2015.6.9 建設経済常任委員会

 6月9日 9:30より、藤沢市議会建設経済常任委員会が開催され、傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。

 

議案第7号 市道の認定について (片瀬413号線ほか123路線)

 この議案は、区画整理等で整備された道路について新たに認定をするものです。

柳沢委員

 市道の認定要件は?⇒起点・終点が国道・県道・市道に接するもので、幅員が4m以上のもの。側溝や集水桝などがあること。占用物件がないことなど。

 辻堂のSST内の道路が一括して認定されるが、歩行者専用道は幅員4mない。全て認定基準を満たしているのか?⇒歩行者専用道は、幅員2m以上で、道路構造令を満たすもの。土地区画整理事業内は、認定要件または、道路構造令を満たしたものを認定している。

 SST内は、下水が敷設されているが、どうなるのか?⇒下水道部門で、基準に則って引き渡しを受けている。

 この議案は、全会一致で可決すべきものと決定しました。

 

議案第8号 市道の廃止について (片瀬109号線ほか7路線)

 この議案は、不用になった道路を廃止するものです。

 この議案は、全会一致で可決すべきものと決定しました。

 

議案第12号 藤沢市市営住宅条例の一部改正について

 この議案は、福島原発事故に伴う避難者について、市営住宅の入居要件を緩和するため、所要の改正を行うものです。

柳沢委員

 要件の緩和について、具体的内容は?⇒居住地要件の緩和で、市民であることが入居条件であるが、子ども被災者支援法により、住民登録がなくても、居住実態で入居できるものとする。

 使用料は、出身自治体が負担するとのことだが、状況は?⇒災害救助法で応急仮設住宅と指定されたものが、地元自治体に請求できるもので、応急仮設住宅は10世帯あったが、現在は2世帯が入っている。

 藤沢市に避難している人は、どのくらいいるのか?⇒福島からの避難は67世帯で、全てが原発事故によるものかは把握していない。

 入居要件の緩和以外の優遇措置はあるか?⇒市民と同じ扱いで、高齢者の優遇についても市民と同じ。

塚本委員

 67世帯をどう把握したのか?⇒藤沢市・県・NPOなどでつくる、きずな交流会で登録されているのが67世帯。

 67世帯の他にも居住しているのでは?⇒住民票をうごかしていないので、把握は難しい。

 避難対象地域との連携や周知が必要。そこまで、取り組むべきだが?⇒条例改正の内容を避難者へ周知する方法を検討している。

 この議案は、全会一致で可決すべきものと決定しました。

 

議案第13号 藤沢市地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部改正について

 この議案は、新産業の森北部地区地区計画を都市計画変更したこと、及び、羽鳥一丁目地区地区計画を都市計画決定したことに伴い、各地区計画の区域内における建築物の制限を定めるものです。

神村委員

 羽鳥1丁目地区の区画整理の各地区の住宅戸数と人口の想定は?⇒低層住宅地区と中高層住宅地区があるが、最大で低層地区で100戸、中高層地区で900戸を想定。1世帯3人として、3,000人の居住が可能と考える。

 小・中学校の校区は?⇒明治小・中学校。

 3,000人の居住人口が増えることに伴う影響は?⇒区画整理の進捗からして、小学校は平成31年度に1教室が不足する可能性がある。同様に平成35年度に中学校1教室が不足する可能性があると想定される。現時点では学区の変更は考えておらず、今後の状況を見て対応していく。保育園、学童保育なども需要増が想定されるため、確保策が必要と考える。

 特別養護老人ホームや保育所建設について、事業者への働きかけは?⇒特別養護老人ホームは、6月~8月に平成28年度~29年度の整備を条件として、事業者の公募をしていく。市として、直接保育所の働きかけはできないが、需要を見て検討していく。

清水委員

 地権者であるNTTが高さなどの制限を求めてきたとのことだが?⇒申出制による地区計画で、2人の地権者からの申し出があった。地権者と話し合う中で高さを決めたもの。

 調和のとれたまちづくりの観点から、どのようにまちづくりを進めていくのか?⇒辻堂駅周辺はC-Xがあり、羽鳥1丁目など、短期間での居住者増は一定落ち着く。駅周辺は住宅建設の需要が見込まれるが、交通ネットワークを充実させ、住宅市街地の形成に努めていく。

