3月28日 10:20より、定例議会(6日目)が開催されました。内容(抜粋)については次の通りです。
1.議案第87号 平成24年度一般会計予算ほか11議案について、平成24年度予算等特別委員会で審議した結果、可決すべきものとなったことが、委員長である竹村議員から報告がされました。各会派の討論を経て採決、共産党が反対をしましたが、賛成多数で可決されました。
2.議案第99号 平成23年度介護保険事業費特別会計補正予算(2号)が、追加提案されました。この議案は、介護保険事業費特別会計予算に歳入・歳出、それぞれ23,166,000円を追加するものであり、厚生環境常任委員会に付託されました。厚生環境常任委員会を開催し、審議した結果、可決すべきとなったことが、委員長である大野議員から報告がされました。採決した結果、賛成多数で可決されました。
3.議案第100号 平成23年度一般会計補正予算(第9号)が、追加提案されました。この議案は、主に介護保険事業費特別会計予算の追加に伴うもので、委員会付託を省略。採決した結果、賛成多数で可決されました。
4.議案第101号 副市長の選任について、鈴木市長から、①石井恒男氏(現市民自治部担当部長兼六会市民センター長)②藤間豊氏(現議会事務局長)を副市長に選任したいと同意を求められましたので、採決の結果、全会一致で承認されました。
5.個人情報保護審査会委員の委嘱について、市議会に意見を求められました。5名のうち4名は留任、新たに、小林純二郎氏を委嘱するとの説明があり、了承されました。
6.議会議案第11号 「UR賃貸住宅を公共住宅として継続し、居住者の居住の安定を願う意見書」について、提案がされ、全会一致で可決されました。
7.議会議案第12号 「こころの健康を守り推進する基本法(仮称)の制定を求める意見書」について、提案がされ、全会一致で可決されました。
8.議会議案第13号 「原子力発電から撤退し、再生可能エネルギー政策の構築を求める意見書」について、提案されました。この請願に伴う意見書については、常任委員会での結果が本会議での採決により、覆ったため、起立採決を行いました。結果、賛成多数で可決されました。
9.善行地区における地域コミュニティ活動事業用地取得に関する調査特別委員会(百条委員会)の報告がされました。この最終報告の概要は次の通りです。
(1)住民の総意について
この土地の取得が、善行地区自治連の陳情に端を発したとされた以上、平成20年9月18日に自治連から提出された陳情が、住民の総意であったか否かは、委員会としての判断の大きな焦点であった。
本委員会での複数の証言から、住民の総意といえるものは全くなかったことが明らかとなった。
(2)土地の特定と取得決定の時期について
本陳情提出(9/18)以前の平成20年7月~8月の時期にすでに、この土地については、上からの指示で市民農園としての取得を決めていたと判断できる。
(3)取得の必要性及び、市の関与について
市民自治部及び、市民自治推進課は、土地開発公社への本件土地の先行取得依頼までに、その利用形態等を含め、十分な手順を踏んで、主体的に検討し、考え方の整理を行っていたと判断することはできない。
(4)取得の緊急性について
この土地は、隣接地所有者の協力がなくては利用価値は全くなく、一般的な不動産市場では、買い手がつかない土地と断定できる。この土地も、隣接地も、相続が一切発生していない状況の中では、緊急性があったと判断することは到底できない。
(5)土地取得に関する判断
市民農園としての利用にも適さず、他の目的での利用であっても、利便性が極めて悪く、隣接地所有者の理解、協力が不可欠であるなど、単独では利用価値の全くない土地であった。取得の前提であった善行地区内住民の陳情が地区の総意でなかったことや、取得の必要性、緊急性も一切見当たらず、まさに当初より、取得ありきで進められた案件であり、この土地の取得については、不当であったと判断する。
(6)取得価格の妥当性について
この土地は、平成15年に前土地所有者の松本氏が、不動産会社を介して、売り主の希望価格であった3,000万円で取得したものである。その後、松本氏は、平成20年3月頃、この土地の隣接地所有者に対し、不動産会社を介して、購入依頼をしたが断られており、その時の売却希望価格は6,000万円であった。
土地開発公社が小林鑑定士に依頼して行った不動産鑑定評価については、この土地への進入路が無いことや、畦畔の地積等について、十分な確認、調査を行わないまま鑑定評価をした結果、7月時点で出された単価63,000円/㎡と同額の単価による、総額1億1,198万7千円という評価額が出され、1億850万円で土地公社が購入することとなった。
一方、この土地については、いくつかの別の鑑定評価も示されている。
①平成22年6月に議員有志で行った不動産調査報告では、4,250万円という査定価格が示された。
②横浜地方裁判所で係争中の、土地公社からの用地買取り差止請求事件にかかる鑑定評価では、この土地に開発道路を開設することが法律上または、事実上不可能である場合については、2,666万円。法律上または、事実上可能である場合については、5,333万円との評価額が出されている。
