9月9日 9:30より、子ども文教常任委員会が開催され、傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。
議案第26号 藤沢市地域子供の家条例の一部改正については、村岡子供の家の敷地について、市が昭和63年から借地として使用してきましたが、土地所有者から返還の申し出があったため、村岡子供の家の供用を12月1日から廃止するものです。
この議案は、全会一致で可決すべきものと決定しました。
陳情25第16号 「のびのびランド」現施設の継続利用に関する陳情
この陳情は、村岡子供の家「のびのびランド」について、廃止せず、継続して利用できるよう求めるものです。
土屋委員
現段階で、土地所有者と交渉余地はあるのか?→土地所有者は、利用者の意向を踏まえて、建設工事を2か月延期した。その際に確認したが、交渉の余地はない。
所有者は、平成24年4月に手続きを保留した。その理由は?→高齢のため、相続を考えているとの事だった。考えがまとまらず、10月に面談を行った。その際、土地利用を考えているとの事で、土地の返還を求められた。
この間の交渉に問題はなかったのか。平成24年4月以前に所有者と連絡は取っていたのか?→毎年、賃借料の支払いの関係で、年に数回会っている。
直近の契約期間は?→平成19年4月1日~平成24年3月31日
代替の土地について、いつ頃から探しているのか?→10月に返還の申し出があり、その後も交渉をしていたが、1月下旬に再度文書をいただき、3月ごろから、周辺の土地を調査してきた。
利用者への説明は、どのようにされてきたのか?→8月14日に覚書をかわした。先日、小学校区の自治会町内会へ説明した。閉館については、現在、代替施設が決まっていないので説明できなかった。代替施設が決まり次第、利用計画、チラシの配布をしていく。
当分の間の代替施設は優先課題か?→その通り。
17施設中、7施設が借地。今後の対策は?→契約更新時、支払い時だけでなく、所有者と情報交換し、継続利用ができるよう取り組んでいく。
この陳情は、全会一致で、主旨不了承となりました。
陳情25第17号 村岡子供の家「のびのびランド」閉鎖に関する陳情
この陳情は、12月1日供用廃止予定の、村岡子供の家「のびのびランド」について、継続利用が不可能な場合、代替施設の早期設置などを求めるものです。
この陳情は、全会一致で、主旨了承となりました。
報告(1) 待機児童解消に向けた新たな計画と公立保育所の整備等について
この報告は、国が進めている待機児解消を図ることを目的とした「子ども・子育て関連3法」が、全面施行される平成27年4月までの間、本市として、待機児解消を図るため、新たな整備計画を策定したため、報告がされたものです。内容の抜粋は次の通りです。
1.藤沢市緊急保育対策2ヶ年計画(保育所整備計画)
(1)これまでの取り組み
藤沢市保育所整備計画策定後(平成21年度~)の定員増などは次の通り。
【保育所の新設】
①平成22年4月 石上保育園 定員60人
②平成22年4月 保育園小さなほし 定員60人
③平成23年4月 キディ湘南C-X 定員200人
④平成23年4月 グリーンキッズ湘南 定員140人
⑤平成24年10月 湘南ひばり保育園 定員140人
⑥平成25年4月 保育園アワーキッズ辻堂 定員90人
※保育園新設による定員増 6施設 合計 690人
【分園の設置】
①平成23年4月 キディ鵠沼・藤沢分園 定員24人
②平成24年5月 ときわぎ保育園分園 定員75人
※分園設置による定員増 2施設 合計 99人
【既存保育所の建替え、増築、改修など】
①平成22年7月 富士見保育園建替え 増員23人
②平成23年4月 キディ鵠沼・藤沢本園定員拡大 増員28人
③平成23年4月 五反田保育園分園増築 増員57人
④平成24年4月 高谷保育園増築、改修 増員38人
⑤平成24年4月 下土棚保育園改修 増員6人
⑥平成24年4月 藤沢ベビーセンター増築 増員11人
⑦平成24年5月 ときわぎ保育園本園縮小 ★減員25人
⑧平成25年4月 ときわぎ保育園本園定員拡大 増員10人
⑨平成25年4月 キディ湘南C-X定員拡大 増員30人
⑩平成25年4月 わかたけ保育園定員縮小 ★減員30人
※建替え、増築、改修などによる定員増 10施設 合計 148人
※※ 定員増の総合計 18施設 937人
(2)待機児童の推移
①待機児童の推移
平成21年度144人→22年度287人→23年度254人→24年度379人→25年度277人
②年齢別待機児童
・平成23年度 0歳児6人/1歳児142人/2歳児73人/3歳児30人/4歳児2人/5歳児1人=254人
