2012.6.12 厚生環境常任委員会

 6月12日 9:30より、厚生環境常任委員会が開催され、傍聴出席しました。審議の内容(抜粋)は、次の通りです。

 請願24第1号 武田薬品工業研究所との間に、関係市民・専門家も参加した安全協議会の設置を求める請願

 この請願は、バイオ・医療関係の専門家を加えた安全協議会の設置を求めるものであり、その設置、委員を広範な市民からの公募、傍聴を広く保証することなどを、市に働きかけるよう求めるものです。

青木委員

 昨年11/29に水漏れ事故あったが、対応に多くの問題があった。対応マニュアルについて市の見解は?→マニュアルに不備がっあったので、改善指導した。

 事故後のマニュアルの改善内容は?→時間のロスがないよう、マニュアルを現場ですぐ分かるように改善した。

 文科省の立ち入り検査の報告、改善されたのか?→報告の遅れについては、文科省とともに鎌倉市、藤沢市に報告するよう指導した。

 外部の機関とは?→取引業者は武田として公開しない。報告書としてまとまった段階で、公開するよう依頼していく。

 研究所のレンタルについて、事故が起きた場合の責任の所在は?→武田の研究内容と合致した場合、共同研究となるので、責任は武田にある。

 マニュアルを市が検証するべきだが?→しっかり見て確認している。

土屋委員

 事故後の対応について、エタノールを流したとのことだが、滅菌できるのか?→文科省が遺伝子組み換え生物の拡散防止の有効な手段としている。

 エタノールの下水道への影響は?→少量で希釈されているので問題ないと考える。

 事故後のマニュアルは公開になっているのか?市は確認しているのか?→標準手順書は公開されていない。市も持っていない。

 排水系統図が非公開だったが公開となった経過は?→公開請求があった時点で武田側に意見照会したところ、非公開にしてほしいとのことで、検討して結果、非公開としたが、情報公開審査会で審査した結果、問題ないとの答申が出されたので、公開した。

 市民のチェック機能について、傍聴できるよう要求してきたが、連絡会では、どのような意見出ているのか?→不規則発言があるのでは、ざっくばらんな話ができないなどで、認めていない。

 連絡会でチェックできるのか?専門家いるのか?→専門用語などは市職員が、説明して町内会長の理解を得るようにしていきたい。

 連絡会は、武田がやっていることをチェックするもの。専門家を入れていくことについて、市の見解は?→チェックの重要部分は安全面。排水や排気など、市の職員ノウハウ持っている。遺伝子組換えなどを議論するものでなく十分対応できている。

 安全協議会は必要と考えるが、市の見解は?→町内会長に理解できない内容については、市で対応していく。

永井委員

 市民からの質問・要望あった場合の流れは?→市として、出来る限りの対応をしてほしいと武田に伝えている。

 国や県との連携は?→文科省の担当との連携、県の衛生研究所とも情報交換している。

 市内に武田以外にバイオ施設はあるのか?→日大がP2レベルの実験をしている。

有賀委員

 カルタヘナ法について、武田の組織的な対応は?→文科省で、実験内容に沿って対応が決まっている。社内の安全委員会(弁護士・産業医含む)で審査し疑問生じた場合は、文科省に確認をとる手順になっている。

 市の職員配置はどうなっているのか?→化学職が中心だが工業化学、生物化学などを履修した職員が従事している。

 生物的な専門職員の採用など人事戦略は?→保健所にも生物化学や獣医師もいる。武田専属の職員配置ではないが、適正に配置していく。専門性の高い配置は、一般職員としての採用、非常勤特別職がある。大事な視点は、市民の安全・安心を守るためには、何が必要かで、一般職員を1人採用すれば、生涯コストとして約3億円かかる。そのことも踏まえて、どこまで必要なのかを判断していく。化学職を配置しているが、職員が前向きに知識を得る努力が必要で、研修などで専門性を向上させていく。

 有機炭素測定器の自動測定とは?→全ての有機化合物を測定できるもの。武田の15棟すべてにTOC測定器を設置、中央監視室で監視している。

 質疑の後、採決し、賛成少数で不採択となりました。

 ★私は、この請願について、安全委員会を設置することが目的になっていると感じました。市民の安全確保、情報の提供、要望の実現などが、本来目的となるべきであり、安全委員会は一つの手段にすぎません。請願者は、現行の市の対応に不満であれば、目的を達成する手段として、窓口である、市に対して、対応強化を求めることなどを、まず、するべきと考えます。

