2013.2.4 議会改革検討会(議員全員対象)

 2月4日 9:30より、議会改革検討会が開催されました。今回の検討会は、検討会として、これまで約1年半にわたり議論してきた内容をまとめて、全議員に説明、確認を行うためのものです。内容の抜粋は次の通りです。

1.藤沢市議会基本条例

 この議会基本条例(案)は、検討会での議論を経て、素案をパブリックコメントにかけて、その意見を踏まえて修正されたものです。この案を2月18日に開催される、2月定例会の初日に上程し、採決を行う予定です。

【前文】

 市民により選ばれた議員で構成される議会は、同じく市民により選ばれた市長とともに、二元代表制のもと、市民代表として市民の負託にこたえる重要な役割と責任を担っている。また、地方分権の時代にあって、地方公共団体の自己決定権や責任の範囲が拡大する中、その果たすべき役割や責任はますます大きくなっており、議会は合議制の機関として、市民の意思を的確にとらえ市政に反映させなければならない。

 議会は、その市民の負託にこたえるため、市長等執行機関との立場や機能の違いを踏まえ、常に緊張関係を保ちながら、事務執行への監視機能の強化を図るとともに、政策立案及び政策提言機能等を十分に発揮することが必要である。

 藤沢市議会は、こうした状況を踏まえ、常に時代に対応した地方分権を先導する議会をめざして、一層の議会改革に取り組むとともに、公正性、透明性及び独自性を確保する中、より市民に開かれた議会運営を推進することにより、市民の負託にこたえるべく、ここに藤沢市議会基本条例を制定する。

「解説」前文では、二元代表制の基での合議制の機関である議会の役割りと使命を示しています。中段では、議会に求められている政策立案等の議会機能充実を示しています。最終段では、本市議会が目指す議会改革に対する考え方や条例を制定する目的などを示しています。

 

【第1章】総則

(目的)

第1条 この条例は、藤沢市議会(以下「議会」という。)の基本理念、議員の責務及び活動原則、議会運営の原則、市民や市長その他の執行機関(以下「市長等」という。)との関係等、二元代表制の基での議会の役割を明確にするとともに、議会に関する基本的事項を定め、市民にわかりやすい開かれた議会を実現することにより、市民の負託に応え、もって市民福祉の向上に寄与することを目的とする。

「解説」この条文は、本条例の目的として、「議会に関する基本的事項」「開かれた議会の実現」「市民の負託に応え市民福祉の向上を目指す」等、分権自治の時代にふさわしい、藤沢市議会のあるべき姿を規定しています。

(基本理念)

第2条 議会は、市民の意思を市政に反映させるため、市民の多様な意見を的確に把握するとともに、市政における最高の意思決定機関として、公正かつ適正な議論を尽くし、真の地方自治の実現に取り組むものとする。

「解説」この条文は、条例の基本理念として市民の多様な意見の把握について規定するとともに、市政における「最高の意思決定機関」としての明確な位置づけを、条文で規定するものです。

 

【第2章】議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第3条 議会は、市長等執行機関の事務執行について、公平性、透明性及び信頼性の観点から、適切に監視し、評価を行うものとする。

2 議会活動及び市政に関する情報を積極的に公開し、市民に開かれた議会運営を行うものとする。

3 市民の多様な意見を把握して、市政に反映させるための政策立案及び政策提言に積極的に取り組むものとする。

4 市民にわかりやすい議会運営を行うために、この条例のほか、藤沢市議会会議規則(平成15年藤沢市議会規則第1号)、藤沢市議会委員会条例(平成15年藤沢市条例第40号)及び議会内での申し合わせ事項等を継続的に見直すものとする。

「解説」1 市長等執行機関の事務執行への監視と評価を規定しています。2 積極的な情報公開と開かれた議会運営の実施を規定しています。3 政策立案や政策提言に積極的に取り組むことを規定しています。4 市民にわかりやすい議会運営のために、会議規則等を継続的に見直すことを規定しています。

(議員の活動原則)

第4条 議員は、議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを十分認識し、自由闊達な討議に努めるものとする。

