9月7日 9:30より、藤沢市議会厚生環境常任委員会が開催され、傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。
議案第34号 藤沢市理容師法施行条例及び藤沢市美容師法施行条例の一部改正について
理容所及び美容所における衛生上必要な措置について、新たに規定を追加するもの。
山内委員
県来で洗髪設備が義務化されていない市はあるのか?⇒相模原市と藤沢市のみ。
衛生水準の一層の向上とあるが?⇒衛生上の措置に洗髪設備を追加することにより、衛生水準と衛生意識の向上が図られるとともに、利用者の安心感が高まると考える。
既存施設への義務付けはないのか?⇒現状では義務付けはない。
有賀委員
相模原市の状況は?⇒2月議会で陳情が主旨了承となったが、その後は、まだ検討中と聞いている。
洗髪の法的位置づけは?⇒法的な位置づけはない。
法で定めるべきだが?⇒洗髪の義務化は条例で定めることではないと考える。設備の設置は、安心感や衛生意識が高まるために設置の義務化をするもの。
なぜ、 こん議会で条例提案するのか?⇒7月に横浜市、横須賀市が義務化になったこと。2月議会で陳情が主旨了承となったため。
原委員
市内の状況について、既存施設で洗髪設備がないところは?⇒平成27年3月現在で、理容施設210か所のうち6施設、美容施設628か所の内39施設。
洗髪設備のない施設に対して、条例改正の影響は?⇒すぐに既存施設に義務は生じない。講習会などで周知し、大規模改修時には設置を求めていく。
美・理容施設から、困るなどの声あるか?⇒パブリックコメントで反対の意見はない。
この議案は、有賀委員が反対しましたが、賛成多数で可決すべきものと決定しました。
陳情27第15号 2016(平成28)年度における重度障害者医療費助成制度継続についての陳情
この陳情は、平成28年度予算策定に際し、重度障害者医療費助成制度について、前年度に引き続き、継続するよう市への働きかけを求めるものです。
山内委員
市内の重度障害者医療費助成制度の対象人数と県の減額分の市の負担額は?⇒平成27年4月現在で、10,865人で、前年より163人増えている。市の負担額は平成26年度決算で、約7,473万円。
本市のように、県の補助を拡充している県内自治体の状況は?⇒5月現在で、16市町村。
この陳情は、全会一致で主旨了承となりました。
陳情27第16号 2016(平成28)年度における障害児者・透析者を含む移動困難者に対する通院支援についての陳情
この陳情は、平成28年度予算策定に際し、障害児者・透析者を含む移動困難者の通院に対する理解と、福祉助成施策の継続的な支援を求めるものです。
山内委員
市内で人工透析をしている医療機関の数は?⇒14施設。
腎臓移植手術の状況は?⇒平成26年度0人/25年度0人。
市内の福祉タクシーの利用状況は?⇒交付人数は、平成26年度、7,501人/25年度、7,319人。人工透析者へ1.5倍の割増交付は、26年度、468人/25年度、406人。
福祉有償運送事業者の状況は?⇒市内12団体。料金は一般タクシーの概ね半分程度。事業者の経営は採算的に厳しい。
自家用車へのガソリン券導入の考えは?⇒有効な手法だが、使用者の確認ができないため難しい。
有賀委員
消費税10%を見据えて、どうしていくのか?⇒制度は障がい者の外出支援なので、増税に合わせての増額は考えていない。
この陳情は、全会一致で主旨了承となりました。
報告(1) 「藤沢型地域包括ケアシステム」の構築に向けた取組について
藤沢型地域包括ケアシステムの取り組みについて報告がされたものです。概要の抜粋は次の通りです。
1. 藤沢型地域包括ケアシステムの基本理念
(1)子どもから高齢者、障がい者、生活困窮者など、すべての市民を対象に、一人ひとりが地域社会の一員として包み支えあう、心豊かな暮らしを実現します。
(2)13地区ごとに、地域で培った文化・歴史などの特性を活かしつつ、人口構造の変化や社会資源の状況に応じたまちづくりを進めます。
(3)支援を必要とする人が、身近な地域で確実に支援を受けることができる相談支援体制を確立します。
2. 藤沢型地域包括ケアシステムの推進方法
(1)13地区における取組と市域全体での支援体制の構築
住まいを中心に、徒歩でおおむね30分以内で移動できる身近な「コミュニティエリア」に視点を置きながら、市民センター・公民館を核とする13地区(地域)を基本に、支えあいの体制づくりを進めます。
(2)長期的な目標の設定と短期的・中期的な取組の推進
