2017.2.23 子ども文教常任委員会

 2月23日 9:30より、藤沢市議会子ども文教常任委員会が開催され、傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。

陳情28第35号 藤沢市立中学校のテニスコート場施設に格差があり是正を求める陳情

 この陳情は、市立中学校におけるテニスコートについて、1面から4面と学校により差があるため、格差是正を求めるものです。

 この陳情は、全会一致で主旨不了承となりました。

報告(1)「生涯学習ふじさわプラン2021」について

昨年9月の当委員会で中間報告がされた、「生涯学習ふじさわプラン2021」について、パブリックコメント等の意見を踏まえて、最終案が示されたものです。ここでは、「生涯学習ふじさわプラン2021(案)」の基本計画における施策の展開を掲載します。

【基本目標1】 学びたいことがかなう環境を整える

「施策の方向1」 学びへと向かうきっかけづくりとなる学習支援

1. 学習情報の提供・学習相談機能の充実
(1)学習情報の提供(SNS・HP・紙媒体等)
(2)学習相談窓口の設置

2. 学びへの気づきや捉えなおしの機会の提供
(1)学習へのきっかけづくりとなる機会の提供
(2)地域活動へ参加するきっかけづくり

3. 居場所機能の充実
(1)だれでも集うことができる場の提供
(2)親子の居場所の提供
(3)青少年の居場所の提供
(4)高齢者の居場所の提供

「施策の方向2」 多様な学びに応じた学習支援

1. ライフステージに応じた学習機会の充実
(1)乳幼児期の学習機会の提供
(2)青少年期の学習機会の提供
(3)高齢期の学習機会の提供

2. 個々の学習スタイルに応じた学習機会の提供
(1)いつでもどこでも学ぶことができる学習機会の提供
(2)配慮が必要な人への学習支援

【基本目標2】 市民の学びが生きる環境を整える

「施策の方向1」 学習成果を共有するための環境づくり

1. 学習成果を活動につなぐ機会づくり
(1)地域参画するための学びの場
(2)地域のあらゆる場で活動するための学びの場(各種ボランティア養成講座)

2. 学習成果の発表等の場づくり
(1)学習成果を事業実施に生かすための方策
(2)日頃の学びを披露する場の提供

3. 学習成果の情報ネットワーク化の推進
(1)子育て支援に関する情報ネットワーク化
(2)文化芸術活動に関する広域ネットワーク化

「施策の方向2」 学習成果を活用するための環境づくり

1. 多様な主体との連携による学習活動の推進
(1)NPO・市民活動団体との連携
(2)民間事業者との連携
(3)高等教育機関との連携
(4)学校・家庭との連携

2. 市民や団体同士の交流・情報交換・協働の場の設置
(1)地域・地区内での交流
(2)テーマに応じた交流

【基本目標3】 藤沢の生涯学習社会を広げ支える

「施策の方向1」 藤沢を活性化する新たな学びの構築

1. 社会的な課題に対する学びを通した支援
(1)生活を取り巻く課題に関する学び
(2)環境に関する学び
(3)人権に関する学び

2. 藤沢を知る学びの提供
(1)藤沢の現状を知る学び
(2)オリンピック・パラリンピックを契機とした学び
(3)歴史・文化に関する学び

3. 次世代を育成する活動の支援
(1)キャリアアップに関する学び
(2)未来を担う人材の育成

「施策の方向2」 生涯学習社会を支える人材の育成

1. 地域人材・地域資源発掘システムの整備
(1)市域全体を支える人材の発掘
(2)地区を支える人材の発掘

2. 社会教育に関わる人材のスキルアップ
(1)社会教育事業を牽引する市民のスキルアップ
(2)社会教育関係職員のスキルアップ

「施策の方向3」 未来への学びを推進する体制の充実

1. 地域活動活性化に向けた支援の充実
(1)地域活性化に対する支援
(2)各種活動に対する支援

2. 学習や活動の成果が評価される仕組みづくり
(1)ポイント制度
(2)表彰制度

3. 社会教育活動の場の質的向上
(1)公民館機能の充実
(2)生涯学習大学等の充実
(3)図書館の充実

山口委員
 
 オリンピック・パラリンピックのボランティア養成事業について、平成30年度からセーリングのワールドカップ、テストマッチが行われる。来年度から実践できるようにしていくべきだが?⇒ボランティアの育成に努めていく。

