12月17日 10:00より、藤沢市議会12月定例会(5日目)が開催され、引き続き一般質問が行われました。内容の抜粋は次の通りです。
通告10番 塚本議員
1.財務運営について
(1)公会計改革について
民間が行っている複式簿記会計を導入すれば、入ってきたお金が税金なのか借金なのかわかり、財政の見える化ができる。昨年9月議会で複式簿記での会計を見据えると、固定資産台帳の作成が必要と質問したが、取り組み状況は?⇒平成25年度に公共建築物施設台帳をシステム化を図り、その他の台帳も26年度にステム化を行っている。個別の台帳のシステム化は、二重投資にならないようにしていく。
市の固定資産は多くある。庁内で統一すべきだが?⇒一元化が必要。把握したうえで、国の基準や現実的な管理方法など、全庁的に整備していく必要がある。
地方公会計の整備に向けた取り組み状況は?⇒10/31に固定資産台帳の整備スケジュールの共有を図り、担当者と公認会計士とのヒアリングを行った。
市職員全体で、知識の習得が必要だが?⇒一定の知識が必要。固定資産台帳の維持管理も求められるため、研修が必要。簿記理論の講習について、講師の派遣、説明会を検討している。
公会計について、国がガイドライン、会計ソフトを提供するが、内容は?⇒統一基準に基づく財務諸表について、標準ソフトを無償で提供するもの。来年度に開発し配布いると聞いている。
複式簿記に基づく、日々仕訳にしていくべきだが?⇒国からのソフトが不明だが、導入時には期末一括処理が想定される。本市では、最終的には、日々仕訳ができるようにしていきたい。
複式簿記にするには、システムの改修が必要。総務省は、平成27年度から29年度で、すべての自治体が統一財務諸表をつくるとしている。理事者がリーダーシップをとり進めていくべきだが?⇒国の状況を注視しながら、事業別、施設別財務諸表の作成、活用に向けて取り組むことが重要。しっかりと進めていく。
(2)契約事務について
総合評価入札を行う上でのメリット、デメリットは?⇒メリットは、工事の品質の確保や向上、不適格者の排除、政策的課題への誘導など。デメリットは、設計から契約まで期間がかかり、事務量が増えるなど。事務量が多いため、件数を増やせないのが課題。
品質確保の観点から、もっと積極的に導入すべきだが?⇒設計から落札まで長期間となることから、発注時期が決まる。国は事務の軽減が必要としており、事務量が軽減できるてめの検討をしている。
刑務所や少年院を出た方を雇用している会社を優遇することを2005年から岩手県で行っている。海老名市も導入し、増えてきている。藤沢市の総合評価入札でも加点対象にすべきだが?⇒総合評価入札における社会的貢献度の導入については、他市の状況を見て、導入に向けて検討していく。
本市の入札不調の状況は?⇒10月末で、223件中15件。予定制限価格を超えたものが7件、入札者がいなかったものが8件。
市営遠藤第二住宅の工事入札が不調となったが?⇒9/11に公募し10/7に開札したが最低制限価格未満で不調となった。再度、10/15公募、11/6に開示したが、同じく不調となった。積算を見直し、11/25に落札した。
入札参加者から、入札のたびに最低制限価格が下がるのはおかしいとの声ある。設計金額や予定価格が、同じ工事で下げるのは好ましくない。下げるのなら、最初から下げるべきだが?⇒2回目以降、業者見積、工期の見直しなどで金額がさがっもので、最初から下げることはできない。
2.地域医療について
(1)地域に根ざした病院経営について
市民病院の患者が減少しているが状況は?⇒入院・外来患者により収益は、今年度は167億円となり昨年度より減収となっている。入院・外来とも単価は上がっているが、患者数が減少傾向にある。
原因と対策、経営への影響は?⇒電子カルテ導入の混乱を防ぐため、枠を減らしたことが原因と考える。診療部各科で、収益の増加に向けて改善に取り組んでいる。利用者の利便性向上のため、路線バスを敷地内に入れるように進めている。この状況が年度末まで続くと、7億円の減収となり、1,4億円の赤字となるため、状況の改善に努めていく。
病院経営の充実には、医療スタッフの充実が必要だが、医師の負担大きくなっている。市民病院における1か月の拘束時間の状況と負担軽減の考えは?⇒155時間+日当直28時間=183時間。医師の補助スタッフの配置し、また、大学医局へ医師の派遣を要請している。
市民病院の職員採用について、市長部局と院長の弾力的採用が担保されるべきだが?⇒病院側で必要人数を確保するようにしている。医療職員の増員には、自由度を高めることが必要。市側と見直しを含めて対応していく。
