9月5日 9:30より、厚生環境常任委員会が開催され傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。
陳情26第12号 2015(平成27)年度における重度障害者医療費助成制度継続についての陳情
この陳情は、平成27年度予算策定に際し、重度障害者医療費助成制度について、前年度に引き続き継続するよう、市への働きかけてほしいというものです。
土屋委員
市内の重度障害者医療費助成制度の対象者の現状と5年前の状況は?→4/1現在で、10,702人で、5年前は9,544人。
本市のように県の補助枠以上に助成している他市の状況は?→4/1現在で、本市を含めて16市町村。
県の補助金が減額された分、市が負担しているが、どのくらいの負担額か?→平成25年度で8,762万円。
県に対して補助金の復活や、国に対して国の責任でやるよう求めていくべきだが?→県に市の負担が増えないよう要望していく。また国へは、福祉・医療は国の責任で制度構築すべきということを県を通じて働きかけていく。
この陳情は、昨年も出されており、昨年と同様に全会一致位で主旨了承となりました。
陳情26第13号 2015(平成27)年度における障害児者・透析者を含む移動困難者に対する通院支援についての陳情
この陳情は、平成27年度予算策定に際し、障害児者・透析者を含む移動困難者の通院に対して、引き続き支援の継続を求めるものです。
土屋委員
腎機能障害1級の人数と5年前の状況は?→4/1現在で、1級の手帳交付は680人、5年前は580人。
福祉有償運送事業者の利用について、事業者数、利用料金、経営状況、課題などは?→事業者は12団体、利用金は1km50円~300円で、一般タクシーの約半額、運営は採算が困難で事業者数が増えない。車両の確保、ドライバー不足などが課題。
ガソリン券導入の検討状況は?→本人が使用したことが確認できないこと、セルフスタンドの増加もあり、導入は困難。
友田委員
消費税が10%になれば、タクシー代が値上げとなる。タクシー券の在り方を検討すべきだが?→平成25年度で1億3,783万円のコストがかかっおり、前年度より18%増加している。外出支援の様々な施策を展開していく中で検討していく。
透析患者の通院に対する考えは?→現行の1.5倍を継続していく。
この陳情は、昨年も出されており、昨年と同様に全会一致で主旨了承となりました。
報告(1)生活困窮者自立支援法の概要及び自立促進支援モデル事業の実施について
この報告は、生活困窮者に対する早期支援を行い、自立促進を図るための第2のセーフティネットの充実・強化に向けて、平成25年12月に生活困窮者自立支援法が制定されました。この法による新たな制度では、福祉事務所を設置する自治体が主体となり、官民協働による地域の支援体制を構築し、生活困窮者の自立促進に関する包括的な事業を実施することになります。本市では、平成27年4月1日の法施行に向けて、各支援事業の円滑な導入を図るため、生活困窮者自立促進支援モデル事業を実施することとしました。そこで、新たな制度の概要とモデル事業の内容について報告がされたものです。
1.新たな制度の概要
(1)必須事業
①自立相談支援事業
生活困窮者の支援に関する総合調整を行い、個々の状況に応じた自立支援計画を策定し、適切なサービスや関係機関につなぐなど、包括的な支援を実施する。
②住居確保給付金の支給
離職等により住居を失った、または失うおそれのある生活困窮者に対し、家賃相当の住居確保給付金を支給する。なお、この事業は現行の離職者支援制度の「住宅支援給付」が法制化されたもの。
(2)任意事業
①就労準備支援事業
直ちに一般就労することが困難な生活困窮者が、就労に必要な基礎能力を形成できるよう、日常生活自立、社会生活自立段階から支援を実施する。
②一時生活支援事業
住居のない生活困窮者に対して一定期間、宿泊場所や衣食の提供等を行う。
③家計相談支援事業
生活困窮者の家計の再建に向け、家計に関する相談、家計管理に関する指導、貸付のあっせん等の支援を行う。
④学習支援事業
貧困の連鎖を防止する観点から、生活困窮家庭の子どもへの学習指導、子どもの居場所づくり、学習の重要性についての保護者の理解促進等の支援を行う。
⑤その他生活困窮者の自立の促進に必要な事業
(3)国の負担及び補助
①自立相談支援事業、住居確保給付金=国庫負担3/4
②就労準備支援事業、一時生活支援事業=国庫補助2/3
③家計相談支援事業、学習支援事業、その他=国庫補助1/2
(4)新たな制度がめざすもの
①生活困窮者の自立と尊厳の確保
支援員が本人の意欲や想いに寄り添い、自己決定を尊重しながら本人の状態に応じた支援を実施する。また、自己肯定感や自尊感情を失っている生活困窮者の尊厳の確保には特に留意する。