 地域人材育成・活用事業について、4か所の市民センターの記載があるが、13地区全体で人材育成すべきだが?⇒4地区だけでなく、地域の課題解決のための人材登用システムの検討をしていく。将来的には、13地区に広げていきたい。

報告(2)村岡公民館再整備の取組状況について

 村岡公民館の再整備について、これまでの取組状況と、今後の方向性について報告がされたものです。内容の抜粋は次の通りです。

1. 現在の施設概要

(1)所在地 藤沢市弥勒寺1-7-7
(2)敷地面積 3,022㎡(駐車場含む)
(3)延床面積 2,287㎡
(4)構造等 RC造 地上3階建地下1階
(5)建築年月 昭和41年8月(農協と合築)/昭和63年3月(増築) 

2. 新たな村岡公民館について

 これまでの地域経営会議、郷土づくり推進会議から提出された提言や要望を踏まえると、現状の敷地が狭あいであること等から、次の通り場所を移転し整備します。

(1)所在地 村岡東1-5-8(村岡新駅予定地隣り)
(2)敷地面積 3,905㎡(駐車場含む)(予定)

3. 再整備の考え方

 現時点で、複合化等の検討を想定している施設は、公民館/市民図書室/地域包括支援センター/地区ボランティアセンター/第6分団器具置き場

4. 今後の予定

(1)平成30年度 基本構想
(2)平成31年度 基本設計・地質調査
(3)平成32年度 実施設計

清水委員

 予定地について、新駅建設とは切り離して整備するのか?⇒今回は、村岡地区のまちづくり計画とは切り離し、計画に支障がないように進めていく。

味村委員

 村岡公民館を建て替える理由と移転する理由は?⇒建物の老朽化、施設の狭あい、バリアフリー対応ができていないため建て替える。移転する理由は、現在の場所が住宅密集地であること、道路の狭あい、浸水想定区域のため。

 建て替え予定地の選定の経緯は?⇒まちづくり計画の中で、地域コミュニティゾーンと位置付けている。提言書により、いくつかの候補地の中から選定に至ったもの。

 地域住民との合意形成をどうしていくのか?⇒平成29年度に地域代表の入った建設検討委員会を設置して、進めていく。

 市民センター化の考えは?⇒地域要望はあるが、従来から13地区単位としてきた。本庁に近いことから、藤沢、村岡公民館の市民センター化は検討していない。

原委員

 市民センター化について、本庁に近いとのことだが、再整備で今より遠くなる。新駅ができればニーズも高まる。市として、市民センター化を検討すべきだが?⇒藤沢、村岡公民館は、本庁機能と連携してきた。今後もその考えを基本としていくが、複合化機能について、地域で説明する中で、地域要望を受け止めていく。

 一から考えるべき。必要性の検討から改めて始めるべきだが?⇒市の考え方を丁寧に説明したうえで、検討していく。

 過去には、いきいきシニアセンターの要望があったと思うが、新たに機能が追加されることはあるのか?⇒今後、地域との話し合いの中で、要望があれば検討し行く。

報告(3)藤沢市保育所整備計画(ガイドライン)の進捗状況及び地域型保育事業との連携等について

 藤沢市保育所整備計画(ガイドライン)の進捗状況、2歳児までを対象としている小規模保育施設の卒園後の受け皿となる、連携施設の確保などについて報告がされたものです。内容の抜粋は次の通りです。

【ガイドラインの進捗状況について】

1. 待機児童解消に向けた取組について

 ※平成29年4月時点で、前年4月と比較して、507名の定員拡大を見込んでいます

(1)認可保育所の新設(6園:合計450名)