総合診療医師を導入すべきだが?⇒総合診療医師の育成の取り組みを開始。地域の医療機関と役割分担をしていく。地域のかかりつけ医が総合診療医師の役割を担っており、地域医療連携を更に進めて対応していく。
(2)地域医療構築に向けた連携について
市民病院が中心となり、各医療機関と連携していく必要あるが?⇒昨年度から懇話会を開催。緊急性の高い患者を1人でも救うため、延べ66の医療機関と意見交換した。今後は、県の地域医療構想を踏まえて、積極的に連携していく。
在宅医療の推進の取り組み状況と課題は?⇒平成25年度、医師会と連携して講演会を開催。26年度は、地域包括支援センターやケアマネージャーと現在の状況を把握した。医師不足、退院後の情報提供のあり方が課題。
通告11番 原田議員
1.2025年に向けた市長の政治姿勢について
(1)人口減少社会に対応する地域力を生かしたまちづくりについて
2025年問題プロジェクトチームといきいき長寿プラン2017との関係性は?⇒高齢福祉計画と介護保険辞儀用計画をより幅広い視点で、2025年問題プロジェクトチームによる調査により、3年ごとに必要に応じて見直しの協議を行う。
プロジェクトチームで見直しが必要となっても3年間は見直されないのか?⇒2025プロジェクトチームでは、課題の認識、本市への適用、各部で取り組むべきものを検討するもので、いきいき長寿プラン2017は、2025プロジェクトチームにおける対策の具体的計画の1つ。
2025年問題に対して危機感がない。変更は市民センターですべき。小規模多機能型介護施設の取り扱い方針では、地域の交流への参加を図ること、地域住民との連携・協力などを事業者に義務付けている。地域連携の基準はあるのか?⇒基準は特にないが、統一した考えを持つ必要ある。
第6期介護保険事業計画における、小規模多機能型介護施設についてのアンケートで、事業者や市に求められるものは?⇒認知度が低く、使い勝手の良さが伝わっていないなど。
いきいき長寿プラン2017のパブリックコメントでの意見とその反映の仕方は?⇒17件あり、在宅医療と介護の連携、介護保険料の減免、小規模多機能型介護施設の充実など。計画策定委員会に報告し、反映していきたい。
地域包括ケアシステムについて、地域包括支援センターが中心となり、機能強化すべき。指導監督をどうしていくのか?⇒基幹型地域包括支援センターに向けて、指導監督していく。
地域包括ケアシステムの構築に向けて、地域包括支援センターと小規模多機能型施設との意見交換会を市がすべきだが?⇒実施に向けて検討していく。
日常圏域を13地区とする根拠は?⇒行政区としてきた経過があるため。
地域支えあいセンターについて、小地域ケア会議に生活支援コーディネーターの充実をすべきだが?⇒小地域ケア会議と既存の会議体の活用をしていきたい。
認知症初期支援チームに、認知症サポート医が2人しかいない。充実の考えは?⇒県の責任でと要請している。来年度2人、養成研修を受講される。今後、医師会を通じて認知症サポート医の必要性を訴えて、受講を促していく。
住まいとして、国はサコージュを提唱している。市内のサコージュの状況は?⇒県では、住宅福祉施策として計画を定めている。12/1現在で、市内に9施設275戸ある。
お泊りデイサービスについて、介護保険適用外だが、市内の状況は?⇒通所介護施設を利用したもので、届け出義務がないので、把握は困難。実態を把握していく。
宿泊サービスが適切なのかわからない。指針を設け、自治体への届け出が必要とすべきだが?⇒市町村への届け出の必要性など、国がガイドラインをつくっている。注視していく。
市内の特別養護老人ホームでの看取りの状況は?⇒すべての施設で看取り介護をしている。退去の4割は看取り介護加算の対象となっている。
地域包括ケアシステムの中で、看取りをどう考えているのか?⇒在宅での医療提供の中で、可能な限り希望に沿う医療・介護の対応を図っていく。
小規模多機能型施設やグループホームでの看取りに対する課題は?⇒医療機関の経験がなく不安あるとの声ある。充実した職員体制の構築と看取った職員の心のケアが必要。
地域支えあいセンターの生活支援コーディネーターについて、コミュニティソーシャルワーカーの必要性の考えは?⇒地域課題、ニーズを発見し、制度のはざまの課題解決には重要と考える。
社会福祉協議会が、コミュニティソーシャルワーカーの役割ある。13地区に配置すべきだが?⇒社会福祉協議会の中に地域支援担当ができた。社協をはじめ、関係機関と調整しながら、本市にあったものを検討していく。
