藤沢市との友好都市であります、中国雲南省昆明市政府からの招聘を受け、藤沢市昆明市友好都市提携35周年行事に出席するため、11月3日~7日に昆明市他を訪れました。
1. 公式行事
(1)クロマツ除幕式
藤沢市・昆明市友好都市提携を祈念して建てられた「友誼館」の中庭において、藤沢市の木である「クロマツ」の除幕式が行われました。藤沢市緑化協会の協力により、剪定が行われ、その技術も伝えました。
(2)王昆明市長表敬訪問
王市長の表敬訪問に翠湖賓館を訪れ、引き続き、昆明市主催の昼食会に出席しました。
(3)藤沢市・昆明市友好都市提携35周年記念祝賀会
翠湖賓館において開催されました祝賀会に市民訪問団とともに出席、有り余る歓迎を受けました。昆明の方々が藤沢にお越しになったとき、どのようにおもてなしをすれば良いのか、考えさせられるほどの演出でした。同じスケールでの祝賀会はできないかも知れませんが、そこかしこにみられる配慮を参考に、おもてなしをしなければと思いました。
(4)日中文化交流展オープニングセレモニー
昆明市博物館において開催された、オープニングセレモニーに出席しました。博物館では、藤沢市民による生け花、茶道、絵画、写真などの展示の他、藤沢市立小中学校の児童生徒の絵や昆明市の子どもたちの絵の展示がされていました。色の使い方が国によりこんなに違うのかと思うぐらい特徴がでていました。
(5)聶耳墓参拝
藤沢市・昆明市の友好都市提携のきっかけとなった、中国国家の作曲者である聶耳氏のお墓を参拝し、献花を行いました。
2. 視察・見学
(1)世界遺産石林
世界遺産の石林を訪れました。スケールが大きく、1日かけて観るところだと思いましたが、時間の関係で1時間ほどの見学となりました。
(2)古てん国文化旅游城
昆明市郊外での大規模開発を視察しました。開発区域内では、都市基盤整備、マンション、学校、リゾート施設、スパなど、大きなまちづくりの計画であり、最終的には10万人のまちを想定しているとのことでした。総事業費は500億元(約8,000億円)規模で、これまでに100億元が支出されているとのことでした。視察した感じでは、規模と計画が大きすぎて、本当に予定通りのまちづくりが進むのか、疑問に感じました。
(3)上海博物館(上海市)
中国4大博物館のうちの1つである上海博物館を視察・見学しました。4階建のフロアーになっており、歴史に合わせての展示ではなく、景徳鎮や青銅、通貨といったジャンルごとの展示となっていたため、興味のあるジャンルに時間をかけることができ、とても良いつくりだと思いました。藤沢市には博物館はありませんが、市民会館の再整備を含めた文化ゾーン構想の中で、その機能を検討することとなりますが、ジャンルごとの展示は参考になりました。
(4)豫園(上海市)
中国の浅草と言われている豫園を見学しました。大変多くの観光客で賑わっており、古い街並みの向こうには、近代的なビルやタワーが建っており、異様な感じすらしましたが、これまたスケールの大きさに驚きました。
(5)森ビル(上海市)
1991年以前は田畑だった場所に近代的なビルやタワーが建ち並んでいました。その内の1つの森ビルの展望フロアから上海の街を見ました。100階から見る街はとても素晴らしいものでした。
3. 体験から
(1)列への横入り
日本に訪れる中国人観光客のマナーが、よく問題になります。実際、空港で長い列ができていても、するするっと横入りする人が見受けられました。中国には、整列して並ぶという習慣がないらしく、横入りされても、別に気にならないとのことでした。なので、マナーが悪いということよりも、そういう習慣がないということを理解する必要があると感じました。
(2)トイレ事情
公衆トイレについて、綺麗な博物館であっても、トイレットペーパーはありません。旅先でのお腹の不調を考えると、ティッシュの携帯は必須です。
(3)インターネット環境
ホテルなどでは、Wi-Fi環境が整っています。しかし、Facebook、TwitterなどのSNSについては、中国当局の規制がかかっています。なので、VPNの設定なども検索して対応する必要があります。
(4)車事情
とにかく車が多く、渋滞は当たり前、割り込みが多く、クラクションの音が常に鳴っているといった感想です。また、横断歩道であっても、歩行者を優先してくれないため、道路を渡るときは注意が必要です。
(5)空港事情
とにかく人が多く、セキュリティチェックも厳しいため、フライト時間の2時間前には空港に着く必要があります。しかし、現実的には、遅れ遅れになり、午後便や夜便は、大幅に遅れる覚悟が必要です。今回も、行きのフライトの南京発昆明行は、19:05発の予定でしたが、実際の出発は22:15でした。
(6)お酒
晩餐会では、とても小さなグラスに白酒(パイチュウ)を注ぎ、カンペーと言って、くいっと飲み干し、飲み干しましたよと、グラスを相手に見せるのがスタイルでした。少しの量なのですが、アルコール度数は約50度で、これが延々と続くと潰れるので注意が必要です。でも、これで親睦が深まること、間違いなしといった感じです。
以上、国による文化の違いを様々な点で経験させていただきました。