9月17日 10:00より、藤沢市議会9月定例会(5日目)が開催され、引き続き一般質問が行われました。内容の抜粋は次の通りです。
通告11番 原議員
1. 安心・安全なまちづくりについて
(1)災害対策について
夏のシーズンに地震による津波が起きた場合の津波避難の人数の想定は?⇒3/31に神奈川県が公表した津波の想定から6万人。更に夏のシーズンは1日7万人で最大19万人が訪れるので、合計、最大で13万人~25万人となる。
そのような状況に対して、避難場所の必要数と現状は?⇒平成27年8月時点で津波避難ビル208カ所の内、津波浸水域及びその周辺は122カ所、約88,000人で、観光客が多いときは不足する。
避難場所確保の取り組みをどうするのか?⇒引き続き、津波避難ビルの所有者に働きかけをするとともに、鉄道事業者へ補助金活用を促か。国・県に津波避難施設の整備を要望していく。
海岸線には、国・県の施設が多くある。具体的に何を要望しているのか?⇒県には、国道134号線を跨ぐ歩道橋について、避難タワーとしての活用、湘南海岸公園の築山の活用を要望。国へは、駅舎改修時の津波避難機能への補助金制度を要望している。
要望に対する回答は?⇒134号線を跨ぐ歩道橋の避難タワー整備には課題がある。また、湘南海岸公園の築山の避難スペースは難しいとのこと。鉄道事業者への補助制度については、国から回答がない。
築山は積極的に検討すべき。辻堂東海岸4丁目を含めて整備すべきだが?⇒辻堂東海岸の県有地は、活用の方向性を確認したうえで、地域における避難施設を検討していく。築山は、避難面積が大きくなるので、築山、その他も含めて検討していく。
津波避難計画について、明らかになった課題は?⇒避難訓練やアンケートでの課題は、避難経路に面したブロックの倒壊、避難要支援者の避難のあり方など。
その課題にどう対応するのか?⇒危険なブロック塀はフェンスにする補助制度を平成27年中に要項などをまとめる。要支援者対策は、津波てんでんこを基本にして、地域の声を聴いて対応策を検討していく。
新たな津波想定への対応は?⇒平成26年度に策定した、地域ごとの津波避難計画を基本とし、地域防災計画の見直しやハザードマップの見直しを検討していく。避難場所と避難経路の見直しを検討していく。
建物の耐震化率の状況は?⇒平成26年度末で、建築物の耐震改修の促進に関する法律の第14条の1項、学校、病院など多数が利用する建物は、89.4%/2項の危険物の貯蔵する建物は、83.7%/3項の緊急輸送路に面した建物は76.7%/住宅は77.4%。
耐震化されていないものは?⇒公共施設では、市民病院、生きがいセンター、労働会館など。
避難路沿道建物の耐震化の計画の考えは?⇒県の耐震改修促進計画では国道1号線のみ位置づけされている。その他の路線も位置付けるよう県へ要望していく。
建物の耐震化の目標が95%となった。耐震化をどう進めるのか?⇒計画の改定にあたり、より効果が見込まれる補助制度などを検討していく。
災害時トイレについて、地下水利用のトイレを検討することとなっていたが?⇒下水道が不能となることから汚水処理の課題がある。地下マンホール型トイレ、仮設トイレを基本としている。トイレ処理袋の備蓄を進めている。
発災時には、火災を防ぐことが大切。電気火災を防ぐための意識啓発の取組状況は?⇒防災ナビの小冊子版、啓発冊子でブリーカーを切り、ガスを止めることとしている。
感震ブレーカーが注目されている。設置勧奨や補助の考えは?⇒横浜市では木造密集地域を補助地域指定している。本市では、木造密集地域がないため、補助制度の考えはないが、設置促進の啓発をしていく。
一色川の水害について、改修の取組状況は?⇒一色川の先の引地川への流入量を県と協議し7月に合意した。基本計画案の細部を調整している。地元へ計画案を示し、意見を聞いて基本計画を策定していく。
菖蒲沢団地東側の暫定遊水池の状況は?⇒当面の対策として平成26年度からの3か年で、北部2-3区画整理の管理用地で整備している。平成26年度400㎥は完成。27年度800㎥/28年度600㎥で合計1,800㎥の計画を進める。
慶応大学周辺の浸水対策の取組状況は?⇒既設遊水池の拡張整備と流出解析シミュレーションに取り組んでいる。現在の遊水池500㎥を3,700㎥にすることにより、浸水被害の軽減を図る。
健康と文化の森に医療機関ができる。雨水貯留槽の設置予定状況は?⇒平成29年度の開院予定。地域貢献として、本来1,000㎥必要なところ、800㎥を加え1,800㎥の設置で協議が整っている。