地域福祉計画に対して、社協の地域福祉活動計画が、1年ずれて作成される。市と協働で一体化すべきだが?⇒市の地域計画をもとに翌年に社協が実施計画を策定している。次期策定時には、一体化できるか検討していく。
地域包括ケアシステムは、各市民センターが中心となり、進めていくべきだが?⇒2025年を見据えて、地域包括ケアシステム構築のための推進会議を設置して検討していく。
通告12番 松長議員
1.障害の有無にかかわらず自分らしく生活できる藤沢を目指して
(1)障害者差別解消法の施行に向けて
障害者差別解消法と障害者権利条約の関係は?⇒権利条約では、合理的配慮を含めた差別の禁止を定めている。その趣旨は、法の第4条に盛り込まれた。障がいを理由にした差別の解消を目的としている。
具体的には?⇒障がいを理由とする差別とは、正当な理由なく制限をするもの。障がいのある方、且つ、配慮を求めた場合、負担となりすぎない中で、配慮をするもの。
段差の解消、多目的トイレの設置など、民間施設でも必要。適用は公・民で違うのか?⇒障害者差別解消法において、障がいを理由とする差別の取り扱いは、官民問わず禁止がされている。公は法的義務があり、民間は、努力義務となっている。
障害者差別解消法の施行は平成27年4月となっている。市の取り組み状況は?⇒7月に障がい福祉課と人権男女共同参画課の協働で、庁内の障がい・人権担当者に研修会を実施した。
障害者差別解消法は、市民生活全般に影響する。今後の準備は?⇒国から基本方針が示される予定なので、具体的に示され次第、基本要領をつくり、取り組んでいく。
(2)聴覚障がい者の支援について
聴覚障がい者に対するサービスについて、対象者数と実績は?⇒4/1現在、聴覚障がいによる手帳の交付は827人。補聴器の支給は平成25年度、新規71件、手話、要約筆記者の派遣対象は72人で、延べ612人派遣した。
聴覚障がい者への支援サービスは、補聴器の支給、手話通訳の派遣だけでなく、他にも要望あると思うが?⇒聴覚障がい者団体からの聞き取りでは、イベント、講習会などで手話が少ない、制度化してほしい、グループホームなど、聴覚障がい者に対応できる施設を増やしてほしいなど。
障がい福祉課の窓口における、手話通訳者の配置状況と今後の考えは?⇒月水金に配置しているが、来年度から週5日配置にしていく。
グループホームについて、聴覚障がい者を専門的に受け入れている施設の状況は?⇒専門的に受け入れている施設はない。
全国的な状況は?⇒県内にはないが、大阪、千葉、長野などで行っているところある。
広域での事業化できないか?⇒藤沢・茅ケ崎・寒川で構成する障がい者自立支援協議会を活用して、協議していく。
(3)障がい者虐待などについて
平成25年度の市内における障がい者虐待の状況は?⇒障がい福祉課への通報25件、26人。父母からの虐待、施設職員からの虐待などで、身体的14件、心理的11件のほか、経済的、ネグレストなど。
障がい者施設で虐待をなくす対策は?⇒障がい者総合支援協議会が施設を対象に調査したところ、施設職員の半数が問題あると感じており、虐待があったと回答した。障がい者施設職員を対象に平成25年11月に研修会を開催した。
今後の課題は?⇒障害者虐待防止法では、虐待防止センターの設置が義務付けられており、障がい福祉課内にセンターを設置した。今後の課題は、高齢化が進む中で、地域包括支援センターやふじさわ安心センターを強化していく必要がある。
障がい者権利条約について、本市として、条約の理念を市民にどう周知していくのか?⇒障がい者総合支援協議会などと協力して、講演会を開催し市民に周知していく。
通告13番 加藤(なを子)議員
1.住民の命と財産を守る災害対策について
(1)災害時の体制について
10/5・6の台風18号について、情報の収集体制はどうだったのか?⇒10/5の午後に防災危機管理室で情報収集体制をとり、災害情報、河川水位情報などを把握した。6日の朝には、職員を動員し、危機管理室内に専用電話10台にて対応して、消防局や建設への通報を情報共有した。
現地の把握はどうしたのか?⇒災害情報を収集し、ネットなどで発信。市民からの通報を受けて現場へ、また、被害が想定されるところへは職員を配置し情報収集を行った。
18号において、電話で市民からどのような要望が来たのか?⇒防災危機管理室への電話は250件超、建設職場へは100件超、消防局には240件あった。道路冠水、家への浸水など。避難勧告後は、防災無線の内容、被害に関するものが主で、内容を整理して対応した。
被害住民から、台風後に寄せられた意見や要望は?⇒消毒205件、税の減免52件、見舞金57件の対応をした。台風後は、次の19号への対応、下水、河川の整備計画などの意見・要望があった。
