2015.3.2 本会議(3日目)~採決・代表質問

 3月2日 10:20より、藤沢市議会2月定例会(3日目)が開催されました。本日は、各常任委員会委員長より、常任委員会での審査状況の報告がされた後、議案の採決と代表質問が行われました。内容の抜粋は次の通りです。

 

議案第69号 市道の認定について(辻堂605号線ほか3路線) 

議案第70号 市道の廃止について(辻堂594号線ほか2路線)

議案第80号 藤沢市住宅地下室の容積率緩和の制限に関する条例の一部改正について 

 上記3議案は、全会一致で可決されました。

 

議案第85号 藤沢市太陽の家(心身障がい者福祉センター)条例の一部改正について

議案第88号 藤沢市指定介護予防支援等の基準に関する条例の制定について

議案第89号 藤沢市地域包括支援センターの人員及び運営に関する基準を定める条例の制定について

 

議案第92号 藤沢市歯及び口腔の健康づくり推進条例の制定について

 上記4議案は、全会一致で可決されました。

 

議案第87号 藤沢市介護保険指定地域密着型サービスの基準に関する条例及び藤沢市介護保険指定地域密着型介護予防サービスの基準に関する条例の一部改正について

 この議案は、共産党が反対しましたが、賛成多数で可決されました。 

 

議会議案第10号 藤沢市病院事業に係る公営企業の設置等に関する条例の一部改正について

 この議案は、共産党とさつき会が反対しましたが、賛成多数で可決されました。

 

議案第83号 藤沢市子ども・子育て支援法に基づく過料に関する条例の制定について

 この議案は、共産党が反対しましたが、賛成多数で可決されました。

 

議案第72号 藤沢市子どもをいじめから守る条例の制定について

議案第78号 藤沢市財政調整基金条例及び藤沢市環境基金条例の一部改正について

 上記2議案は、全会一致で可決されました。

 

議案第76号 藤沢市職員の旅費に関する条例の一部改正について

 この議案は、共産党が反対しましたが、賛成多数で可決されました。

 

請願26第4号 政府に対し「川内原発の再稼働について住民の安全確保のための充分な対応を求める意見書」の提出を求める請願

 この請願は、全会一致で採択されました。

 

議案第96号 平成26年度藤沢市一般会計補正予算(第7号)

議案第97号 平成26年度藤沢市北部第二(三地区)土地区画整理事業費特別会計補正予算(第1号)

議案第99号 平成26年度藤沢市国民健康保険事業費特別会計補正予算(第2号) 

議案第100号 平成26年度藤沢市柄沢特定土地区画整理事業費特別会計補正予算(第2号)

議案第102号 平成26年度藤沢市後期高齢者医療事業費特別会計補正予算(第1号) 

議案第103号 平成26年度藤沢市下水道事業費特別会計補正予算(第2号)

 上記6議案は、共産党が反対しましたが、賛成多数で可決されました。

 

議案第98号 平成26年度藤沢市墓園事業費特別会計補正予算(第1号) 

議案第101号 平成26年度藤沢市介護保険事業費特別会計補正予算(第2号) 

議案第104号 平成26年度藤沢市市民病院事業会計補正予算(第1号)

 上記3議案は、全会一致で可決されました。

 

議案第68号 工事請負契約の変更契約の締結について(柄沢特定土地区画整理事業関連雨水調整池整備工事)

 この議案は、共産党が反対しましたが、賛成多数で可決されました。

 

 ここから、平成27年度一般会計予算ほか18議案に対する代表質問

 ※なお、代表質問については、今回は、私が所属する「かわせみクラブ」の質問は全部掲載し、その他の代表質問は、件名・要旨のみ掲載することとします(質問~答弁は割愛)。

 

1. 柳田議員 (かわせみクラブ 質問持ち時間 80分)

 かわせみクラブの代表質問を行います。
 
 今の日本は、格差社会になっていると言われ、親の経済状況が子どもの将来を左右する、という「格差の固定化」が指摘されています。
 格差の要因は様々考えられますが、資本の蓄積が格差を生んでいることを突き止めたのが、今、大きな話題を集めているフランスの経済学者、トマ・ピケティ教授です。
 世界的ベストセラーになった「21世紀の資本」は、日本語訳で600ページにわたる大著で、過去300年20カ国のデータを集め、資本が少数者に蓄積されていく様子を実証した功績は多大なものがあります。まじめに働いても報われない、生まれた家によって将来が決まってしまう。これは我々が求める社会の姿ではない、という信念に貫かれています。
 格差自体は「共同の利益に基づく」のならば受け入れるとしつつも、「最も恵まれない人の利益」に立脚し、民主主義の力を信じるピケティ教授に、強い共感を覚えます。
 
 私たちかわせみクラブは、格差の問題、とりわけ子どもの貧困の解消に取り組んできました。昨年の12月定例会で竹村議員の一般質問により、市内の児童生徒の就学援助の受給状況について、中学では平成25年度で19.7%と全国の受給率を上回っていることが明らかとなりました。
 子どもの約5人に一人が、生活困窮になっているという深刻な事態です。これが、学力へも影響しており、進学が困難になれば安定した職に就くことが難しくなり、結果、生活困窮世帯の子どもが大人になっても貧困から抜け出せない、貧困の連鎖が起きることになります。子どもたちが将来の夢、希望をあきらめないよう、あらゆる手を尽くしていく必要があります。
 
 本市は「キュンとするまち。藤沢」を合い言葉にしたシティプロモーション活動をはじめました。市のサイトには「私たちの大好きな藤沢を、もっと自慢したいまち、住み続けたいまちとして、子や孫の世代にバトンタッチしていくために、この藤沢をさらに魅力的で持続可能なまちにしていくためのPR活動を行っていきます」と紹介されています。
 子どもたちが、藤沢で生まれてよかった、と思えるようなまちにしていきたいですし、我々にはその責任があります。
 
 それでは、「魅力的で持続可能なまち」の実現に向け、市長はじめ職員の皆さんのいっそうのご奮闘を期待する、という立場で、各テーマにそって質問いたします。
 
(1)行政運営について
 
 鈴木市長の任期4年間の最終年度として、施政方針では、藤沢が藤沢らしく、郷土愛あふれる持続的な都市となるためにも、前を向いて、市民をはじめとする多様な主体と、共に「行動」し、共に「躍動」し、共に「感動」できるよう、平成27年度もしっかりと取り組んでいく。としています。マルチパートナーシップで市政運営を進めるといえども、中心的な役割を担うのは職員であります。その職員が元気にやりがいをもって、一生懸命に仕事ができる体制を構築することが必要です。
 
 現在の職員体制について、高いモチベーションをもって、元気に仕事ができる、十分な体制となっているのでしょうか?
 例えば、年休取得は進んでいるのか、時間外は縮減されているのか、ワークライフバランスについて、仕事と家庭の調和が以前より、具体的に図られたのでしょうか?
 最近では、学校給食職場で、メンタルによる休職が増え、応援体制も組めないような、状況になっているとも聞きます。アレルギー食への対応など、子どもに安全で安心できる給食の提供が脅かされることは大きな問題だと考えます。市民病院の看護部門でも、依然として年休が取りにくい状況、特に、夜勤明けの時間外は、体力や集中力、身体面においても問題なのは言うまでもありません。サービス残業と疑われるような実態があるとも聞いています。インシデントやアクシデントの中で、このような体制が起因して起きているケースがあるとすれば、大変大きな問題だと考えます。各職域で働く全ての職員が、元気にやりがいをもって、一生懸命に仕事をするためにも、その体制をしっかりと整える必要があります。指摘した部分も踏まえて、市の見解を伺います。
 
