冷凍保存しているので、解凍して検査する。
骨ごと食べる魚に危険性があると学習会で聞いたが?→骨ごと食べる食材にシシャモがあるが、ノルウェー産なので安全と考える。
民地で高い数値が出た場合、特にコンクリートとかの除染は難しいが?→高圧洗浄機の貸し出しを前向きに考えたい。
報告(3)藤沢市中学校給食検討委員会中間報告について
藤沢市では、1976年当時で、12校あった中学校のうち、センター方式で7校で給食を実施し、5校は実施できず、統一的な給食の提供が出来ていませんでした。そして、残菜の増加、授業時間に差が出る、未実施校での給食実施が見込めない、などの理由から、1980年に中止となり、以降は全校でミルク給食となりました。
給食終了後は、家庭からの弁当持参が原則となりましたが、経済、社会情勢の大きな変化、核家族化や女性の社会参加など、とりまく環境に変化がみられるようになりました。そのような状況の中で、家庭からの弁当持参以外の昼食の提供を望む声が聞かれるようになったため、2003年から、弁当持参が困難な家庭の補完事業として、中学校での弁当販売を開始することとなりました。導入から10年が経過し、弁当の販売個数が伸び悩み、業者の撤退が相次ぎました。
検討委員会では、中学校給食を実施している厚木市と海老名市への視察実施、コスト比較などを行ったことなどを、中間報告にまとめたものです。
※コスト比較と特徴
①単独校方式
校内での建設になるため、用地取得の費用はない。建設費用は、4億円×19校=76億円。運営経費は、2,300万円×19校=4億3,700万円。食育、アレルギー対応、地産地消も小学校と同様の対応ができる。
②センター方式
2,000㎡程度の敷地が3か所必要となる。建設費用は、10億円×3か所=30億円。運営経費は、1億2,000万円×3場=3億6,000万円。アレルギー対応が簡単な除去食程度しかできない。また、食中毒が発生した場合、被害範囲が拡大する可能性がある。
③デリバリー方式
デリバリー方式は、栄養士が作成した献立に従い、学校外の民間事業者の調理場で、民間事業者が給食を調理して学校に配送する方式。
用地取得、建設費用は、かからない。運営経費は、利用率50%で2億2,400万円、利用率100%で4億4,800万円。別途、市費の栄養士が必要となる。食育は今後の検討課題。アレルギー対応は、献立に使用食材を明記し、保護者・本人が判断し除去する。「学校給食衛生管理基準」を満たす衛生管理を実施できる業者の確保が必要。
増井委員
全国的に取り入れている学校多くある。新しい市長になり、施政方針でも中学校給食について、デリバリー方式と弁当の選択制を早急に検討していくとなっている。検討委員会での議論は意味ないのでは?→市長は、早期の導入を検討しているが、教育委員会としては、アンケートを実施し、教育委員会としての考えを平成24年度に示していく。
教育委員会として結論を出していきたいとの事だが、市長の考えとは別に教育委員会としての考えを出すという事か?→教育委員会は独立した委員会である。委員会として、検討結果を出したうえで、市長部局と調整していく。
加藤(なを子)委員
デリバリー方式とセンター方式を視察しているが、単独校の視察はしないのか?→県内で単独校で実施しているところがなかったため。自校式も必要に応じて視察していく。
市川委員
最終的な報告はどのようになるのか?→これから検討するが、メリット・デメリットある。財政とも調整が必要。どこまでの報告になるか、今は、明言できない。
有賀委員
弁当販売の数少ない。弁当を持ってこない人数と販売数とのギャップを把握しているか?→持ってきていない生徒はいない。朝、コンビニで買ってくる生徒もいる。
給食である以上、食育を取り入れる必要ある。デリバリーの食育は?→海老名市のデリバリーの食育は、市の栄養士が発注しているので対応していた。
(4)本町小学校事業と多目的室の公的利用について
本町小学校の改築に合わせて、福祉団体等の公的利用スペースを学校内に設置するものです。
脇委員
複合施設にした経緯について、誰からの提案で、いつ、だれが決定したのか?→基本設計に入るときに開かれた学校とのコンセプトで設計に入った。その後、公的利用が入ってきた。
本町小学校は、いつ開かれた学校と決めたのか?→
最終的に複合施設に決まったのはいつか?→
★質問に対して、まったく答弁になっておらず、前市長によるトップダウンで決まったことが明らかになったと感じました。
宮戸委員
公的利用については、途中から出てきた話。南門つくり、公的利用者は安全面でルート変更した。南門の通常の状況は?→カメラ付きインターホンを設置する予定。
加藤(なを子)委員
全館オール電化だが、停電時は?→給食室もオール電化なので給食は提供できなくなる。
学校施設有効活用検討委員会は存続しているのか?→開かれた学校づくり検討委員会に名称変更した。
推薦された団体は複数か?→広く地域で活動している団体で目的外使用として固定。
多目的室の管理・運営は誰がやるのか?→利用団体。
以上、こども文教委員会の報告とします。