2 議員は、市政全般の課題について、市民の意思を的確に把握するとともに、一部団体または地域にとらわれず、市民全体の福祉の向上に努めるものとする。

3 議員は、不断の研鑽と日常の政務調査活動を通じて、自らの資質の向上に努め、市民の代表としてふさわしい活動をしなければならない。

4 議員は、議会活動について、市民に対して積極的に説明するものとする。

「解説」1 合議制である議会の特性を踏まえた議員による自由闊達な討議に努めることを規定しています。2 市民の多様な意見等を把握しながら、市民代表としての議員活動に努めることを規定しています。3 不断の研鑽と資質向上に努め、市民代表としてふさわしい活動を行うことを規定しています。4 議会活動について、市民への説明責任を規定しています。

(会派)

第5条 議員は、議会活動を行うため、会派を結成することができる。

2 会派は、政策を中心とした同一の理念を共有する議員で構成し、活動する。

3 会派は、政策立案、政策決定、政策提言等に関し、必要に応じ会派間で調整を行い、合意形成に努めるものとする。

「解説」この条文は、実際、議会運営が「会派」を中心に行われていること、また、政務活動費も会派単位での支給になっていることなどから規定するものです。 

 

【第3章】議会運営の原則等

(議会運営の原則)

第6条 議会は、言論の府として議員の発言を保障し、かつ、議員相互間の討議等により、活発な議論が行えるように努めなければならない。

2 議会は、その機能が十分に発揮されるよう、円滑かつ効率的な運営に努めなければならない。

3 議会運営委員会、常任委員会及び特別委員会(以下「委員会等」という。)は、市政の課題に対応して機動的に開催し、それぞれの設置目的に応じた機能が十分に発揮されるよう運営しなければならない。

4 議長及び副議長の選出は立候補制とし、立候補する議員は、選挙に先立って所信表明を行うものとする。

「解説」1 本条例制定の一つの柱である「議員間討議」について、議会運営の原則として規定しています。2・3 標準的な規定として円滑かつ効率的な運営と目的に応じた役割や機能について規定しています。4 新たに「正副議長の公選制」を規定しています。

(議会の説明責任)

第7条 議会は、議会運営、政策立案、政策決定、政策提言等に関し、市民に対して積極的に説明するものとする。

「解説」この条文は、より開かれた議会、分かりやすい議会とするための規定として説明責任を明文化したもので、各議員の議案等に対する賛否の公表に努めます。

 

【第4章】市民と議会との関係

(市民の議会への参画)

第8条 議会は、請願および陳情を市民による政策提案と位置付けるとともに、その審議においては、これらの提案者の意見を聴く機会を設けなければならない。

2 議会は、委員会等において、参考人制度及び公聴会制度を活用して、市民の専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させるよう努めるものとする。

「解説」1 請願および陳情を市民の政策提言と位置づけ、提案者の意見を聴取する機会を設けることを規定しています。2 参考人制度及び公聴会制度を活用し、市民の専門的識見等を議会に反映させることを規定しています。

(広報広聴機能の充実)

第9条 議会は、市民に対し議会活動に関する情報を積極的に公表し、議会に対する市民の意思の把握及び意見を交換する場として議会報告会を開催するものとする。

2 議会は、広報広聴機能の充実を図るため、議員で構成する広報広聴委員会を設置する。

「解説」1 第2条の基本理念に示した「市民の多様な意見把握」と第3条の活動原則に示した「開かれた議会運営」を受けて、広報広聴機能の具体的取り組みとして「議会報告会」の開催を規定しています。2 議会報告会の準備等、広報広聴機能の充実に向けた取組をするために、議員による広報広聴委員会の設置を規定しています。

(情報の公開)

第10条 議会は、議会の役割、責任を明らかにするため、藤沢市情報公開条例(平成13年藤沢市条例第3号)との整合性を図りつつ、保有する議会活動に関する情報公開を図るものとする。

「解説」この条文は、本市においては、情報公開条例の中で、議会も実施機関の一つに位置付けられていることから、その整合性を図るために規定するものです。

 

【第5章】議会と市長等との関係

(市長等との関係等)

第11条 議会は、二元代表制のもと、市長等との立場及び機能の違いを踏まえ、常に緊張感のある関係を構築するよう努めなければならない。

2 本会議における一般質問および委員会等における質疑応答は、一括質疑のほか、広く市政上の論点および争点を明確にするため、一問一答による質疑方式が選択できる。

3 市長等は、本会議および委員会において、議長又は委員長の許可を得て、議案に対する質疑又は一般質問に対し、反問することができる。

「解説」1 議員と市長等執行機関との緊張感の保持について規定しています。2 一般質問および委員会等における質疑について、一括質問方式又は一問一答方式で行うことができることを規定しています。3 市長等執行機関からの反問権を定めています。※反問権の考え方→①議員または委員の質問主旨を確認する。質問の背景を確認する。②質問の根拠(引用された数値の出展、財政的根拠)の確認。③議員の考える対案を求める場合。議員または委員の意見への反論は出来ない。また、反問できるのは、市長、副市長、教育長とする。