(飯尾総務部長)
 職員一人一人がやりがいと向上心を持って主体的に業務に取り組んでいける職場環境とするため,職員の意向調査,ジョブローテーション制度,専任職制度に基づきます適正な人事配置や人材育成基本方針に基づく各種研修を実施しております。これらにより職員個々がその能力を生かして,継続して成長を実感できるような環境の整備に努め,さらに,職員間の良好なコミュニケーションや職場での協力体制の確保を図り,風通しのよい職場環境づくりに取り組んでまいりました。前年度に引き続き実施しました「現場起点の視点に関する職員アンケート」の中で,各職場において「風通しのよい,コミュニケーションが図りやすい雰囲気である」との項目では,約80パーセントの職員がそのように感じていると,回答しております。今後は,さらに市役所全体における風通しのよい環境づくりについても進めてまいります。
 
 また,職員が生き生きと働くためには,ワーク・ライフ・バランスの推進が重要であり,幹部会議や所属長研修におきまして,年次休暇及び時間外勤務を議題として取り上げ,これまでの職場風土の改善や意識改革について周知徹底を図っているところです。各職場における定数,定員につきましては,新規業務はもちろん,既存事業についても取り組み状況など,その業務量の把握に努めるとともに,時間外勤務や年次休暇の取得状況も含めまして,適正な職員配置を行っております。
 
 議員ご指摘の年休取得や時間外勤務の昨年の状況につきましては,現在集計中ではございますが、各職場の状況を定期的に報告を求めており,特に時間外勤務につきましては36協定を遵守するよう通知しているところです。また,各職場の労働環境における課題につきましては,職制での検討をはじめ,関係団体との協議などを踏まえ,課題解決に向け取り組んでいます。今後におきましても,公務能率の向上による総勤務時間の縮減からワーク・ライフ・バランスの更なる充実を図り,生き生きとした職場風土の構築に向けた取り組みを進めるとともに,適正な職員配置に努めてまいりたいと考えております。
 
 
 2点目、市政運営を中心的に行う職員には、常にスキルアップの取り組みが求められます。社会情勢の変化に応じた新たな知識の習得、障がいのある方への合理的配慮や人権意識などは、全ての職員が共通認識を持ち、常に意識を持って仕事をすることが必要だと思います。
そして、職員がモチベーション高く、スキルを高めながら仕事をするためには、一定の賃金水準の確保も必要と考えます。また、自治体間競争の中で、より良い人材を確保するうえでも、重要なことだと思います。
 現在、鈴木市長の公約として実施している職員給与の独自カットについては、4年間で目標の5%削減を実施できる見込みとのことでした。国家公務員での導入が決まった給与の総合的見直しについては、2005年の人事院勧告に伴い実施がされた給与構造改革と同じ仕組みであり、国に準拠して導入すれば、国家公務員の総枠人件費は変わらないのに対して、地方公務員の総枠人件費は削減となるものです。なぜなら、給与構造改革で国家公務員に創設された、広域移動手当や本府省業務調整手当が、地方公務員にないこと、更に今回の見直しでは、その手当が増額されるので、その分、地方公務員の給与水準が引き下がるわけです。
 ラスパイレス指数の比較が良くされますが、国家公務員と地方公務員の給与の比較について、給与の仕組みが根本的に違う制度となった今、国公準拠という考えそのものが、もはや成り立たないと言えると考えます。
 
 今回の、給与の総合的見直しについては、制度そのものが、藤沢市になじまないこと、より良い人材の確保の観点からも、給与水準の引き下げにならないような対応とするべきと考えますが、市の見解を伺います。
 
(飯尾総務部長)
 2点目の給与制度の総合的見直しについてでございますが,本市職員の給与改定につきましては,議員ご指摘のとおり,これまで人事院勧告の内容を踏まえ,賃金や労働条件など主体的な判断を行ってまいりました。
 今回の国家公務員における給与制度の総合的見直しにつきましては,「民間賃金の低い地域における官民給与の実情をより適切に反映する。」,「官民の給与差を踏まえた50歳台後半層の水準を適正化する。」,「公務組織の特性,円滑な人事運用の要請等を踏まえた諸手当の必要性に対応する。」の以上3点が国家公務員給与に対し人事院より示されているところで,国からは地方公務員給与についても適切に見直すよう求められているものです。
 本市といたしましては,給与決定の原則でございます情勢適応の原則及び均衡の原則に則り,これまでと同様に適切な対応を図る必要があると考えております。
 
 
(2)財政について
 
 財政力指数、実質公債費率、将来負担比率などを見る限り、藤沢市の財政は健全なものと認識しています。それは、市民の担税力によるものと、健全な財政運営に努めてきた結果だと、評価させていただきます。
 今後は、公共施設の再整備や、扶助費の増大が予想されます。常に、将来を見据え、対策を行っていくことが重要です。現状の財政認識や今後の財政運営の方針について、お聞きしたいと思います。
 まず、財政の健全性について、県内他市や類似団体と比較して、どのような状況ですようか。また、経年で比較した場合、健全性は向上しているのか、どうかお聞きします。
 
(青木財務部長)
 1点目の本市の財政状況についてでございますが、平成25年度決算における健全化判断比率で、実質公債費比率は2.3%、将来負担比率は17.7%、実質赤字比率はマイナス14.24%、連結実質赤字比率はマイナス28.62%となっており、いずれも早期健全化基準を大幅に下回っており、良好な財政状況にあると考えております。
県内の政令市を除く16市で比較いたしますと、実質公債費比率は県内4位、将来負担比率は6位となっており、また類似52団体での比較においても、実質公債費比率は9位、将来負担比率は20位となっております。
 平成24年度決算との比較を見ますと、実質公債費比率は1.1ポイントの改善、将来負担比率は6.1ポイントの改善、他の2指標を含め全ての指標で改善が図られているところでございます。
 
 2点目、中長期的な見通しについて。歳入では市税収入、歳出では社会保証経費、および公共施設再整備にかかる経費についての見通しをお聞きします。
 これについては、基金準備、地方債返済計画などもお示しいただきたいと思います。
 
(青木財務部長)
 2点目の、中長期的な財政見通しについてでございますが、まず歳入の根幹となる市税収入の見込みについては、平成27年度当初予算で786億円を計上しておりますが、平成32年度においても約768億円と予測され、今後とも減少、横ばい傾向がつづくものと考えております。
 次に、社会保障経費といたしましては、扶助費の推移を見ますと、平成15年度の140億円と比較すると、平成25年度決算では316億円となり、この十年間で2倍以上に急増しております。社会保障制度の大半が国県制度であり、制度改正などがあるため見込みは難しい部分もございますが、平成27年度当初予算までの扶助費の前年度比は、3カ年平均で約10億円の伸びとなり、今後も増加傾向が続くと想定されることから、一般財源の負担は大きく、財政運営上、大きな課題となるものと考えております。
 次に、公共施設の再整備につきましては、「藤沢市公共施設再整備基本方針」において、今後20年間で現在と同規模で建て替えを実施した場合、年平均53億円が必要であり、単純に更新していくことは極めて困難なことから、将来負担への備えとして公共施設整備基金へ平成26年度2月補正予算において20億円を追加して積み立てることとしております。
 また、再整備にかかる工事費等は、将来世代との負担平準化という観点から地方債の活用が不可欠と考えております。新庁舎建設工事のほか、藤沢公民館・労働会館の建替においても市債発行を見込んでおりますが、これらを考慮した上で実質公債費比率を試算いたしましても、平成30年度の4.7%が最大であり、本市が目安としている5.5%を超えることはなく、財政健全性については確保できるものと考えております。
 更に、年度間における歳入歳出の不均一に対する財源調整機能としての財政調整基金につきましても、平成26年度に10億円を積み増すなど、中長期的な見通しを踏まえて対応を図っているところでございます。
 