③土地の鑑定評価額に大きな開きがあるため、本委員会として、改めて、多数の不動産鑑定士を擁する一般財団法人日本不動産研究所に鑑定評価を依頼した。その結果、不動産鑑定評価書において、この土地の平成20年12月1日時点の評価額は、農地として、2,760万円が示された。また、調査報告書では、宅地見込み地として、調査価格5,880万円が示された。なお、この調査価格は、隣接地の生産緑地が解除できるものとしての調査であり、事実上不可能である生産緑地の解除が条件として鑑定評価を行ったため、国土交通省が定めるガイドラインにより、鑑定評価ではなく調査報告としたものである。
小林鑑定士の不動産鑑定評価額の信憑性については、多くの点で、ずさん、不適切さが目立つ。実測図をうのみにして、自らが実測するなどをなんら行わなかったこと。隣接地の生産緑地について、鑑定書の中でまったく触れていないこと。土地公社に何も確認をしないまま、自らの判断で、隣接の生産緑地が解除されることを前提に評価を行い、評価上の種別を住宅地として評価を行っている。この土地は、無道路地、隣接地が生産緑地、近隣道路の幅員が開発に適したものとは言えないなど、極めて厳しい条件下にあることから、より慎重に不動産鑑定評価を行わなければならなかったはずである。それにも関わらず、土地公社への十分な聞き取りや、本市の関係課での調査も一切しておらず、自らの思い込みで評価していることは、適切な鑑定評価を行ったとは到底いえず、この鑑定評価は、国土交通省が定める「不動産鑑定評価基準」から逸脱した不適切なものであった。
★本件土地価格に関する判断としては、本委員会の依頼に基づく不動産鑑定評価書は、「不動産の鑑定評価に関する法律」に基づいて作成され、通常想定しうる付加条件のもとに行われた、適切な評価となっていること。また、調査報告書も、開発業務課と複数回にわたって調査を行うなどに加え、無道路地や隣接地が生産緑地であることを考慮した適切な条件を付して行われ、鑑定評価とせず、調査報告としたことを踏まえると、いずれも適正な鑑定評価および調査価格であると言える。
また、この土地に関しては、結果として、4人の鑑定士による鑑定評価が行われたが、小林鑑定士による鑑定評価額のみが突出して高い評価額となり、小林鑑定士を除く3人の鑑定士による鑑定額は、いずれも小林鑑定士の鑑定評価額に比べて3分の1ないし4分の1程度となった。このような結果を総合的に勘案すると、本件土地の不動産鑑定評価額については、本委員会が一般財団法人日本不動産研究所に依頼し実施された不動産鑑定評価結果の「2,760万円」は妥当であり、小林鑑定士が行った鑑定評価額「1億1,198万7千円」は著しく高額で不当であったと判断する。
(7)議会への説明、対応について
この土地の購入は、平成21年1月7日に土地公社が先行取得したものであるが、平成21年9月定例会の本会議において、先行取得の経緯などについて疑義が指摘されるまで、何回もの定例会があったにもかかわらず、都市計画決定に基づかない本件土地の取得や取得理由、事業計画など、議会に対して、何も説明も報告もされなかった。更に、事実確認と称する会議が開催され、答弁調整を行ったことについて、本委員会の中で、当初、会議の存在すら認めていなかった証人が、その後、他の証人の証言や新聞報道等により、開催の事実が明らかになるにつれて、これを認める証言内容に変更していったことは、まさに議会を軽視し、愚弄したものと言わざるを得ない。このような議会に対する、市側の行為は許し難く、このことに対する海老根前市長、新井前副市長をはじめとする前市理事者の責任は極めて重大である。
★結論
本委員会の調査に基づき、藤沢市長に対し、次の措置を講じることを求める。
(1)本件土地の買戻しについて
市は、本件土地を買い戻さないこと。
市は、この土地を土地公社から買い戻すべきではない。土地公社は、市が買戻しを行わないと決定した場合、前土地所有者に対し、買い戻すことを含めて、購入者を探す、あるいは、土地の借り手を探すなど、損害の最小化をめざして、積極的な努力をすべきである。
(2)責任の追及について
①海老根前市長等の不当な土地取得に対する責任追及をすること
この土地は、単独では利用価値が全くない土地であり、当初、市が取得の根拠とした善行地区の陳情についても自治連会長が単独で行った地区の総意を装った陳情にすぎず、土地取得の必然性や納得のいく購入理由については、全く見出すことができなかった。土地購入の実現に大きな貢献をすることとなる地区の総意を装った陳情を行った、板垣自治連会長の責任は大きなものがあり、本件土地の取得が、結果として前土地所有者の松本氏を不当に利するものとなった。市にとって不要不急な本件土地の購入を先導的に推し進め、これを実現させた、海老根前市長、新井前副市長、舘野前市民自治部長の3名の行為や、偽りの陳情を行った板垣自治連会長のした行為は、いずれも刑事上の責任が発生する可能性が極めて高いことから、市は、刑事上の責任追及について、適切に対処するべきである。