団塊の世代がすべて75歳以上となる2025年を通過点として、「住み慣れた地域でその人らしく安心して健やかに暮らせるよう、地域全体で育み、支えあう地域」となることを長期的な目標として見据えながら、短期的・中期的な取組を検討・実施します。平成27年度は次の7項目を検討すべき重点テーマとして、取り組みを進めます。
①地域づくり/②地域の縁側/③子ども・子育て・若者/④高齢者施策・介護保険制度/⑤在宅医療・介護連携/⑥認知症施策/⑦住まい方
3. 重点テーマごとの取組
(1)地域づくり
市域全体の視点から行政が行うべき施策を「(a)地域の相談支援体制の充実・強化」と「(b)地域の担い手づくり・サービス提供者の支援等」とし、関係機関と連携しながら、具体的に検討していきます。
(a)地域の相談支援体制の充実・強化
・市内北部方面への福祉・保健等の専門職を配置した相談支援拠点の整備
・コミュニティソーシャルワーカーのモデル配置に向けた検討
・市内の相談機関、相談支援に関する施策の類型化
・高齢者人口の多い藤沢地区・辻堂地区への地域包括支援センターの増設
・生活困窮者の相談支援体制の充実・強化
・障がい者の新たな相談支援体制のあり方に関する検討
(b)地域の担い手づくり・サービス提供者の支援等
・地域づくりに関する施策・事業の類型化
・地区ボランティアセンターの整理を含めたボランティアの支援のあり方に関する検討
・地域で活動する市民、団体、事業者等と協働するための意見交換等の実施
(2)地域の縁側
身近な地域での居酒屋や、まちかど相談の機能を有する「地域の縁側」について、事業の拡充を図り、関係機関とのネットワークの構築に向け、検討しています。なお、地域の縁側については、これまで「基本型」と「基幹型」の整備を中心に進めてきましたが、藤沢型地域包括ケアシステムの構築の観点から、「特定型」のあり方について検討しています。
①地域の縁側の整備と事業実施団体に対する支援
【基本型】 平成26年10月、2か所/27年7月、7か所/27年10月、3か所=12か所
【基幹型(地域ささえあいセンター)】 平成26年10月、1か所/27年7月、0か所/27年10月、1か所=2か所
②「地域市民の家」をはじめとした公共施設の活用の検討
③地域づくりに関する他事業との補助金の一元化等の検討
(3)子ども・子育て・若者
若い世代が安心して、妊娠、出産、子育てができるように、切れ目のない支援を行う環境を整え、子育て世代の安心感を醸成するための相談体制を検討しています。
①地域における妊娠期から子育て期にわたるまでの切れ目のない支援体制の検討
②子育て家庭に対して、子育て支援の情報の集約や提供等、利用者支援の検討
③障害のある子どもや特別な支援が必要な子どもへの一体的な相談支援の検討
④教育部・福祉部・子ども青少年部の連携による「子どもの貧困対策」等に関する検討
(4)高齢者施策・介護保険制度
高齢者ができる限り住み慣れた地域で生活できるよう、介護保険法の改正帆踏まえ、地域での総合的な相談体制の充実・強化を図るとともに、日常生活における支援・サービスの充実を図ります。また、高齢者の生きがいづくりや、社会参画を促進します。
①介護予防・日常生活支援総合事業の実施(平成28年10月)に向けた検討、制度設計
②地域包括支援センターの増設
③介護業務の支援、要援護者の自立支援、介護予防等の介護ロボットの実用化に向けた研究
(5)在宅医療・介護連携
高齢者が、住み慣れた地域で最後まで、その人らしい療養生活を送れるよう、在宅医療を推進するとともに、介護・福祉等との多職種が連携し、支援できる体制づくりを進めます。
①医療・介護の多職種関係者を対象とした相談窓口「在宅医療支援センター」の開設(平成27年6月)
②在宅療養中の高齢者等を対象とした「お口の相談窓口」の開設(平成27年4月)
③多職種連携に向けた研修会等の実施(平成27年9月~)
④在宅医療に関する市民への普及啓発
(6)認知症施策
「認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域の良い環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現」に向けて、認知症への理解を深めるとともに、認知症の人やその家族の生活の充実が図れるよう、具体的な施策を検討しています。
①認知症の人やその家族が地域で生活を継続できる相談支援体制の充実
・相談支援等を行う認知症地域支援推進員の配置(平成27年10月)
・医療・介護・福祉の専門職が連携して認知症の早期診断・早期対応を行う「認知症初期集中支援チーム」の設置(平成27年中)
・認知症の症状に応じた適切なサービス提供の流れを示した認知症ガイドブック(認知症ケアパス)の作成・配布(平成27年中)
・認知症サポーターが習得した知識を活かし、認知症の人やその家族に対する、より一歩進んだ支援活動につなげるための検討
