9月5日 13:10より、災害対策等特別委員会が開催され、傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。
1.藤沢市地域防災計画の改定
(1)経過
平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、その被害が甚大で、かつ、その被害地域が広範にわたるものであった。この東日本大震災をはじめとする昨今の災害を踏まえ、災害対策基本法、その他の関係法令が改正され、また、国の防災基本計画及び神奈川県地域防災計画が修正されたことを受け、平成24年度から、藤沢市地域防災計画についても、全面的な修正に向けて見直しを行ってきた。7月23日の開催の藤沢市防災会議において、修正案が承認され、改訂したもの。
(2)藤沢市地域防災計画とは
災害対策基本法第42条第1項の規定に基づき、防災関係機関で構成される藤沢市防災会議(会長は市長)において、
①市及び防災関係機関が処理すべき事務または業務の大綱
②災害予防、災害応急対策及び災害復旧に関する事項別の計画
③必要な労務、施設整備等の整備、備蓄、調達等に関する計画などの防災に関する計画
などを定めたもので、政府の中央防災会議が作成する防災基本計画及び、神奈川県防災会議が作成する神奈川県地域防災計画との整合を図りながら作成するもの。
(3)改訂で留意した点
1.東日本大震災などの大規模災害の教訓
2.災害対策基本法の改正
3.防災基本計画の修正
4.神奈川県地域防災計画の修正
5.藤沢市議会からの意見・提案
6.藤沢市防災関係機関からの意見
7.藤沢市防災組織連絡協議会全体会での意見
8.津波対策避難訓練における参加者アンケートの結果
9.パブリックコメントの意見
10.藤沢市各庁内プロジェクト会議の内容
11.藤沢市各指揮本部からの意見
(4)主な改正点
4.神奈川県地域防災計画の修正
①最大クラスの被害想定
②都市の安全性の向上
③災害時応急活動事前対策
④災害時の応急活動計画
5.藤沢市議会からの意見・提案
①情報提供ツール(ふじさわ防災ナビ)
②防災施設等整備
③津波対策
④女性や要援護者に対する配慮
⑤市町との連携、相互応援協定の強化
9.パブリックコメントの意見
①家庭の備蓄の考え方
②津波避難の考え方
(5)地域防災計画の改訂を踏まえて、今後実施する主な施策
1.情報提供ツール
「ふじさわ防災ナビ」を整備する。小冊子・リーフレット・メールマガジン・インターネット・電子地図など、平成25年度から順次提供する。
2.防災訓練
災害時の、個人・地域・市などに期待される役割が明確になったことにより、計画的な訓練を実施する。地域では、ふじさわ防災ナビの小冊子に防災訓練を加え、共通意識をもった訓練とする。
3.都市防災化計画
災害危険度調査も含め、都市防災基本計画の改訂を検討する。津波防災地域づくりを総合的に推進するための計画の策定を検討する。下水道事業継続計画を策定する。
4.防災施設等整備
平成26年度に予定される、神奈川県地震被害想定調査の結果等により、備蓄対策計画を見直す。平成26年度を目途に「地域ごとの避難計画」を策定し、避難場所や避難経路の検討を行う。
5.津波避難対策
平成25年度中に、藤沢市の基本的な考え方となる「津波避難計画」を策定する。平成26年度を目途に、「地域ごとの避難計画」を策定し、避難場所や避難経路の検討を行う。
6.帰宅困難者対策
平成25年から26年度にかけて、藤沢駅、辻堂駅、湘南台駅、片瀬江ノ島駅を中心に、帰宅困難者等対策協議会を設置し、各協議会において、国、県、民間企業等と連携・協働し、総合的な帰宅困難者対策を検討する。
7.要援護者対策
災害時要援護者の避難誘導について、避難順位、避難路、避難後の対応等、被災した災害時要援護者等の生活の確保を考慮した地域ぐるみの避難誘導体制の確立を図る。
8.文教対策計画
学校は、学校長を本部長とする「学校防災計画」の策定、見直しを行う。児童生徒の退避・保護等、災害発生時の災害応急対策等について、津波防災を含めた、防災教育を行う。