 報告(1) 福祉拠点整備の見直しについて

 辻堂の湘南C-Xに整備予定の福祉拠点について、昨年12月の見直しに続いて、新たな見直しをすることとなりましたので、報告がされたものです。

 当初計画(平成23.6)→前回の見直し(平成23.12)→今回の見直しの順で、報告します。

 ①ふれあいセンターの一部機能の移転→移転中止(再整備の検討)→見直しなし

 ②生きがい福祉センターの一部機能の移転→移転中止(再整備の検討)→見直しなし

 ③高齢者・障がい者・子育て団体等の交流サロン・団体コーナー→変更なし→開設中止

 ④高次機能障がい者・発達障がい者活動スペース→見直しなし→見直しなし

 ⑤ボランティアセンター→見直しなし→玉半ビル(鵠沼東)へ変更

 ⑥(仮称)成年後見相談センター→見直しなし→玉半ビル(鵠沼東)へ変更

 ⑦当初なし→明治地域包括支援センター→見直しなし

 ⑧当初なし→見直しなし→明治地区ボランティアセンター

 見直しの結果、④⑦⑧の3施設が、湘南C-X内のビルに設置されることとなりました。開設時期は、平成24年9月を予定しています。

土屋委員

 入るビルは、2階と5階だったが、見直しにより、2階だけで5階は借りないのか?また、2階だけでも面積余るのでは?→5階は全て中止。2階のみで、約1,700㎡のうち700㎡整備をする。市以外の部分は民間テナントが入る予定。

 交流サロン・団体コーナーの中止について、団体等への説明は?→昨年8月に説明し、意見・要望を12月議会に報告した。中止については、6月議会後、改めて説明していく。

 入るビルのバリアフリーなど対応は?→専用スペースの中にエレベーターを設置、障がい者等が車から乗れるようにする。2階から地下への避難滑り台も設置、みんなのトイレも設置する。

 ボランティアセンター、成年後見相談センターについて、社会福祉協議会は納得しているのか?→了承いただいた。

 当初案から、ずいぶんと変更となったが?→総合計画の継続事業として進めてきた。当初計画の中で、ふれあいセンター・生きがいセンターの老朽化で移転計画したが、利用者から意見あり、変更とした。利用者から事前に十分な意見を聞けなかったことを反省している。

原委員

 C-Xの5階が中止となったが、借りることを前提に進めてきた。貸す側の計算くるったと思う。相手側との話し合いは?→昨年6月に初めて考え方を示した。相手オーナーには、2階・5階をお願いした。昨年12月で生きがい・ふれあいの5階半分がなくなった件は、円満に了承得た。今回、5階全て中止となったが、誠意をもって説明し了解得た。

 明治地区ボランティアセンターが入る必要性は?→明治地域包括支援センターが入る予定となっている。ボランティアセンターと包括支援センターが近いところで連携できるため。

 ふれあいセンター・生きがいセンター老朽化に伴う、具体的スケジュールは?→既存の敷地で再整備できないか検討している。

 再整備するなら、何十年か先を見越して、どのような機能を入れていくか、市の考えは?→社会福祉法人が担っている部分あり、今後、何が必要になるか、十分考えて進めていく。

有賀委員

 福祉拠点への期待あったと思うが?→駅の近くにあったら便利などの意見が寄せられていたが、今までの環境の方が良いということもあり、総合的に判断したもの。

 報告(2) 平成23年度藤沢市民病院医療事故等の報告について

 藤沢市民病院では、医療の透明性を高め、市民・患者の知る権利に応えるなど、社会的責任を果たすことを目的として、平成17年9月に「藤沢市民病院医療事故公表基準」を策定しました。この基準に基づき、平成23年度の医療事故等について報告がされたものです。

