いよいよ、参議院選挙まで、残すところあと2日となりました。私が、なぜ神奈川選挙区で民主党「牧山ひろえ」、比例区で民主党「あいはらくみこ」を応援するのかお伝えしたいと思います。なお、あくまで自論ですので、ご理解ください。
1.民主党にダメだし
まず、選挙による、初めての政権交代が起きた時を思い出すと、当時、格差社会が大きな社会問題となり、年末年始には、年越し派遣村なども存在しました。規制緩和により、派遣労働者が増大、非正規労働者が全体の1/3を占めるなど、格差社会ができたわけです。そして、官から民への流れができ、セイフティネットの崩壊が起こり、世論が、もう我慢できない。なんとか大企業が儲かる社会から、働いたら、その分報われる社会へと変わってほしい。という流れで、民主党政権へ初の政権交代が実現したわけです。
私は、民主党政権を評価するには、まず、認識をしておかなければならないことがあると思います。それは、2007年のサブプライムローン危機に端を発した2008年9月のリーマンショックです。この時、12,000円台の株価は6,000円台に1か月半で急落しました。その後の、ユーロ危機や2011年の東日本大震災と、想定外の出来事が起きた中での政権運営だったことを認識しておくべきだと考えます。
民主党の決定的にダメだったところは、政策決定の手続きだと思います。トップダウンで決めてしまったり、時の責任者が党内議論のないまま発言してしまったり、党内議論で決まったのに、私は反対だったなどと発言し、民主党は党内がバラバラ、政権運営の能力がないと言われてしまいました。なんで、しっかりと手続きが出来ないのだろう?なんで、統一した見解が言えないのだろう?と不思議に思いつつ腹立たしい思いもしました。こういった、政権運営能力がないということについて、マスコミ報道も加わり、一気に世論の民主党離れが起きたのだと思います。そして、衆議院選挙で惨敗、野党に戻ることとなったわけです。その流れを止めることもできず、2日後の参議院選挙も極めて劣勢の情勢となっています。
2.本当に民主党はダメだったのか?
アベノミクス効果により、円安・株高となり、景気が回復していると報道がされ、多くの国民も、実感はないが、なんだか景気が回復、もしくは良くなるのではと思っているのではないでしょうか。ですから、安倍政権の支持率は依然として高く、自民党圧勝の見通しになっています。しかし、7月1日から、円安による影響で小麦粉、食用油、ハム・ソーセージなど多くの原材料の値上げがされました。皆さんにその実感はあるでしょうか?実は私も買い物をよくするのですが、あまり実感はないのです。でも原材料の値上げはされているので、スーパー、ラーメン屋、うどん屋、とんかつ屋などのお店側が価格転嫁できず、苦しんでいるのではないかと考えます。賃金が上がっていないのに、物価が上がる。これでは生活が苦しくなってしまいます。報道によると安倍首相は、秋には最低賃金を2%あげると言っています。物価の上昇に合わせて最低賃金を上げるというのです。中小企業の業績回復に至っていない現実の中で、更に従業員の賃金を上げるということが、本当にできるのか?中小企業の経営者を苦しめてしまう可能性があります。最低賃金を上げる視点は、生活保護水準との乖離をまずなくすことだと私は思います。神奈川県の最低賃金は836円だったのが今は849円です。しかし、生活保護の水準より5円低いのです。働いても生活保護水準より低い賃金では、働く意欲が低下してしまいます。生活保護後水準との乖離をまず解消することを前提にしながら、中小企業の経営に悪影響のない範囲で、最低賃金を上げる幅を決めるべきだと考えます。
それから、今日もテレビで、安倍首相の街頭演説が流れていましたが、10年後に所得を150万円増やすということです。給与は、会社の経営側と働く側(労働組合)の交渉により決まります。一般的には春闘で決めるわけです。安倍首相が150万円所得を増やすと言い切るのであれば、主要な企業の経営側から、労働組合に対して、10年間で給与を150万円上げる提案をし、協約締結まですべきです。もし、それができるなら、信用するどころか、逆に自民党を応援します。ただ、協約締結などは現実には不可能であり、10年後に所得が150万円増えていなかったとしても、その時にだれも責められないし、だれも責任を取らなくていいということです。選挙なので、何を言ってもいいけれど、根拠がなさすぎると思います。
民主党の経済政策は、中小企業支援、成長市場の開拓などにより、徐々に経済を回復させていく戦略だったと思います。アベノミクスのような大規模な量的緩和をすれば、今みたいな円安になることは当然だと、藤井裕久元大蔵大臣も言っています。むしろ、デメリットや歴史的に大きな代償を受けることを危惧しています。今のように好調が続けばよいのですが、続いたとしても止め時が肝心なのです。今、アメリカの金融緩和策の縮小について、世界中の市場が注目をし、神経質になっています。バーナンキFRB議長の発言により、市場は一喜一憂する。バーナンキ議長は、金融緩和の縮小について、失業率が今の7.8%が7%になった時点で行うと言いますが、その場合でも、景気回復の状況によっては、必要な措置をすると慎重な発言をしています。緩和策を止めると決めた場合の世界市場へ与える影響が極めて大きいからだと思います。アベノミクスも同じです。いつ止めるか、タイミングを逸すれば市場の混乱は避けられないし、それこそ山一證券破綻のような事態になる可能性も秘めていると考えます。
