6月12日 9:30より、子ども文教常任委員会が開催され、傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。
議案第12号 藤沢市子ども・子育て会議条例の制定については、子ども・子育て支援法の一部が施行されたことに伴い、子ども・子育てに関する施策を推進するために必要な調査、審議などを行うために、合議制の機関を設置し、その組織及び運営に関する事項を定めるものです。条例の主なポイントは、次の通りです。
1.委員(25人以内で次の内、市長が任命する)
①市民
②子ども・子育て支援に関する事業に従事する者
③学校教育に従事する者
④主任児童委員
⑤事業主を代表する者
⑥労働者を代表する者
⑦子ども・子育て支援に関し、学識経験のある者
⑧市職員
⑨その他市長が必要と認める者
2.専門委員
専門の事項を調査するため専門委員を置くことができる。専門委員は、学識経験のあるものから、市長が委嘱する。
3.部会
会議に部会を置くことができる。
4.関係者の出席
会議において必要があると認めるときは、関係者の出席を求めて、その意見もしくは説明を聴き、または、必要な資料の提出を求めることができる。
竹村委員
委員の市民というのは、どのような方か?→国の法では、子どもの保護者となっているが、子育て中、子育てOB、これから妊娠・出産を希望している方などを想定し、市民と表現した。
子育てをしている保護者が、子どもを連れてきても大丈夫なようにすべきだが?→必要な保育は、可能な限り対応していきたいが、予算化されていないので、9月以降の補正予算で検討したい。
大野委員
条例制定の背景は?→待機児童の問題、子ども子育て環境の中で、不安もっている親が多いことなどから、法整備がされた。全国一斉に新たな施策を展開する。
今の予定では、消費税の引き上げで実施されるわけだが?→次世代育成支援法に基づき、保育所整備ガイドラインをつくり進めてきたが、緊急保育対策として待機児童解消加速化プランが発表された。制度のフレームは、平成27年度までに、待機児解消できるように進めていくものだが、具体的なものが示されていない。
国のスケジュールは?→基本指針が8月ぐらいに示される予定。その後、需要調査、計画を策定していく。
藤沢市の子ども・子育て会議は、いつ頃開催するのか?→7月下旬~8月上旬に第1回目を開催し、次世代育成支援行動計画の進捗管理を協議し、秋ごろには、需要調査、年末年始ころに、その結果分析、年度末に計画を策定していく。
専門委員を置くとなっているが、どう想定しているのか?→幼保連携課題を想定している。幼稚園・保育所の関係者のほか、関係する専門知識を持つ方などで。
部会について、どう想定しているか?→国から示される項目にもよるが、国の部会が、市でも必要なら設置をする。
委員で、その他市長が認める方とは?→今は、想定していないが、会議を進めていく中で、必要が生じた場合を想定して、入れている。
今回の計画について、他市とは違う部分あるか?→需要調査し、ニーズを把握していく。様々な意見を聞きながら、藤沢市ならではという計画にしていきたい。
土屋委員
政府の子ども・子育て会議と市の会議の関係性は?→直接の関係はない。国の会議で議論される事項について、市の子ども・子育て会議で議論し、決定していく。
基準が、市の子ども・子育て会議に降りてくるのか?→国で決定されたもので、市に裁量権あれば、議論していく。
市の子ども・子育て会議の役割は、諮問、答申という事でよいか?→そうではなく、事業計画などを定めるときに、会議に意見を聞いたり、PDCAをしていく役割を担う。
子ども・子育て会議の委員から、待機児解消のため、保育所を新設すべきと意見あれば、議論するのか?→保育所数は、県、国との調整が必要なので、その通り反映できるかは分からない。
保育基準について、面積基準の緩和が国でされた場合、市の子ども・子育て会議で、決められるのか?→基準は、県が条例で定める。市の子ども・子育て会議に決定する権限はない。
無理して、子ども・子育て会議を設置する必要あるのか?→子ども・子育てを推進していくために、出来る規定から、努力義務となったと捉えている。様々な意見を聞きながら進めていきたい。
この議案は、反対1(土屋委員)、賛成6(土屋委員以外の委員)で、可決すべきものと決定しました。
報告(1) 待機児童の状況と保育所整備について
この報告は、待機児童の状況と保育所整備について報告がされたものです。内容の抜粋は次の通りです。
1.待機児童の状況