②生活困窮者を通じた地域づくり
生活困窮者の早期把握や見守りのための地域ネットワークを構築し、包括的な支援策を用意するとともに、生活困窮者が地域とつながりを実感できるよう、「相互に支えあう」地域を構築する。
2.本市における実施方針
新たな支援事業は、社会福祉法人やNPO等への委託も可能とされているが、特に制度の中核を担う自立相談支援事業と住居確保給付金の支給については、直営で実施する予定。また、任意事業については、就労準備支援事業、家計相談支援事業および学習支援事業を実施することとし、いずれも専門機関に委託する予定。
3.モデル事業の概要
(1)実施事業
①自立相談支援モデル事業
②就労準備支援モデル事業
③家計相談支援モデル事業
④学習支援モデル事業
(2)実施体制
自立相談支援窓口を市役所新館4階の生活援護課に隣接する場所に設置し、主任相談員、相談支援員および非常勤の就労支援員を1名ずつ配置する。また、就労準備支援モデル事業、家計相談支援モデル事業、学習支援モデル事業については、公募により委託先を選定する。
(3)実施時期
平成26年11月~27年3月
(4)支援協力体制
庁内各部門の相談窓口や、税・料等の所管課との横断的な連携会議を設置するとともに、市社会福祉協議会をはじめ、庁外の相談援助関係機関との協力体制を構築する。
土屋委員
モデル事業は、生活保護を抑制するものなのか?→生活保護が必要な方へは、確実に生活保護につなぐ。
家計相談支援について、多重債務、ギャンブルなどがわかった場合、どう対応するのか?→専門窓口、法律の専門家につなぐなどしていく。
大野委員
モデル事業が11月からスタートするが、どのように庁外機関と連携していくのか?→民生委員・児童委員・児童相談所・地域包括支援センター・商工会議所などと、今後調整し、体制を整えていく。
民生委員の理解・協力が必要。いつ説明していくのか?→全地区研修会で説明した。今後、各地区の定例会を通じて研修をしていく。
原田委員
生活保護にするのか、困窮者自立支援にするのか、判断する基準は?→自己決定を尊重する。決定できるように支援していく。最終的には本人の意思で決定するもの。
家計相談支援事業の内容は?→家計診断、家計簿作成指導、貸付あっせんなど。
学習支援事業の内容は?→学習会などの学習指導、進学計画、入学手続きアドバイス、日常生活などの支援など。
拠点を整備するのか。要保護・準要保護の多い地区の展開などの考えは?→市内を南北に分けて拠点を構えて支援する。今後、地区割りの検討も必要になると考えられる。
東木委員
不動産業者が家賃滞納から把握している自治体ある。民間との連携の考えは?→不動産業者、コンビニ、ライフライン事業者との連携事例あるので、検討していく。
今後の展開の考えは?→13地区への設置を念頭に、順次展開を考えている。
報告(2)ジョブスポットふじさわ(ハローワーク常設相談窓口)の設置について
この報告は、生活保護受給者等のうち、就労支援が必要な方に対して、就業相談、就業紹介等の就労支援を福祉部門とハローワークが一体的に実施することにより、ワンストップ型の早期支援と就労による自立の促進を図るため、市役所内にジョブスポットふじさわ(ハローワーク常設相談窓口)を設置するもので、その内容が報告されたものです。
1.概要
(1)設置場所
市役所新館4階の生活援護課に隣接する場所
(2)実施体制
ナビゲーター(ハローワーク職員)2名が常駐し、福祉事務所の就労支援相談員およびケースワーカー並びに、生活困窮者自立支援制度の相談支援員等と連携を図りながら、対象者の支援を行う。
(3)支援対象者
①生活保護、住宅支援給付および児童扶養手当の相談者・申請者・受給者
②生活困窮者自立支援制度に基づく相談支援の対象者
(4)実施内容
求人情報提供/就業相談/就業相談等
2.運用開始時期
平成26年12月1日 運用開始
土屋委員
生活保護法が改正されたが、理念は変わってないか?→変わっていない。
就労支援の実績は?→平成26年8月末時点までで、151人に就労支援し、89人が就労した。うち42人が生活保護から対象外となった。
原田委員
ハローワークの出張所という認識で良いか?→ 生活保護、住宅支援給付および児童扶養手当の相談者・申請者・受給者が対象なので、一般的なハローワークの出張所ではない。
資格取得、職業訓練などの考えは?→ハローワークでやっている就労支援準備セミナー、NPOでやっている仕事紹介イベントなどで紹介、あっせんしている。
報告(3)(仮称)地域ささえあいセンター運営モデル事業の実施について
