12月21日 10:00より、藤沢市議会12月定例会(7日目)が開催され、残る一般質問と追加議案の議決が行われました。内容の抜粋は次の通りです。
通告22番 友田議員
1. 将来課題に対応した効率的・効果的な行財政改革の推進について
(1)働き方改革について
本市の時間外勤務の3年間の推移は?⇒1人当たり月平均、平成25年度10.83時間/26年度10.87時間/27年度11.54時間。
時間外手当の推移は?⇒平成25年度、14億5,208万円/26年度、14億5,919万円/27年度、15億6,941万円。
職員数の推移は?⇒平成25年度、常勤3,345人、短時間勤務255人/26年度、常勤3,383人、短時間267人/27年度、常勤3,409人、短時間246人。
36協定を超えた人数は?⇒年間360時間を超えた職員は、平成27年度、78人で、マイナンバーやご当地ナンバープレート業務など。
時間外勤務と定数の分析は?⇒年度ごとに業務量、時間外勤務の状況を踏まえて配置をしている。26人の定数を増やさなかったら、46,800時間の時間外を抑えられたが、1人当たり月平均が増えていることについては、検証が必要。
職員の働き方の意識について、未婚・既婚、男性・女性で時間外勤務に差がある。時間的制約が関係しているのでは?⇒長時間勤務を是とする考えからの転換が必要。
たばこの休憩をやめるべき。労働の公平性からも考えるべきだが?⇒服務規程で定めることは考えていない。一定の範囲内での喫煙は、職員の職務専念義務違反にはならない。時間、回数で業務に影響がないよう、極力控えることとしている。
本市では、時差出勤あるが、限定的である。北海道では、朝方勤務を実施し、時間外勤務が縮減された。本市でも、ゆう活に取り組むべきだが?⇒県内他市でも取り組みしている。ゆう活で時間外が縮減、ワークライフバランスの意識向上がある一方、夕刻に職員が手薄になる、光熱費がかかるなどの課題あるが、導入に向けた検討をしていく。
(2)社会課題・行政課題解決に向けての民間リソースの活用について
軽自動車税のクレジット納付について、平成18年度からクレジット収納をしている。効果は?⇒平成18年度の件数は、2.86%だったが、21年度は、8.68%と増加している。平成22年度からコンビニ収納としたため、6.41%となったが、27年度は、6.87%と推移している。効果は、平成18年度の納期内の納付率は72.56%が72.65%へ3%増加し、一定の効果があったと考える。
ペイジー収納も進んでいる。ペイジー口座振替もでき、市民の利便性向上する。クレジット納付の対象拡大とペイジー等の導入をすべきだが?⇒現在は、1万円以下の軽自動車税を対象にし、手数料は公費負担としている。固定資産税、市民税は、手数料が増えること、システム改修など、課題あるため、検討していく。ペイジーの導入は非常に有効。税システムの改修が必要となるので、システムの入れ替え時期の導入を検討していく。
電子マネーは79.9%の保有率となっており、本市でも、住民票の発行手数料など、電子マネーでの支払いを可能とすべきだが?⇒電子マネーを導入している自治体があることは把握している。先行事例の効果やシステム改修コストなど、庁内で研究していく。
民間リソースの活用について、本市の考えは?⇒多様な主体との協働が必要。全ての事務事業の見直しをする際、公民の役割分担を検証していく。
SBIは、契約型の官民スキーム。目標値以上の成果の場合、リターンがある。期待できる手法だが?⇒施設の運営をPFIやPPPの導入を1つの手法として検討項目としている。SBIは、先進自治体の事業を参考に研究していきたい。
SBIを行政サービスに使う意義は?⇒社会的課題解消のための新たな手法で、投資家がリスクを負う。幅広く応用できる可能性がある。横須賀市の特別養子縁組などの事例がある。コスト削減、投資効果が見込める事業の選択が必要となる。本市では、効果の把握、コスト削減の見込みが難しい。情報を収集して、市で活用できるか研究をしていく。
通告23番 脇議員
1. 市長の政治姿勢について
(1)住民力を推進する福祉のまちづくりについて
地域の縁側は、26か所へ広がってきた。40か所に増やす方向だが、現状の課題と今後の方向性は?⇒新たな実施主体の育成、広報、空白地区の解消、相談支援ネットワークとの連携、類似の補助事業の整理などが課題。小学校区に1か所をめざし、市民の家の活用した未設置地区の解消を進めていく。