9.災害廃棄物処理計画
災害時における、応急体制の確保のため、生活ごみや震災によって生じた、災害廃棄物の仮置き場の配置計画、災害廃棄物等の処理・処分計画を策定する。災害時の、し尿処理対策について、具体的な手法を検討する。
10.震災復興対策
地域防災計画では、復旧からの迅速な復興に備え、震災復興基本計画を示しており、復興計画の策定に向けて、「復興の基本方針の策定」「分野別復興計画の検討」「復興計画の検討」の3ステップを示している。また、市街地復興に関して、災害が発生した場合、無秩序な復興を防止し、都市復興の理念を公にするため、「復興整備条例」を制定し、市民・事業者・行政の責務、復興対象地区の指定と整備手法等を明示するとしている。
加藤(なを子)委員
保育園と児童クラブについては、備蓄品が明示されているが、学校は、児童生徒用の備蓄ない。なぜか?→PTAを中心に備蓄の取組されている。小学校長会からも児童用の備蓄の要望があった。備蓄品の内容、備蓄場所などを検討していく。
災害時要援護者家族に訓練を呼び掛けるとあるが、市が呼びかけるのか?→平成22年度の総合防災訓練から、訓練参加を呼び掛けている。23年度には、タクシー協会により、車いす参加を呼び掛けた。要援護者については、鵠沼地区、六会地区からの訓練参加を予定している。
自治会ごとの訓練について、要援護者申請者に参加呼びかけにくい。市から呼び掛けられないか?→要援護者名簿をを整備した。市民センターが、声掛けできるようにしていきたい。
竜巻について、被災者の対策は?→風水害対策編で新しく位置付けている。起こったときの対策は、他の対策と同様の対応をしていく。
竜巻被害で、避難が長期化した場合、支援が必要。災害救助法ではどうなっているのか?→避難先については、他の災害と同じ。家の修復などは、別の法律で対応することとなる。
生活再建支援は位置付けられているのか?→災害救助法は、一定規模以上。その後の救援は市町村の位置づけで市が行う。国・県の補助メニューあれば活用していく。
航空災害とは?→上空を飛ぶ、あらゆる飛行機を対象に落下物を含めて想定している。
米軍の飛行機も対象か?→その通り。
横須賀の原子力空母について、事故が起きた場合の対策も盛り込まれているか?→原子力空母の記載ないが、放射性物質に対応することとなっている。
事故起きた場合、子どものヨウ素剤の備蓄を考えているか?→明記してないが、横須賀市にはあるので、参考にして検討していく。
横須賀市は、病院にヨウ素剤を備蓄している。鎌倉市も備蓄するといっている。飲ませるタイミングが遅いと効果ない。今後、どうしていくのか?→ヨウ素剤は24時間以内に対応しないと効果ないといわれている。実効性ある対応について、県や鎌倉を踏まえ、検討していく。
原委員
地域防災計画は、毎年、防災会議で必要な見直しをすることとなっているが?→毎年、見直していく。法でも、毎年検討、必要な見直しをすることとなっている。
資料編がバインダー式となっている。毎年見直しとなれば、本編もバインダー式にする必要あると思うが?→指摘の通り、次回からバインダー式にしていきたい。
学校の給食調理場について、避難者への炊き出しとして利用できないか?→想定している。
都市ガス、プロパン、電気などあるが、都市ガスが止まったとき、プロパンにできるとか検討する必要あると思うが?→設計段階から、オール電化、プロパン、都市ガスなど、複合的にすることはできない。
今後、研究してほしいが?→今年度から、給食調理員も避難場所に従事する。参考に検討していく。
★私が知る限り、都市ガスの調理場は、プロパンへの切り替えができ、プロパンガスも整備されているはずです。プロパンガスには、使用期限があるはずなので、前から、使用期限時に、実践を想定した炊き出し訓練をすればよいと思っていました。原委員の質問に対する答弁では、その点に触れていないので、疑問に感じました。教育委員会に確認してみようと思います。
以上、報告とします。