塚本委員

 SSTは、1.8mのフェンスで囲まれている。元々の住人とのコミュニティが分断されている。羽鳥1丁目の区画整理ではどうなるのか?⇒透視可能なものでやっていただきたい。マンション建設の中でフェンス設置の希望は聞いている。今後も、透視可能なものを求めていく。

 低層住宅地区をフェンスで囲う必要はないのでは?⇒事業者との協議となるが、コミュニティが欠けるつくり方は好ましくない。外構の作り方について、今後、事業者と協議していく。

柳沢委員

 区画整理の概要は?⇒羽鳥1丁目地区区画整理事業で、5/29に認可された。長谷工コーポレーションが平成28年中に施工する。事業費は、6億5,085万円で、区画道路4本、公園1カ所、調整池など。

 市の負担は?⇒丸山公園の整備に関する負担金が生じる。

 まとまった土地を民間開発するときの、市のスタンスが必要だが?⇒大規模な土地が出た場合、区画整理の手法が最良と考える。道路、公園、下水道などの基盤整備ができるため。

 都市計画の住民説明の時に、どのような意見があったのか?⇒昨年9/1に明治市民センターで説明会を行った。参加者は42人で、高さ制限やスケジュールについての質問が多かった。意見は、羽鳥で集中豪雨で道路冠水する箇所があり、雨水対策をしてほしいなど。

 新産業の森地区計画は23.3haとなる。9.2haは区画整理で、他の14.1haの土地利用の予定は?⇒地権者の意向を聞いて進めていく。

 今回の地区計画に入っていない北側の整備計画は?⇒8.4haあり、地権者の意向を確認し、組合施工での区画整理による整備を考えている。

 工場などを誘致していくのか?⇒地権者と協議しながら、様々な誘致を考えていく。

 新産業の森には、みどり保全がコンセプトにある。緑化率が決められているが守られているのか?⇒進出する企業は基準に沿って緑化をしている。

 残っている緑の地区について、これからも保全されるのか?⇒保存樹林となっているので、今後も残していきたい。

 保存樹林もなくなる場合はある。相続で売るなどの場合でも、保全できるのか?⇒特別緑地という手法もある。地権者の意向を確認しながら、保全に努めていく。

 オオタカの営巣が確認されている。守ることができるのか?⇒昨年1羽の巣立ちを確認している。今後も共存を図っていく。

友田委員

 羽鳥1丁目の区画整理について、藤沢羽鳥線が混雑するため、区画道路が抜け道になる可能性がある。安全対策は?⇒警察からも指導を受けており協議中。入り口に看板を設置、交差点の狭さく表示、カラー舗装などをしていく。

 ハンプなどが必要と考えるが?⇒今後、検討する余地はある。

 この議案は、柳沢委員が反対しましたが、賛成多数で可決すべきものと決定しました。

 

陳情27第4号 神奈川県最低賃金改定等に関する陳情

 この陳情は、①神奈川県最低賃金の諮問・改定については、経済の好循環の実現のため、早期に行うこと。②中小・小規模事業者に経済の好循環を拡大させるために、政労使会議(4/2)で合意された「取引先企業の仕入れ価格の上昇等を踏まえた取組」による価格転嫁等の実効性を上げるために、強く経済界に対する働きかけを行うとともに、合意内容の履行状況について、フォローアップされること。この2点について、政府等関係機関に対して、意見書の提出を求めるものです。

柳沢委員

 大企業の利益と内部留保金の状況は?⇒財務省の調査では、資本金10億円以上の企業の利益は、平成24年度 25兆9,700億円/25年度 34兆8,000億円。内部留保金は、平成24年度 272兆円/25年度285兆円。

 ワーキングプア層が増加しているが実態は?⇒年収200万円未満の方は、全国で1,000万人超が7年続いている。全体の20%を超えている。

 賃上げが物価上昇に追いついていない。実質賃金の状況は?⇒厚労省の調査では、平成26年度、賃金は0.8%前年度より上昇しているが、実質賃金は2.5%マイナスとなっている。

 この陳情は、神村委員が反対しましたが、賛成多数で主旨了承となりました。 

 