 ① 鵠沼げんきっず保育園/定員60名/平成28年7月開所
 ② アスク辻堂保育園/定員60名/平成28年8月開所
 ③ ココファン・ナーサリー藤沢SST/定員60名/平成28年9月開所
 ④ (仮称)アスク長後保育園/定員60名/平成29年4月開所予定
 ⑤ (仮称)保育園アワーキッズ湘南/定員120名/平成29年4月開所予定
 ⑥ (仮称)辻堂すきっぷ保育園/定員60名/平成29年4月開所予定

(2)小規模保育事業所(3園:合計57名)

 ① (仮称)さくらうみ保育園本園/定員19名/平成29年4月開所予定
 ② (仮称)ブライトキッズ大鋸保育園/定員19名/平成29年4月開所予定
 ③ (仮称)どれみチャイルドくらぶ にじ/定員19名/平成29年4月開所予定

(3)既存保育所の定員減(1園:△20名)

 ① あずま保育園/定員△20名/平成29年4月 3歳児定員減

(4)幼稚園の認定こども園への移行(1園:20名)

 ① 広田幼稚園/定員20名/平成29年4月移行予定

 ※平成29年4月2日以降に119名の定員拡大を見込んでいます

(1)認可保育所の再整備による定員拡大(1園:6名)

 ① 六会保育園/定員6名増/平成29年6月定員拡大
 
(2)小規模保育事業所の整備(2園:合計38名)

 ① (仮称)キッズ大陸mini辻堂園/定員19名/平成29年6月開所予定
 ② (仮称)ニチイキッズ本鵠沼/定員19名/平成29年7月開所予定

(3)認可外保育施設の認可化整備による定員拡大(1園:75名)

 ① (仮称)湘南たんぽぽ保育園/定員75名/平成30年1月開所予定

2. 法人立保育所の再整備について

(1)六会保育園

 六会保育園については、平成28年4月に新園舎へ移転した「しぶやがはら保育園」の旧園舎を仮設園舎として活用し、再整備を進めており、平成29年5月から新園舎での保育を開始する予定です。

(2)亀井野保育園及び、わかたけ保育園

 亀井野保育園及び、わかたけ保育園については、運営法人から、しぶやがはら保育園旧園舎及び、辻堂保育園が新園舎へ移行した後の現園舎を、それぞれ仮設園舎として活用したいとの申し入れがありました。申し入れを承諾し、協議を進めます。

(3)神明保育園本園・分園

 神明保育園については、分園整備のために賃借する近隣の民間ビルを、本園舎建て替え時の仮設園舎として活用することにより、一体的な整備を進めます。

 ① 平成29年2月 分園整備工事開始(同5月に完了)
 ② 平成29年5月 仮設(分園)園舎へ移転(本園解体・建て替え工事開始)
 ③ 平成30年2月 本園新園舎へ移転・保育開始(本園建て替え工事完了)
 ④ 平成30年4月 新分園保育開始

3. 基幹保育所機能の充実について

 ガイドラインにおいては、教育・保育提供区域ごとに各1園、合計4園を基幹保育所として位置付けており、その役割として、他の公立保育所や法人立保育所と協力しながら、市全体の保育の質の向上や地域における子育て支援の充実を図ることとしています。
 そのため、平成28年4がつに「しぶやがはら保育園」に子育て支援を専任とする保育士2名を配置して、地域型保育事業への指導及び支援、地域における子育て支援などの基幹保育所業務を開始しました。
 今後は、平成29年4月に藤沢保育園に保育士2名を配置し、更なる支援の充実を図っていきます。

4. 進捗状況

 平成27年度~29年度における計画と実績は次の通りです。

【計画】 認可保育所1,167名+地域型保育(小規模保育事業)228名+認定こども園132名=1,527名
【実績】 認可保育所1,265名+地域型保育(小規模保育事業)260名+認定こども園20名=1,545名