災害対策基本条例の制定が必要だと思うが?⇒昭和50年に地震対策条例を制定、26年度に災害復興条例を制定した。地震だけでない条例の必要性について研究していく。具体的対策は、地域防災計画に位置付けていく。
通告12番 松下議員
1. 児童生徒の人権を守り、若者への支援について
(1)いじめ対策について
平成26年度のいじめの状況は?⇒平成25年度より増加の傾向にある。要因は、いじめの認知件数が増加し、教員の意識が向上したこと、児童・生徒が相談しやすくになったためと考える。暴力は、一部の学校での発生で増加した。小学生の不登校も家庭環境により増加した。
いじめ問題行動等の調査報告は、教育委員会定例会に報告されるが、議会にも報告すべきだが?⇒子ども文教常任委員会へ資料提供していく。
いじめについて、保護者からの相談の状況は?⇒学校への相談は各学校で対応しているので教育委員会としては把握していない。保護者から教育委員会への相談は、平成22年度12件/23年度10件/24年度12件/25年度21件/26年度8件。平成25年度からいじめ相談ホットラインをスタートし、25年度8件/26年度25件。いじめ相談メールは、25年度6件/26年度5件。
学校への相談は教育委員会としては把握していないとのことだが、いじめの相談から解決まで把握すべきだが?⇒児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査での認知から解決までの状況を把握し対応している。
保護者から相談を受けて、解決に至る学校の対応状況を教育委員会として把握すべき。保護者から学校にいじめの相談があった場合の学校の対応は?⇒対応チームを作り、校長・教頭・担任・スクールカウンセラーなどで対応する。必要があれば、関係機関と教育委員会と連携し更なる対応をする。
相談を受けた話として、言葉・暴力を受けて医師の診断書を提出したが、校長・教頭は対応しなかったとのことだが?⇒学校に対して、適切・真摯に対応するよう指導している。
いじめが原因で不登校となった際の学習支援についての考えは?⇒学校の対応としては、心のケアのため、担任、学年指導が保護者と相談して進めている。学校教育相談センターでは、通室による個別学習、カウンセリングをしている。
いじめ対策基本方針では、いじめの事実関係の調査を行うとしているが、これまで事例あるか?⇒方針に規定されている重大事案はない。対策チームでの調査にあたり、児童生徒のの人権に配慮して聞き取りをする。
当事者は重大事案と捉えている。学校側の対応が不適切だと思っている保護者の受け皿は?⇒指導主事が架け橋となり、関係機関とのコーディネートする場合もある。
第3者的な調査機関が必要だが?⇒第3者の調査が必要な場合、いじめ調査委員会を招集するが事例はない。
本市でも、いじめ問題再調査委員会が設置されたが、どのような場合に再調査するのか?⇒重大事態の発生に備え、昨年4月に設置した。重大事案が発生し教育委員会が調査し結果を市長に報告、その報告に対して、事実関係が明らかになっていないで、発生防止に必要と判断した時に再調査するもの。
再調査には至らないが、学校の対応に納得できない場合の対応は?⇒学校問題チームを派遣し丁寧に対応していく。
更に納得しない場合は、市長部局で対応するのか?⇒いじめで苦しんでいる子ども・保護者へ寄り添い、真摯に対応することが必要。市長部局に寄せられれば、教育委員会に報告を求め、再調査するか検討する。
いじめ問題など、市長と教育委員会が話し合う総合教育会議が開設されたが、いじめ問題で議論されたか?⇒していない。今後、いじめ問題についても意見交換していく。
(2)若者への支援について
ニート・引きこもり対策に取り組んでいるが成果は?⇒ユースワークふじさわで個別サポートしてきた。支援が必要な若者・家族へ一定の成果あった。潜在的な若者への支援が課題。
藤沢市子ども若者支援計画について、若者支援への取り組みの考えは?⇒アウトリーチに取り組む。子ども若者の社会参加の充実を図っていく。
本市の若者の所得・処遇状況と都市部への流出状況は?⇒県内の状況として、19歳未満210万円/20~24歳239万円/25歳~29歳285万円。雇用形態は全体で非正規は37.4%に対して15~24歳は56.2%と高い。将来人口推計調査で、20代後半で若干流出が想定されている。
本市でも地方版政労使会議の設置をすべきだが?⇒労働問題懇話会を設置し、若者の雇用課題を含めて議論している。必要性を含めて労働問題懇話会の中で議論していく。
若者の就労支援が必要。若者のチャレンジに対して助成する自治体が増えている。本市の考えは?⇒財政支援については、幅広い観点から検討していく。
通告13番 味村議員
