2015.12.4 建設経済常任委員会

 12月4日 9:30より、藤沢市議会建設経済常任委員会が開催され、傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。

 

議案第45号 市道の認定について(鵠沼915号線ほか5路線)

 開発等に伴い、新たに市道に認定するもの。

 この議案は、全会一致で可決すべきものと決定しました。

 

議案第46号 市道の廃止について(川名1973-4号線)

 不要となった市道を廃止するもの。

 この議案は、全会一致で可決すべきものと決定しました。

 

陳情27第30号 中古建物についての検査済証交付についての陳情

 この陳情は、新築当時、建築基準法の検査済証の交付を受けなかった建物が、5年以上経過し、増改築する場合に、既存の建物全体について、建築基準法上適法である旨の検査済証を交付できる方法はがある場合、その手続きについて文書で明確にすることを求めるものです。

 現在、陳情者が市に対して、市が隣接する建物の検査済証を偽造したとして、係争中であり、裁判への影響も考慮すると、議会で取り扱うべきではないとの意見もありました。この陳情は、全会一致で不了承とにりました。

 

報告(1) 藤沢市耐震改修促進計画(素案)について

 耐震改修促進法が、平成25年11月に改正され、不特定多数や避難弱者が利用する大規模な建築物に対して耐震診断を義務付けるなど、建築物の耐震改修の促進に向けた取り組みが強化されています。この法改正へ対応するため、藤沢市耐震改修促進計画を改定するもので、その素案が報告されました。内容の抜粋は次の通りです。

1. 計画期間  平成28年度~32年度

2. 建築物の耐震化の目標

(1) 住宅の耐震化率  平成19年1月時点の戸数 81.4%/平成27年1月時点の戸数 88.4%/平成32年度末の目標 95%

(2) 多数の者が利用する建築物の耐震化率  平成19年1月時点の棟数 80.0%/平成27年1月時点の棟数 89.4%/平成32年度末の目標 95%

(3) 危険物の貯蔵場または処理場の用途に供する建築物  平成19年 65.6%/平成27年1月時点 83.7%/平成32年度末の目標は定めず、所有者に周知・指導・助言を行う。

3. 住宅の耐震化の促進

(1) 情報提供と普及啓発

 住宅の所有者に対して、建築物の耐震化に対する意識向上を図るとともに、防災マップ等の情報提供を行っている。

(2) 窓口相談と技術連携

 住宅の所有者等が耐震化に取り組みやすいように、相談窓口の設置や技術者団体との連携等を進めていきます。

(3) 各種支援の実施

 現在、本市では、建築基準法の新耐震基準が導入される以前(昭和56年5月までに着工)に建築された木造住宅及び分譲マンションに対して、補助金制度による支援を行っています。

 今後、分譲マンションについては、耐震診断に係る費用の一部助成に加えて、耐震改修のの助成を検討していきます。併せて、分譲マンションの管理組合を対象に、合意形成や技術的支援等を行う専門家派遣による支援も行っていきます。

4. 多数の者が利用する建築物の耐震化の促進(改正耐震改修促進法への対応)

(1) 不特定多数・避難弱者が利用する大規模建築物の耐震化促進

 市内で耐震診断が義務付けられる大規模建築物(民間建築物)は、平成27年1月時点で20棟あり、耐震診断が義務付けられました。耐震診断により、耐震改修が必要とされた建築物については、早急に耐震改修や建て替えができるよう、必要な環境整備を進めていきます。

 幼稚園・保育所・小中学校など1棟/ホテル・旅館1棟/百貨店・スーパー・店舗11棟/危険物の貯蔵場など4棟/自動車車庫・遊技場など3棟 = 20棟

(2) 避難路沿道の建築物の耐震化促進

 自身によって、建物が倒壊し、通行の障害とならないように、建築物について、耐震化を促進することが必要です。県が耐震診断を義務付ける緊急輸送道路は、延長で約150kmで、市が耐震診断を義務付ける道路は、次の通りです。

 ① 国道467号線 ⇒ 国道134号線交点~国道1号線交点

 ② 県道22号 横浜伊勢原線 ⇒ 横浜市境~海老名市境

 ③ 県道43号 藤沢厚木線 ⇒ 国道1号線交点~綾瀬市境

 以上、3路線 延長約20kmの沿道建築物の所有者は、耐震診断を行い、その結果を平成33年3月31日までに、市に報告をしなければなりません。

 