市の補助事業で、地域の縁側、地区ボランティアセンター、安全安心ステーションが同じ場所で行われているが、それぞれの課から補助金が出ている。市民にとって、地域の縁側なのか、通いの場なのか、区別ができないが?⇒今年度から、申請窓口の一元化、補助金交付要綱を統一した。3課の事業を1つの課でできるよう検討していく。
家族のケアラー支援について、社会的に孤立しないよう支援すべき。地域の縁側でのケアラー支援は有効だが?⇒人付き合いの機会、自分の時間がないなど、地域の縁側でのケアラー支援は、誰でもふらっと立ち寄れる場として、悩みの共有できる。リフレッシュできる場としていく。
12/1に民生委員児童委員の委嘱がされたが、担い手不足は深刻。仕事に対する負担感ある。やりがいをもってするために、何が課題なのか?⇒アンケートでは、日常の訪問相談で感謝の言葉、社会貢献につながっていることで、やりがいを感じるとの事だった。生活課題の多様化により、負担感が大きいことが課題。
負担軽減のため、金沢市では、民生委員児童委員を中心に、まちぐるみ福祉活動チームでサポートしている。藤沢市社会福祉協議会は今年度からの地域福祉活動計画でサポートの検討を位置づけた。今後、市として、民生委員児童委員の負担軽減にどう対応していくのか?⇒金沢市での取り組みは参考になる。本市でも、自治会・町内会、地区社協などの活動と、地域包括支援センターの専門機関が、地域で連携することで、民生委員児童委員の負担軽減になると考える。コミュニティソーシャルワーカー、生活支援コーディネーターの活動も重要。多様な主体が連携できるよう、社会福祉協議会と協力して進めていく。
地域包括支援センターの職員数は担当圏域の65歳以上高齢者の人数で、専門職が決められている。高齢者6,000人以上の地区のと人数は?⇒市内16か所に地域包括支援センターある。担当圏域高齢者が6,000人超えているのは9か所。片瀬6,014人/鵠沼西7,118人/鵠沼東6,740人/村岡6,895人/善行8,985人/湘南大庭9,528人/六会8,334人/湘南台6,289人/長後8,047人。
地域包括支援センターを核とした取り組みが必要。小学校区ごとに設置すべきだが?⇒13地区を基本として、民生委員児童委員の地区割りに合わせてきた。6,000人を超える地域包括支援センターには、人件費加算してきた。国の動向によると、地域包括支援センターが中心となり、小中学校区も想定されており、サテライト方式での設置などを検討していく。
まちのコンシェルジュについて、具体的にわからない。民生委員児童委員のサポート役も想定されているのか?⇒児童生徒の通学路での安全を見守っている人、団体があり、縁が感じられる。市民が愛する藤沢の支え合いを次世代へ継承し、共感と感動で結ばれるまちづくりが必要。まちのコンシェルジュは、こうした人、活動、団体に、縁というまちづくりの視点を加える中で、1月には、「お節介から始めるまちづくり、女性の視点で考えるまちづくり講座」を開催する。民生委員児童委員活動のサポート役、自治会・町内会活動のまちづくり、課題を抱える人などを地域のネットワークにつなぐなど、まちづくりのパートナーとしていく。
(2)本市のガバナンスのあり方について
内部統制の制度導入の目的と背景は?⇒平成23年8月の庁議を経て、24年1月から導入された。耐震偽装、食品偽装などが相次ぐ中、本市でも法令違反、不適切な事務処理あり、市民の信頼を損なった。信頼を回復すべく、業務を可視化するとともにリスクを洗い出して対応策をあらかじめ確立する手段として導入したもの。
内部統制を各部局でどう検証しているのか?⇒業務記述書をつくっている。年2回、全庁で見直し時期を設定し、業務が分からなくても、できる記述書になっているか、見直しをしている。また、業務手順の見直しは、その内容を総務課で確認している。リスクが発生した場合は、リスク発生時記録票をつくり、記録を残し、業務記述書に反映できるようにしている。
今後の取り組みは?⇒一連の不祥事を受け、内部統制制度の必要性を再認識し、故意によるリスクを想定した再点検、職員が自分のことと捉えて一丸となって取り組んでいる。準公金の取り扱いについて、行政監査をしている。平成29年度組織改正で、強化するとともに、外部評価を受けながら、進めている。
