藤沢市民病院では、医療の透明性を高め、市民・患者の知る権利に応えるなど、社会的責任を果たすことを目的として、平成17年9月に「藤沢市民病院医療事故公表基準」を策定しました。この基準に基づき、平成26年度の医療事故等について、議員に資料が配布されたものです。
1. 「インシデント」
日常医療の場で、間違った医療行為が実施される前に気が付き、患者さんに実施されなかったものなど、結果として、患者さんに大きな影響を与えなかったもの。
①レベル0:間違った医療行為が実施される前に気が付き、実施されなかった。⇒平成26年度218件/平成25年度200件
②レベル1:患者への実害がなかった⇒ 平成26年度824件/平成25年度787件
③レベル2:処置や治療は行わなかった⇒平成26年度186件/平成25年度172件
④レベル3a:簡単な処置や治療をを要した⇒平成26年度55件/平成25年度48件
2. 「アクシデント(医療事故)」
患者が本来持っていた疾病や体質などの基礎的条件によるものではなく、医療において、その目的に反して生じた有害な事象。
⑤レベル3b:濃厚な処置や治療を要した⇒平成26年度6件/平成25年度14件
⑥レベル4a:永続的な障害や後遺症が残ったが、有意な機能障害や美容上の問題は伴わない⇒平成26年度0件/平成25年度0件
⑦レベル4b:永続的な障害や後遺症が残り、有意な機能障害や美容上の問題を伴う⇒平成26年度0件/平成25年度0件
⑧レベル5:死亡⇒平成26年度0件/平成25年度0件
3. アクシデントの代表的事例と再発防止策
①入院療養生活に関するもの
手術後の安静期間経過後、病棟内歩行が可能となった患者が、廊下で転倒し打撲した。検査結果、骨折が判明したため手術となった。⇒手術後の安静期間の影響で筋力低下があり、歩行訓練中の場合は、観察を強化するよう徹底した。
②治療や処置等に伴うもの
緊急処置で中心静脈カテーテル挿入時、誤って穿刺し出血を認めたため処置を行った。⇒中心静脈カテーテル挿入時の注意事項を再確認し、技術指導を強化した。
4. 損害賠償の支払いについて
市民病院の業務に関する損害賠償額の決定のうち、その額が300万円以下で、議会の議決を要しない案件について、報告がありましたが、平成26年度は該当する案件はありませんでした。
以上、報告としますが、インシデント・アクシデントの報告について、平成23年度、24年度は、厚生環境常任委員会に報告されており、質疑をする機会がありましたが、現在は資料提供になっています。私は、議会で報告し、質疑を受けることにより、緊張感が高まり、インシデント・アクシデントを起こさないという意識も高まるものだと思うのですが。。。