 3点目、来年当初予算は、これらを踏まえた編成になっているのでしょうか。
 特に、市民生活を向上させるための、いわゆる「政策的経費」への充当一般財源の配分をお聞きします。 
 
(青木財務部長)
 3点目の、平成27年度当初予算編成についてでございますが、現状及び中長期的見通しを踏まえ、公共施設の再整備に関しては、公共施設整備基金から、新庁舎建設に約3億円、六会市民センター改築事業に約3億5千万円を充当し、一般財源の負担を最小限にとどめるとともに、財政調整基金につきましても、3億円を一般財源に充当し、年度間の財源調整機能を柔軟に活用し編成いたしました。その結果、一般会計1,359億2千万円のうち、繰出金を除く政策的経費は約359億4千万円でございますが、主に市税である一般財源を約192億1千万円充当し、残りの約167億3千万円を国県補助金や市債などにより賄うこととなっております。
 財政の健全化につきましては、平成25年度決算における自主財源比率は74.6%で、平成24年度決算に比べ3.0ポイントの改善、経常収支比率は87.9%で、1.7ポイントの改善となっております。今後も市民サービスの充実を図るとともに、健全財政の維持に努めてまいります。
 
 
(3)2020オリンピック・パラリンピックについて
 
 1964年の東京オリンピックでは、本市がヨット競技の会場となりました。東京で二度目の開催となる、2020年のオリンピック・パラリンピックのセーリング競技も、再び本市、相模湾で行われることを期待してしまいます。
 そこで、1点目、本市が再び会場となる可能性について、お聞きします。
 
(竹村企画政策部長)
 1点目のセーリング競技の江の島での開催可能性につきましては、昨年の6月に舛添東京都知事が大会会場の見直しを表明され、昭和39年の東京大会でのヨット競技の会場であった本市江の島での開催の気運が高まってきたものでございます。
 本市においても、本大会の開催は、これまでの歴史を大切に継承し、さらに、これからの発展をもたらす好機と捉えております。
 現在の状況といたしましては、先月、国際オリンピック委員会が来日され、東京都及び国の組織委員会との間で折衝が行われたところでございます。
 この時点での基本計画においては、セーリング競技の大会会場は明示されず、引き続き協議する旨が示されておりますが、都内での大会開催が断念された際には、迅速かつ的確に大会会場としての対応を図ることができるよう準備を進めているところでございます。
 
 2点目、オリンピック・パラリンピックはなんと言っても「人類最大の祭典」です。競技以外に、文化イベントなどの多彩な催しが行われることになると思います。本市をアピールする絶好の機会であることは間違いありません。オリンピック・パラリンピックに付随した、どのような取り組みを行うことになるのでしょうか。
 また、特定の人種や民族を差別する「ヘイトスピーチ」が問題になっています。共生社会という考え方、そしてオリンピック精神と相容れない、真っ向から否定されるべきものです。これについては、団体から市議会に対して要望が出されており、同様の要望が市長にも出されていると聞いています。
 市として、ヘイトスピーチ根絶に積極的に取り組むべきです。お考えをおききします。
 
(竹村企画政策部長)
 2点目のオリンピック・パラリンピックに関わる取組につきましては、本市の誘致・支援委員会が設立趣意に位置づけております、観光振興や地域経済、生涯スポーツ、国際交流等の活性化、シティプロモーションの推進、ボランティアの育成に加え、トップアスリートの育成などにおいて、市民、競技団体、経済団体などとの協働による事業を展開していくことを想定しております。
 この外にも、本市が大会会場のなった際には、今後国が定めることとなっております「文化プログラム」を踏まえた、本市独自の「文化イベント」の開催などによる文化芸術振興の推進、大会関連会場等の禁煙実施に伴う、健康増進や環境美化の推進など、大会運営において求められる取組もございます。いずれにいたしましても、市民の皆さんに有用で、感動や思い出が将来につながるような取組をできる限り進めるとともに、一人でも多くの方に関わっていただけるよう、気運を高める取組を継続的に実施してまいります。
 
 次に、平和の祭典といわれるオリンピック・パラリンピックの開催をひかえた中で、ヘイトスピーチに対する市の考え方に関するご質問について、お答えいたします。
いわゆるヘイトスピーチとは、人種や民族など、特定の属性の集団に対して、差別や暴力行為をあおったりする言動、また、少数者集団を誹謗中傷するといった行為であり、近年、社会的関心を集めております。
 こうした言動は、人々に不安感や嫌悪感を与えるだけではなく、人としての尊厳を傷つけたり、外国人を差別するといった意識を扇動することにもなりえます。
 東京オリンピック・パラリンピックを2020年にひかえ、外国人の方々と接する機会は、今後ますます増加することが予想されますことから、国や県、他の自治体や人権関連団体等とも連携を図る中で、情報収集に努めてまいります。
 市といたしましては、外国人への差別など、さまざまな人権課題が解決され、人権尊重の精神が社会や生活の中に定着するよう、共生社会の実現に向けて、今後も人権啓発に努めてまいります。
 
 3点目、大会会場となれば、インフラ整備も加速することになるでしょう。特定財源がつけられることになり、湘南海岸エリアの整備が加速することが期待されます。
具体的には、小田急「片瀬江ノ島駅」駅前広場の整備や、江の島の橋を含めた周辺の交通環境の改善です。
 これは以前、「湘南江の島魅力アッププラン」という計画で示されていた課題だったと思います。このプランの、進捗状況についてお聞きします。
 
(高橋計画建築部長)
 続きまして、3点目の「片瀬江ノ島駅」駅前広場や、江の島周辺の交通環境の改善についてでございますが、本大会の開催の有無にかかわらず、本市として取り組むべき課題と捉えております。
 平成25年には、神奈川県、関係事業者、本市により「湘南江の島魅力アップ・プラン」を策定し、様々な取り組みを位置づけました。その中で、県と市の役割分担のもと、本市といたしましては、駅前広場の再整備や、中部・西部駐車場などから片瀬・江の島周辺を結ぶシャトルバスなどの公共交通の導入検討を位置づけ、県は、江の島周辺の交通渋滞の改善に向け、島内3駐車場の有効活用を図る満空情報の表示板設置、江の島大橋の3車線化の検討、島内の江の島なぎさ駐車場入口部分の滞留車線の確保などの施策を、それぞれ進めることとしております。
 本市といたしましては、平成27年度も引き続き駅前広場の調査・検討等を行うとともに、公共交通の導入に向けた研究にも取り組んでまいります。また、県に対しは、スケジュール感を持って取り組んでいただくよう働きかけ、片瀬・江の島周辺全体の交通利便性の向上を図って参りたいと考えております。
 
 
(4)福祉について
 
 最初に、介護保険の制度改正による、市の取り組みについてお聞きします。
 1点目 基幹型の地域包括支援センターの位置づけについて。
 高齢者に限らず、介護される方はもとより、介護をする、家族の方のご苦労は大きいものがあります。老老介護、という事例も多くなり、家族の方のケアという視点がますます重要になると考えます。そうした中で、「24時間365日、緊急時に連絡できる体制」を求める声があります。
 来年度、市役所内に基幹型地域包括支援センターを設置するということですが、緊急時の対応など期待される役割は大きいと思います。
 この基幹型地域包括支援センターの位置づけおよび機能について、お聞きします。
 
(佐川福祉部長)
 来年度設置予定の基幹型地域包括支援センターは,福祉部高齢者支援課に位置づけ,保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員を配置し,直営による事務を執行してまいりたいと考えております。
 また,機能といたしましては,地域包括支援センター業務の全体調整及び統括支援,困難事例等の個別ケースの対応や緊急時の支援を行うなど,地域包括支援センターの機能強化をより図っていくとともに,在宅医療・介護の連携や認知症施策の推進など,地域包括ケアシステムの構築を推進するための業務を行ってまいりたいと考えております。
 