・平成24年度 0歳児12人/1歳児133人/2歳児129人/3歳児85人/4歳児19人/5歳児1人=379人
・平成25年度 0歳児5人/1歳児125人/2歳児71人/3歳児55人/4歳児18人/5歳児3人=277人
※年齢別にみると、1歳児から3歳児までが、全体の90%を占めている。
③地区別待機児童
・平成23年度 藤沢26人/村岡22人/片瀬14人/鵠沼72人/辻堂8人/明治35人/善行14人/六会5人/湘南台36人/長後7人/湘南大庭11人/遠藤2人/御所見2人=254人
・平成24年度 藤沢32人/村岡24人/片瀬8人/鵠沼94人/辻堂18人/明治85人/善行17人/六会6人/湘南台49人/長後15人/湘南大庭26人/遠藤1人/御所見4人=379人
・平成25年度 藤沢30人/村岡19人/片瀬7人/鵠沼65人/辻堂26人/明治42人/善行12人/六会10人/湘南台40人/長後10人/湘南大庭12人/遠藤0人/御所見4人=277人
※過去3年間では、藤沢、鵠沼、明治、湘南台地区の待機児童が常に多い状況である。
(3)緊急保育対策2ヶ年計画の概要
①保育所整備の目標
国基準における待機児童数を基に定員拡大を図るのではなく、保育需要や潜在的ニーズに対する定員拡大を図り、待機児童の解消に向けた取組を行う。
※就学前人口に対し、認可保育所定員数の割合を25%とすることにより、約820人の定員拡大を図り、待機児童を解消する。
②施設整備の方法
・民設民営による新設保育所の整備により、定員630人~780人増
・既存保育所の移転に伴い、定員50人増
・認可をめざす認可外保育施設への支援により、定員60人~130人増
③計画における整備重点地区
【鵠沼地区】 平成25年8月新規開園70人+公募による保育所整備60~90人
【藤沢地区】 平成25年11月新規開園80人+公募による保育所整備60~90人
【辻堂地区】 平成27年4月Fujisawaサスティナブル・スマートタウン内、新規開園90人+高砂保育園移転定員拡大50人
【湘南台地区】 公募による保育所整備120人~180人
【明治地区】 公募による保育所整備60人~90人
【遠藤・湘南大庭地区】 市有地の活用による保育所整備90人
2.直近の取り組み
(1)認可保育所の募集
①募集期間 平成25年7月1日~8月16日
②応募資格(平成25年4月1日時点)
・市内で認可保育所を運営していること
・県内で認可保育所を2年以上運営していること
・市内に主たる事務所を有する社会福祉法人
③開設時期 平成26年4月~平成27年4月の各月1日
④募集地区 鵠沼・藤沢・湘南台・明治地区
⑤選定結果
(2)選定結果(平成27年4月1日 開所予定)
【鵠沼地区】
①事業者 (株)サクセスアカデミー
②種別 新築建物賃借改修型
③場所 藤沢市鵠沼桜が岡3丁目
④保育所面積 430㎡
⑤定員 60人
【藤沢地区】
①事業者 (株)サクセスアカデミー
②種別 新築建物賃借改修型
③場所 藤沢市鵠沼神明5丁目
④保育所面積 581㎡
⑤定員 80人
【湘南台地区】
①事業者 社会福祉法人県央福祉会
②種別 一般整備型
③場所 藤沢市湘南台2丁目
④保育所面積 575㎡
⑤定員 60人
【明治地区】
①事業者 社会福祉法人永寿会
②種別 一般整備型
③場所 藤沢市城南1丁目
④保育所面積 1,077㎡
⑤定員 87人
(3)公立保育所の整備等について
①しぶやがはら保育園の移転について
現在、委託にて、基本設計を行っているところ。基本設計完成後、「建て替えプロジェクト」にて、具体的調整をしたうえで、地元自治会、保護者に対して報告し、意見等を受けながら実施設計を行う。平成28年4月からの新園舎における保育実施を目途に、整備を進めていく予定。
また、現在の保育園の跡地利用についていも、待機児童の状況を踏まえ、今年度、検討していく。
②高砂保育園の移転について
7/24、8/22に保護者代表説明会を開催したところ、公立の存続希望や、民営化に向けての具体的な条件整備等、様々な意見をいただいた。今後も引続き、民営化に向け、保護者の理解を得られるよう、移行する際の十分な引継ぎ保育や、移行後の第3者評価の実施などについて説明し、調整を進めていく。
また、UR都市機構との調整については、現在、基本協定締結に向けて、移転先用地の土地鑑定評価に基づき、賃料算定の協議を行っている。
③あずま保育園の今後について
あずま保育園は、老朽化が進んでいるうえ、軟弱地盤による建物の傾斜等、傷みが激しく、継続的な運営に支障が生じると懸念されている。こうした状況を踏まえ、善行地区の待機児童や保育需要の状況、また、同地区内に認可保育所が新設されていることなどから、平成26年4月の入園募集からは、0歳児の募集を行わないことも視野に検討を進める予定。
土屋委員