【耐震診断を義務付ける道路以外の緊急輸送道路(11路線 延長約40km) 及び避難路(41路線 延長約63km)】

 義務付ける以外の道路についても、耐震改修促進法の規定に基づき、耐震化を促進します。当該路線の通行障害既存耐震不適格建築物の所有者は、耐震診断を行い、その結果に応じて耐震改修を行うよう努めることが求められます。 市は、これらの建築物に対する耐震診断補助制度等による支援を行うとともに、耐震改修についても必要な支援をしていきます。

【津波避難路(98路線 延長約41km)】

 藤沢市津波避難計画に位置付けた津波避難路についても、耐震改修促進法の規定に基づく道路として位置づけ、通行障害既存耐震不適格建築物の耐震化を促進していきます。市は、これらの建築物に対する耐震診断補助制度等による支援を行うとともに、耐震改修についても必要な支援を検討ていきます。

(3) 各種認定制度等による耐震化促進

 耐震改修促進法の改正では、建築物の耐震改修の促進策が複数設けられました。これらの耐震改修促進法の各種認定制度を活用して建築物の耐震化を促進していきます。

 ① 耐震改修工事に係る容積率、建ぺい率等の緩和(法第17条)

 ② 建築物の地震に対する安全性の表示制度(法第22条)

 ③ 区分所有建築物の議決要件の緩和(3/4⇒1/2)(法第25条)

(4) 耐震化を促進する環境整備

 ① 建築物の所有者への周知

 ② 相談窓口での情報提供

 ③ 専門家・事業者団体との連携等

5. 公共建築物の耐震化の促進

(1) 市有施設の耐震化促進

 地域防災計画との整合を図りながら、順次、計画的に耐震診断、耐震改修を、平成32年度末に向け実施します。なお、平成27年1月時点での耐震化の状況は次の通りです。

 ① 一般施設 建築物棟数232/耐震性あり201/耐震化率86.6%

 ② 小・中・特別支援学校 建築物棟数203/耐震性あり203/耐震化率100%

 ③ 市営住宅 建築物棟数66/耐震性あり65/耐震化率98.5%  合計 建築物棟数501/耐震性あり469/耐震化率93.6% 

6. その他の地震時における安全対策

(1) 窓ガラス、外壁等の落下防止対策

 地震発生時に建築物からの落下物を防ぎ、安全性を確保するために、建築物の所有者に対して適正な維持管理の啓発及び指導を図ります。

(2) 天井脱落対策

 既存建築物については、建築基準法の定期報告制度による情報把握を行い、建築物の所有者等に基準を周知するとともに、脱落防止措置を講じて安全性の確保を図るように指導します。

(3) エレベーター等の安全対策

 エレベーターやエスカレーターが設置された建築物の所有者等に建築基準法の定期検査等の機会をとらえて、地震時のリスク等を周知し、安全性の確保を図るよう指導します。

(4) 宅地の液状化対策

 「液状化危険度マップ」等により、情報提供を行っています。

(5) ブロック塀の安全対策

 市では、公道(市道)に面した部分の既存危険ブロック塀について、安全が確保されるよう新たな助成制度を検討しています。

(6) 住宅内での安全対策

 市では、やむを得ず木造住宅を耐震化することができない方への対応として、倒壊から最低限生命を守るために、耐震シェルター及び耐震ベッドの設置にかかる費用の一部を補助しています。

7. 法に基づく指導・助言

(1) 耐震改修促進法による指導・助言の実施

(2) 耐震診断の実施を義務付けられた建築物への対応

 期限までに耐震診断が実施されない場合は、実施を促し、それでも実施しない所有者については、相当の期限を定めて耐震診断の実施を命じ、併せて、その旨をホームページ等で公表します。また、診断の結果、必要な耐震改修を行わない場合も同様の対応をとります。公表しても行わない場合は、法に基づいた勧告・命令を神奈川県と連携して行います。