(市長による政策提案の説明責任)

第12条 議会は、市長が提案する計画、施策、事業等について、議会での審議における論点情報を形成し、政策等に対する審議水準を高めるため、市長に対して、次に掲げる事項の説明に努めるよう求めるものとする。

(1)施策等を必要とする背景

(2)提案に至るまでの経緯

(3)市民参加の実施の有無とその内容

(4)市の策定する計画や条例との整合性

(5)財源措置

(6)将来にわたる効果および費用

「解説」この条文は、政策水準を高める議論を行うため、新規事業を提案の際は、上記6項目の資料提供に努めるよう市長に求めるものです。

(予算及び決算における施策説明資料の作成)

第13条 議会は、市長が予算案及び決算を議会に提出し、議会の審査に付すにあたっては、前条の規定に準じて、施策別または事業別の分かりやすい説明資料の作成に努めるよう、市長に対し求めるものとする。  

「解説」この条文は、市民の代表である議員が審議を深めるに資するよう、施設別または事業別の分かりやすい説明資料(評価書)の作成に努めるよう市長に求めるものです。

(議決事件の追加)

第14条 議会は、議決機関としての機能強化のため、地方自治法第96条第2項の規定により積極的に議決事件の追加を検討するものとする。

「解説」地方自治法第96条に定められる議決すべき事件(条例の制定・改廃、予算の決定、決算の認定、使用料・手数料等)のほか、議決すべき事件の追加を積極的に検討することを規定しています。

 

【第6章】議会機能の強化

(政策の立案及び提言)

第15条 議会は、市の政策水準の向上を図るため、政策立案機能の強化に努め、条例の提案、議案の修正及び決議等の政策提案に取り組み、市長等に対し積極的に政策提言を行うものとする。

「解説」この条文は、第3条「議会の活動原則」の内容を受けて規定するもので、自治体の自己決定権が拡大する中、議会の重要な機能である「立法権」の充実を規定しています。

(議員間討議)

第16条 議会は、議員による討論の場であることを認識し、議員相互間の討議を中心とした運営に努めるものとする。

2 議会は、市長提出の議案及び請願・陳情等の市民提案に関して審議し結論を出す場合、議員相互間において十分な討論、議論を尽くして合意形成に努めるとともに、その結果について、市民に対して説明責任を果たさなければならない。

「解説」この条文は、第4条「議員の活動原則」の内容と連動するものです。1 議会は、討論の場であることの確認、議員間の討議を中心とした運営に努めることを規定しています。2 議案及び請願・陳情等の審議結論を出す際に、議員間で十分に討論、議論を尽くして合意形成に努め、市民に説明責任を果たすこと(議会報告会の活用)を規定しています。

(研修及び調査研究)

第17条 議会は、議員の資質並びに政策形成および立案能力の向上を図るため、議員研修の充実強化に努めるものとする。

2 議会は、議案の審査又は市長等の事務に関する調査を行うため、学識経験を有する者等に対し、必要な専門的事項に関する調査を行わせることができる。

「解説」1 議員の資質及び政策立案能力向上のため、議員研修を充実強化することを規定しています。2 地方自治法改正等により設置が可能となった専門的事項の調査権について規定しています。

(政務活動費)

第18条 会派又は議員は、政務活動費を有効に活用し、積極的に調査研究及び政策提言を行うものとする。

2 会派又は議員は、政務活動費の使途基準に従い適正に執行し、常に市民に対して使途の説明責任を負うものとする。

「解説」この条文は、政務活動費の交付目的である調査研究、政策提言への取り組みを明確にするとともに、使途基準に基づいた説明責任を規定しています。

 

【第7章】議員の政治倫理

(議員の政治倫理)

第19条 議員は、市民の厳粛な信託を受けてたものであることを認識し、市民全体の奉仕者として人格と倫理の向上に努め、いやしくもその地位による影響力を不正に行使して自己の利益を図ることのないよう、市民の代表として良心と責任感をもって、市政に対する市民の信頼に応えるとともに、清廉かつ公正で、開かれた民主的な市政の発展に寄与することに専念しなければならない。

