2015.12.7 厚生環境常任委員会

 12月7日 9:30より、藤沢市議会厚生環境常任委員会が開催され、傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。

 

議案第58号 藤沢市廃棄物の減量化、資源化及び適正処理等に関する条例の一部改正について

 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の改正に伴い、非常災害により生じた廃棄物を処理するために設置される施設の手続きに関する事項を定めるもの。

山内委員

 焼却施設と最終処分場をつくるときの環境アセスメントの縦覧期間について、非常災害時に短縮できるということか?⇒その通り。

 非常災害時の定義は?⇒自然災害で、地震、津波など、予防できないもので、通常時では対応できない規模。

 仮設置き場をつくるときの住民説明は?⇒仮置き場は、地域防災計画で5か所指定している。災害時は、被災場所に近いところにつくる必要ある。県や民間と協議して進めていくこととなる。

 非常災害が起きて、焼却施設をつくるにも何年もかかる。どのくらいの期間でつくれるのか?⇒東日本大震災を例にすると、建屋ではなく、必要な機能だけの仮施設をつくる。岩手で1年、最短で7か月でできたところもある。

 この議案は、全会一致で可決すべきものと決定しました。

 

陳情27第25号 安全・安心の医療・介護の実現と夜勤改善・大幅増員について国への意見書提出を求める陳情

 この陳情は、次の事項について、国への意見書提出を求めるものです。

 ① 看護師など「夜勤交替制労働者の労働時間を1日8時間、週32時間以内、勤務間隔12時間以上」とし、労働環境を改善すること。

 ② 医師・看護師・介護職員などを大幅に増やすこと。

 ③ 国民(患者・利用者)の自己負担を減らし、安全・安心の医療・介護を実現すること。

 ④ 費用削減を目的とした病床削減は行わず、地域医療に必要な病床機能を確保すること。

山内委員

 厚労省の働き方休み方改善コンサルタントとは?⇒労働時間、休暇制度などの相談を受けている。

 厚労省が設置する、医療労働専門相談員とは?⇒平成23年度から都道府県の労働局に配置しているもので、神奈川県でも平成25年度から配置されている。医療機関の労働管理の相談を行っている。

 労働者側からの相談にも対応しているのか?⇒医療機関の労務管理全般の相談なので、開設者や労務管理者を想定している。従事者の相談は労基署が窓口となる。

柳田委員

 市民病院看護師の勤務体制は?⇒職員の希望で、2交代、3交代を選択でき、12/1現在で、2交代が509人、3交代が6人。勤務時間は、8:30~17:15と16:30~翌日9:30まで。

 2交代が圧倒的に多いが、理由は?⇒連続した休みがとりやすい、翌日が休務日となる、申し送りの時間が短縮できるなどが理由と聞いている。

 この陳情は、山内委員が主旨了承としましたが、採決の結果、主旨不了承となりました。

 

陳情27第26号 「介護従事者の勤務環境改善及び処遇改善の実現」について国への意見書提出を求める陳情
 
 この陳情は、次の項目について、国への意見書提出を求めるものです。
 
 ① 介護職員をはじめとする、介護現場で働くすべての労働者の処遇改善を図ること。 

 ② 介護保険施設の人員配置基準を利用者2人に対して介護職員1人以上に引き上げること。夜間の人員配置を改善すること。

 ③ 上記の項目の実現を図るため、国費で費用を賄うこと。

阿部委員

 介護施設労働者の賃金が、全産業労働者より、平均で9万円低いとのことだが?⇒平成26年度厚労省の調査では、所定内月額が、ホームヘルパーで207,300円、ケアマネージャーが253,500円で、看護師は、295,600円。

 国費で費用を賄うこととあるが、税制上可能なのか?⇒半分は保険料、残りを、国25%、県12.5%、市12.5%の負担となる。その枠を超えての費用は想定していない。

 実施した場合の負担増は?⇒処遇改善費用を積算できない。

山内委員

 2025年に向けた、介護人材の需給推計は?⇒厚労省によると、2025年の介護人材の需要は253万人、介護人材の供給見込みは215.2万人で、37.7万人のギャップがある。

