9月7日 9:30より、藤沢市議会厚生環境常任委員会が開催され、傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。
議案第41号 藤沢市太陽の家(心身障がい者福祉センター)条例の一部改正について
太陽の家の体育館の施設の使用料について改定するものです。
味村委員
一般利用の状況は?⇒平成28年度、延べ8,855人。
平成29年度の収入見込みは?⇒平成28年度は496,850円、29年度は527,660円を見込む。
今後、障がい者にも負担を求めていくのか?⇒心身障がい者の福祉の増進が目的の施設なので、障がい者の負担は現在考えていない。
今回の値上げを中止すべきだが?⇒一般利用は、受益者負担の観点からやむを得ない。
栗原委員
市内の体育館で暖房があるのは太陽の家だけ。今回、暖房の使用料が改定されていないが?⇒暖房使用料については、基準料金との乖離が1.5倍以内となっているため。
今後の考えは?⇒電気料金の値上げがあった場合に想定はされるが、現在は、改定の見通しはない。
この議案は、味村委員が反対しましたが、賛成多数で可決すべきものと決定しました。
議案第43号 藤沢市大庭台墓園の墓所の管理に関する条例の一部改正について
大庭台墓園の平面墓地の管理料について改定するものです。
味村委員
管理料を改定する対象者は?⇒平面墓地26,171区画の使用者。
値上げによる増収は?⇒904万円を見込んでいる。
使用者への周知は?⇒市外の人も多いので、使用者へハガキで周知するほか、広報、ホームページ、墓園の掲示板などで周知する。
大庭台墓園の平成28年度決算の状況と基金の状況は?⇒平成28年度の墓園事業特別会計は、歳出6億1,031万円、歳入6億3,336万円で、繰越しが2,304万円となる。基金は、平成28年度末で、11億1,382万円だが、今年度に立体墓地を整備するため、29年度残高は、8億円となる見込み。
基金を活用すれば、値上げをしなくても良いのでは?⇒20年間据え置いている。維持管理費が増加していることから見直すもの。
この議案は、味村委員が反対しましたが、賛成多数で可決すべきものと決定しました。
議案第45号 藤沢市看護専門学校条例の一部改正について
藤沢市立看護専門学校の入学金について改定するものです。
佐賀委員
藤沢市立看護専門学校の卒業生は基本的に市民病院に入ることとなっていたと思うが、現在の状況は?⇒平成28年度の卒業生は53人で、市民病院に39人で、他は県内の医療機関、保健師をめざしての進学など。市民病院への就職率は、平成26年度88.3%/27年度80%/28年度85%。
過去は市民病院に入ることが条件になっていたと思うが?⇒就職条件にはなっていない。
授業料の改定も検討すべきだが?⇒県内の看護専門学校の中でも低い金額となっている。他校の状況をみながら検討していく。
味村委員
入学金について、県内の状況は?⇒県立は70,300円、横須賀市立は市内50,000円、市外100,000円、川崎市立は市内84,600円、市外169,200円。
人材育成の観点からも値上げは中止すべきだが?⇒より良い就学環境を整えるうえでも見直しは必要。
この議案は、味村委員が反対しましたが、賛成多数で可決すべきものと決定しました。
陳情29第9号 「薬害肝炎救済法の延長を求める意見書」の提出を求める陳情
この陳情は、藤沢市議会において、「薬害肝炎救済法の延長を求める意見書」を議決し、関係機関に提出することを求めるものです。
清水委員
救済を受けるための証明は難しいのか?⇒救済を受けるには、カルテ、医師の証言などが必要だが、すでにカルテは廃棄、医師の証言も得ることは難しい状況。
20年を超えて発症する場合のあるのか?⇒ある。
特定血液製剤8種の他に使われたものはあるのか?⇒対象の8種以外に10種類あると認識している。
救済が必要なのに対象から外れている人がいる。条件を拡大した場合、実際に救済される人は多いと考えるか?⇒和解は、平成20年の700人をピークに28年は24人となっている。カルテや医師の証言などで証明する必要があるため、年々難しくなってきている。
阿部委員
陳情の要望通りにした場合、特措法と整合とれるのか?⇒5つの地裁で争そわれたことが基になっているので、整合はとれない。
味村委員
県内での救済、裁判の状況は?⇒把握していない。
この陳情は、佐賀委員、浜元委員、清水委員、味村委員、原委員が賛同したため、主旨了承となりました。
陳情29第13号 2018(平成30)年度における重度障害者医療費助成制度継続についての陳情
この陳情は、2018(平成30)年度予算策定に際し、重度障害者医療費助成制度について、前年度に引き続き継続するよう、市への働きかけを求めるものです。