報告(1) 健康と文化の森地区のまちづくりについて

 健康と文化の森地区まちづくり基本計画(素案)について、報告がされたものです。その概要は次の通りです。

1. まちづくりに向けた課題

(1)地区の位置づけから見た課題

 ①広域・地域の交流や連携を促進する交通機能の確保

 ②藤沢市西北部における新たな都市拠点の形成

(2)地区の特性や優位性を踏まえた課題

 ①新たな産業創出や高度な教育・研究・開発が可能な地区特性の発揮

 ②豊かな自然や農協環境と都市的土地利用との調和

 ③雨水対策をはじめとする災害への備え

(3)将来を見据えたまちづくりの課題

 ①B駅を中心とした集約型市街地の形成

 ②地域活力を持続させるための定住や来訪

 ③新たなライフスタイルの提案

 

2. 地区のめざす姿

【みらいを創造するキャンパスタウン】

 豊かな自然や田園空間を背景に、大学の技術集積や学術研究機能を核とし、地域の強みを活かしたまちづくりを展開

(1)環境共生のまちづくり

(2)健康・医療のまちづくり

(3)農を活かしたまちづくり

 

3. テーマ別まちづくりの取り組み方針

(1)環境共生のまちづくり

 ①景観形成

 遠藤笹窪谷戸や小出川、周辺の農地などの水と緑や田園空間、高台からの富士山の眺望等を活かし、自然と調和した都市景観を形成する。

 ②再生可能エネルギーの活用やエネルギーの地産地消の推進

 地域特性を踏まえ、低炭素で地球にやさしく、災害時にも生活や事業を継続できるまちをめざす。

 ③夏涼しく冬暖かいまちの形成

 夏は小出川沿いに南から風が流れ込む涼しいまちに、冬は冷たい北風が遮られ、暖かい日光にあふれる暖かいまちを形成する。

(2)健康・医療のまちづくり

 ①健康まちづくり

 高齢者の活動の場や生きがいづくりの創出、健康意識の向上に資する取り組みを展開する。先導的な健康医療に関する研究の推進を支援する。

 ②フットパスネットワークの形成

 周辺の地域資源を満喫できるフットパスネットワークを構築する。

(3)農を活かしたまちづくり

 ①農を活かしたまちづくり

 居住者や来訪者が身近に「農」を感じられるまちづくりを展開する。

(4)活力創造・文化・交流のまちづくり

 ①研究開発施設等の立地誘導・連携

 慶応大学SFCの立地、特区制度等の活用を見据えた中で、企業・研究所等を誘致し、研究開発機能の集積を図る。また、実証・実験フィールド、シェアオフィス・ラボラトリー、コンベンションスペース等を駅周辺やまちなかに確保するとともに、豊かな自然に囲まれた土地利用、配置や生活支援施設の充実を図り、産民官学が連携しやすく、働きやすい環境を創出する。

 ②多様な人々、主体の交流、連携

 

4. 土地利用・交通・都市施設等に関する基本的な考え方

(1)鉄道等による地域分断を避け、地域の一体的な発展を促進させる

 B駅は高架構造で遠藤宮原線沿いに設置が想定されているため、広幅員の幹線道路と鉄道による地域分断を避け、地域全体の一体的な発展を促すよう、鉄道高架構造や駅前のペデストリアンデッキの設置等について、十分な検討が必要。

(2)歩行者のスケール感を意識した都市空間を形成する

 自転車利用を前提とした空間形成ではなく、歩行者のスケール感を意識した土地利用、施設配置が求められる。

(3)谷戸地形を意識し、駅や駅周辺空間に自然要素を取り込む

 駅や駅周辺空間の整備にあたっては、水や緑などの自然要素を積極的に取り込み、地域住民や来訪者がそれらを感じることができるようにする。

(4)環境の未来をイメージさせる駅前空間の創出

 「みらいを創造するキャンパスタウン」を標榜するまちにふさわしい、自然と建築物が調和し、環境の先端技術なども組み込んだ、みらいをイメージさせる駅、駅前空間を創出する。

(5)テーマ別のまちづくりに沿った都市空間を形成する

 各テーマ別まちづくり方針に沿った都市空間の形成を図り、まちづくりの展開により得られる効果を十分に発揮できるものとする。

 

5. 将来土地利用図

6. まちづくりプログラム案

 

 