もりのこ保育園について、株式会社の運営で1か月経ったが、状況は?パートを含めて、職員の退職はないか?→子ども、保護者、職員も慣れて、落ち着いてきている。辞めた職員も1人もいない。
高砂保育園は、URの建て替えで、建て替えを余儀なくされている。かかる費用の一部をURに負担させられないか?→URとの契約では、用地をあけることとなっている。契約期間途中でない限り、明け渡さなければならない。弁護士とも相談したが、費用も求められない。
保育園への入り口道路の両側がフェンスで囲まれ、出るときに左右確認ができない。カーブミラーの設置できないか?→URへ設置依頼をしているので、早期に設置されると思う。
民営化に反対する市長陳情が出されているが、どのように対応するのか?→回答書を作成中。
高砂保育園の移転について、2回説明会をしている。どのような意見が出されているか?→公立での存続希望、保育内容の継承、保育の質の低下をまねかないよう、移行後のチェックをしてほしい、公と民の良い所を合わせてほしいなど。
高砂保育園の保育の質をどう評価しているか?→公立保育園として、一定の水準にある。地域の環境により、特色を持っている。身体づくりや食育に力を入れている。保護者からも評価をいただいている。
民営化で質は落ちないのか?→保育所保育指針があるので、一定の水準は保たれる。保護者の不安があるので、高砂保育園で大事にしている保育を継承していくよう要望していく。保育士の年齢、資質の向上についても採用割合、研修などを要望していく。また、第3者機関の評価もしていく。
公立保育園と民間保育園の保育士の勤続年数は?→公立の平均は19年、民間は9年。
第3者機関の評価に強制力はあるか?→保育サービスを客観的に評価・公表するもので、強制力はないが、市として、指導・助言していく。
公立で残すべき。市の基本的な考え方は?→基幹保育所は、子育て支援の拡充のため、子育て支援センターと連携して、ネットワークづくり支援事業を展開する。市内を4つのブロックに分け、ネットワークの構築をしていく。基幹保育園と地域保育園は公立での運営を考えている。その他の保育園は、廃園もしくは、他の運営を考えている。
公立保育園の役割は?→子育て相談に関する情報提供の拡大のため、地域に入っていき、子育ての不安解消を図っていく。保育士の経験のほか、DVなどに対応できる人材育成を行うなど、公立としての役割を果たしていく。
竹村委員
障がい者基本法が改正され、公立の保育園の役割として、支援の必要な子どもへの支援があった。民間の中でも、ひばりや県央福祉会などは、発達障がいなど、施設運営をしている。そういった法人等の活用を含めて、今後の考えは?→気になる子どもは年々増えている。指摘の法人は、障がいをもっている施設運営をしている。園長会など、年に数回、公立との交流している。行政として取り組むべき課題について話し合いをしていきたい。
大野委員
保育所新設について、民説民営の方が多い。民説民営をどう評価しているか?→保育指針により、保育のベース部分は共通している。法人の考えで、それぞれ特色を出している。保育課としては、長所・短所あるかもしれないが、特色を生かした保育がされていると考える。
保護者の声は?→例えば、園庭については、無い園の保護者は、あった方が良いなど。柄沢の保育園は、国有地を活用して話題になり、広々とした環境として評価されている。
高砂保育園について、今後も説明会をすべきだが?→これまでの説明会で質問もいただいている。高砂保育園の特色を生かせる仕様つくれないか?というもので、現在作成している。早期に説明会を開催し、文書化したものを示していく。
法人立保育所へ、保護者の視察を行っては?→説明会の中で、私立保育所の視察を提案していく。
報告(2) 小児医療費助成制度の方向性の検討結果について
この報告は、本市の小児医療費助成制度について、今後の方向性に向けた検討結果が報告されたものです。内容の抜粋は次の通りです。
1.小児医療費助成制度の概要
(1)助成内容
0歳から小学校6年生修了までの入通院は、所得制限なしで助成し、中学生は、所得制限を設けて、入院のみ助成している。
(2)小児医療費助成制度の主な変遷
①昭和49年1月 0歳児の入通院を所得制限なしで実施
②平成7年10月 1歳児から中学生までの入院を助成(所得制限あり)
③平成9年10月 1歳児まで、入通院の助成拡大(1歳児は所得制限あり)
④平成12年10月 3歳児まで、入通院の助成を所得制限なしで拡大
⑤平成21年4月 小学校6年生まで、入通院の助成を所得制限なしで拡大
2.小児医療費助成制度を取り巻く現状
(1)人口推移
14歳以下の年少人口は、平成25年4月1日現在、58,836人で、平成20年と比較して、約2,300人増加しており、今後も、1%の伸びを見込む。