 
 国は、今回の介護保険制度改正において、介護予防・日常生活支援総合事業を早期に実施するよう各自治体に奨励しているとのことです。
 早く始める自治体に対しては、財源の措置、インセンティブがあると思います。であれば、藤沢市も先行実施することが必要だと思いますが、本市の取り組みと考え方について、お聞きします。
 
(佐川福祉部長)
 2点目の本市における介護保険の制度改正に伴う,介護予防・日常生活支援総合事業への取り組みについてでございますが,国はこれまで全国一律であった予防給付を,地域の実情に応じた介護予防・日常生活支援総合事業にすることで,要支援の方のサービスについては,多様な担い手によるサービス提供により,費用の削減と利用者に応じたサービス提供ができるとしております。これにより,中長期的には費用の伸びが押さえられるとともに,短期的には生活支援,介護予防の基盤整備,元気な高齢者の参加などの効果が期待できるとしております。
 また,市町村の総合事業への取り組みに対して,実施時期に応じて訪問介護と通所介護の予防給付及び介護予防事業費の予算枠の上限を引き上げることができるとする措置を定めております。
 本市における総合事業への取り組みにつきましては,市民への周知や多様な担い手となりうるNPO,ボランティア団体,関係事業者との調整や準備に一定の時間をかけて実施する必要があると考えており,平成27年度にサービス提供体制の構築を進め,平成28年度から段階的に実施し,平成29年4月には,すべての対象者に新たな体制でサービスを提供する予定でございます。
 
 
 老人福祉センターについて、老人福祉センターは、高齢者の方の健康維持向上、障害学習、交流拠点など、多くの市民に親しまれていると認識しています。その中で、やすらぎ荘は開設以来40年以上たち、現代の施設に求められる基準からすると足りないものが目立ち、機能向上のために大規模な改修が必要だと考えます。
 さらに言えば、立て替えも視野に入れる必要があるのではないでしょうか。
 ただし、建て替えとなると、少なくない費用がかかりますので、たとえば他の用途をもつ複合施設として、市民のニーズに応えてい、という考え方もあるかと思います。具体的には、特別養護老人ホームの併設、などです。
 今後の再整備について、考え方をお聞きします。
 
(佐川福祉部長)
 3点目のやすらぎ荘の再整備についてお答えいたします。
 やすらぎ荘は,高齢者の生きがいと健康づくりのための拠点施設として,多様化する高齢者のニーズやライフスタイルに即した事業を展開するとともに,地域住民や多世代との交流事業を実施し,地域に根ざした施設運営を行っております。
 しかしながら,建築後既に45年が経過しており,老朽化も進み,バリアフリー対応や運動浴室の未設置など,機能や設備において,利用者のニーズに十分に応え切れていない面もあると認識しております。
 このような状況を踏まえ,藤沢市公共施設再整備プランの検討事業に位置付け,来年度から整備方針の検討を進め,課題の整理や施設利用者のニーズ把握を十分に行い,平成28年度には整備方針の確定を行って参りたいと考えております。
 
 
 昨年の12月定例会で竹村議員が、福祉拠点の整備について質問しました。
 市としても、障害者の方の支援、交流の拠点の必要性について理解していただいていると思います。利用者の意見反映など、今後の整備方針について、お聞きします。
 
(佐川福祉部長)
 4点目の,福祉拠点の整備について,でございますが,障がい者団体からは福祉拠点での総合的な相談体制の整備を求められておりますので,現在の新館等を活用して,相談機能を充実させるために藤沢市社会福祉協議会を中心とした,一体整備を検討しているところでございます。
 今後につきましても,福祉拠点に必要な機能等について,障がい者団体との協議を重ね,進めてまいりたいと考えております。
 
 
 引きこもりの方、あるいは精神障害の方に対する支援についてお聞きします。
 このような困難を抱えた方は、自ら役所に出向くこと自体が難しい状況にあり、行政からアプローチすることが必要だと考えます。
 具体的には、横浜市で実施している「後見的支援制度」のような、アウトリーチ型の相談支援を、本市でも実施するべきと考えます。市の取り組みをお聞きします。
 
(佐川福祉部長)
 5点目の,精神障がい者や引きこもりの方を対象にした,アウトリーチ型の相談支援について,でございますが,横浜市では平成22年度から,障がいのある人とそのご家族を対象に,地域の住民が定期的に訪問し見守や相談を行う「横浜市障害者後見的支援制度」を開始いたしました。
 本市では,現在,委託相談支援事業所を中心に地域包括支援センター等と協力して,精神障がい者や引きこもりの方など,福祉サービスにつながりにくい方を対象とした,アウトリーチ型の相談支援を実施しております。
 障がい者だけでなく,介護する親の高齢化に伴い,家族全体を手厚く支援しなければならないケースも多くなっており,住み慣れた地域で安心して暮らし続けるには,地域での見守り体制の整備が重要であると考えております。
 今後は,各地域において相談支援事業所と「地域包括支援センター」等とのさらなる連携の強化や「地域の縁側事業」との連携を図り,支援を必要とする方を把握し相談につながるよう努めてまいります。
 さらに,新たに整備を行う福祉拠点を核とした全市的な相談支援体制の充実図り,定期的な訪問や見守りを行うことができる,藤沢型の支援体制を整備してまいります。
 
 
 難病の方への支援について、難病にかかわる市役所の部局は、保健所、それから障がい福祉、介護保険、高齢福祉と各方面にまたがりますので、横断的な連携をはかることが重要になります。そのために、関係部局や患者、家族団体などから構成される「難病対策地域協議会」の設置が法で定められています。
 この協議会の設置に向けた市の取り組みについて、お聞きします。
 
(坂本保健医療部長)
 6点目の,難病につきましては,平成26年5月に「難病の患者に対する医療等に関する法律」が公布されたことに伴い,本年夏頃を目処に,疾病数が,現在の110疾病から約300疾病に増加します。
 都道府県及び保健所が設置に努めることとされている「難病対策地域協議会」などの難病患者を支える仕組みが新たに規定され,難病患者やその家族,並びに患者に対する医療,福祉,教育等の関係者により構成した協議会については,支援体制に関する課題の情報共有や,地域の実情に応じた体制の整備が求められています。
 今後につきましては,まずは難病支援の実情を把握することが必要であると考えるため,庁内の横断的連携を図ることを目的に検討の場を設けてまいります。
 また,その後,約300疾病に拡大された際の疾病の種類,患者数等の状況を確認することはもとより,新たな難病患者の方の意向もふまえ,協議会の設置を進めていきたいと考えております。
 
 
 障がい者雇用について、障がい者の方は、仕事を持ち自立した生活を送るという意欲を持っており、行政が率先して庁内の障がい者雇用をすることが求められていると考えます。
 その際、障がいの種別に応じたサポートが必要になります。今後、庁内の障がい者雇用を進める際の体制について、お聞きします。
 
(武田経済部長)
 7点目,障がい者雇用を進めるうえでは,障がいの種別や個々の状況に応じたきめ細やかなサポートが必要であると認識しております。
 市といたしましては,来年度から実施予定であります,「庁内障がい者雇用推進事業」において,知的障がい者および精神障がい者を対象として,3名雇用する予定でございますが,継続した就労ができるよう,勤務時間を短時間とすることや出退勤時間にも配慮してまいります。 また,個々の状況に応じた,きめ細やかなサポートができるよう,非常勤職員の障がい者雇用推進員2名の配置を予定し,雇用する職員との日常的な話し合いの中で,合理的配慮を行ってまいります。
 庁内の障がい者雇用を進める上では,全庁的な理解のもとに進めていくことが重要であると認識しておりますので,「障がい者雇用推進庁内会議」などを通じて,全ての職員が,合理的配慮の具体的な事例を共有し,相互理解が図られるよう,取り組んでまいります。
 