・認知症の人や家族が気軽に集える「認知症カフェ」の設置状況の把握と居場所の拡大に向けた検討
②若年性認知症の人やその家族に対する支援施策の検討、実施
③認知症予防をはじめ、幅広い世代に対する認知症に関する普及啓発の実施
(7)住まい方
藤沢型地域包括ケアシステムの構築にあたっては、生活の基盤となる「住まい」を中心とした支援体制づくりが重要であり、多様な住まい方に関する支援について検討します。
①高齢者、障がい者や低所得者等を対象とした住宅、施設等を含め、あらゆる住まい方に関する研究
②都市マスタープランの策定と連携した多様な住まいの周辺環境等の検討
③庁内の空き家対策に関する担当等と連携した、空き家の活用に向けた検討
4. 周知・啓発
(1)関係機関等に対する周知・啓発
今後は、市社会福祉協議会と連携し、13地区を基本に、地域で活動する団体等と地域づくりに向けた意見交換を行い、地域の実情やニーズを把握し、協働で藤沢型地域包括ケアシステムの構築に取り組んでいきます。
(2)市民に対する周知・啓発
藤沢型地域包括ケアシステムの基本的な考え方を説明するため、今年度は南北2か所でシンポジウムを開催し、広く周知を図っていきます。また、来年度以降については、地域づくりに関するワークショップ等を開催し、藤沢型地域包括ケアシステムの構築に地域住民が参加する機会をつくっていきます。
阿部委員
2025年までの10年間で様々なことが起こる。何時までに何をするのか?⇒具体的スケジュールは、それぞれの部会で検討中。
市民への周知・啓発のためのシンポジウムの予定と資料作りの考えは?⇒11/22に湘南台文化センター、来年1/30に市民会館で開催予定。シンポジウムではチラシを配り、来年度以降、13地区に入るときは、ワークショップで使うパンフレットを作成する。
佐賀委員
地域包括支援センターの役割が重要となっていくが?⇒高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、地域包括ケアシステムを実現する施設として重要。今後、地域包括支援センターを藤沢型地域包括ケアシステムの中核拠点として位置づけて進めていく。
9/3に在宅医療・介護連携多職種研修会が開催された。今後、どう関わっていくのか?⇒多職種の人が、それぞれの役割を理解するために開催した。今回の研修会を踏まえ、在宅医療・介護の連携に向けて、症例研究なども取り入れながら、継続していくとともに、在宅医療推進会議を進めていく。
山内委員
いきいき長寿プラン2017の中では、高齢者を対象とした地域包括ケアシステムだったが、子ども・若者が入った経過は?⇒藤沢型地域包括ケアシステムは全ての市民を対象としている。子ども・子育て世代・若者も部会を設置して議論を進めている。
平成28年10月の実施では早すぎるのでは?⇒総合事業は、現行の訪問介護を継続する中で、ボランティアの活用など、サービスの選択肢が増えるもの。10月から段階的に進め、平成29年4月の完全移行に向けて検討している。
有賀委員
地域の縁側の特定型とは?⇒今年度は基本型を整備、今後、条件を緩和して広く支える特定型を検討していく。
基幹型を10月に開設するが状況は?⇒昨年10月に地域ささえあいセンターを開設し、46人/日来ている。今年度は8月に募集し、新たな事業者を選定した。長後地区での10月開設に向け、準備を進めている。
地域市民の家の活用状況は?⇒10月に基本型3か所のうち、1か所は市民の家を活用、今後も市民の家を活用した募集をしていきたい。
加藤委員
藤沢型地域包括ケアシステムの中に、市長が言うマルチパートナーシップや人の和などの言葉がないが?⇒在宅生活の高齢者や子育て中、子ども・若者を支える仕組みとして、多くの方々が担い手となるオール藤沢の施策であり、マルチパートナーシップ、人の和がなければできないもの。今後の中で記載していく。
来年度、市政運営の総合指針の見直しがあるが、どう整理していくのか?⇒各部会で検討進めているが、並行して予算編成している。その中で、具体化がされてくる。地方創成などと整合を図り、見直しの際には、重点事業などに位置付けていく。
報告(2) 藤沢市地域包括支援センター(いきいきサポートセンター)の増設について
市内に14か所ある藤沢市地域包括支援センターについて、新たに2か所を増設することについて報告がされたものです。
1. 増設する地区
辻堂東地区と藤沢東部地区
2. 名称
(1)辻堂東地区⇒「辻堂東地域包括支援センター
(2)藤沢東部地区⇒藤沢東部地域包括支援センター
(3)現行の「辻堂地域包括支援センター」は、設置場所を移動して、「辻堂西地域包括支援センター」となります。