【地域型保育事業との連携等について】

1. 連携施設の確保について

(1)卒園児の受け入れ及び保育内容の支援

 小規模保育事業所等を卒園する児童の受入れ及び保育内容の支援に関する協定については、これまで、事業所、関係団体と協議・調整を重ねた結果、小規模保育事業者等・公立保育所を含む認可保育所・市の3者により、昨年10月1日付で締結しました。
 具体的には、「教育・保育提供区域」を基準とし、その区域内に設置されている小規模保育事業所等と同区域内の認可保育所の間において、包括的な協定を締結したものです。

(2)代替保育

 職員の病気や研修などにより、小規模保育事業所等が保育を提供できないときに行う代替保育については、当面の間、公立保育所がその役割を担えるよう、事業者、関係団体と協議・調整を行ってきました。
 本市における代替保育の提供は、ガイドラインで定める基幹保育所の子育て支援を専任する保育士が対応することを予定しています。

2. 小規模保育事業所における定員弾力化について

 平成28年4月、国より「小規模保育事業所の卒園後の円滑移行に向けて、3歳児以降の継続入所も可能とする」方針が示されたことを踏まえ、開所済みの事業所、平成29年度に開所予定の事業所と調整を行ってきました。
 その結果、開所済みの10事業所のうち7事業所、平成29年度に開所予定の5事業所のうち4事業所において定員弾力化を図り、「卒園児の受入れ枠」を確保しています。

清水委員

 小規模保育事業所の連携協定について、今春の状況は?⇒卒園児童は57名で、認可保育所35名/認定こども園1名/幼稚園7名/3歳児クラス11名/認可外1名/市外2名。

 教育・保育提供区域は4区域だが、細分化の考えはあるか?⇒ない。

栗原委員

 平成29年4月の入所等の状況は?⇒1次申込みは、2,367名で、1次審査での内定は1,516名、入所保留は851名。

 昨年の状況は?⇒1次申込みは、2,568名で、1次審査での内定は1,367名、入所保留は1,201名。

 入所保留851名に対する取組が必要だが?⇒現在、入所保留について分析をしている。市内の住宅開発も進んでいる。加味して、平成30年4月時点の見込みを精査している。結果を踏まえてニーズに合った施設を公募していく。

味村委員

 認定こども園について、定員拡大616名とあるが、ガイドラインでは、平成31年度までに5,552名となっている。乖離の理由は?⇒ガイドラインでの認定こども園の計画は、1号・2号認定を合わせた人数であり、今回の報告では、2号認定の人数のみのため、乖離している。

 亀井野保育園とわかたけ保育園の再整備について、現状より遠くなり、送迎が負担となる。保護者への周知の状況は?⇒亀井野保育園は、旧しぶやがはら保育園まで2kmぐらい。在園児保護者への説明はしていないが、本日以降、説明していく。わかたけ保育園から辻堂保育園までは1.5km。保護者へ説明はしていない。辻堂保育園の再整備スケジュールにより決まるため、今後、運営法人と協議して決めていく。

 小規模保育事業所の定員弾力化について、保育の質の低下になると考えるが?⇒国から面積、人員配置基準を満たすことを前提の方針が出されている。図面、事業所へのヒアリングなどで、基準を満たしていることを確認している。現地も確認し、保育の質の低下が起きないようにしていく。

 認可保育所整備を基本に計画を見直していく必要があると考えるが?⇒見直しとあわせて、ニーズに必要な施設整備をしていく。

原委員

 認定こども園について、計画132名に対して20名となっている。理由は?⇒職員の勤務日数などの課題があり、認定こども園へ移行する事業者が想定より少なかったため。

 平成31年度末までに計画通りの定員拡大は難しいのでは?⇒平成29年度に中間見直しをするため、精査し、認可保育所整備等へ振り替えていくことも検討していく。

 公定価格について、協定締結後、減算はなくなったのか?⇒代替え保育以外は協定済だが、代替え保育の部分の協定を結べば減算がなくなる。

報告(4)特定教育・保育施設等の利用者負担額(保育料)の見直しについて

 昨年12月末に国において、平成29年度における幼児教育の段階的無償化の推進についての制度改定が示されました。今回は、この制度改定を踏まえ、平成29年4月からの教育標準時間認定の利用者負担額を見直すとともに、平成29年9月からの保育認定の利用者負担額の見直しについて報告がされたものです。内容の抜粋は次の通りです。