(2)小児医療助成費等の推移
平成21年4月の小学校6年生修了までの拡大に伴い、平成21年度は、延べ受給者数499,849人、扶助費12億7,282万円、事業費13億3,700万円で、平成20年度に比べて、延べ受給者数は約75%、扶助費・事業費ともに約50%増加している。また、制度が定着した平成22年度以降、毎年、延べ受給者数は1%程度、扶助費・事業費ともに3%程度増加している。
小児医療助成費だけでなく、その他の子ども・子育てにかかる経費も増加しており、子ども青少年部関連事業費は、平成20年度決算では約109億円でしたが、平成25年度予算では約187億円となり、70%以上増加している。また、一般会計に占める割合も、平成20年度決算では9.2%でしたが、平成25年度予算では15.5%となり、6.3%の増加となっている。
(3)県内自治体の助成状況
県内33自治体のうち、小学校6年生修了まで、入通院を助成しているのは、本市を含めて9市町あり、そのうち所得制限なしで助成しているのは、藤沢市・綾瀬市・愛川町の2市1町。また、中学校3年生修了までの入通院を所得制限なしで助成しているのは、厚木市・海老名市など2市6町村。
近隣市では、鎌倉市・平塚市が、小学校6年生までの入通院を助成しているが、両市ともに小学校1年生以上は所得制限がある。また、茅ケ崎市では現在、4歳以上に所得制限を設けて、未就学児までの入通院を助成しているが、平成25年10月からは、小学校2年生修了までに対象を拡大する予定。
(4)今後の想定
①年少人口が、今後も増加傾向が続くと見込まれる。
②待機児童解消等の保育関連経費の増、検討されている予防接種の定期化による経費などの増加が見込まれる。
③子ども・子育て支援新制度の施行に伴う、新たな財政負担や幼児教育の無償化の動きがあるなど、今後の財政負担が懸念される。
④「神奈川県緊急財政対策」において、見直しを検討する補助金の中に、小児医療費助成事業補助金が挙げられ、平成27年度以降に向けて、見直す方向性が示されている。なお、平成25年度の歳入予算としては、県費補助金を約2億3,500万円見込んでいる。
3.検討結果
(1)方向性の検討
①市民サービス・子育て支援施策の観点
所得制限の導入については、子育て支援施策の後退というマイナスイメージを与えるほか、転入や出生の際に所得確認が必要となるため、医療証の即時発行が難しくなり、市民サービスの低下が懸念される。更に、毎年所得確認を行って、医療証の更新をする必要があることから、当分の間は、医療機関等において混乱が生じることが予想される。
②財政的視点
現行制度を継続した場合、平成26年度の医療費助成額は約16億8千万円で、平成25年度予算より、約7千万円の増と試算する。中学校3年生終了まで対象を拡大した場合の医療費助成額は、所得制限なしで行うと約3億円増加、中学生のみ所得制限を設けて行うと約2億円の増が見込まれ、全て一般財源での対応となる。また、現行制度に小学生のみ所得制限を導入すると、約2億円減少すると試算できる。
(2)今後の方向性について
総合的に勘案した結果、県の補助金が維持されることを前提に現行制度を継続することとし、今後の人口や財政状況等の変化に応じて、再検討することも必要であると考える。
土屋委員
国の動向、県の動向は?→国は社会保障と税の一体改革の中で、8/6に報告がされた。国と地方が、それぞれ責任を果たすとあるが、具体は示されていない。県の緊急財政対策では、国の動向を見たうえで見直しを検討するとしている。
小児医療費助成制度を小学校6年生まで拡大した。成果や意義をどう考えるか?→子育て中の方々から助かっているという声をいただいている。経済的な負担の軽減につながっている。
所得制限をすると、どのような事務作業が生じるか?→医療証について、毎年更新することとなる。所得の判定、医療証の発行など、事務作業が増える。
大野委員
県内で厚木市、海老名市などが中学3年まで助成している。どのような経過で導入したのか?→両市とも平成23年度から拡大した。子育て世代の更なる負担軽減のため。
中学3年までの拡大について、今後の方向について、理事者の考えは?→財政面について、拡大すると他のものにも影響が出てくる。この制度により、子どもの人数が増え、そのことにが与える影響も懸念あるので、今回は、現行維持の考えを示した。今後は、様々な状況の中で、拡大も検討の1つとなる。
桜井委員
県の補助金が維持されることが前提となっており、なくなったら所得制限をするように感じられるが?→補助金がなくなったら、改めて検討するというもので、なくなったら所得制限をするということではない。
吉田委員