(4)現行の藤沢地域包括支援センター」は、現在地のままで、「藤沢西部地域包括支援センター」となります。
3. 開設時期
平成28年4月1日予定
4. 実施業務(介護保険法に定める業務)
(1)包括的支援事業業務
(2)第1号介護予防支援事業業務
5. 配置職員
保健師等・社会福祉士・主任介護支援専門員を各1名配置(常勤)
山内委員
国の基準では中学校区で1か所となっている。今後の設置の考えは?⇒設置は効果的に市町村が判断するもの。2か所増やした16か所を基本としながら、引き続き機能強化を検討していく。
受託事業者の募集期間が1か月と短いが?⇒法定業務で裁量が限定的なため。
受託期間は?⇒単年度契約とするが、継続性の観点から、状況をみた上で、6年間の随意契約を検討している。
報告(3) 藤沢市の不法投棄及び落書き対策の取組について
藤沢市の不法投棄、落書き対策について、その取り組み状況が報告されたものです。概要の抜粋は次の通りです。
1. ふじさわスマートチェックによる不法投棄・落書きの状況把握
5月1日から15日まで、スマートチェックを集中的に行いました。スマートチェックとは、出退勤時や休日に発見した問題のある個所を担当課に連絡する制度です。連絡のあった件数は次の通りです。
(1)不法投棄 20件
(2)落書き箇所 道路施設・道路標識・電柱など公共施設 620件/民地 135件/合計 755件
特徴としては、不法投棄は市境や河川近くに多く、落書きは、国道や駅周辺などに多く見受けられました。
2. 不法投棄防止の取組状況
(1)不法投棄されにくい環境づくり(戸別収集など)
(2)市民と協働したパトロール(年間50回)、夜間パトロール(年間90回)
(3)監視カメラ・監視センサー・防止カメラなどの活用
(4)不法投棄防止看板の設置
(5)不法投棄通報制度の充実
(6)警察との連携
3. 不法投棄の状況
(1)不法投棄ごみ量の推移 処理件数(件)・合計(kg)
平成22年度 1,349件・69,130kg/23年度 1,169件・52,210kg/24年度 789件・43,969kg/25年度 675件・35,865kg/26年度 403件・14,584件
※戸別収集実施前の平成18年度は、2,122件・131,070kgからすると、件数で約8割減、重量で約9割減となっています。
(2)課題
課題としては、タバコの吸い殻、弁当ガラなど、犯人が特定できないポイ捨てへの対応が課題となっています。
4. 落書き対策の取組状況
(1)落書きされている場所の特定 スマートチェック(755件)
(2)落書き消去活動 約600件を消去(7月末現在)
(3)落書き消去イベント 6月28日 藤沢市の落書き消し隊!決起集会~400万人へのおもてなし2015~ 29団体 202人参加
5. 今後の不法投棄・落書き防止への取組
(1)第2回スマートチェックの実施(11月予定)
6月・12月を不法投棄・落書き防止強化月間
(2)不法投棄・落書きの夜間パトロールの強化
(3)監視カメラ・監視センサー・防止カメラの活用
(4)警察との連携(不法投棄・落書き)
(5)不法投棄・落書き通報制度の充実(フリーダイヤル通報カードの配布)
(6)落書きされにくい環境の整備(早期消去や落書き多発場所への啓発ステッカー等の貼付)
(7)不法投棄・落書き防止イベントの開催
①第2回藤沢市の落書き消し隊!決起集会(今年度開催予定)
②ポイ捨て回収イベント
・ポイ捨て無くし隊大作戦(12月下旬予定)
・藤沢七福神クリーンめぐり(1月実施予定)
6. 不法投棄を見かけたら
不法投棄は犯罪です。見かけたら通報 0120-910-053
佐賀委員
不法投棄・落書きは犯罪である。犯罪である事例を示すことにより抑止につながるのでは?⇒今後、検挙の件数など、広報、ホームページなどに掲載し、周知・啓発していく。
不法投棄の防止について、鳥居の活用の効果は?⇒3カ所に鳥居を模したものを設置したところ、不法投棄が減少した。鳥居の看板を10カ所設置したところ効果があった。
海岸線など、県に対して落書き対策をどのように要望しているのか?⇒県施設については、消去の要請をしたが、なかなかはかどらず市が対応した。県へは条例制定も要望している。
今後の対策は?⇒不法投棄防止の看板が設置できないところへの路面シート、防止カメラの民地への貸し出し、ポイ捨てや不法投棄の多い地域でのイベントの開催など。10/10に落書き消し隊を葛原地区で開催予定。スマートチェックで多い場所で消去イベントをしていく。
有賀委員
電柱やトランスボックスは民間企業だが?⇒公共的なところについては、事業者に依頼をしているが、消去が進まないので、県・NTT・東電については、市で消去する確認をして消去した。
以上、報告とします。