 介護職と一般職の離職率の状況は?⇒平成26年度で、一般職15.5%、介護職16.5%。

 介護労働安定センターの専門コンサルの無料相談について、労働者側の相談も受けているのか?⇒介護福祉士、社会福祉士が対応している。

 市として周知する考えは?⇒介護従事者に情報提供ていく。

 この陳情は、山内委員が主旨了承としましたが、採決の結果、主旨不了承となりました。

 
 
報告(1) 新しい介護予防・日常生活支援総合事業への移行に向けた取り組みについて
 
 平成27年4月の介護保険法改正により、全ての市町村で「新しい介護予防・日常生活支援総合事業」を平成29年4月までに実施することが義務付けられました。本市では現在、この新総合事業への円滑な移行に向けて、必要な準備を進めており、これまでの取り組み状況と、今後の方向性などが報告されたものです。内容の抜粋は次の通りです。
 
1. 新総合事業の概要
 
(1) 現行の介護予防給付(要支援1・2)の内、訪問介護・通所介護が、新しい介護予防・日常生活支援総合事業(新総合事業)に移行します。
 
(2) 現行の介護予防事業が、新しい介護予防・日常生活支援総合事業(新総合事業)に移行します。
 
(3) 新総合事業(要支援1・2及び、それ以外の者)は、次の2事業です。
  
 ① 介護予防・生活支援サービス事業
 
  ・ 訪問型サービス
 
  ・ 通所型サービス
 
  ・ 生活支援サービス(配食等)
 
  ・ 介護予防支援事業(ケアマネジメント)
 
 ② 一般介護予防事業
 
2. 移行時期
 
 ②の一般介護事業は、平成28年10月から実施しますが、①の介護予防・生活支援サービス事業は、要支援認定の更新や、ケアプランの見直し時に合わせ、平成28年10月から、6か月をかけて、現行の介護予防給付から段階的に移行します。
 
3. 対象者及び利用方法
 
【介護予防・生活支援サービス事業】
 
(1) 対象者
 
 ① 平成28年10月以降に、新規・区分変更・更新により、要支援認定を受けた人。
 
 ② 平成28年9月末までに、要支援認定を受けている人で、本人の希望を踏まえて、介護予防・生活支援サービス事業をケアプランに位置付けた人。
 
 ③ 基本チェックリストにより、事業対象者に該当した人。※基本チェックリストとは、厚生労働省が作成した25項目の質問に答えて、生活機能を評価し、その結果で事業対象者を判断するものです。
 
(2) 利用方法
 
  これまでの要支援認定を受け、介護予防ケアマネジメントを受ける利用方法に加え、新たに基本チェックリストを使って、「事業対象者」を判断し、介護予防ケアマネジメントを通じて、必要なサービスにつなげる利用方法が導入されます。
 
【一般介護予防事業】
 
(1) 対象者
 
  65歳以上の高齢者及び、その支援のための活動に関わる人。
 
(2) 利用方法
 
  本人の意向に沿って参加します。
 
4. 移行後のサービス内容
 
【介護予防・生活支援サービス事業】
 
(1) 訪問型サービス
 
 ① 訪問介護Ⅰ
 
  これまでの介護予防訪問介護相当で、身体介護(入浴・着替えなど)及び、生活援助(買い物・調理・掃除等)のサービスを行い、基準・単価も国と同様とします。
 
 ② 訪問介護Ⅱ
 
  これまでの介護予防訪問介護相当で、生活援助(買い物・調理・掃除等)のみのサービスを行い、基準は国と同様とします。
 
 ③ 訪問型サービスA(緩和した基準によるサービス)
 
  比較的軽度な利用者を想定し、人員基準を緩和して、資格を有さないものが提供できる生活援助(買い物、調理、掃除等)サービスを行い、単価はサービスに見合った適切な単価とします。
 
 ④ 訪問型サービスC(短期集中予防サービス)
  