「解説」政治倫理について、他市議会等においては政治倫理を規定する条例を整備しているところもありますが、本市議会においては政治倫理規定の条例が整備されていないことから、本条例において規定しています。

 

【第8章】議会事務局等の体制整備

(議会事務局)

第20条 議会は、円滑かつ効率的な議会運営と議会活動の充実を図るため、議会事務局の調査及び法制機能の充実並びに議会事務局体制の整備に努めるものとする。

「解説」この条文は、議会における円滑かつ効率的な議会運営と議会活動の充実を図るため、議会事務局組織体制の整備について規定しています。

(議会図書室)

第21条 議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書室の充実に努めるとともに、これを適正に管理し、その有効活用を図るものとする。

「解説」この条文は、議会図書室の充実を図り、有効活用を目指すことを規定しています。

 

【第9章】最高規範性及び見直し手続き

(最高規範性)

第22条 この条例は、議会の最高規範であり、議会に関する他の条例、規則等を解釈し、または制定し、もしくは改廃する場合においては、この条例との整合を図るものとする。

2 議会は、議員にこの条例の理念を浸透させるため、一般選挙を経た任期開始後速やかに、新たな議員に対し、この条例に関する研修を行わなければならない。

「解説」1 議会における最高規範として位置付けることから、他の条例、規則等との整合が図られるべきことを規定しています。2 一般選挙後において新人(元)議員への条例の研修について規定しています。

(条例の見直し)

第23条 議会は、この条例の施行後、常に市民の意見、社会情勢の変化等を勘案し、必要に応じて検討を加え、その結果に基づき見直すものとする。

「解説」この条文は、条例の検証と見直しを規定しています。

附則

この条例は、平成25年4月1日から施行する。

 

2.請願・陳情の意見陳述

 請願・陳情者は、希望により、請願・陳情の委員会付託後、最初の委員会審査の際、趣旨説明(請願・陳情を提出するに至った思いや意見を述べる事)を行うことができることとしました。また、請願・陳情者に議員側から質問することもできることとします。なお、その場合は、事前に、議員側から発言通告書を出すこととなります。

 

3.議会報告会

 議会基本条例案の第4章に位置付けられている議会報告会について、まず、議会基本条例制定について「議会報告会」を開催することとします。日程等は次の通りです。

4月13日(土)

 ①御所見市民センター 14:00~15:30(1班)

 ②六会市民センター 14:30~16:00(2班)

 ③善行市民センター 14:00~15:30(3班)

4月14日(日)

 ①遠藤市民センター 10:00~11:30(1班)

 ②明治市民センター 10:00~11:30(2班)

 ③辻堂市民センター 10:30~12:00(3班)

 ④長後市民センター 14:00~15:30(1班)

 ⑤片瀬市民センター 14:00~15:30(2班)

 ⑥藤沢公民館 15:00~16:30(3班)

メンバー

1班 加藤(なを子)議員・佐賀議員・永井議員・原議員・松長議員・竹村議員・有賀議員・武藤議員・栗原議員・吉田議員・大野議員

2班 土屋議員・市川議員・桜井議員・青木議員・脇議員・井上議員・諏訪間議員・高橋議員・塚本議員・加藤(一)議員・増井議員

3班 柳沢議員・原田議員・佐藤(春雄)議員・佐藤(清崇)議員・浜元議員・山口議員・大矢(私)・柳田議員・友田議員・東木議員・宮戸議員

 

3.広報広聴委員会の設置

 議会基本条例で、議員で構成する広報広聴委員会を設置すると規定されることから、現在の議会報編集委員会を発展的に解消し、新たに、広報広聴委員会を設置することとなります。なお、所管事項は次の通りです。

①議会報の編集、発行に関する事項

②議会報告会の開催に関する事項

③議会ホームページの運用に関する事項

④その他、市民の意見把握に関する事項

 

4.予算等特別委員会での発言通告

 予算等特別委員会・決算特別委員会で、一問一答方式の導入に伴い、市側に事前通告をすることとなりました。通告は審査日の2日前までとし、事業費レベルでの通告とします。しかし、出来る限り、聞きたい主旨が分かるような通告とします。

 

5.補正予算常任委員会の設置

 補正予算について、総務常任委員会で審議をしていましたが、時間配分や負担の公平の観点から、補正予算を審議する常任委員会を設置することとします。

以上、報告とします。


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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