市民にとって、いざというとき、市民センター・公民館の職員が頼りとなる。どのような役割を担っているのか?⇒市民センター・公民館へは、予め近くに居住する職員を指名しており、センター・公民館に参集し、補助することとなっている。
台風18号における避難所開設の状況は?⇒61施設で水害避難所を開設し、824人が避難。知的障がい者2人、身体障がい者1人、独居高齢者1人が避難した。
災害時の公務労働の役割は?⇒災害対策にあたるのは当然の責務。市民の生命・財産を守るために働くのが、自治体職員の大切な役割。
体制の強化・充実をどうしていくのか?⇒職員の情報共有が課題と捉え、機動的な意思決定会議を設置することとした。庁内連携の強化、情報の共有を図る。事前、災害時、事後の対応をそれぞれ年度内に対応策をまとめていく。
過去の防災アセスメントが必要だが?⇒風水害だけでなく、履歴を考慮することが重要。他市の例を参考に検討していく。
災害対策の市長の考えは?⇒災害対応の課題が浮き彫りになった。避難情報を迅速、的確に発信することが大切。空振りを恐れず、早めの避難を促していくことが必要。庁内連携の強化、情報の共有化を図り、災害に強いまちづくりを推進していきたい。
(2)浸水対策について
浸水対策の今後の取り組みは?⇒過去の被害を踏まえ、優先順位を定めて、貯留管整備や遊水地整備などで対策している。市民への情報提供は防災ナビ等で行い、今後も、ハザードマップの説明会などで防災意識の向上を図っていく。
治水対策について、今後、どう取り組んでいくのか?⇒境川の狭さくにより、白旗、一色川周辺で被害多かった。10月末に県に対して河川改修を要望した。今後は、河川のみ、下水のみの対策ではなく、自治体が協働して治水対策をしていく。市民への周知、職員体制も充実させていく。
浸水被害者への対応について、説明会をすべきだが?⇒市民センター・公民館と連携して、説明会を開催していく。
通告14番 有賀議員
1.まちづくりについて
(1)街なみ百年条例の活用について
街なみ百年条例と都市景観条例の違いは?⇒街なみ百年条例は、街なみを地域の共有財産として、街なみ継承地区として指定し、より豊かなまちづくりとするもので、理念条例である。都市景観条例は、新築や増築などについて、規制誘導するもの。両方の条例を組み合わせることで、より効果的なまちづくりを進めていく。
平成27年度から旧東海道藤沢宿周辺が地区指定される。鵠沼地区も想定されていたが、状況は?⇒平成25年4月~7月にかけて、自治会、活動団体などと意見交換を行った。街並み継承は、住民提案により、積極的な取り組みがされている地区を指定できる。市民と協働で取り組みを進めている。
鵠沼地区は住民等の提案で指定となる。等には、任意団体や自治会も含まれるのか?⇒土地所有者、都市関係団体、市民も提案できる。
面積や地権者の同意などの条件は?⇒面積は0.2ha以上で、地権者の2/3の同意が必要。
街並み継承を市民主体で進めるには、更なる支援が必要だが?⇒旧藤沢宿の取り組みのように、庁内連携会議などで支援ていく。ガイドラインの策定、地権者の合意形成などに向けた専門家の派遣も検討していく。
(2)市役所の南側からのアクセス性について
新庁舎建設に伴う、川名や南藤沢からのアクセスについて、提案したが、市の考えは?⇒南北につなげる新たなアクセスの必要性やコストを考慮し、国道467号線の歩道をアクセスルートとする。市役所敷地から467号線へのアクセスはエレベーターとエスカレーターで対応する。
467号線の歩道の幅員について、拡幅は困難とのことだが、バリアフリー法にてらしたときの問題は?⇒歩道幅員は2mで有効幅員は1.7m、高倉橋の下は1.4mで有効幅員は1.1m。バリアフリー法では、生活関連経路と位置付けた道路をバリアフリー化し、その場合は2mとする努力義務がある。
法的には努力義務だが、どうしていくのか?⇒県と協議したところ、467号線は整備済み路線とし拡幅予定はないとのこと。また、JR高架下の拡幅は技術的にも難しいとのこと。
もっとも狭い、1.1mの部分について、市の見解は?⇒歩行空間の確保は必要だが、多くの課題があり拡幅は難しい。
2.中学校給食について
(1)試行から実施に向けてについて
生徒から温かくないとの声あるが?⇒ご飯、汁物は発泡スチロールで保温している。汁物の調理が早くできていて冷めることから、早急な対処をする。汁物の調理を発送直前に行い、コンテナも追加し温度が下がりにくくする。
全校実施に向けた考えは?⇒南部地区へ試行を拡大して、課題を検証し、中学校の工事計画も踏まえて、早期に実施していきたい。
以上、報告とします。