②小林鑑定士が行った不当な鑑定評価に対する責任を追及すること
小林鑑定士が行った鑑定評価は、「不動産鑑定評価基準」に則っていないずさんで不適切なものであった。この鑑定評価額は、土地公社が本件土地を購入する際の売買金額に大きな影響を与え、その行為は極めて重大な責任を伴うものである。不動産鑑定士は、不動産鑑定五訓を遵守する義務があるにもかかわらず、誠実に鑑定業務を行わなかったこと、専門職業家としての責任感を欠き、安易な妥協をしたことは極めて遺憾であり、不動産鑑定士としての資質を疑うものである。従って、社団法人日本不動産鑑定協会に対し「懲戒請求」を行い、小林鑑定士が行った鑑定評価について調査、審査を依頼すること。同時に、不動産の鑑定評価に関する法律第42条に基づき、国土交通大臣に対して「措置要求」を行い、責任追及を行うべきである。更に、小林鑑定士の行為も刑事上の責任が発生する可能性もあることから、市は、刑事上の責任追及についても、慎重に検討するべきである。
③海老根前市長をはじめ、本件に関与した者に対し、損害賠償請求をすること
今後、市が買戻しを行わないことで生ずる土地公社の損害、あるいは、債務負担行為を行っている市に生ずる損害については、海老根前市長、新井前副市長、舘野前市民自治部長の行為、職責等に鑑み、不要不急な土地を先行取得させたことに対する責任は、逃れられるものではなく、主に、この3名に対し、土地公社や市は、その損害が発生した場合、賠償請求を行うべきである。その他の職員については、その関与の度合いや職責、果たした役割の大きさに等に応じて、損害賠償の内容を適切に判断し、請求を行うべきである。
★告発
舘野前市民自治部長の証言については、9月18日の陳情提出者の証言と食い違いがあり、信憑性はないと判断できる。更に、9月19日とされる土地の特定についても、他の証言、記録からも、必ずしも事実を述べているとは言えず、9月22日に本件土地を特定する明細地図が沖山前経済部長にわたってしまった不都合さを隠すために偽証を行ったとも考えられる。本来不要であった土地取得の事務手続きを主導した舘野前市民自治部長の偽証は重いものである。
板垣自治連会長は、本件土地の特定について、証言に全く一貫性がなく、証言態度も極めて不誠実であり、到底真実を述べているとは言い難い。陳情文の作成に関する証言や、善行市民センター長とのやりとりに関する証言など、本件土地購入の直接のきっかけとなった善行地区の総意を装った陳情を行ったことを隠すための偽証であることは否定しがたく、本委員会における板垣自治連会長の数々の偽証も、また重いものである。
小林鑑定士は、土地公社から正常価格での鑑定評価を依頼されているにも関わらず、必ず問題となる生産緑地の解除について、「公共なら解除は可能である」と証言し、また、評価そのものに関連して、「事業目的に沿った評価が必要である」「固定資産税の評価額を考慮すべき」などの証言を行った。更に、「公共用地の損失補償基準という法律に則って」最大の補償を行うことを考慮した鑑定であるとまで言い切ったが、そのような法律は存在しない。専門性の高い不動産鑑定士としては、信じがたい偽証である。当初から意図的な鑑定を行ったこと、あるいは、ずさんな鑑定を行ったことを隠すための偽証と受け取られ、小林鑑定士の責任も極めて重い。
以上のことから、上記3名の証人の証言に信憑性はなく、それぞれ、本件にかかわる不都合な事実を隠すために虚偽の証言を行ったと認定する。よって、本委員会は、地方自治法第100条第9項の規定により、舘野前市民自治部長、板垣善行地区自治連会長、小林不動産鑑定士の3名を告発するべきと判断する。
★見解
今回の土地取得の一連のプロセスのどこかで、誰か1人でも、適切で正しい対応や判断をしていれば、この土地の取得は成立していなかった可能性があり、そのような制御が全く働くことがないまま、当時の経済部の職員を除く、すべての関係者が、土地の取得に向け、突き進んでいった背景には、依頼者側あるいは、市当局の内部に何らかの強い力が働いていたと言わざるを得ない。本件土地については、まさに「購入ありき、購入価格は1億円」との前提があって、全てが始まったと見るべきであろう。
終わりに、藤沢市議会史上初めて設置された地方自治法第100条の調査特別委員会での様々な事実経過と最終報告の内容を踏まえ、市当局は、本委員会の指摘に対して、適切な措置を講じ、市民のための市役所として、早急に生まれ変わること。そして、我々市議会も二元代表制の一翼を担う機関として、自らの身を正し、厳しく市政のチェックを行って、市民福祉の向上と、市民生活の充実に向け、努めていくことを改めて確認し合い、本委員会としての調査を終了とする。
以上、概要の報告とします。
この最終報告について、全会一致で確認し、調査を終了することとなりました。
次に、虚偽の陳述に対する告発について、提案され、全会一致で可決しました。
以上、定例会(最終日)の報告とします。なお、予算等特別委員会の報告について、報告しきれていませんので、なるべく早く、報告・更新するよう努めてまいります。