報告(2) 新産業の森北部地区の企業誘致等の取組について

 この報告は、2月議会での報告以降の取り組みについて報告がされたものです。内容の抜粋は次の通りです。

1. 新産業の森北部地区土地区画整理事業のスケジュール

(1)上・下水道工事 平成25年10月~平成28年3月

(2)造成工事 平成26年1月~平成28年2月

(3)遊水池築造工事 平成26年10月~12月

(4)道路築造工事 平成27年2月~平成28年3月

(5)換地処分・測量等 平成28年4月~平成29年3月

2. 企業誘致の手法

 1街区 12,700㎡/2街区 11,400㎡/3街区 4,700㎡/4街区 9,200㎡/5街区 10,300㎡/6街区 

 これら6つの街区については、基本点に「藤沢市新産業の森北部地区土地区画整理組合」の業務を代行している「(株)相鉄アーバンクリエイツ」が地権者に代わって進出企業の募集を行っている。ただし、4街区については、藤沢市と藤沢市開発経営公社が所有していることから、市の産業労働課が中心となり、進出企業の募集を行ってきた。

 4街区については、本年2月から、第3回目として、「市内企業」に加え、「市外企業」も対象に当該区画を4つに区分(A区画 約2,000㎡/B区画 約3,200㎡/C区画 約2,000㎡/D区画 約2,000㎡)して募集をしたところ、次の市外企業が進出候補として決定した。

(1)アシストV(株) 製造業 C区画+D区画

(2)ユージーエム(株) 製造業 A区画

※なお、B区画(約3,200㎡)については、現在調整中。 4街区以外で残っている、1街区および5街区についても、(株)アーバンクリエイツとともに、企業誘致を進めていく。

 

報告(3) 藤沢市有機質資源再生センター整備及び運営事業総括報告書

 この報告は、平成27年3月末をもって、経営課題や臭気課題により稼働を停止した、藤沢市有機質資源再生センター(堆肥化センター)について、総括報告書として取りまとめたので報告がされたものです。事業の総括の抜粋は次の通りです。

1. 本事業に係る総括

(1)事業スキームの構築とリスクマネジメントについて

 ①SPCの経営が悪化した場合の市の対応について、十分な想定がされていなかった。

 ②PFI事業という仕組みとリスク管理について、市が十分な認識をしていなかった。

 ③民間企業が利益を追求した結果、撤退するケースがあることについて、市の認識が薄かった。

 ④本施設は、1週間でも停止すると大きな混乱をきたす施設であったにも関わらず、経営悪化により事業継続が困難になった場合、実施方針で、「新たな民間事業者を公募する措置をとる」ということのみとなっていた。

 ⑤本事業において、支障が生じた場合の公費の投入について想定していなかったことも、事業中止の大きな要因であり、結果的に多額の公費の投入が必要となったことについて、重く受け止め、今後に生かさなければならない。

(2)臭気環境について

 ①臭気について、それほど優先順位の高い課題とは考えていなかった。

 ②結果的に、密閉された発酵室内が高温多湿となり、脱臭装置の能力を超え、苦情につながり、また、室内にある堆肥製造の機械類の劣化を早め、その修繕費が経営を圧迫するという悪循環に陥り、最後まで抜け出せなかった。

 ③このことから、経験のない事業、専門性の高い事業については、実施の可否を判断する前に、専門家の知見を、時間をかけて十分に得ることが必要。

(3)本事業に対する市の評価及び判断について

 自ら構築したスキームにより生じた課題について、抜本的な改善策を講ずることができないまま、事業のあり方についての判断を先送りし続けた結果、悪臭から周辺住民の環境を守ることができず、市に対する信頼を損ねたことなども踏まえると、行政主導のプロジェクトにおいては、正確な状況把握をもとにした適時適切な判断が必要不可欠であり、かつ、重要であることが改めて明らかとなった。

(4)庁内体制及び住民合意の形成手順等について

 大型プロジェクトについては、庁内横断的に取り組んで、関係する部門がそれぞれ責任をもって役割を果たすこと、住民をはじめとする利害関係者全てに対する説明は丁寧に行い、合意が得られなければ白紙に戻す選択肢を持っておくこと、住民への説明を含め、業務手順を誤らないことなど、行政が市民のために公金を投入して実施する大型事業については、当たり前のことを着実に進めていくことが重要であることを改めて認識し、本事業の重い教訓として受け止めなければならない。

以上、報告とします。



おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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