アベノミクスによる円安は、自動車を中心とする輸出産業にはメリットはありますが、国民の生活という視点では、原材料の値上げにより物価が上昇し、賃金が上がらない限り、デメリットの方が大きいと考えます。株高にしても、株取引の9割以上は外国人投資家であり、多くの国民にとってあまり関係ないと言うことです。
では、民主党政権の政策は本当にダメだったのか。一部の方々にしか影響がなかったかも知れませんが、子ども手当は、先の認識で触れた、リーマンショックなどがあり、満額支給はできませんでしたが、子どもを持つ親は助かったと思いますし、高校授業料の無償化にしても、経済面で進学できない家庭を確実に支援できたと思います。中小企業支援では、融資を継続することで、中小企業の倒産件数を減らすこともできましたし、自殺者も3万人を切るところまで減少しました。格差社会では、残念ながら自ら命を絶たざるを得なかった環境が、少しではありますが改善されたことも事実です。生活は苦しくなったか?物価の上昇は、原油高に伴う部分はありましたが、為替による悪影響はなかったわけで、逆に海外旅行、とりわけ韓国旅行に出かけた人は多かったのではないでしょうか。そういう意味でみてみると、民主党は政権運営能力がないと言われながらも、普通に生活している人、生活に困っている人の立場に立った政策を、財政状況の厳しい中でも、誠意をもって取り組んでいたのではないかと思うのです。子や孫の代に借金を増やさないために国債の発行(借金)を抑制したり、私は、決して間違った方向ではないと思っています。ただ、あまりにも、手続きや発言がダメで、その部分は大いに反省すべきだと思いますし、その頃の中心人物は、もう民主党にはいないのですから。
3.憲法改正について
憲法改正については、私は、時代に流れの中で、国民のだれもが改正するべきということがあれば、改正していい部分もあると思います。大事なのは、国民のだれもがという部分です。そのことを受けているのが、憲法第96条であり、憲法改正には国会議員の2/3以上の賛成がなければ、改正は出来ないのです。自民党は、それを過半数にしようとしています。これは、絶対に賛成することはできません。しかし、今の選挙情勢では、自公で2/3を占める勢いで、96条を改正されれば、その後は過半数で憲法改正が出来てしまうことになります。そして、戦争放棄の第9条まで、国防軍設置という改正をされてしまいます。自衛隊だけが戦争するのではなく、昔でいう赤紙ではないけれど、それこそ、自分の子や兄弟、自分自身が戦争に行く義務が生じるのです。そのことを、今、自民党に投票しようとしている人たちが、どれほど理解しているのか、私は疑問に感じます。特に、小さなお子さんをお持ちの親の皆さんは、将来、自分の子どもが戦争に義務として参加することについて、容認しているのだろうか。この憲法改正については、私のホームページにおいて、竹村議員が書いたレポートに詳しく解説がされていますので、ぜひ、ご覧下さい。
4.政権を担う覚悟
なぜ、私が選挙区、民主党「牧山ひろえ」、比例区「あいはらくみこ」を応援するかは、民主党を支援しているだけでなく、候補者の人格、熱意、誠実さによるものです。もちろん、私は自治労の組織内ですから、「あいはらくみこ」を応援するのは当たり前ですが、そのことが、自治体の政策課題の前進につながるからです。それと、各政党から、多くの候補者が立候補していますが、政党として、政権の運営をしていくんだ!という覚悟をもっているのは、自民党と民主党だけだと私は思います。過半数が取れる候補者数を出していなければ、もともと政権運営をする覚悟がないと言うことです。連立与党になるか、連立野党になるか。おのずと自民党と組むことを考えていないのであれば、野党として文句を言っていくだけということになります。私は、政権運営を担う覚悟を持っている政党に少なくとも投票すべきだと思いますし、だから、公示2日目には、「牧山ひろえ」と「あいはらくみこ」に期日前投票をしたのです。
5.文句と批判は誰でもできる
政治でなくとも、普段の仕事でも、自治会でもなんでも、まとめる立場の者は、様々な観点から物事を考え、示し、意見を聞きながら、責任を持って、一つの方向にまとめていく。これは、けっこう大変なことでもあり、誰かがやらなければならない事でもあります。そこで、私はいつも考えていることなのですが、文句や批判は誰でもできます。まとめることの大変さをもっと理解してほしいと思います。逆に、文句や批判ばかりしている人を私は評価できません。
民主党政権になったとき、マスコミも含めて、日本をもっと良くしていくために、文句や批判をしないで、まとめていくことに、もう少し理解があれば、今の状況にはなっていなかったと思います。自民党の圧勝により、格差社会、憲法改正など、また、元に戻ってしまうとしたら、非常に残念です。
6.情勢とお願い
最後に、マスコミ報道の通り、神奈川選挙区の情勢は、定数4人に対して、自民党・みんなの党・公明党が議席を得るのは間違いない情勢で、最後の1議席を民主党「牧山ひろえ」と共産党で争っている状況です。
考え方は様々で、もちろん尊重いたします。ただ、このホームページを見ていただいた方で、まだ決めていない、迷っているという方がいましたら、ぜひ、選挙区「牧山ひろえ」、比例区「あいはらくみこ」に投票していただければ、大変うれしいです。というより、ぜひ「牧山ひろえ」と「あいはらくみこ」をよろしくお願いします。