2012.11.6 四日市市議会 視察

 11月6日、議会運営委員会で四日市を視察しました。視察の目的は、現在、藤沢市議会で取り組んでいる議会改革について、先進事例として研究し、藤沢市議会の改革に活かすことです。四日市市議会の議会改革の特徴的な取組内容(抜粋)は、次の通りです。

1.正・副議長の立候補制の導入

 平成22年5月から所信表明に対する質疑を行うことを可とした。

2.議会基本条例の制定

 平成23年5月に制定。

3.議決事件の拡大

 平成22年9月議会で総合計画の基本計画を議決事件に。平成23年6月議会で基本構想を議決事件に。

4.予算・決算の審査方法

 平成21年度から、予算常任委員会・決算常任委員会を常任委員会の所管ごと(藤沢に例えると、建設経済・厚生環境・こども文教・総務)の4分科会を設置し、各分科会で審査を行い、①付帯決議を付すべきもの②修正すべきもの③複数の分科会に係るものについては全体会で審査するものと区分けした。

 ★この予算・決算審査は、藤沢市議会とは違う審査の方法です。現在、藤沢の議会改革検討会では、予算等特別委員会を常設の委員会として、審査する方法に変更していく議論がされています。また、四日市市議会での決算常任委員会の日程をみてみると、分科会に5日間、全体会を2日間となっており、藤沢市議会より、多くの時間をとり審査がされています。

5.通年議会の導入

 平成23年5月より、通年議会を導入。

 ★四日市市議会の議会改革で最も特徴的だったのは、この通年議会だと思います。通年議会とすることで、議長により速やかに本会議を開くことができ、災害などの突発的な事件や緊急の行政課題に対応が出来るようになったとの事でした。また、専決処分についても、原則、緊急議会を開催し審議することとなっているとの事です。

 通年議会のイメージですが、藤沢市議会に置き換えると、5月の臨時議会を開会議会とし、6月議会までは休会。そして、6月議会と9月議会の間、9月議会と12月議会の間、12月議会と2月議会の間が休会となります。ですから、現状とあまり変わらないことになります。ただし、通年議会ということで、議員は年4回の議会しか働いていないというような、市民からの批判は軽減されるかもしれません。通年議会でなくとも、年4回の議会以外に議員として必要な活動(仕事)をしていることを、しっかり市民に報告し、理解を得られるように努めなければならないと思います。

6.反問権

 平成23年5月から、市職員が質疑を行った議員に対して、反問が出来ることとなりました。反問には、議論の明確化に加え、市職員から議員の考え方を問い返したり、対案の提示を求める「反論」も含まれるとの事です。

 ★藤沢市議会の議会改革検討会では、この反問権について、市長・副市長・教育長だけに付与することで調整しています。その点では、四日市市議会の方が、進んでいると感じます。議員も反論に対する対案を、事前に十分考えて質疑をするなど、ただ質問しているのではなく、質を高める必要があると思います。 

7.文書質問

 平成23年5月から、議会期間中を除き、文書により市側に質問ができるもの。

8.議会報の充実

 平成24年2月から、議員個人の表決および討論等の内容を掲載。

9.本会議のテレビ放送

 平成23年6月から地上デジタル122chで放送

10.市議会モニターの設置

 平成24年度から、従来の推薦に加え、公募による募集を開始。

11.シティ・ミーティングの開催

 平成18年度から、議会が地域に出かけ、市民へ議会活動について説明・報告し、市民の要望を把握する意見交換会を開催。

12.議会報告会の開催

 平成23年9月より、定例議会ごとに議会が直接地域に出かけ、議案の審査における議論経過や結果など、議会としての考え方を市民に報告する場として開催。第1部を議会報告会、第2部をシティ・ミーティングとして実施。

13.議会事務局の体制整備

 一般職員15人+嘱託職員1人+臨時職員2人=18人体制であり、藤沢市の議会事務局にはない、調査法制係と広報広聴係が担当として配置がされています。藤沢市の議会事務局でも同様の業務を行っているわけですが、議会改革に伴う新たな業務に対応するためには、事務局体制の充実が必要と考えます。

 今回の四日市市議会改革の取組については、藤沢市議会として議会改革検討会で議論している、もう一歩先を進んでいるように感じました。しかし、四日市市議会でも、最初から現在の形ではなく、改革・改善を重ねてきたものであります。まず、議会基本条例を制定し、改革を進めながら、精度を高めていけばよいと思います。

以上、報告とします。


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

アーカイブ