 
 「健康寿命日本一」の神奈川、について
 黒岩知事の最重点施策は「健康長寿日本一の実現」です。
 現在、神奈川県民の健康寿命は男性全国12位・女性13位であり、日本一の目標を達成するには病気を未然に防ぐ「未病対策」が重要になります。
 未病とはあまり聞き慣れない言葉ですが、「病気には至らない状態」のことで、その段階で抑え発症しないような取組みをすることが健康寿命を延ばす上で非常に大切になってきます。
 こうした県の方針をうけ、藤沢市としてどのような独自の施策展開を図るのか、お聞きします。
 
(坂本保健医療部長)
 8点目の県の施策を踏まえた市としての施策についてでございますが,神奈川県は、「健康寿命日本一」を目指すとし,平成26年1月には「未病を治す かながわ宣言」を発表し,広く未病対策への賛同と協力を呼びかけております。
 本市における「健康増進計画(第2次)」におきましても「健康寿命の延伸」は到達目標であり、未病対策をはじめとする県の取り組みを会議等で共有するとともに、健康づくりイベントを共催で実施するなど連携して取り組んでおります。
 特に生活習慣病予防は、健康寿命を延ばす上できわめて重要であり、「生活習慣病予防の取り組み」を計画の推進分野に新たに加えました。
 今後は保健医療センターを中心に行ってきた生活習慣改善の取り組みをさらに充実させるとともに、県の取り組みも活用しながら推進してまいりたいと考えております。
 
 
 認知症対策について、横浜市では、行政と民間で協力し、事業機会の創出、社会的課題の解決に取り組みため「共創フロント」という部署を置いており、これまで、多くの企業と様々な分野で提携しています。
 そのうち、「認知症を地域で支える」ために、製薬会社と協定を結んでいます。
 このような、民間の持つノウハウや資源を活用することで、「認知症になっても安心して暮らしつづけられるまち」をめざす取り組みは、本市でも有効だと考えます。市のご見解をお聞きします。
 
(坂本保健医療部長)
 9点目の,認知症の取り組みに,民間事業者の協力を得ることについて,お答えします。
 横浜市では,認知症の取り組みに関して,多職種で検討する場の運営について,製薬会社であるエーザイと協定を結び,医師への参加依頼や資料提供などの協力を得ていると聞いております。
 本市における認知症の取り組みは,来年度に実施の認知症初期集中支援チームや認知症地域支援推進員の配置,認知症ケアパスの配布等とともに,現在実施しております地域ケア会議における,認知症の方への支援について様々な立場の方々と事例検討をしております。
 また,今年度,在宅医療推進会議を開催しましたが,その一環におきましても,医師会をはじめとする医療職と,介護職との顔の見える関係づくりのための多職種研修会を開催してまいりたいと考えております。
 民間事業者の活用に関しましても,有効な施策のひとつとして認識しておりますが,実際の活用につきましては,本市の認知症対策及び多職種連携を進めていく際に課題を整理する中で,研究してまいりたいと考えております。
 
 
(5)環境について
 
1全国的に空き家が問題となっています。
総務省の2013年のデータでは、820万戸の空き家があり、荘住宅数に占める割合は13.5%、実に7戸に1戸は誰も住んでいない、という計算になります。この中には事業用のマンションなども含まれているとはいえ、なかなかショッキングな数字です。
 市民の関心も高く、先日も片瀬地区のまちづくり集会でもワークショップ形式で空き家問題が話し合われました。
 そうした中で、国も重い腰をあげ、空き家問題に取り組みはじめ「空き家対策特別措置法」が成立しました。空き家に対する市の認識について、まず伺います。
 
(渡辺市民自治部長)
 まず、空き家の現状についてでございますが、5年おきに実施されている「住宅・土地統計調査」によりますと、住宅総数に対する空き家総数の割合を示す空き家率は、平成25年において、全国平均では13.5%、本市では11.5%となっており、それぞれ増加傾向を示しております。
 この統計調査における空き家には、別荘等の二次的住宅や賃貸用住宅、売却用住宅も含まれ、また、一戸建て住宅以外に共同住宅の空き室等も対象となっております。
 市といたしましては、全国平均を下回るものの、空き家が適正に管理されないまま放置されている、いわゆる「特定空家等」が増加することで、防災や防犯、衛生、景観など、市民生活に様々な影響が及ぶものと認識しております。
 このため、本市では、昨年4月に庁内関係各課で構成する検討委員会を立ち上げ、現状把握とともに、対応策の検討などを進めてきたところでございます。
 昨年11月に公布された、いわゆる「空家対策特別措置法」は、今後、空き家に関する必要な調査や、空き家の所有者等に関する情報の目的外の内部利用が可能となるとともに、「特定空家等」の所有者等に対し、必要な措置をとるよう、助言・指導、勧告、命令などができることとなります。
 市といたしましては、これらを踏まえ、法に基づく手続きを定めたガイドライン等を策定するとともに、空き家の適正管理に関する支援策や活用に関する制度などについて検討を行う中で、平成27年度内を目途に、空き家対策に関する全体の制度構築等を図ってまいりたいと考えております。
 
 
 全国的に人口が減少、高齢化が進展し、本市でも空き家が増加することが容易に想像され、今から十分な対策を講じる必要があります。
 今後の取り組みについて、お聞きします。
 
(渡辺市民自治部長)
 次に、2点目の空き家の増加傾向に対する市の対策についてでございますが、人口減少社会の中にあって、本市は、微増ではありますが、2030年頃までは人口増を予測している一方で、高齢化の進展に伴い、高齢者世帯、特に、議員ご指摘のとおり、単身高齢者世帯の増加が見込まれています。
 そのような中、まずは、空き家の早期発見と実態把握、所有者等への働きかけなどにより、空き家の適正管理を進め、特定空家にさせないこと、さらには、空き家になる前の予防的な対応策の検討が必要であると認識しております。
 住宅は個人の財産であり、行政だけで対応することが困難な面もありますので、地域や民間の力もお借りしながら、先進事例も踏まえ、これら対策の仕組みづくりに取り組んでまいりたいと考えております。
 
 
 続いて、電力の地産地消、について。
 まず、現在の本市の公共施設で使われている年間の電力の総量について、お聞きします。
 というのも、これからは各電力会社から入札で電力を購入するという時代になるわけで、その際には、使用電力によって契約価格が変化するわけで、正確な使用量の把握が不可欠だと考えるからです。
 また、新電力会社への電力の売却および購入による財政的効果について、お聞きします。
 
(金子環境部長)
 続きまして、3点目の「公共施設の電力量及び新電力会社による財政的効果」については、本市の公共施設で使用している年間電力量は、平成25年度実績で、約7,854万キロワットアワーで、そのうち、新電力会社からの購入は、約1,000万キロワットアワー、割合では約12.7%を占めております。
 また、新電力会社からの電力の購入・売却の年間の財政的効果でございますが、購入については、小・中・特別支援学校及び市民センター等66施設で、年間約4,000万円の削減、北部環境事業所のごみ焼却熱による発電電力の売却については、固定価格買取制度で既存の電力会社に売却していた時と比較すると、年間約9,000万円の増加、合わせますと、年間約1億3,000万円の財政的効果があると見込んでおります。
 
 
 今後、電力の自由化による新電力会社が増加することが予想されます。その際、たとえば温泉地であれば地熱発電、水が豊富なところでは小水力発電を用いた会社など、地域の特性を生かした会社が登場することになるでしょう。 
 自治体が自ら発電事業に乗り出すことも考えられます。新電力会社の設立に市が関与することについて、お考えをお聞きします。 
 