この報告は、本市独自の取り組みとして、NPO等の民間主体とボランティアなどの協働による、高齢者の生活支援サービスをはじめ、生きがいづくり、多世代交流、介護予防や孤立予防などの総合的な機能を備えた「(仮称)地域ささえあいセンター」を設置することとしました。そして、介護保険制度の見直しに先行する形で、そのモデル事業を実施することとし、事業主体となる事業者を選定したので、その概要が報告されたものです。
1.モデル事業の概要
(1)(仮称)地域ささえあいセンターの主な機能
①高齢者、障がい者、子どもなど、様々な地域住民が気軽に立ち寄れる憩いの居場所の提供
②元気な高齢者同士が交流できる機会の提供
③高齢者の困りごとなどに対する相談・支援
④地域資源の開発や生活支援サービスの充実、サービス提供主体のネットワークづくりなどを担う「生活支援コーディネーター」の配置
⑤ボランティア活動を通じた、元気な高齢者の社会参加促進 など
(2)事業主体
認定NPO法人ぐるーぷ藤/設置場所:藤沢市藤沢1,049番地(空き店舗を活用)
(3)実施期間
平成26年10月~平成27年3月 ※ただし、平成27年4月以降も運営は継続。
(4)今後について
平成27年度以降は、介護保険制度の地域支援事業において、整備支援を推進することとし、将来的には13地区への展開をめざし、現在策定中の高齢者保健福祉計画(第6期介護保険事業計画)で整備目標を定める予定。
土屋委員
元気な高齢者同士が交流できる機会の提供とは?→民謡、趣味の講座、安価な食事の提供など。
原田委員
公募時に設置場所が適当か、どう判断したのか?→高齢者も通いやすいと判断した。
来年度以降も補助していくのか?→介護保険の地域支援事業で行っていけると考える。活動内容により、支援できるものは支援していく。
大野委員
この事業に至った経緯は?→国がガイドラインを示す前に案が示されていた。いくつかの事業者から提案をいただき、補助金が確保できたから実施に至ったもの。
モデル事業の検証をどうするのか?→モデル事業を進める中で併行して検証をしながら、来年度以降も継続していく。
報告(4)バイオガス化施設導入の検証結果及び検証後の新たな取り組みについて
この報告は、バイオガス化施設の導入について、これまで試行収集やアンケート調査をし、その導入について検討してきた結果が報告されたものです。
1.検証結果
資源化についてはバイオガス化施設に優位性が見られたものの、温室効果ガスの削減、発電効率、経費の面では、焼却施設に優位性がある。さらに、市民の分別協力率が高かったことから、予定していた80トン規模のバイオガス化施設を140トン規模にする必要が生じ、その場合は北部環境事業所の2号炉跡地では対応しできないため、新たな敷地用地の確保が必要になること。140トン施設の稼働実績がなくリスクがあることなどから、現段階では、バイオガス化施設の導入は見送ることとした。
2.今後の対応
廃棄物処理施設整備計画を見直し、焼却施設の延命化など、安定的なごみ処理と効率的な施設整備について検討を進める。
3.検証後の新たな取り組み
(1)雑紙の分別変更
「雑紙」と「本・雑誌」の統一について、平成27年度より、同一分類による戸別収集を検討する。
(2)資源協力金の見直し
雑紙を集積所収集から戸別収集化することに伴い、資源協力金を見直す。ただし、減額はせず、資源協力金を定額化し、世帯数に応じた資源協力金とする。
渡辺委員
資源協力金の全世帯平均額は?→280円。
友田委員
検証にかかったコストは?→約160万円。
モデル収集をした地区のアンケートでは、43.2%が導入すべきとなっている。協力いただいた方へ、いつ説明していくのか?→見送った経過を10月頃に説明していく。
土屋委員
資源協力金の推移は?→平成24年度から戸別品別収集となり、平成24年度4,902万円/25年度5,000万円。その前の23年度は5,578万円で10%程度の減額となっている。
自治会・町内会に入っていないマンションなどの管理組合への協力金の扱いは?→800団体へ交付しているが、自治会・町内会は480団体、その他マンションなどの管理組合320団体へも同様に交付している。
青木委員
今後、バイオガス化施設の導入を改めて検討するのか?→施設整備計画を見直していく。石名坂・北部環境事業所の延命化をしたうえで、先進事例などを見たうえで検討していく。
原田委員
他市では、レストランで中型ごみ処理機を置き、裏で堆肥を使った畑をしているところある。市内で考えられないか?→調査していく。
個別品目収集で、本と雑紙を一緒にするとコスト増あるのか?→300万円から400万円のコスト増となる。
柳田委員
資源協力金の使途に制限はあるのか?→とくにない。
ブラの処理経費と再利用の状況は?→コストは約5億円。9割以上は、鉄を作る際のコークスの代替え品となっている。
コークスとして燃やしているのなら、市で生ごみと一緒に燃やした方が良いのでは?→施設整備計画の中で検討していきたい。
以上、報告とします。