1. 住宅政策について
(1)住宅困窮者支援について
住宅セーフティネット法におけるUR賃貸住宅の位置づけは?⇒第2条で、UR賃貸は公的賃貸と位置付けられている。低所得者、高齢者に配慮するよう定められている。
家賃負担が重い。県内で独自で家賃助成をしている状況は?⇒6市が助成している。
住宅支援について、市ごとに居住支援協議会を設置し、国から1,000万円の財政措置がされる。本市でも取り組むべきだが?⇒県が居住支援協議会を組織し、住宅支援している。今後は、藤沢型地域包括ケアシステムの専門部会の中で、検討していく。
本市でも低所得者へ家賃補助していくべきだが?⇒市営住宅の環境整備、住宅ストックの確保に努めていく。
2. 男女共同参画について
(1)性的マイノリティの権利保障について
性的マイノリティは、社会の無理解により、個性の発揮ができない。本市の考えは?⇒性的マイノリティは人権課題の中でも社会の理解が得られていない。意識啓発が必要と認識している。
本市を含め、性的マイノリティに対する取組状況は?⇒本市では、平成19年2月策定の藤沢人権施策推進指針の中で、人権課題と位置付けている。県下でも多くの自治体が人権指針に位置付け、意識啓発に取り組んでいる。
性的マイノリティの子どもたちが学校で孤立感にならないように教員の知識を向上する環境整備が必要だが?⇒教員が正しい知識を持つことが必要。リーフを活用して、基礎知識やカミングアウトした時の対応など、今後も人権意識を高め、誰もが安心して学校生活を送れるよう教職員の研修をしていく。
同性パートナーシップ条例含めて、取り組むべきだが?⇒人権啓発についいて、あらゆる人の人権が尊重されるよう、取り組んでいく。
通告14番 永井議員
1. 環境施策について
(1)循環型社会の形成に向けた啓発活動について
本市のごみ分別の状況は?⇒平成26年度は、可燃ごみへの資源の混入率は10%で、戸別収集前の平成18年度と比較すると50%減少している。不燃ごみへの資源の混入は14%で同じく10%減少している。
ごみ出し負担の軽減の取り組み状況は?⇒平成19年度からの戸別収集を24年度にはビン・缶・ペットに拡大、今年の4月には雑紙・本へ拡充した。また、福祉大型ごみ収集でごみ出し負担の軽減を図っている。
市民の分別意欲を高めるための周知・啓発の状況は?⇒区域別収集日程カレンダーの配布、ホームページでごみ検索システムでは1日あたり360件、年間131,400件アクセスがある。3月からは、スマホ版ごみ分別アプリを配信しており、8月までで8,000件のダウンロードがある。
ごみ分別アプリ機能の追加や操作性の改善が必要だが?⇒今後、操作性の向上や新たな機能を追加していく。
新たな周知の方法は?⇒7月に行った外部評価「カイゼン」を踏まえ、動画配信して周知・啓発を図っていく。
環境教育の取組状況は?⇒小学4年生を対象にパッカー車での分別体験、幼稚園・保育園を対象にキッズごみ体験、中学生の職場体験などをしている。
逗子や葉山で実施している「キエーロ」について、本市でも補助すべきだが?⇒キエーロは、生ごみを黒土と混ぜるだけで処理できるもので、調査・研究している。補助制度を検討していく。
2. 防犯対策について
(1)特殊詐欺対策について
特殊詐欺の状況は?⇒市内では、平成25年度51件 約1億7,300万円/26年度35件 約1億6,300万円/27年度1~6月18件 約4,500万円。
市の振り込め詐欺対策の状況は?⇒広報・啓発が中心に取り組んでいる。
本市でも関係団体と連携したプロジェクト設置の考えは?⇒平成18年度より市・警察署長などでの安全・安心まちづくり会議で協議している。この会議を中心に進めていく。
今後の対策は?⇒市としては、個人でできる防止策チラシを作成していく。青色パトが全ての市民センターに配置されたので、積極的に活用していく。
通告15番 井上議員
1. ふじさわサイクルプランについて
(1)駅前自転車駐車場等の現状と課題について
藤沢駅北口駅周辺の駐輪場の状況は?⇒平成26年度に北口第2自転車等駐車場を整備した。市営4施設と民間2施設で3,362台と従来より500台を増した。大型商業施設は4カ所484台確保されている。
放置自転車の状況は?⇒平成26年11月の調査で、11:00 58台/15:00 86台。
定期まちの状況は?⇒第二駐輪場でアンケートしたところ、待機している間は、一時利用、他の定期利用をしている。待機期間は1~2か月となっている。
無料駐輪場を廃止したが、その影響は?⇒7月調査で、北口駐輪場は空きか130台、放置自転車が21台だったので影響はないと考える。