意見の集約は、どのように行ってきたのか?→制度に関してはしていない。昨年のアンケート調査の中で、子育て世代にアンケートした。その自由意見の中では、小学校6年生までで助かっている、中学までの拡大の要望、一部負担しても良いのではなどの意見あった。
子育て世代以外の方々からの意見を聞くべきだが?→今後、小児医療費助成制度の検討が必要になった段階で検討していく。
報告(3) 今後の「いじめ防止対策」について
この報告は、今年度、教育指導課にいじめ防止対策担当を設け、いじめ問題に対する総合的な対策を策定したので、その内容について報告がされたものです。内容の抜粋は次の通りです。
1.教育委員会のスタンス
学校ならびに教育委員会は、いじめの問題を隠さず、適切な実態把握や対応を行う必要がある。このため、いじめの問題と正面から向き合い、問題の解決に向け、判断力と行動力を発揮し、いじめの未然防止及び早期発見・早期対応を図る。
2.教育委員会が早急に取り組む具体策
(1)新たに取り組む施策
①いじめ相談ホットラインの設置
専用ダイヤルを設置し、相談体制の充実を図る。専用ダイヤルは、原則、月曜日から金曜日の9:00~17:00で、主として学校問題解決支援員が対応する。時間外については、24時間相談を受け付けている神奈川県立総合教育センター「いじめ110番」の番号を紹介する。
②いじめ相談メール設置
藤沢市ホームページの教育指導課ホームページに「いじめ相談」についてのページを作成。その問い合わせ欄に、相談を入力することができ、メールは24時間受け付けている。
③いじめ相談機関の紹介及び周知
学校ホームページ、学校だより、広報ふじさわ(8/25号)により周知する。今後は、名刺大の「いじめ相談機関紹介カード」を年内に児童生徒に配布する。
④いじめ防止リーフレットの配布
小学校4年生、中学校1年生向けに、新たな「いじめリーフレット」を作成し、9月に配布する。
⑤(仮称)いじめ防止条例の検討
条例制定の必要性等について、早急に検討を進めるとともに、年度内に一定の結論を得る。
(2)いじめ防止対策推進法の施行(平成25年9月28日)に伴う取り組み
①藤沢市いじめ防止対策基本方針の策定
国、県が策定する基本方針を受け、藤沢市いじめ防止対策基本方針を策定する。
②(仮称)いじめ問題対策連絡協議会の設置
平成26年2月定例議会に上程を予定している。
③重大事態が発生した場合の市長部局における付属機関の設置
市長部局において、重大事態への対処のために付属機関を設置し、再調査とその結果を踏まえた措置を講ずる。
(3)今後の取り組み
①学校への道徳教育等の資料の提供
いじめに関する指導用図書を購入し、指導案とともに各校に配布する。
②スクールカウンセラー配置の改善
市スクールカウンセラーの学校勤務日数の増加等について検討する。
③いじめ対策マニュアルの整備
「児童生徒指導の手引き」内にある「いじめ」マニュアルを見直し、「児童生徒指導の手引き(改訂版)」を発行し、平成26年4月に全教職員に配布する。
④いじめ防止リーフレットの改訂
小学校新入学児童保護者向けリーフレット「いじめ?! 感じよう受け止めよう」の改訂を行い、平成26年4月に配布する。
⑤児童生徒向けアンケートの実施
年2回の実施とし、平成25年9月と平成26年1月に実施する。
⑥保護者対象いじめ防止講演会の開催
藤沢市いじめ防止プログラム推進員による講演会を、平成25年10月22日に開催する。対象は、藤沢市立小学校児童生徒の保護者と教職員。
⑦(仮称)中学生いじめ防止対策報告会の開催
市内19中学校生徒会に呼び掛け、各校が行っている、いじめ防止対策についての報告会を平成25年12月14日に開催する。
⑧いじめ防止対策担当者会の開催
各学校でいじめ防止対策担当者を選任し、平成25年11月に全市立学校のいじめ防止対策担当者会を開催する。平成26年度以降は、研修や情報交換の場として、年1回以上実施する。
⑨「いじめ防止プログラム」の提供
現在、湘南DVサポートセンターが行っている「いじめ防止プログラム」を、今後も希望校に対し提供するとともに、学校の実情に沿ったプログラムの見直しなどについて検討を進める。
3.学校がいじめ防止対策として早急に取り組む具体策
(1)学校いじめ防止対策基本方針の策定
藤沢市いじめ防止対策基本方針に基づき、がっこういじめ防止対策基本方針を策定する。
(2)いじめの防止等の対策のための組織の設置
いじめ防止対策推進法に基づき、学校にいじめの防止等の対策のための組織を設置する。また、各学校で、いじめ防止対策担当者を選任する。
(3)道徳教育等の充実
教育委員会が配布する資料等を活用し、人権意識や規範意識の向上を図る。
(4)アンケート結果の活用