平成25年4月1日現在の、認可保育所の待機児童数は、277人となり、昨年の379人に比べて、102人減少した。
【減少した理由】
①保育所の新設で、320人の定員拡大を行ったこと。
②藤沢型認定保育施設制度を創設し、6園を認定したことにより、当該施設で保育されている児童65人を待機児童数から除外したこと。
2.藤沢駅周辺賃借型保育所の整備計画の変更と進捗状況
(1)(仮称)藤沢もりのこ保育園
待機児童の状況、申込み状況を考慮し、当初計画より、定員を増やすこととした。これに伴い、準備期間が必要となったことから、開園時期についても変更したものです。
①設置場所 藤沢市鵠沼花沢町1-12
②変更内容
・定員の増 60名→70名(10名増)
・開園日の変更 6月1日→8月1日
(2)(仮称)にじいろ保育園藤沢
建物本体工事の着工が遅れたことにより、開園時期が変更となったもの。
①設置場所 藤沢市藤沢989-4他
②定員 80名
③変更内容 開園日の変更 9月1日→11月1日
3.公立保育所整備の進捗状況
(1)しぶやがはら保育園の移転について
平成28年4月からの新園舎での保育の実施を目途に、整備を進めていきたい。なお、現在のしぶやがはら保育園の今後については、待機児童の状況を踏まえ、今年度、検討を進めていく予定。
(2)高砂保育園の移転について
平成27年4月移転を目途に、UR都市機構と、役割分担の基本的事項を定める基本協定の締結に向けて、現在、協議を進めている。なお、移転にあたり現時点では、民説民営とする方向で検討を進めており、今後、保育内容等も含めて、保護者や関係団体と十分に調整を進めていく。
4.今後の取り組みについて
本年4月19日に国が発表した「待機児童解消加速化プラン」を活用し、待機児童の早期解消に向け、保育需要の多い地域を中心とする、賃借型保育所などの保育所整備をはじめ、様々な手法により、更に取り組みを進めていく。
大野委員
本市の在園者数と潜在待機児童数は?→在園者数は、4/1現在で、4,936人。今は、潜在待機児童とは言わず、申し込んでも入れない人数とし、1,136人となっている。
他市の保育所に入っている人数は?→他市からの受入れ、他市へ入園しているケースある。今、人数分からないので、あとで資料提出する。
県内の待機児童の状況は?→6/7の県の発表では、川崎市438人、藤沢市277人、茅ケ崎市174人、大和市147人、相模原市132人。
待機児童解消加速化プランの内容は?→6/6に国の方から、プランの実施方針が示された。賃借型方式、国有地の活用、保育士の確保、小規模保育、認可をめざす認可外への支援など。
横浜市は3年間で、待機児童をゼロにした。取組内容は?→認可施設を増やした。保育士の確保で、有資格者の掘り起こしをした。保育コンシェルジュを各区に配置、保護者の就労の状況により幼稚園の一時預かりを活用するなど、対応を図った。
保育コンシェルジュについて、本市としても、やっていくべきだが?→市として、幼稚園の預かり保育の状況を把握する中で、コンシェルジュを検討していきたい。
財源が厳しい中で、2年間での待機児童解消策は?→102人の待機児童減少したが、県内2位の待機児童数。平成27年度からの新制度を待ってられない。9月議会になると思うが、待機児童をゼロとする整備計画をまとめているところ。駅前賃借型、藤沢型認定保育制度、小規模保育などを含めて、トータルでゼロにしたい。今後、更に申込み増える中で、厳しいが、とにかくゼロをめざす。保育コンシェルジュについては、検討を進めたが、受け入れ先の問題、現在の庁舎ではコンシェルジュの配置は困難であり、入園担当をつくり対応をしている。今後、800人程度の受入れ園をつくる。財源の問題は、1人当たり、年間120万円市の負担となる。財源をどう捻出するか、国の方で、財源含めて支援していくとなっており、期待をしている。予防接種を含めて、トータルで子ども・子育てについて、財政全般を見直さなければならない。総合計画に代わる、新たな指針の中で、重点的な取組として考えていきたい。
土屋委員
申し込んでも入れない人数1,136人について、過去5年間の推移は?→平成20年度、336人/21年度、402人/22年度、726人/23年度、748人/24年度、1,082人/25年度、1,136人。
藤沢型認定保育施設と認可保育所の面積、保育士の割合、給食の基準は?→面積は、認可が3.3㎡以上で、乳児1.65㎡、2歳1.98㎡以上。藤沢型は、1.98㎡以上。保育士は、認可は有資格者、藤沢型は、3/4が有資格者。給食は、認可は有り、藤沢型は、義務がない。