1. 国における制度改正について

(1)市町村民税非課税世帯(教育標準時間認定については、所得割非課税世帯を含む)の第2子を無償化
(2)市町村民税所得割課税額77,101円未満のひとり親世帯における第1子の利用者負担額を市町村民税非課税世帯並みに軽減
(3)教育標準時間認定の市町村民税所得割課税額77,101円未満世帯の利用者負担額を軽減

2. 利用者負担額の見直しについて

(1)教育標準時間認定(1号認定)の利用者負担額について

 平成29年4月からの利用者負担額については、市町村民税非課税世帯(所得割非課税世帯を含む)の第2子を無償化するとともに、市町村民税所得割課税額77,101円未満のひとり親世帯等における利用者負担額の上限を国基準額である3,000円に引き下げることとします。

(2)保育認定(2号認定・3号認定)の利用者負担額について

 ① 国の制度改正に基づく見直し

 国の制度改正に伴い、平成29年4月から、市町村民税非課税世帯における第2子を無償化するとともに、市町村民税所得割課税額77,101円未満のひとり親世帯における利用者負担額の上限を国基準額まで引き下げることとします。

 ② 本市における利用者負担額の見直し

 本市における平成27年4月の新制度移行前の保育料については、国基準徴収額の概ね70%程度でしたが、新制度移行後の平成27年度決算における利用者負担額の負担割合は66%、平成28年度決算見込みでは66.6%となっています。
 そのため、まず国による利用者負担額軽減の対象となる年収約360万円未満相当世帯(利用者負担額C5階層)以下の利用者負担額については、据え置くこととし、階層により第1子の50~60%程度の設定となっている第2子の額については、全階層において50%となるよう、引き下げを行います。
 そのうえで、国基準徴収額に対する負担割合が、平成28年度決算見込みから約1%程度の引き上げとなるよう、平成29年9月からの利用者負担額を改正することとします。
 今後においては、国基準徴収額に対する負担割合について、概ね70%程度となるよう段階的に引き上げていく予定です。

3. 平成29年度における財政的影響について

 4月からの教育標準時間認定の利用者負担額の引き下げに伴う、施設型幼稚園に対する給付費の歳出増として約760万円、9月からの保育認定の引き上げによる歳入増として約1,760万円、実質収支として、約1,000万円を見込んでいます。

味村委員

 国の基準に合わせて70%に引き上げる根拠は?⇒国は基準の上限額を示している。本市は、これまでも70%程度としてきた。平成27年度から新制度となり、公定価格が引きあがったため、利用者負担と公費負担の双方の負担が引きあがることとなるため、段階的に引き上げていくもの。

 第1子の保育料が引きあがる。1番多い階層と保育料の引き上げ額は?⇒平成29年度の見込みでは、C-11で、年収640万円~930万円で、月額1,500円の引き上げとなる。

 段階的な引き上げということは、9月だけでなく、今後も引き上げるのか?⇒今回1%の引き上げ、今後、平成28年度決算を踏まえて検討していく。

報告(5)給付型奨学金制度の創設について

 藤沢型の給付型奨学金制度の創設について、昨年12月の当委員会に中間報告がされましたが、今回、その最終報告がされたものです。ポイントは次の通りです。

1. 奨学金の給付方法

 奨学金の返済を伴わない「給付型」の奨学金とします。

2. 給付対象者

 本市に1年以上の住民登録があり、次の条件にあてはまる方。

(1)住民税非課税世帯の子ども
(2)生活保護受給世帯の子ども
(3)児童養護施設入所者または退所者
(4)原則として高校2年次の学年末における評定平均3.1以上で、進学目的が明確で、学習意欲が高い者。なお、20歳に達するまでの間、申請可能とします。