「学校生活のアンケート」の実施・結果の集約・活用を図る。また、各学校で、いじめ実態の共有化を図り、組織として対応する。
(5)インターネットによるいじめに対しての対策を含めた、情報モラル教育の推進
スマートフォンなど、インターネットを使ったいじめに対して、外部講師により、児童生徒に情報モラルを身に付けさせる。
※この報告に対する質疑については、別の業務で、中座しましたので、ありません。
報告(4) コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)調査研究事業報告について
この報告は、文科省の研究委託事業である、コミュニティ・スクール調査研究事業について報告がされたものです。内容の抜粋は次の通りです。
1.事業名
文部科学省 平成23年度・24年度「コミュニティ・スクールの推進への取組」に係る委託事業
2.事業の主旨
コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)の導入のあり方や、充実・改善に関する調査研究を行うとともに、その成果を普及啓発することを通じて、コミュニティ・スクールの普及啓発をを図る。
3.研究指定校
湘南台中学校・片瀬中学校
4.研究期間
平成23年度・24年度
5.研究内容・成果・課題
(1)湘南台中学校
①研究テーマ 「地域に愛される学校の創造」~学校が主体となった地域教育力の活用~
②研究目的
地域に開かれた学校づくりを進めていくため、学校コーディネーターの導入ならびに地域との連携の方策について研究を行う。
③計画
・1年目 学校支援コーディネーターによる地域教育力の効果的な活用や連携方策の検討
・2年目 保護者や地域等の意向を適切に把握し、学校運営や教育活動に反映させる方策の検討
④研究内容・方法
・推進委員会の設置
・学校支援コーディネーターの設置
・先進校の視察
・「お花ボランティア」の導入
・事業経験者を活用した講演会等の実施
⑤研究成果
・学校支援コーディネーターの配置により、学校を支援する人のつながりができた。
・現行の組織のあり方や取り組みの妥当性と課題の確認ができた。
・地域と学校の相互理解が、より深まり、協力から協働へ発展しつつある。
⑥今後の取組
・「ひと」(地域、保護者、教員)が協働できる人材となるように、「人をつなぐ」取り組みを進める。
(2)片瀬中学校
①研究テーマ 「地域に開かれた学校の創造」~学校が主体となった地域教育力の活用~
②研究目的
地域に開かれた学校づくりを進めていくため、学校コーディネーターの導入ならびに地域との連携の方策について研究を行う。
③計画
・1年目 学校支援コーディネーターによる地域教育力の効果的な活用や連携方策の検討
・2年目 保護者や地域等の意向を適切に把握し、学校運営や教育活動に反映させる方策の検討
④研究内容・方法
・研究推進委員会の設置
・学校支援コーディネーターの設置
・先進校の視察による情報収集
・学校評価等の結果を踏まえた学校運営のあり方の検討
⑤研究成果
・学校支援コーディネーターの配置により、各ボランティア団体との協働化が円滑になり、組織的なボランティア活動の展開や、地域活動団体との連携がとりやすくなった。
・地域教育力の効果的な活用が図られた。
・学校運営協議会のあり方等を含めた組織構築に向けた検討ができた。
・学校評価等で得られた地域の声を反映し、学校運営を行うことができた。
⑥今後の取組
・更なる地域に開かれた、信頼される学校づくりを推進し、取り組みを充実させる。
・「片瀬中らしさ」を活かした地域教育力を活用した教育活動の充実を図る。
・防災教育の充実と地域等との連携協働を深め、地域防災リーダーとしての自覚の育成を図る。
6.総合的な成果
「地域に開かれた(地域に愛される)学校づくり」のためには、学校からの情報発信を積極的に行うとともに、地域の声をしっかりと聞くなど、「ひと」のつながりが大切である。
両校の取組で、すでにコミュニティ・スクールを導入している先進校の取組と共通する部分が確認でき、この取り組みを進めることで、「地域に開かれた(地域に愛される)学校づくり」の推進が可能であることが確認できた。
7.今後の方向性
この研究成果から、これまで教育委員会が進めてきた施策等を活用することで、「地域に開かれた(地域に愛される)学校づくり」は可能であると考える。今後は、既存の施策・事業を整理、伸展させることで、学校・地域・家庭の連携をさらに深め、「ひと」のつながりを強化し、藤沢らしさを大切にした「地域に開かれた(地域に愛される)学校づくり」を推進していく。
土屋委員
児童の意見をどう反映させるのか?→子ども、保護者からアンケートで声を聞いている。日ごろから教員が子どもの声をしっかり聞くことが大切。中学では、生徒会総会で声を聞いている。