(金子環境部長)
 次に、4点目の「本市の主導で新電力会社をつくる予定」については、エネルギーの地産地消推進計画では、重点プロジェクト4で「新電力活用による電力の地産地消プロジェクト」を掲げており、新電力会社の活用は、エネルギーの地産地消の実現に欠かすことができない取組みとなっております。
 新電力会社については、国のエネルギー計画や電気事業法による電力の自由化等の詳細が明らかにされていない中では、新電力会社が安定的に経営できるかが、大きな課題となってまいります。
 新電力会社の設立に関しましては、市が設立することではなく、市域において新電力会社の設立等への動きが具体化した場合において、市としての支援のあり方や連携のあり方について、検討してまいりたいと考えております。
 
 
 このほど、「エネルギーの地産地消推進計画」が示されました。今後、5点あげられた重点プロジェクト、太陽光発電や燃料電池のさらなる普及に取り組むことになりますが、発電方法でいえば、たとえば下水汚泥や食品残渣などを用いたバイオマス発電も有効だと考えます。
 これらに取り組む市民団体や事業者もいますので、こういう方々にも協力していただいて可能性を追求するべきだと考えますが、市の見解をお聞きします。
 
(金子環境部長)
 次に、5点目の「エネルギーを広範囲に、市民、事業者を巻き込んで検討し進める」ことについては、エネルギーの地産地消推進計画を実行するに当たりましては、重点プロジェクトに掲げられている「太陽光発電」、「燃料電池」を始め、「市民主体型エネルギーの地産地消」などを中心に、市民や事業者と積極的に連携し、施策を進めてまいります。
 なお、この計画につきましては、必要に応じて見直しを行うとしていることから、将来的な技術革新や費用対効果を踏まえ、可能性検討プロジェクトや、現在、プロジェクトとして掲げていない下水の汚泥を活用したバイオマスや、水素エネルギーなどの導入についても、課題や費用対効果について検証を行いながら、市民や事業者との連携を含め、検討してまいりたいと考えております。
 
 
 次に、新たに更新を予定している焼却施設の概要について
 東京都武蔵野市では、現在清掃工場の建て替えを行っています。市役所に隣接している施設であり、市役所をはじめ近隣の体育館やプール、コミュニティセンターなどに電力と熱を供給するものとなっています。
 ここは、災害時にはエネルギー供給拠点になることも想定されており、今後のゴミ処理施設の一つのあり方を提示していると思います。
 今後、本市でも、石名坂の焼却炉を更新する計画となっています。この武蔵野市のような、エネルギー供給拠点という考え方を取り入れることについて、市の見解をお聞きします。
 
(金子環境部長)
 次に、6点目の「新たに更新する焼却施設の概要」については、廃棄物処理施設は、生活環境の保全及び公衆衛生の向上など、市民生活に密着した公共性・公益性の高い施設であり、循環型社会形成を担う社会資本となることから、温室効果ガス排出の低減など環境に配慮し、大規模災害時においても処理が行えるよう強靭化を図るとともに、災害復興拠点として非常時の電力、熱源供給等の機能も有する施設を考えております。
 また、焼却熱を有効利用して、高効率発電施設を設置し、エネルギーの地産地消を推進する施設であり、ごみ質等の変化や災害ごみの処理にも対応できる焼却方式や処理能力を備えた施設を考えております。
 
 
 プラスチック製容器包装を焼却することについて、以前から申し上げていますが、プラスチック製容器包装のリサイクルについては、私は疑問を持っています。リサイクルするために、収集し、分別・洗浄、というエネルギー、費用を使ってまでする価値があるのだろうか、と思います。
 結局、石炭の代わりに製鉄所で燃やされる、ということもあります。それよりは、可燃として燃やして発電した方が有意義ではないでしょうか。発電効率の向上について、お考えをお聞きします。
 
(金子環境部長)
 次に、7点目の「プラスチック製容器包装を焼却した場合の発電効率」については、プラスチック製容器包装は、紙類と比較しても約2倍の発熱量があり、石油や石炭と比べても遜色ない発熱量であることから、これを焼却した場合は、ごみ発熱量が増加して高温燃焼となり、熱効率も上昇して発電量も増加することが予測されます。
 ただし、高いごみ発熱量に対応した焼却炉が必要となり、高温で燃焼するため消耗も大きく補修費等の経費も増加します。
 また、温室効果ガスの排出量の増加や、化学物質の発生に伴う排ガス処理設備の強化等、環境保全への対応の課題もございます。
 
 
 リサイクルをするために、収集等に石油などを消費することについて、お聞きします。
 プラスチックのリサイクルの目的は、石油資源の使用を押さえるためです。しかし、石油全体の使用量は、自動車の燃料が大半であり、プラスチックに使われる分は20%ほどで、さらにリサイクルされる分になるともっと少なくなります。
 収集で車を使い、また、最終処分場の延命のために溶融処理を行う必要があるのは理解しますが、溶融処理を行うために遠く離れた栃木県や愛知県、茨城県まで焼却残渣を車で運ぶ、というのも、なんとも無駄に感じます。
 やはり、最終処分は、市ではなくて県単位で行うべきだと思いますが、いずれにせよ、リサイクルの目的である「石油の節減」という意味では、今の処理方法は疑問があります。この点について、ご見解をお聞きします。
 
(金子環境部長)
 次に、8点目の「リサイクルをするために収集等に地球資源(燃料)を消費する」ことについては、リサイクル工程については、分別収集と中間処理のリサイクルコストの中では、燃料コストは数%に過ぎず、エネルギー消費量やCO2排出量が大きいものではないと言われております。
 本市では、循環型社会形成推進基本法による循環資源については、廃棄物処理の原則となる、発生抑制、再使用、再利用の3R、及び、熱回収、適正処分の優先順位のもと、容器包装リサイクル法に則り、資源化を促進することで、極力、焼却量を減らしているところでございます。
 
 
 プラスチック製容器包装の一部を可燃ごみと同一分類にすることについて、お聞きします。
 プラスチックの分別について、市民の負担感があります。歯磨き粉のチューブ、マヨネーズの容器など、容器をカットしてきれいに洗ってからプラとして分別排出している方が多い、とは思えません。洗浄する水の使用、そして下水の負荷などもあります。プラスチックをきれいに洗ってから出す、というのが環境にいいのかどうか。
 それよりは、もう、可燃として燃やしてしまった方がいいのではないか。プラの分別収集のコストは年間5億円と伺っていますが、これも大幅に低減できます。
 プラスチックを燃やして、発電をしたほうがいいのではないか、これは私の思いつきではありません。
 鳥取環境大学の田中勝教授、この方は、元廃棄物学会の会長であり、国の環境審議会の廃棄物リサイクル部会長などを歴任したごみ処理の第一人者ですが、この田中教授もプラスチックを燃やして発電効率をあげた方がよい、と提唱しています。東京23区でも、プラスチックを燃やすことにより収集コストの縮減と売電収入の確保で、財政効果を上げています。
 福島原発の事故以来、代替電力の必要性が高まっている今、ごみ発電はその一つの回答となります。
 さらにいえば、プラスチックの収集コストが下がる一方で発電効率があがり売電収入が増えることにより、他市とくらべても高額になっている、ごみ収集袋の価格を下げることも可能になるのでははないでしょうか。
 トレイなど、リサイクルのルートが確立されているものはともあれ、市民の負担感が強いプラスチック容器については、分別せずに可燃として燃やす、このことについて市の考え方をお聞きします。 
 