(3) 耐震診断の結果の公表

 建築物の所有者から報告を受けた耐震診断の結果については、省令に基づきホームページ等により公表します。

8. 今後の予定

(1) 平成27年12月上旬 改定素案についてパブリックコメントの開始

(2) 平成28年1月中旬 パブリックコメントの結果公表

(3) 平成28年3月末まで 藤沢市耐震改修促進計画 改定

(4) 平成28年4月1日 藤沢市耐震改修促進計画 施行

永井委員

 公共施設の一般施設について、耐震性のない施設はどのようなものがあるのか?⇒市民病院東館、やすらぎ荘、老人いこいの家など。

 今後の考えは?⇒3月に策定した、後記用施設等総合管理計画に基づいて安全確保をしていく。

塚本委員

 現計画の総括をすべきだが?⇒公共建築物は目標達成したが、その他も目標に近づいている。今回の改定で、平成32年度末で95%の目標に向けてさらに取り組んでいく。

 耐震化が進まない原因として、古い木造住宅がある。耐震化率が進むのは、そういった住宅の建て替えで進むのでは?⇒実際、年間500~600棟は建て替えとなつている。耐震改修補助をしているが、耐震化率の向上には建て替えが圧倒的に多い。改修のみで達成はできないが、改修する市民に対しての支援を考えているが、建て替えが最大の効果となっている。

 分譲マンションへの専門家の派遣とあるが、実効性は?⇒耐震診断のみの支援だが十分に活用されていない。区分所有者の合意形成がネックとなっている。改修費の補助が必要と考えているが、具体は今後検討していく。

 計画期間の5年間に実施されるのか?⇒計画内での実施に向けて検討していきたい。

 専門家派遣の費用負担は?⇒他市の事例を研究している。管理組合からの負担は考えていない。

 緊急輸送道路について、市は3路線を指定するが、対象物の状況は?⇒最大40棟を見込んでいる。現地確認し、確定していく。

 費用負担は、市が100%負担するのか?⇒特定財源を活用するが、100%補助する。

 その他の避難路等について、市が義務付けをするが、裁量権はあるのか?⇒国の要件は道路と建物の高さとなる。対象物とすることに裁量権はないが、県下で足並みをそろえていく。

柳沢委員

 診断結果を公表するとなっているが、大規模建物のみ公表するのか?⇒法で義務付けとなった建物で、不特定多数・避難弱者が利用する大規模建築物の20件と、義務付け路線の対象となったもの。

 津波避難路41kmについて、耐震診断・改修する対象建物を把握しているのか?⇒調査中で、数百棟と想定する。

 診断されていないのか?⇒所有者自らしているケースもある。対象棟は、昭和56年以前の旧耐震基準の建物。

 今まで以上の支援をしていくのか?⇒木造住宅へ診断補助しているが、補助率を検討していきたい。

清水委員

 避難路沿道の建築物の耐震化促進として、市が義務付ける3路線の建築物について、市への耐震診断実施の報告期限が、平成32年度末となっているが、遅すぎるのでは?⇒計画では、早期にと位置付けているが、診断の実施については、所有者自らが行うもので、5年の期間を定めたが、早期の報告を促していく。

 避難輸送道路沿道の建物が倒壊した場合、瓦礫の処理の手順は?⇒大地震で倒壊した場合には、地域防災計画の中で、協力業者が対応することとなっている。

友田委員

 分譲マンションについて、耐震診断が必要な棟数は?⇒分譲マンションについては、平成21年時点で、対象が226棟あり、内、診断補助が11棟で、215棟と見込んでいる。

 分譲マンションの中には、ライフタウンのように、同時期に同様に建てられたものがある。それを差し引くと、どのくらいになるのか?⇒予備診断では、マンションの複数棟の内、1棟をして目安にしていると考える。

 大規模な集合マンションについて、1棟で診断すれば効果が高い。どのようにアプローチしてきたか?⇒管理組合単位で、診断補助制度の通知をしてきた。

 今後、専門家を派遣していくことについて、通知でしていくのか、出向いていくのか?⇒促進計画策定後、直接管理組合にアプローチしていきたい。

 アプローチの仕方について、管理組合の役員は単年度で代わるので、タイミングが大事。いつから始めるのか?⇒予算要求しているところで、予算化がされれば進めていく。

 図面を持っていないケースが考えられる。どのような支援が考えられるか?⇒1次診断では、柱・壁の断面積で評価するので図面がなくても診断できるが、2次診断では、配筋の確認できないため難しい。