学校評議員は、どのような方が選ばれているのか?→校長が推薦し、委嘱する。元PTA、民生委員、自治会、元教育関係者など。
竹村委員
全国的に神奈川は、学校・家庭・地域の連携が進んでいた。この意味を検証して進めてほしい。本町小学校の問題は、プロセスが不透明だったもので、複合施設を否定したわけではない。他市では、公民館との併設、図書館との併設しているところある。今後、公共施設の建替えある。地域におけるコミュニティスクール、学校のあり方、施設のあり方を研究すべきだが?→公共施設全般について、簡単に建替えられる時代ではない。学校施設についても、本町小学校が終わりひと段落したが、10年後以降は、1年に何校も建て替えが必要になる。整備計画をつくりながらやっていくこととなるが、ソフト、ハード面の整備をどうしていくか、総合的な指針の中で公共施設の再整備をまとめていく。指摘を踏まえて、つめていく。
報告(5) 平成24年度体力・運動能力、運動習慣等調査の結果について
この報告は、平成24年度に神奈川県児童生徒体力・運動能力調査に抽出校として参加した、本市の児童生徒の結果について報告がされたものです。
1.藤沢市立小学校5年生体力・運動能力調査の結果
【小5男子】 全国/神奈川県/藤沢市
握力(kg)16.70/17.09/17.95 上体起こし(回)19.44/18.85/18.39 長座体前屈(cm)32.60/33.87/32.45 反復横跳び(点)41.58/38.73/38.76 20mシャトルラン(回)51.58/47.40/47.78 50m走(秒)9.37/9.39/9.19 立ち幅跳び(m)152.31/149.66/150.08 ソフトボール投げ(m)23.80/22.62/23.05 体力合計点(80点満点)54.07/52.86/52.92
【小5女子】 全国/神奈川県/藤沢市
握力(kg)16.23/16.38/17.27 上体起こし(回)17.92/17.17/17.31 長座体前屈(cm)36.68/37.75/34.41 反復横跳び(点)39.23/35.77/35.81 20mシャトルラン(回)39.89/33.66/33.35 50m走(秒)9.64/9.71/9.38 立ち幅跳び(m)144.84/140.81/141.23 ソフトボール投げ(m)14.25/13.18/14.63 体力合計点(80点満点)54.85/52.52/53.08
その他、クラブへの所属、朝食の有無、睡眠時間、テレビの視聴時間など、様々な観点から分析がされました。また、同様に、中学2年生の調査の結果も報告されました。
土屋委員
クラブに入らなくても運動ができることが大事。公園、子供の家、里山など、さまざま運動できる場所ある。どう考えるか?→遊び場不足、確保については、放課後、休日の遊び場が必要。藤沢市スポーツ元気プラン、みどりの基本計画の公園整備など進められている。市長部局と連携し取り組んでいく。
テレビの視聴時間について、スマホやメールのやりとりも含めるべきだと思う。県に意見し変更させるべきでは?→県の調査項目では、携帯電話、スマホ、インターネットは触れられていないが、時間費やしている児童生徒いる。情報についての調査は別に行われている。
報告(6) 「中学校給食実施にあたっての基本方針」について
この報告は、教育委員会として、中学校における給食実施の具体化に向けて検討し、基本方針を策定したので、報告がされたものです。内容の抜粋は次の通りです。
1.実施方法
(1)献立作成
成長期の中学生に必要な栄養バランスに考慮して、学校給食実施基準に基づき、市の栄養士が献立を作成し、主食・副食・牛乳で構成する完全給食とする。
(2)食材の発注
市の栄養士が食材の指定をし、添加物や農薬、放射能などに配慮した安全安心な給食を提供する。
(3)調理
万全な衛生対策を講じた民間事業者の調理場で調理し、主食・副食それぞれ食器(ランチボックス)に盛り付け、専用の配送ケースに入れて各学校に配送する。
(4)衛生管理
文部科学省の学校給食衛生管理基準などに基づき、市の栄養士が、民間事業者に対して衛生管理指導を行う。
(5)給食回数
給食実施回数は、年間180回を標準として、学校行事を踏まえ、各学校で定めるものとする。
(6)給食費
学校教育法に基づき、食材料費のみを利用者負担とし、給食費の1食あたりの単価は実施時までに定めるものとする。
(7)その他
選択制の給食のため、利用者の利便性を考慮した予約システムを導入する。
2.実施スケジュール
平成26年度に一部の中学校で試行を行うため、その予算化に向けて具体的に検討していく。その後、日課表への影響など、試行の状況を検証した上で、全校での実施に向けて検討していく。
