2月9日 13:30より、藤沢市議会第5回議員研修が開催され、出席しました。この研修は、藤沢市議会基本条例に位置付けられている研修で、今回はテーマを「災害対策と議会の役割について」として、東京経済大学の「吉井博明」名誉教授から約2時間の講演を受けました。講演のポイントは、次の通りです。
1. 大災害の困った特徴
(1)予測困難で予告なく発生する。
(2)低頻度=滅多に起きないから風化しやすい=経験がないからOJTができない
(3)災害発生の季節・曜日・時刻などにより、被害が変化する=同じ災害はない=経験が活きない
(4)膨大な救助需要に対して対応する人手が不足する=人とモノの不足をいかに迅速に解消するか
2. 災害対策の失敗から必要なことを学ぶ
(1)災害対策本部のスペース確保
(2)電力と情報通信システムの確保
非常電源と燃料の確保・複数の通信手段の確保・データのバックアップ(クラウド活用)
(3)要員確保と組織化
3. ジレンマによる迷い(首長など責任者)
(1)避難途上の危険性を過剰に心配することによる判断の遅れ
(2)空振りによる市民からのクレームを心配
(3)避難路の安全性を確認できないうちは、避難勧告を出せないといった完璧志向による遅れ
4. 行動は迅速に
(1)疑わしい時は行動せよ=被害報告を待つな
(2)最悪な事態を想定して行動せよ=希望的観測をするな
(3)空振りは許されるが見逃しは許されない=空振り覚悟で避難勧告を発令せよ
5. 議会がやれること
議会がやれることとして、全国で取り組まれている、防災基本条例・災害対策基本条例・防災会議への参画・市議会BPRの策定などの実例が紹介されました。藤沢市議会としては、「藤沢市議会災害時対応指針」を策定しており、市議会BPRの取組は一定されています。
6. 所感
今日の講演を受けて、市の取組について、いかに議会がチェックをして、市の取組に緊張感を与え、経験のない大災害に対して、実効性を持たせることができるかが課題だと感じました。実際に災害が起きた自治体で、失敗した事例を収集し、その失敗について、本市で起きた場合に失敗にならないようにシミュレーションをすべきで、それができているかが重要です。今回の講演で、災害時に対応する職員が実際には確保出来なかった経験を踏まえて、災害時の体制確保をどうしていくか、喫緊の課題としていくべきだと感じました。