監査委員の構成は4人だが、監査委員として弁護士を配置している自治体ある。他市の状況は?⇒監査委員の定数は、人口25万人以上は4人で、但し書きで定数を増やせる。平成27年度の全国調査では、25万人~50万人の自治体で、弁護士は12人配置されている。県内では、横浜市、茅ヶ崎市に弁護士が配置されている。
議員選出の監査委員は必要ないと思う。住民監査請求の対応を見据え、弁護士を配置していくべきだが?⇒今後、地方自治法の改正された場合の、議員選出の監査委員の選択については、議会での協議となる。弁護士は、市と議会の協議の中で検討されると考える。
監査事務局の体制強化をすべきだが?⇒今後も知識をもった職員の配置、業務量に対応できるよう年度ごとに検討していく。
本市の顧問弁護士の状況と、顧問弁護士以外の弁護士の活用状況は?⇒顧問弁護士は3人。月2回の定例相談と臨時相談がある。相談は年間130件で、報酬は、月額147,500円。顧問弁護士以外の弁護士は、職員研修の講師、市民向けの法律相談などで活用している。
明石市では、常勤職員として6人の弁護士を月額40万円で採用し、市民相談、訴訟などの対応をしている。来庁者相談の他自宅訪問もしている。職員の法律相談も10倍に増え、早期解決につながっている。本市の弁護士のアウトリーチ相談、内部統制、コンプライアンスの視点での考えは?⇒出張相談はしていない。職員への影響は、顧問弁護士、他の弁護士、法務担当職員が担っている。現時点では、公正職務審査会委員や不祥事再発防止策の外部評価などにとどまるので、今後の課題としていく。
条例制定に向けての弁護士の活用について、明石市では、条例や制度に職員弁護士が関わっており、様々な条例がつくられている。鈴木市長になって、他市にないような藤沢独自の条例はあるか?また、制定に向けて、弁護士と相談したのか?⇒街なみ百年条例がある。顧問弁護士からの指導助言はなかった。
職員として弁護士を採用することについて、市の考えは?⇒明石市など、いくつかの自治体で採用し、効果をあげていることは把握している。本市での弁護士の配置については、引き続き研究していく。
※神戸市での市長個人が55億円の賠償を命じられた訴訟について、経過や結果を説明。
今後、議会改革検討会での議論となるが、議会が、政策法務能力を高め、市民のための条例づくりに取り組むため、議会の法的アドバイザーなど、専門家の活用を議会全体で確認された場合の市の対応は?⇒市側としても政策法務能力の向上は必要。議員の提案による政策が実現していくことは、地方自治の理想であり有意義なもの。具体的な手法を含めて、前向きに検討する必要があると考える。
~ ここまで一般質問 ~
人権擁護委員候補者の推薦
任期満了する人権擁護委員1名、定数増に伴う新規の委員2名について、市長より候補者の推薦について依頼がありました。全会一致で、市長依頼の通り決定しました。
議会議案第4号 最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書について
この議案は、建設経済常任委員会に出された、陳情28第23号 「最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書」の提出を求める陳情が主旨了承となったため、その意見書を提出するものです。
この議案は、新政会、公明党、無所属クラブが反対しましたが、賛成多数で可決されました。
議会議案第5号 私学助成の拡充を求める意見書について
この議案は、子ども文教常任委員会に出された、陳情28第26号 神奈川県に私学助成の拡充を求める意見書の提出を求める陳情が主旨了承となりましたので、神奈川県知事に対して、意見書を提出するものです。
この議案は、全会一致で可決されました。
議会議案第6号 私学助成の拡充を求める意見書について
この議案は、子ども文教常任委員会に出された、陳情28第27号 国に私学助成の拡充を求める意見書の提出を求める陳情が、主旨了承となりましたので、国に対して、意見書を提出するものです。
この議案は、全会一致で可決されました。
議会議案第7号 婚外子差別撤廃のため戸籍法の改正を求める意見書について
この議案は、請願28第2号 婚外子差別撤廃についての請願が、本会議(3日目)で採択されましたので、国に対して意見書を提出するものです。
この議案は、市民派クラブが反対しましたが、賛成多数で可決されました。
以上をもって、平成28年12月藤沢市議会定例会が閉会となりました。