(金子環境部長)
 次に、9点目の「プラスチック製容器包装の一部を可燃ごみと同一分類にすること」については、本市といたしましては、個別物品ごと応じたリサイクル法である容器包装リサイクル法に則り、市民とともに分別・資源化を促進してまいりました。
 プラスチック製容器包装の焼却の課題につきましては、本市が全国に先駆けて、市民に協力をいただきながら、築き上げてまいりましたごみの減量・資源化の原則となる、3Rの推進を変更することになることから、市民の理解を得ることや、資源化率の低下、温室効果ガスや化学物質の発生などが挙げられます。
 廃棄物による焼却発電は、福島第1原子力発電所の事故以降、安定的に電力供給できるエネルギーとして注目を集めているものであり、プラスチックを可燃ごみと混合し、焼却することによりエネルギー回収する廃棄物発電は、有効な手法でもあるとのご意見もございます。
 プラスチックを含めて焼却する廃棄物発電の展開は、地域住民を含め、広く社会的な支持を得ることが重要であると考えておりますことから、今後の社会動向や技術革新等を踏まえ、プラスチックを混合収集することによるごみ処理手数料のあり方も含めて、総合的に検証していく必要があるものと考えております。
 本市といたしましては、我が国で進めている循環型社会形成を推進する枠組みの中で、藤沢市地球温暖化対策実行計画の基本理念である「未来の地球環境への投資を行う藤沢」の実現を目指し、施策を展開してまいりたいと考えております。
 
 
(6)教育について
 
 「共生社会」とは、障がいを持つ人も、持たない人も、相互に認め合い全員が参加できる社会です。
 この、共生社会の理念を実現するためには、子どもうちからそうした環境にいること、つまり「インクルーシブ教育」が重要となります。これは、障がいがある子どもを含む「全ての子ども」に対して、一人一人にあった教育を「通常の学級で行うこと」である、と認識しています。
 市教育委員会として、インクルーシブ教育をどのようにとらえ、今後の支援教育をどのように推進していくのか、お聞きします。
 
(吉田教育長)
 インクルーシブ教育のとらえ方と今後の藤沢市としての「支援教育」の推進についてお答えいたします。
 インクルーシブ教育の捉えにつきましては、平成23年8月に障害者基本法が改正され、「可能な限り障がい者である児童生徒が障がいのない児童生徒と共に教育を受けられるよう配慮しつつ、教育の内容や方法の改善及び充実を図る」よう規定されております。さらに、平成25年9月に学校教育法施行令の一部改正において、就学先の決定については、充分な情報提供を行った上で保護者の意見を最大限尊重するよう示されております。
 本市においては、これらの法令改正以前から、「障がいのあるなしに関わらず特別な教育的支援を必要とする児童生徒に対し、一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導・支援」を「特別支援教育」として行ってまいりました。
 就学先の決定につきましても、就学相談員による相談や就学支援委員会における医師などの専門性を有する委員の助言をもとに、保護者や本人の意向を尊重できるよう努めております。また、就学に際しては、児童生徒の教育的ニーズに的確に応える指導・支援を提供できるよう、特別支援学校・特別支援学級・通級指導教室・通常の学級といった多様な学びの場を整備するとともに、児童生徒の状況に応じて学校施設設備のユニバーサルデザイン化も行ってまいりました。
 本市教育委員会といたしましては、平成27年度より、これまでの「特別支援教育」の考え方を整理し、それらを包含した、困り事を抱えるすべての児童生徒を対象に指導・支援を行う「支援教育」として位置づけ、この考え方を教職員、保護者、市民の皆様に発信し、広く周知を図ってまいります。
 いずれにいたしましても、私は、子どもたちの笑顔あふれる学校となるよう「藤沢の支援教育」を推進して参ります。
 
 
 冒頭も申し上げましたが、子どもたちの中には、貧困が原因で困りごとを抱えているケースがあります。
 国から示されている「子どもの貧困対策に関する大綱」では、学校のプラットフォームとしての役割をうたっていますが、市教育委員会としてどのような対応をお考えか、お聞きします。
 
(吉田教育部長)
 次に、2点目の子どもの貧困対策における学校のプラットフォームとしての役割についての対応でございますが、まず教職員が、子どもの貧困をめぐる状況について実態を適切に把握し、充分に理解をする必要があることから、教育委員会といたしましては、教職員に対し各種研修を実施し、学校が連携の窓口になるという大綱の趣旨について、理解を深めてまいります。
 学校では校内で情報を共有し、日常生活で困難を抱えている児童生徒が、早期に適切な支援が受けられるよう努めてまいります。特に、福祉的な支援が必要となることから、スクールソーシャルワーカーを活用し、福祉機関等につなげ、それぞれの家庭に寄り添った支援を行ってまいります。
 今後も、「藤沢の支援教育」の考え方のもと、貧困に限らず、学校が、様々な困りごとを抱える子どもたち一人ひとりにとってのプラットフォームとしての役割を果たしていけるよう、推進してまいります。
 
 
 文化行政について、具体的には市民会館について、お聞きします。
 創造都市という概念があります。文化庁のサイトに説明がありますので、紹介します。
 「創造都市(Creative City)とは、グローバリゼーションと知識情報経済化が急速に進展した21世紀初頭にふさわしい都市のあり方の一つであり、文化芸術と産業経済との創造性に富んだ都市です。」ということです。
 国連の機関であるユネスコでは、国際的な創造都市ネットワークを進めていて、日本からは神戸市、名古屋市(デザイン)、金沢市(工芸)、札幌市(メディアアート)の4都市が認定をうけていて、ほかにも多くの都市が認定に向けて活動している、とのことです。 文化庁も「文化芸術創造都市」制度を設けて、各自治体への支援を行っています。
 こうした動きに対して、私は本市も「創造都市」をめざした取り組みを行うべきだと考えます。
 藤沢市には、市民オペラなど、本市独自の文化を創造・発信してきた伝統があります。また、最近辻堂のサステナブルスマートタウン内にオープンしたティーサイト、非常に魅力的な書店、というよりも空間になっています。商業施設ではありますが、このような施設が出店する、これも本市の文化度の高さを表した例ではないでしょうか。
 文化芸術を、是非ともまちづくりの柱に据えていただきたいと思います。
 
 その、本市の文化のシンボルである市民会館について、質問したいと思います。市民会館に一度も行ったことがない、という市民はいない、は言い過ぎでしょうか。それほど藤沢市民にとって、身近であり、かつ愛されてきた施設はほかにないと思います。 その一方で、建設から長い年月がたち老朽化しており、今後、建て替えの検討が行われることになると思います。新しい施設を建てる場合は、これまで市民会館が果たして来た文化の象徴としての役割を踏まえ、さらに発展させるような施設を望みます。
 とはいえ、すぐに新しい施設ができるわけではなく、当面、場合によっては10年以上、今の施設を使うことになるわけですので、やはり市の象徴としての機能をはたすべく、改修、さらにいえば大規模な改修が必要ではないでしょうか。市民会館のあり方について、市の考えを伺います。
 
(中島生涯学習部長)
 次に、3点目の市民会館の今後のあり方についてお答えいたします。
市民会館は、昭和43年の建設以来、本市の音楽を中心とする芸術・文化の拠点施設としての役割を担ってまいりました。
とりわけ、市民オペラをはじめとする地域に根ざした創造性ある事業への取組と実績は、これまでの文化芸術に関わる長い歴史の中で培われた市民共有の財産であり、誇りでもあります。
 しかしながら、市民会館は建設から47年が経過していることから、施設の老朽化等に伴い、ホール等の機能が、現在、求められる水準よりも劣っていることなどの課題を抱えております。このため、藤沢市公共施設再整備プランに基づき、市民会館の改築を含めた文化ゾーンの再整備に向けて、平成26年度は、市民アンケートや利用者からのヒアリングなどを実施し、市民会館に求められる機能や規模などの基礎調査を実施しているところでございます。
 平成27年度には、こうした基礎調査の結果をもとに、基本構想策定に向けて、庁内での検討を行う予定でございます。
 今後、新たな施設の検討を進める際には、これまでの取組により培われた本市独自の文化を次世代に繋げていくことができるような施設づくりを考えていく必要があるものと考えております。
 なお、今後、建て替えまでには一定の期間を要しますことから、その間につきましては、施設の機能維持や利用者の安全、安心に十分に配慮し、必要な改修工事や修繕を適宜実施してまいりたいと考えております。 
 