 「インシデント」

 日常医療の場で、間違った医療行為が実施される前に気が付き、患者さんに実施されなかったものなど、結果として、患者さんに大きな影響を与えなかったもの。

 ①レベル0:間違った医療行為が実施される前に気が付き、実施されなかった。→67件。

 ②レベル1:患者への実害がなかった→824件。

 ③レベル2:処置や治療は行わなかった→226件。

 ④レベル3a:簡単な処置や治療をを要した→65件。

 「アクシデント(医療事故)」

 患者が本来持っていた疾病や体質などの基礎的条件によるものではなく、医療において、その目的に反して生じた有害な事象。

 ⑤レベル3b:濃厚な処置や治療を要した→18件。

 ⑥レベル4a:永続的な障害や後遺症が残ったが、有意な機能障害や美容上の問題は伴わない→0件。

 ⑦レベル4b:永続的な障害や後遺症が残り、有意な機能障害や美容上の問題を伴う→0件。

 ⑧レベル5:死亡→0件。

土屋委員

 過去5年間の推移は?→インシデントは、平成19年度727件・20年度740件・21年度737件・22年度935件・23年度1181件。アクシデントは、19年度40件・20年度29件・21年度43件・22年度56件・23年度18件。

 レベル1~3bについて、患者への説明は?→患者・家族に説明、同意を得ている。

 病院のスタッフ不足が原因ではないか?配置数と100床当たりの看護師数は?→もっとも手厚い患者7人に看護師1人の7対1看護体制。平成22年度で、88.1人/100床。

 職員への徹底は?→事象報告を院内会議でしている。また、ニュース等で周知したり報告会を実施している。

 原因の究明は?→平成22年10月から、新システムを導入し、8項目に分類、ヒューマンエラーなのか設備に問題があるのかなどを分析し、見あった対策を講じている。

 報告(3) 市民病院再整備事業の概要等について

 市民病院の再整備について、5月に大成建設と(株)と契約が締結され、整備の概要・今後のスケジュールが示されましたので、報告するものです。

 「事業の概要」

(1)構造・面積

 ①新東館:鉄筋コンクリート造・免震構造、地上8階

  建築面積:4,340㎡、述べ面積:26,873㎡

 ②その他(別館、救急ワークステーション、渡り廊下、ポンプ室)

  建築面積:1,172㎡、述べ面積:3,9773㎡

 ③合計

  建築面積:5,512㎡、述べ面積:30,850㎡

(2)契約金額:83億7,900万円

(3)工期:平成24年5月31日~平成29年5月10日竣工予定

(4)主な整備内容

 ①より質の高い医療の提供(1フロアに集約された画像センター・1フロア2看護単位など)

 ②患者満足度の高い医療の提供(豊かな眺望と広い病室・ユニバーサルデザインの配慮など)

 ③地域に開かれた病院(緑あふれるポケットパーク・なんでも相談コーナーなど)

 ④災害に強い病院(高性能免震装置・浸水対策として地下階のない建物など)

 ⑤環境に優しい病院(再生可能エネルギーの利用などによるCo2削減など)

(5)周辺住民への配慮

 ①工事近況報告会を毎月1回以上開催。近隣対応責任者を常駐させるなど。

 ②近隣からの問い合わせに対して、24時間対応の専用電話を設置するなど。

 ③騒音・振動・粉じんについて、極力抑制するなど。

(6)地元企業の活用

 請負金額の30%以上の金額を地元企業に下請け発注する。また、作業所運営に必要な物品・サービスは100%市内業者から調達するなど、市内企業の活性化を図る。

土屋委員

 工事の説明会はいつごろから実施するのか?→これまでも地域経営会議で説明をしてきた。自治会連合会総会でも説明をしてきた。7月中旬には旧看護師寮の解体を行うので、6月末から7月上旬には説明会を開催する。

 病院の裏には、小・中・高の学校があり、通学路がある。学校への説明は?→通学路あるので、着工前に各学校に説明していく。

 手前の駐車場から、特に障がい者など、雨に濡れないで院内に入れるのか?→平面駐車場に障がい者用駐車場つくる。そのようにしていきたい。

 工事の影響について、ベット・医療の制限などあるのか?→制限は考えていない。

 契約金額の妥当性について第三者の意見聞いているか?→三菱総合研究所に確認し意見聞いている。平成21年度の延べ面積当たり単価平均が27.7万円で、今回の整備単価は、27.2万円なので、妥当との見解である。

 職員の意見反映は?→スタッフに内容を周知し、意見聞いた。現在、一部内容の修正について協議している。

以上、報告とします。

 

 

 


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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