  保健・医療の専門職より、提供される支援で、居宅での相談指導等、3~6か月の短期間で行います。
 
(2) 通所型サービス
 
 ① 通所介護
 
  これまでの介護予防通所介護相当のサービスで、基準・単価とも国と同様とします。
 
【一般介護予防事業】
 
  介護予防に関する正しい知識の普及・啓発、習得機会の提供とともに、地域で自主的に介護予防活動を継続できるような人材の育成、活動団体の支援を行います。
 
(1) 介護予防普及啓発事業
 
  身近な地域で参加ができるよう、市内各所で講座・講演会を実施します。
 
(2) 地域介護予防活動支援事業
 
  人材育成や通いの場等の運営など、住民主体の介護予防活動の育成・支援を実施します。
 
(3) 地域リハビリテーション活動支援事業
 
  効果的な介護予防の取り組みを支援するため、住民主体の団体に対して、助言・指導を行う、リハビリ職を派遣します。
 
5. 今後の方向性
 
(1) 訪問型サービス
 
  新たに専門的な資格要件を緩和した基準によるサービスを導入し、その後、地域づくりの視点からもボランティアをはじめとした多様なサービス提供体制づくりを進めます。
 
(2) 通所型サービス
 
  事業開始時点では、現行相当のサービスを導入していく予定ですが、今後、事業主体と意見交換を行い、多様な主体によるサービス提供づくりを検討します。
 
(3) 一般介護予防事業
 
  引き続き、広く介護予防の普及・啓発を行うとともに、今後は、高齢者を年齢や心身の状況等によって分け隔てることなく、地域で自主的な介護予防活動が継続できる環境づくりを進めます。
 
加藤委員
 
 介護認定の状況は?⇒平成27年10月末で、65歳以上の者で、要支援が6,130人、要介護1・2が6,250人、要介護3以上が4,529人。
 
 ヘルパーの訪問・通所の資格別状況は?⇒平成26年12月で、訪問介護98事業所で、介護福祉士712人、初任者研修を受けた有資格者1,535人。通所介護110事業所で、介護福祉士305人、有資格者359人。
 
 今後、介護職員足りるのか?⇒平成26年度の介護労働実態調査で、不足感ある59.3%、適当が40.2%となっている。厚労省の調査では、平成37年度で250万人の介護職員が必要と見込む。
 
 訪問型サービスAが新設される。無資格者とは?⇒現在は、介護福祉士、130時間の初任者研修を受けた者が従事しているが、無資格でも、ヘルパー3級や市の研修を受けた者が対応できるようになる。
 
 サービスBについて、内容と検討状況は?⇒訪問・通所とも、住民主体となる。地域の状況を明らかにしたうえで、既存の団体に働き掛けていくとともに、新たな主体づくりも検討していく。
 
柳田委員
 
 一般介護予防事業について、生きがい対応事業所は、地域介護予防活動支援事業になっていくが、新しい事業に移行する際のアンケート結果は?⇒10月に団体向けアンケートを行い、意思確認と課題を聞いた。11月には訪問し、聞き取りをしている。生きがいデイサービスは、団体ごとの課題について、スムーズな移行に向けて相談している。
 
 介護保険課、健康増進課、高齢者支援課など、事業により担当がある。今後、どこが主体となっていくのか?⇒ふじさわ型地域包括ケアシステムの高齢者の専門部会で検討しているので、各課の連携で対応していく。
 
 要支援の人が、サービスを継続できるのか不安をもっている。市民への周知の考えは?⇒要支援の人へ個別に案内する。地域包括支援センターの職員からも案内していく。
 
武藤委員
 
 移行に関して、現状の要支援から外れる人は?⇒要支援1・2の人で、訪問・通所を使われている人が対象、また、基本チェックにより対象となる。来年度は、新たな事業の対象者は2,000人と想定している。
 
 利用料について、どうなっていくのか?⇒訪問介護Ⅰは、現行相当となる。Ⅱは、現行の9割を予定。訪問型サービスAは、近隣の法外で行っているものも含めて検討している。
 
 

報告(2) 藤沢市焼却施設整備基本構想(素案)について

 湘南東ブロック藤沢市域における焼却施設整備方針(平成27年1月策定)に基づき、焼却施設の整備について、基本構想(素案)が策定されましたので、その報告がされたものです。ポイントのみ掲載します。