南口の駐輪場の状況は?⇒市営4か所、民間4カ所、計2,325台。他に大型商業施設で405台確保されている。
放置自転車の対策状況は?⇒平成26年11月の調査で、放置自転車は、11:00 126台/15:00 244台。
南口駐輪場の利用状況は?⇒7月の調査で、全体で105.1%。定期まちは、平成26年度、月平均165台/27年度 164台。
今後、江ノ電高架下のパーキングメータが撤去されると思うが?⇒具体的な検討を進めている。
官民連携について、設置補助の活用状況は?⇒12施設に補助した。
補助の活用状況が低い。見直すべきだが?⇒補助率の改定の予定はないが、短期間での対応に努めていく。
官民連携のあり方の考えは?⇒特定開発に係る協議の際に、できるだけ多くの駐輪場を要請していく。助成制度により、整備促進に取り組んでいく。
2. 安全と安心について
(1)電線地中化について
電線地中化に対する市の基本的考えは?⇒都市災害の防止、都市景観の向上が期待できる。本市では駅周辺、観光地、歩道整備されたところの中で、路線選定している。
取り組みの状況は⇒本市では、駅周辺、江の島島内など、市道14.3km、国道1号線1.1km、その他国・県道約6kmで無電線化は21.4km。
電線地中化のメリット・デメリットは?⇒メリットは災害時の危険性が少ない。情報通信ネットワークの被害も軽減できる。デメリットは、被災した場合に時間とコストがかかる。冠水時に作業ができないなど。
生活道路の電線地中化進められないか?⇒狭いため困難。
第7期無電線化推進計画をどう進めていくか?⇒国の計画を踏まえて整備するが、旧東海道遊行寺周辺の市道394号線と市道471号線を位置付ける予定。
通告16番 脇議員
1. 誰もが尊厳をもって暮らせる藤沢のまちづくりについて
(1)高齢者施策の基盤づくりについて
介護保険法が改定され、本来、要介護・要支援認定を申請すべき人が支援を受けられなくなると危惧する。認定制度の変更により、認定率がどう推移していくと想定していいるか?⇒新総合事業にあたり、25項目のチェックリストによりサービス可能か判断する手法が導入される。現時点では推測は難しいが、中長期的には認定率は減少していくと想定する。
現在、利用している予防サービスのうち、訪問介護・通所介護は新総合事業に移行する。本市の要支援認定者が受けられるサービスの考えは?⇒市は段階的に移行し、平成28年10月から平成29年4月までに新たなサービスに移行する。要支援を受けている人へは引き続きサービスを受けられるようにしていく。新総合事業の開始時には、ボランティア等が主体になった多様なサービス提供体制を作っていく。
ボランティア育成を支援する体制が必要。課題と今後の方向性は?⇒事業の担い手としての継続性、質の確保が課題。2025年を見据えて、具体的な方策を検討していく。
今回の改定で、藤沢型地域包括ケアシステムを推進するに当たり、新総合事業をどう展開していくのか?⇒今後は、藤沢型地域包括ケアシステムの理念を実現するため、地域での健康寿命の延伸、介護予防による生きがいづくりを含めた、地域づくりを進めていく。
(2)障害者差別解消法施行に向けての本市のとりくみについて
障がい者差別解消法施行に向けた市の考え方と合理的配慮の効果の想定は?⇒障がいのある方の権利や利益を守るため、差別の解消に積極的に取り組んでいく。障がい者の社会参加が促進されると期待される。
市内の公共施設において、バリアフリーができていない施設がある。南市民図書館は建物に入れないし、館内にもバリアがある。改築までの間に合理的配慮をすべきだが?⇒52年が経過している。エレベーターもないし、障がい者や高齢者が利用しにくい。他の図書館での受け取り、自宅への宅配などをPRしていく。
江の島島内のバリアフリー化への課題は?⇒階段、がけが多く、改修の余地が限られためコストがかかる。埋蔵文化財による制限もある。
どう取り組んでいくのか?⇒島内バリアフリーの必要性は認識している。介護ボランティア、介護ロボットなどを含め、取り組む必要ある。10月から庁内検討会議し、具体的内容のスケジュールを検討していく。
島内バリアフリーについて、当事者の意見を聞いて進めるべきだが?⇒当事者の意見を聞いて、できる限りの対応することが重要。地元の意見を聞き、課題を整理して進めていく。
合理的配慮について、障がい当事者からの相談窓口と情報の共有が求められる。行政側の準備に対する考えは?⇒窓口は既存の相談窓口を活用していく。職員が障がい者差別の解消について、研修、eラーニング研修も検討している。平成28年4月に向けて準備していく。
以上、報告とします。