 
 市民会館を建て替えるのであれば、私は多目的ホールというよりも、音楽のホールというのもよいな、と思いますし、さらに言えば、水戸市の芸術館のような、美術館と一体となった、まさに文化の殿堂のような施設もよいと思います。
 現在、藤沢市には美術館がありませんが、本市の体力からすると、美術館を持つことは決して無謀なことではないと思います。
 近隣の、横須賀市や平塚市にはすばらしい美術館があります。 横須賀美術館は、観音崎という景勝地に立地しており、観光資源としてみても魅力的です。平塚の美術館は、市の官庁街に立地しています。この平塚美術館は、企画展に力が入っており、まさに文化を創造・発信していると感じます。
 また、美術愛好家が鑑賞している、というよりも、一般の市民の方が多く訪れている、という印象です。市の広報などで展覧会の紹介をし、広報を読んだ市民が「今度の企画展はおもしろそうだな、行ってみようか」と思うように、よく工夫されていて、市民に親しまれる美術館運営をめざす姿勢が伝わってきます。
 このような、リゾート型の美術館、あるいは官庁エリアの美術館、本市の場合はそのどちらも実現できる立地を備えていると思います。やはり、藤沢の文化を創造・発信する拠点として、美術館は不可欠だと思います。そこで、本市の美術振興に対する考え方をお聞きします。
 
(中島生涯学習部長)
 続きまして、4点目の本市の美術振興についてでございますが、本市では、現在、市民ギャラリーにおいて、市民の美術作品の展示・発表の場を提供するとともに、「藤沢市30日美術館」を14年間にわたり開催するなど、幅広く美術の振興に努めてまいりました。また、こうした事業に加え、さらなる美術の振興を図ることを目的に、若手芸術家等がその美術作品の創作や展示、発表をしたり、市民が身近に美術の魅力に触れ、あるいは学ぶことのできる新たな施設として、本年10月のアートスペースのオープンに向けた準備を進めているところでございます。
 本市は、この地の歴史や、豊かな自然、温暖な気候の中で市民が主体となった様々な文化活動が行われ、その中で育まれた独自の文化を持った個性溢れる都市であります。こうした本市が持つ魅力や価値をさらに高めていくためには、新しい街、湘南C-Xに設置するアートスペースにおいて、これまでになかった美術を中心とする新たな文化芸術を創造し、市内外に広く発信していくことが必要であり、また、大変、意義深いことと考えております。
 このような取り組みを通じて、湘南C-Xを起点として、辻堂、さらには藤沢のまち全体の文化芸術に対する気運を高め、「文化創造都市」として、アートの持つ力を生かしたまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
 
 
(7)平和・国際について
 
 これまで、市政の課題、政策について質問してきました。
 福祉、環境、産業振興、教育、文化における、様々な市民ニーズに対して、藤沢市はそれに応えるだけの能力を持っていると思います。ですが、それもこれも、平和であればこそです。平和なくして福祉なし。平和なくして、人権なし、です。
 手前味噌になりますが、義理の父である葉山市政以来、歴代の市長は平和行政に積極的に取り組んできました。とりわけ、核兵器廃絶に関しては、被爆地の市長さんたちとともに、全国の自治体をリードする存在であり続けています。
 そして、それは、市民の願いでもありました。その、平和行政の伝統ある藤沢です。
 昨年6月には、「日本非核宣言自治体協議会設立30周年記念大会」が、広島・長崎以外では初めて開催されたことは、感慨深いものがあります。
 今年は、5年に一度の「核兵器不拡散条約」「再検討会議」がニューヨークで開催されます。
 市政方針では、市長が参加すると表明されていました。世界へ向けて、平和を求める藤沢市民を代表してのアピールしていただくことを、大いに期待します。同会議へ参加するに際しての、市長の意気込みをおききします。
 
(鈴木市長)
 今回の核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議は、唯一の戦争被爆国であるわが国にとって、 “戦後70年・被爆70周年”の節目の年に開催されることとなります。
昨年の6月に本市で開催された「日本非核宣言自治体協議会設立30周年記念大会」で、広島・長崎の両市長は、「核兵器廃絶に向けた取組みは、広島と長崎だけでは伝わりにくく、過去の出来事と捉えられがちである。しかし、この問題は、現在と未来に関わることで、被爆地でない自治体との協力関係が極めて重要である」と発言されました。
 これを受け、外務大臣も「核兵器廃絶はオールジャパンで取り組むべき課題で、政府が思い切った取り組みを進めるには国民一人ひとりの理解が不可欠であり、こうした人々の思いを動かしていくために、国民にとって最も身近な自治体の役割は極めて大きい」と言及されています。
 私は、核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議に、「日本非核宣言自治体協議会」の副会長市として、また、「平和首長会議」の加盟都市として参加をいたしますが、私どもの「核兵器廃絶平和都市宣言」には、「平和と安全こそが、地方自治の根本的条件であり、核兵器の廃絶と軍縮を全世界に訴え、不断の努力を続ける」との文言がございます。核兵器の廃絶と恒久平和の実現に向け、市民等と連携した自治体の果たす役割と重要性が高まる中、被爆地の思いを共有し、行動を共にするということは、“被爆地でない都市”の使命であると認識しております。
 また、複雑・多様化する国際情勢の中にあっては、草の根レベルでの様々な平和推進活動に加え、自治体や都市が、個々のレベルを超え、連携・連帯にもとづくアピールを行うということが、国際的世論を喚起する上で、極めて有効な手法であるとも認識しております。
核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議への参加を通じ、広島、長崎を過去のものとしないためにも、“被爆地でない都市”として、「核兵器のない世界」の実現に向けた強い意思を世界に示してまいりたいと考えております。
 
 以上が、我が会派「かわせみクラブ」の代表質問です。若干割愛した部分があります。
 

2. 松下議員 (公明党 質問持ち時間 70分)

(1)本市の財政運営について

 ①財政状況と今後の見通しについて

 ②国・県等の動向への対応について

(2)安全・安心のまちづくり

 ①市民の命と財産を守る備えについて

 ②浸水被害対策について

(3)健やかな暮らしを支えあうまちづくり

 ①介護と地域福祉の充実について

 ②障がい者への支援について

 ③医療と健康増進について

(4)子どもたちが健やかに育つまちづくり

 ①新たな子ども・子育て支援策について

 ②学校生活における諸課題への対応について

(5)魅力と活力を創出するまちづくり

 ①若者への支援について

 ②シティプロモーションの推進について

 

3. 諏訪間議員 (松風会 質問持ち時間 70分)

(1)郷土愛あふれる藤沢づくりについて

 ①市長就任後の成果について

 ②平成27年度における主要な政策課題について

(2)行動を共にする政策について

 ①職員の資質向上と適材適所について

 ②財政状況について

 ③教育から考える福祉、子ども青少年部の具体的な連携施策について

(3)躍動を共にする政策について

 ①2025年問題への対応について

(4)感動を共にする政策について

 ①マルチパートナーシップを強める担い手づくりについて

 以上、報告とします。

 

 

 

 

 

 


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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