もりのこ保育園とにじいろ保育園の賃借料は?→もりのこは、1,365,000円/月、1,338万円/年。にじいろは、1,470,000円/月、1,764万円/年。
賃借料に対する、市の補助は?→3/4を補助。上限1,000万円/年。
もりのこ、にじいろ保育園の保育士の勤続年数は?→事業提案書の中では、もりのこ2年、にじいろ3年となっている。
黒字になったとき、保育の充実に使われるのか?→公募の際、法人側から、初期投資の回収には7年~8年かかり、本部経費、新規の準備経費に充てるとなっている。
にじいろ保育園の園庭と避難経路は?→園庭は、地上108㎡、屋上120㎡。避難経路は、内部階段と非常階段があり、確保されている。
しぶやがはら保育園について、今あるところを分園にできないか?→現園の機能について、待機児童の状況を踏まえて、今年度、検討していく。
高砂保育園について、民説民営とする理由は?→平成21年度に保育所整備ガイドラインをつくった。市域を4ブロックに分け、地域の拠点となる、基幹保育園をつくっていくこととなっている。サポートする地域保育園、その他の保育園、市民センターとのネットワークなどを位置付けている。高砂地区の基幹保育園は、辻堂保育園を想定している。建設費用は、約4億円かかるが、公立保育所は国からの補助はないが、民間には、補助があり、市の負担は1/4程度となる。しぶやがはら保育園は、北部の基幹保育園の位置づけなので、公立で建設するもの。
高砂保育園の民営化は、社会福祉法人、株式会社どちらを想定しているのか?→株式会社は、賃借型以外は補助がないため、社会福祉法人にお願いしていきたい。
竹村委員
量の確保と質の確保が重要。単独の園で考えるのではなく、ネットワーク化して、市全体をみていく。児童の個別課題に対して、公立が担う役割は重要。公立保育所の今後の役割は?→子どもの状況に応じて、民間では受け入れてもらえない場合ある。そこは、公立で受け入れていく役割りがある。
海岸線の保育園の津波対策は?→高砂保育園もその区域で、浜見保育園の海から近く、2園が被害想定ある。高砂保育園は、これから建設するので、その中で対応していければ。辻堂団地の屋上への避難協定について、新設後も結んでいく。浜見保育園は、近くの5階建てのビルと協定結んでいる。
吉田委員
高砂保育園の定員拡大は?→現在は、面積1,778㎡、定員90人。移転先は、1,859㎡なので、現在より拡大で考えている。
報告(2) 「部活動及び学校生活全般における体罰の実態把握に関する緊急調査」の結果について
この報告は、藤沢市の体罰の実態を把握し、適切な対策を講じるため、平成24年度の部活動及び、学校生活全般における教職員等による体罰の状況等について、平成25年2月~3月に行った調査について、報告がされたものです。内容の抜粋は次の通りです。
【調査結果について】
①神奈川県教育委員会に報告
a)継続的に行っていたもの
b)行為の程度が甚だしく、児童生徒への影響が大きいもの
★a)、b)に該当した事案は、小学校3件、中学校3件
②その他
a)市教育委員会が独自に指導する指導
①のa)、b)に該当しないが、言葉の暴力、机・いすを蹴るなど、不適切な指導、行き過ぎた指導と認められたものは、★小学校2件、中学校5件。
b)校長による継続的な指導
今回の調査では、体罰と判断しないものの、今後、体罰に発展する可能性があるものは、★小学校2件、中学校8件。
【調査から見えてきたもの】
①小学校
a)体罰を「受けた」(34件)より、「見た」(74件)が圧倒的に多い。状況を客観的に判断できないことも考えられるが、年少の児童にとっては、「つかむ」「立って叱る」等を体罰とみている傾向が見られた。
b)ベテランの教員が、スキンシップのつもりで軽くたたく等の行為がある。時代の変化によって、誤解を招くような行為がある。
c)若い教員には、注意をしても聞かない児童に対して、「つかんで座らせる」「強く引っ張る」などの行為があった。落ち着きのない児童の指導に行き詰っていることが窺える。
d)体罰とはいえないが、「大声で叱る」「机・イスを蹴る」など、児童に恐怖心を与えるような不適切な指導が報告されている。
e)言葉の暴力に関する回答があった。
②中学校
a)運動部活動における、いわゆる「気合を入れる」ための行為や言葉の暴力に関する回答があった。
b)授業や生徒指導の場面でも、言葉の暴力に関する回答があった。
c)担任・教科担任によるものでは、指導している生徒の態度が悪いという理由によるものがあった。
【体罰の根絶に向けての市教育委員会としての方針】