3. 給付人数 

 1年度あたり3名程度

4. 対象とする大学等

 対象とする学校については、学校教育法に規定する大学(6年制を含む)、短期大学、高等専門学校、専修学校の専門課程(専門学校)とします。

5. 給付額等について

 給付額については、次の金額を上限とし、奨学金は大学等の正規の修学期間内に給付します。

(1)給付額

 ① 入学準備奨学資金(入学金相当) 1回 300,000円以内
 ② 学費奨学資金(授業料相当) 月額 60,000円以内

(2)給付の打ち切り、返還等

 大学等を退学、除籍等となった場合は、以降の給付を打ち切るとともに、給付した奨学金について返還請求します。
 ただし、特段の事由により退学等となった場合は、奨学金給付審査委員会の決定に基づき、一部返還または免除とします。

6. 併給について

 国、県または他の団体からの給付型奨学金との併給については不可とします。なお、既存の貸与型奨学金との併給は可能とします。

7. 給付対象者の選考

(1)一次審査 世帯状況の確認・本人の成績
(2)二次審査 小論文・面接

8. 奨学金給付審査委員会の設置

(1)構成員(10名以下)

 神奈川県立高等学校長、藤沢市社会福祉協議会職員、公募委員、藤沢市立中学校校長、関係課職員等

(2)所掌事務

 ① 奨学金の給付対象者の選考に関すること
 ② 奨学金の取り消しまたは返還に関すること
 ③ その他、教育委員会が必要と認める事項に関すること

9. 藤沢型の支援について

 給付対象となった子どもについては、入学時から卒業までしっかりとしたフォローが必要不可欠です。福祉部・子ども青少年部の関連部署のケースワーカー等が、3か月に1回程度面談を実施します。面談により、生活状況を把握し、状況に応じた相談、助言や福祉的サービスにつなげることで、本人が学業に十分に専念できる生活環境の確保を行います。

10. 基金の設置について

 教育の振興を図るための基金を設置し、広く市民や民間企業等からの寄付を募ります。

11. 事業スケジュール 

 平成30年度4月入学生から給付を開始します。(平成29年度予算)

(1)平成29年4月~6月 募集
(2)平成29年7月~9月 選考
(3)平成29年10月 奨学生の決定
(4)平成29年10月~3月 入学金支払い
(5)平成30年度 授業料の支払い(前期分・後期分の年2回払い) 

阿部委員

 国の制度では、授業料相当額に区分あるが、本市は一律か?⇒区分なく一律支給とする。

 一律支給にした理由は?⇒学業に十分専念できるよう、文系私大の金額に設定した。

 ふるさと納税の活用の検討は?⇒メニューの1つに教育を位置づけ、基金への積立を検討している。

 中学校への周知の考えは?⇒中学3年生へチラシを配布していく。

 養護学校、学習支援教室、子ども食堂へもチラシを配布すべきだが?⇒今後、含めて周知していく。

堺委員

 評定平均を3.1以上とした理由は?⇒他団体の奨学金制度では、3.5以上が多い。実際に、市内の養護施設、地域の学習支援関係から話を聞いたところ、3.5以上ではハードルが高い、3.1以上なら、手が届くとのことだった。3.1未満では大学合格が難しくなるため、3.1以上とした。

 対象者の見込みは?⇒母数は400人強。大学への進学希望は、国が示す割合からすると150人程度と想定できる。

 高卒認定者の評定は?⇒Aが過半数以上。

 給付人数について、3人程度とした理由は?⇒財源の関係だが、基金の状況による。国の動向もみて、今後検討していきたい。

 寄附金確保の考えは?⇒市民、企業からの寄附を募っていきたい。企業訪問をする中で、募っていく。

清水委員

 条件にある住民登録について、事実上居住していればいいのか?⇒養護施設入所者は、施設在所証明書で住民票にかえる。

 合格しなかった場合、翌年に再申請できるのか?⇒20歳までならできる。

 基金はどこが管理するのか?⇒会計課が管理するが、所管は教育委員会。

味村委員

 給付の打ち切りに、返還について、家族介護などの場合、寄りそって対応すべきだが?⇒やむを得ない場合は、一部返還、返還免除していく。

 基金の位置づけは?⇒財源確保が必要で、その1つの手法。

 以上、報告とします。


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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