友田委員
デリバリー方式の際、弁当との割合について、他市のデータあるか?→デリバリーの割合は、相模原市で48.9%、海老名市で32.9%、町田市で22.4%、国分寺市で79%、八王子市で25.9%、大阪市で12.6%。
中学校は19校あるが、配膳室などの整備にいくらかかるか?→1億2千万円~3億3千万円程度。
予約システムを導入し、1か月前に献立を決めるとの事だが、ネットや携帯で予約できるのか?→相模原市でやっている方式で考えている。1か月前に献立を示し、食べる日を選んで携帯、パソコンで注文する。ネット環境にない方は、マークシート方式で。料金は事前振込みで、額に応じて予約できるものを予定。
キャンセル時に料金戻るのか?→小学校では長期欠席について、5日の調整期間ある。食材の購入などあるので、当日キャンセルは難しいが、5日前であれば、次回の料金に回せると考える。
安全安心を継続して行える業者をどう選定するのか?→仕様水準を確定し、11月~12月にホームページで募集、年度内にプロポーザルで選定していきたい。
試行の2校は決まっているのか?→現在、各学校の配膳室を調査している。
試行の期間は?→11月からの施行を予定し、最低1年間は必要と考える。
土屋委員
文部科学省の学校給食状況調査ある。全国での単独方式、センター方式、その他とある。それぞれの方式の割合は?→平成22年5月1日現在で、中学校給食実施校8,179校のうち、単独方式2,355校で28.8%、センター方式5,288校で64.7%、その他は536校で6.6%。
県内の状況は?→県内は68校で実施。単独方式8校、センター方式57校、その他3校。
全国的に見ても、その他は圧倒的に少ない。県内で単独・センター方式でやっているところと、本市の日課表と、どう違うのか?→授業時間は50分と変わらない。本市は朝8:25から教職員の打合せを行い、昼食時間15分。小田原市は、8:10から打合せ、昼食30分、南足柄市は、8:00から打合せ、昼食30分で、どこの学校も終了時間は同じ。
早くしてできないのか?→藤沢は学区が広く、通学に時間かかる。家を早く出るようになると、弁当を持参する家庭への負担増ともなるので難しい。
給食費について、市の負担ある。弁当には市の負担ない。公平性を欠くと思うが?→学校給食法により、人件費、施設修繕費は、市の負担で、食材が保護者の負担となる。デリバリー方式は、選ぶ権利はあるので、公平性を欠くとは思わない。
試行は市内の業者となるのか?→衛生管理、基準に沿った調理ができるのか、調理から2時間で運べるかなど、市内外で募集する。
現段階で、市内でできる業者あるのか?→条件に対応できる市内業者あると聞いていない。
全校実施可能なのか?→19校で実施する場合、調理から2時間以内で喫食と決まっているので、市内業者が望ましい。これまで、市外業者から、市内工場の建設もと聞いている。
センター方式、単独方式も検討すべきだと思うが?→センター方式、単独方式では、50億円~85億円かかる。日課表の課題も含めてデリバリー方式としたもの。
竹村委員
質疑の中で、8:00の打合せで、帰りが同じとあったが、労基法違反ではないか?→勤務の開始時刻は、校長の専決事項だが、勤務時間を超えて、拘束することはない。
実施目的に、健全な食生活を営むことができる判断力を培うとある。無理なダイエット、偏った食事に対して判断力を培うことが大事。疑似科学やフードファシズムというものがある。納豆ダイエットなどが代表的で、スーパーでは納豆が消えた。「変な給食」の作者を市が公的な場に呼んだことがある。藤沢市は誹謗中傷をうけた。公の場で取り入れると正当化されてしまう。見解は?→思春期のダイエット、年齢が低くなってきている。テレビ、雑誌で紹介されると、飛びつく状況。科学的根拠のないものに、惑わされないよう、食育に取り組んでいる。今後も進めていく。
大野委員
先進市への視察の予定は?→学識者、PTAなどの検討委員会委員は、相模原市や海老名市に視察した。9/20には、教育委員が、相模原の中学校に行き、搬送、喫食、返却など一連の状況を見ていただく。
デリバリー給食と、弁当持参との、食べ始める時間の差をどう解消するのか?→皆がそろって食べ始めるように担任が対応する。
喫食率の確保について、どう工夫していくのか?→先進市では、献立を複数にする、スープ類の提供などを行っている。同様な検討をしていく。
弁当箱について、子ども目線でデザイン、絵など、工夫すべきだが?→大きさや形の工夫は難しいが、色や蓋へのイラストなどについて検討していく。
全校開始は何時ごろか?→試行に1年~1年半は必要。その中での意見を取り入れ、検証してから実施となるので、スケジュールについては、もう少し時間がほしい。
以上、報告とします。