①市教育委員会と学校との連携を密にし、子どもたち一人ひとりを大切にする教育を進め、体罰の未然防止の取組を図る。
a)教職員の経験年数により、児童生徒の指導について、異なる課題があり、校内研究等を通して、お互いの指導方法を学ぶ研究の場をつくる。
b)体罰によらない指導方法についての研修や、対応の難しい児童生徒に対して、児童生徒理解を基本とした指導について、外部講師等を招いて研修を行う。
c)教職員向けに体罰及び言葉の暴力の根絶に向けた啓発リーフレットを作成・配布し、校内研修の場で生かすよう指導する。
②中学校運動部部活動における指導を見直し、生徒が主体的に取り組む部活動の推進を図る。
a)中学校体育連盟と連携し、部活動における指導のあり方について話し合いの場を設け、指導法についての改善を図る。
b)中学校体育連盟専門部会に指導主事が参加し、体罰禁止の徹底と力に拠らない指導のあり方に関する講話を行う。
友田委員
県は、アンケート結果を受け、どのような対策をしたのか?→県教育委員会として、体罰防止ガイドラインを策定していく。また、相談窓口を設置していく。
県は、体罰を受けた側の相談窓口をつくっているが、市には、体罰を受けた側のフォローがない。受けた側の相談受入れをどう考えるか?→体罰に限らず、子ども、保護者が相談できる環境を創ることが重要。電話、メールがよいのか検討しているところ。
今後も、実態把握する必要ある。アンケートは今後もやるのか?→アンケートについては、体罰根絶の一環として調査を考えている。今回の結果を検証して、良い形でやっていく。
桜井委員
児童、保護者向けのアンケート回収率9.2%をどう評価しているのか?→今回の調査では、体罰を受けた、見た、という場合に記載をしてもらっている。具体的事例がなければ、義務付けていない。
教員向けアンケートの内容は?→今年度、体罰を行ったか、見たかという内容。
体罰に対して、教員の認識と、児童、保護者の認識違うのでは?→第一中学、藤が岡中学での体罰後にも、こうやって起きている。認識不足であり、今後、方針の中で、取り組んでいく。
方針の中で、研修とあるが、教員の資質や性格を見る必要あると思うが?→同じ場面で、同じ対応ができるわけではない。場面場面での行動について、研修をしていく。
体罰について、子どもに罪はないが、子どもの行動がきっかけで体罰になってしまうこともあるのでは。子ども側の気づきも考える必要あるのでは?→教員の一方だけではなく、教員も人間で、感情がある。子どもと教員の中でも人間関係をつくることが大切。秩序も含めて、研修などで取り組んでいく。
土屋委員
体罰は人権の問題。方針に人権の記載ないが、人権教育は十分行われているのか?→各学校に担当者を配置している。初任者研修、いじめ体罰の研修の中で、人権研修を行っている。
調査結果について、教員間で、どのような討議がされているのか?→各学校において、月1回程度の事故防止会議で議論、研修をしている。今後も、リーフレット等を活用し、取り組んでいく。
竹村委員
第一中学、藤が岡中学の体罰が新聞で報道されたにも関わらず、体罰が行われた事例はどのくらいあったのか?→時期もあり、明確にはならなかったが、確実に1件はあった。
体罰の禁止について、文部科学省の通知が1985年出された。つくば万博で生徒が持ち込みを禁止されていた、ドライヤーを持ってきて、体罰により死亡させた事例で出された。そして、体罰の根絶を誓った。しかし、体罰は今も続いている。もう繰り返してはいけない。体罰を容認する風潮を断ち切るべき。教育委員会の決意は?→なかなか改善できなかったことを重く受け止めている。学校の信頼を失っている。教員たちは、自分たちが子どもだったころを引きずっており、同じイメージを持っている。対応の仕方が変わったんだ!という意識付けることが重要で、強く訴え続けていく。子どもを良くみて、適切な指導を積み重ねていく。
大野委員
発達障がい児について、本市で、通常学級の中での発達障がい児の状況は?→把握はできていない。文部科学省の調査では、学習面、行動面で課題ある発達障がい児は、6.5%で、1クラスに2~3人ぐらいいることとなる。
6.5%以外の特別支援学級も踏まえれば、10人に1人ぐらいは、何らかの課題があることとなる。どう対応しているのか?→通常学級の中に支援必要な場合、スクールカウンセラーがカウンセリング等を行う。介助員制度もある。落ち着かず、教室から出て行ってしまう場合は、介助員の対応や、別の場所でのクールダウンなどの対応をしている。
以上、報告とします。