県内初! 藤沢市が本人通知制度導入へ

 6月21日の、脇議員の一般質問の答弁で、藤沢市として、本人通知制度を導入することが明らかになりました。本人通知制度とは、戸籍などが不正に第三者から取得された場合、取得されたことを本人に通知するものです。

 脇議員の一般質問により、神奈川県では藤沢市が初めての導入となります。私もこの本人通知制度は、犯罪を防ぐ意味でも必要な制度と思います。

 戸籍の不正取得による犯罪の事例としては、一般質問でもありましたが、若干紹介します。

①プライム事件

 この事件は、プライム総合法務事務所が、全国の探偵社や調査会社の依頼をうけて、1万件を超える戸籍謄本などの取得を不正に行い、逮捕されたもの。それにより、ストーカーや脅迫、会社の不採用、婚約破棄などが起こっていると言われ、犯罪や人権侵害のきっかけとなっている。この1万件を超える戸籍謄本等は、本人が知らないところで不正に取得され悪用されているのです。このプライム事件の不正取得は、神奈川県内で461件あり、そのうち藤沢市民が不正取得されたのは20件あります。その20件の当該市民は、いまだにその事実を知り得ていないのです。

②ベルリサーチ事件

 この事件も同様の手口で、戸籍を不正取得を行ったもので、関係者数人が逮捕されている。同じく1万件を超える不正取得が行われており、ベルリサーチ社が群馬県前橋市にあることから、この不正取得ルートは「群馬ルート」とも言われている。この事件での神奈川県内の不正取得は357件で、そのうち藤沢市民が不正取得されたのは、脇議員の一般質問で、16件あったことが明らかになりました。

※今回の導入は、事実告知型の通知制度ということで、第三者が取得したもの全てを通知するものではなく、犯罪や不正が認められた場合に通知するものですが、不正取得の防止、抑止力となることは間違いないと思います。藤沢市が、導入することで、県内他市への波及を期待します。

 また、深刻な問題は、弁護士、司法書士、行政書士などの資格者は、その必要性により、職務上請求書で、戸籍情報を取得できます。裁判等で、必要な場合があるわけで、そのことに問題があるわけではありません。問題は、そういった資格者でも、職務上請求書を偽造してまで、犯罪を犯してまで取得する背景があるということです。もちろんごく一部の資格者ですが、調査会社などから依頼され、そしてその報酬が高く、短期間で多額の見返りが得られる。だから、犯罪を犯してしまう。もしかしたら、公務員の贈収賄事件の構図と同じかも知れません。

 こういった経過からして、人権問題が、まだまだ存在することを認識しなければなりません。人権問題は過去のものではなく、現在のものなのです。特に、職員は、適正な事務手続きでも、そのことが人権問題に関係するかもしれないという意識を常にもっていなければならないと思います。人権の意識を高めることが、もしかしたら過去より、今の方が重要なのかも知れません。そう私は思います。


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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