 住民の合意形成について、改修が必要となった場合にお金を出せるのかとなる。補助メニューがないと難しい。早急に対応すべきだが?⇒集合住宅の改修にはかなりの費用がかかる。補助制度の議論は早急にするが、実施に向けては、時間がかかる。私有財産への補助について、全体の理解をどう得られるのか、更なる分譲が可能なのかなどを含めて、検討が必要。

 

報告(2) 藤沢市市民農園の見直しについて

 平成25年度に制度改正を行い、家庭菜園から移行した市民農園について、利用期間の3年が経過し、平成27年度末に更新を迎えることから、これまでの利用状況等の検証結果を踏まえて、制度の見直しを予定しており、その報告がされたものです。内容の抜粋は次の通りです。

1. 開設状況

(1) 開設場所  市内25か所に開設しています。

(2) 開設状況  個人利用枠は1区画20㎡で、1,015区画/グループ利用枠は1区画40㎡で28区画となっています。

(3) 貸付料  個人区画14,000円/年額  グループ区画28,000円/年額。

(4) 貸付期間  4/1~翌々年度3/31の3年間。

(5) 利用状況  個人区画802区画、グループ区画17区画の利用で、約79%の利用率。

2. 平成28年度からの運営について

(1) 区画の規模について

 個人利用20㎡を基本とし、グループ利用の設定、空き区画があれば、2区画目の利用ができる制度を考えています。

(2) 貸付料について

 ① 1区画当たり、現行の14,000円/年額を維持します。

 ② 負担軽減や健康増進等の観点から、70歳以上・障がい者の利用の場合、30%の減額で利用できるよう見直します。

(3) 利用期間について

 現在の3年間を維持します。

(4) 管理について

 空き区画や外周部の未利用地へは防草シートを設置し、今年度から委託している巡回による草刈り等、必要な改善を迅速に行うよう努めます。

清水委員

 市民農園の要件は?⇒面積500㎡以上。

 貸出している税制上のメリットは?⇒土地所有者から賃貸借契約をする中で、固定資産税・都市計画税相当額を支払うこととしている。

 空き家対策にも使えるのでは?⇒隣接する住民の意見を聞いて検討していく。

塚本委員

 利用料14,000円の妥当性と根拠は?⇒賃借料、維持管理費を総面積で割り戻して算出している。

 受益者負担の状況は?⇒6割程度の負担となっている。

 他の公共施設の受益者負担との整合は?⇒公民館などは50%と認識している。

 利用率79%の内訳は?⇒北部地区479区画中288区画利用で約60%、南部地区564区画中531区画利用で約94%。

 利用率をどうあげていくのか?⇒今回の見直しで、高齢者等への減額、空き区画の随時募集のPR、2区画目の利用可などで。

 グリーンツーリズムの考えは?⇒市民農園がセールスポイントになるかどうか、検討していく。

柳沢委員

 北部地区の利用率向上について、可能と考えているか?見通しは?⇒150人へアンケートしたが、70歳以上が4割利用している。60代も2割あり、今後、増えていくと考える。北部は調整区域側に同様の施設があるので、ニーズがないとなれば、緑の広場への転用なども検討していく。

 2区画目が可能となるが、3年間固定となるのか?⇒空き区画について募集する。3年間利用できる。

 随時募集との整合は?⇒初めての利用者について、2区画目の人より優先することを検討していく。

 利用料について、高いという意見62.6%ある。考慮すべきだが?⇒受益者負担は必要。

 巡回委託を自主管理にして下げられないすか?⇒特定の市民が利用するので、受益者負担が原則となる。管理の役割の見直しについては検討していく。

井上委員

 市民農園内の耕作放棄の状況は?⇒身体の状況、引っ越しなどで、利用できないと届出ある。届出がないものもある。

 耕作放棄をどう捉えているか?⇒身体の調子を崩しているケースが多い。一定期間様子を見て連絡をしている。

 農業従事者の理解が必要となるが、意見交換したのか?⇒直接、意見を伺っていない。

 以上、報告とします。

 

 


おおや徹

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