1. 施設規模

(1) 償却対象ごみの予測

  新施設稼働予定年度である、平成34年度で、103,673トンと算定。

(2) 災害廃棄物処理への対応

  災害廃棄物中の可燃物量は、被害ごとの合計値として、423,181トンと予測。

(3) 施設規模の設定

 ① 市全体で必要な焼却施設の規模  385トン/日

 ② 新焼却施設の規模  150トン/日

2. 事業方式の検討

  公設公営方式、PFI・DBO方式について、他事例の動向を踏まえ、本市に適した事業方式を決定する。

3. 余熱利用計画

  エネルギー回収率の試算結果は19.1%となり、発電量は約3,000kwと試算され、1号炉と同程度の発電設備を設置する計画となる。

4. 概算事業費の検討

(1) 概算事業費

 ① 概算建設費  約112億5,000万円~139億5,000万円

 ② 概算解体費  約10億5,000万円

 ③ 総概算事業費  約123億円~150億円

5. 整備スケジュール

(1) 新2号炉(北部) 平成34年度稼働予定

(2) 新1号炉(石名坂) 平成37年度稼働予定

山内委員

 事業費が150億円規模となる。南部1基、北部2基の体制となる。住民への説明は?⇒平成28・29年度で、生活環境影響調査をしていく。住民説明会は、評価結果を踏まえて、実施していく。

 石名坂の性能低下を見込んでいるが、焼却機能以外は改修されているのか?⇒主にごみ質の変化と老朽化によるもの。ごみ質の変化で発熱量が高くなっており、ごみ量を減らして焼却することが見込まれる。定期整備委で機器類の整備も多くなってきている。

有賀委員

 災害廃棄物の置き場について、619万トンも置けるのか?⇒地域防災計画では5か所、9万㎡の中で、619万トンを置ききれないと想定する。一時的に5か所に置き、仕分けをして焼却や埋め立てする。本市だけでは処理できない。当面は仮置き場として5か所を使い、その後、仮置き場を設置することとなる。

 鬼怒川での災害で得た教訓は?⇒現地視察したが、混乱していた。まずは、戸別収集し、生ごみをまず片づける。不燃ごみは、そのままにして、避難施設を中心に片づけていくとシミュレーションしている。

佐賀委員

 事業費は123億円~150億円と見込み。当初見込みと変わるケースが多いが?⇒自治体が最近整備した焼却施設の整備費は1トン当たり平均6,500万円で、3年間の公共工事の物価変動、落札率を考慮した。今後、メーカーとヒアリングしたうえで、具体額を示していく。

 資金計画は?⇒現段階では、国の交付金1/3、50億円、起債75億円、残りの25億円は公共施設再整備基金や一般財源で対応する見込み。

柳田委員

 国の交付金の交付率1/3について、エネルギー回収率からすれば、1/2となるのでは?⇒規模の詳細が定まっていないので、現段階では1/3としている。

原委員

 容器包装プラスチックを分別せずに、燃やすことについて、今回、検討はしたのか?⇒プラスチックを燃やせば、エネルギーの効率は上がる。北部2号炉ができた段階で検討していく。

 対応しない方向で検討しているのか?⇒対応可能な施設とすることは考えている。市としては、循環型社会を進めている中で、すべてプラスチックを燃やすことは考えていないが、高齢者世帯で分別の難しいものをどう処理していくか、その部分を焼却していくことについて検討していく。

 災害ごみについて、災害時はすべて北部で処分するということか?⇒基本的には、処理能力の10%を見込んでいるので、北部で対応する予定。

 生活環境影響評価を踏まえて、住民説明するとのことだが、その範囲は?⇒北部は、工業専用地域だが、住民の居住状況を見て、幅広く検討していく。

 悪臭について、まわりに1種住居地域もある。臭気基準について、厳しくすべきだが?⇒工業専用地域だが、イトーヨーカドーができ、人通りも多い。臭気については、外に出ないようにして、燃焼空気に回す工夫をメーカーとヒアリングした中で、実施していく。基準以上の対応を考えている。

 以上、報告とします。

 

 

 

 

 

 


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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