この陳情は、全会一致で主旨了承となりました。
陳情29第14号 2018(平成30)年度における障害児者・透析者を含む移動困難者に対する通院支援についての陳情
この陳情は、2018(平成30)年度予算策定に際して、障害児者・透析者を含む移動困難者の通院に対する支援の継続を求めるものです。
この陳情は、全会一致で主旨了承となりました。
報告(1) 市民病院再整備事業の取組状況等について
市民病院の再整備については、平成25年12月から、新しい東館の本体工事に着手、平成27年9月には新しい東館(外来ホール、エントランス等一部を除く)が完成し、外来の一部及び病棟の供用を開始しました。その後、西館病棟部分等の改修を経て、平成28年9月から新しい東館の残りの部分(外来ホール等)の建設を進めているところです。
今回は、その経過と整備概要、今後のスケジュール等が報告されたものです。
1. 整備概要
(1)東館建設計画概要
① 建築面積 4,551.06㎡
② 延べ床面積 30,204.39㎡
③ 階数 地上9階
④ 構造 免震構造・鉄筋コンクリート造
⑤ 浸水対策 地下を設けずエネルギー設備を2階以上に整備
(2)整備費用
【当初契約金額】 83億7,900万円
【最終契約金額】 83億7,900万円+14億2,617万6千円(物価変動分)=106億6,909万7千円
(3)工期
平成29年12月完了の予定で工事を進めてきましたが、地中障害が発生したことに加え、解体する旧東館外来増築棟外壁のアスベスト除去工事を追加したことから、平成30年7月まで工期を延長しました。
平成30年7月には全工事を終え、グランドオープンする予定です。
阿部委員
駐車場は拡大となるのか?⇒現在の立体駐車場291台に加え、平面駐車場54台分を整備する。
入院患者の喫煙についての考えは?⇒病院の敷地内は禁煙なため、禁煙の表示を拡充していく。敷地外での喫煙についても、掲示板などで禁煙を呼び掛けていく。
味村委員
診療を続けながらの整備となっているため、科の配置が分かりにくいが?⇒仮設通路などで不便をかけている。サインの設置、廊下に目的別のラインテープを貼り、案内係りを配置して対応している。
アスベスト対策の状況は?⇒大気中の飛散がないことを確認している。壁の塗装材に含まれているもので安全である。除去カ所はシートで囲い飛散を防止していく。
報告(2) 市民病院の経営状況と今後の経営健全化へ向けた取組について
市民病院事業会計における、平成28年度決算については、約5億5,400万円の経常損失する見込みとなったことを踏まえ、これまでの収支状況、今後の経営健全化に向けた取組の方向性が報告されたものです。
1. これまでの収支状況について
(1)経常損益(平成20年度/21年度/22年度/23年度/24年度/25年度/26年度/27年度/28年度)
4億4,827万5千円/8億5,201万3千円/11億2,296万1千円/8億2,666万6千円/11億1,367万5千円/7億445万1千円/2億5,578万5千円/3億7,739万4千円/△5億5,453万1千円
(2)純損益(平成20年度/21年度/22年度/23年度/24年度/25年度/26年度/27年度/28年度)
3億5,406万2千円/△9億9,202万4千円/5億9,988万8千円/7億4,744万3千円/8億3,482万9千円/2億8,975万3千円/△24億8,628万円/△1億1,119万9千円/△10億4,132万6千円
※平成21年度は、過去の減価償却不足分を一括計上し修正(約17億円の特別損失)、26年度は、会計基準の見直しによる退職引当金等の計上義務化(約26億円の特別損失)
(3)経常収支比率(平成20年度/21年度/22年度/23年度/24年度/25年度/26年度/27年度/28年度)
103.0%/105.5%/107.1%/105.1%/106.7%/104.2%/101.5%/102.2%/97.0%
2. 平成28年度決算の見込み
平成28年度の患者数は、入院・外来ともに減少し、病床利用率も若干減少しましたが、診療単価については、入院・外来ともに増加しました。決算見込みについては、収益は、診療報酬のマイナス改定に伴い、病院事業収益が前年度比で約1億2,500万円の増加にとどまった一方で、費用は、退職手当の制度改正に伴う退職給付引当金の増加などによる給与費の増加、高度な手術件数の増加に伴う診療に必要な材料費の増加、再整備事業の進捗による減価償却費の増加などにより、病院事業費用が前年度比で約10億5,500万円増加しました。
その結果、経常損失は約5億5,400万円、特別損益も含めた純損益は約10億4,100万円を計上する見込みとなりました。
3. 健全経営に向けた取組
平成27年3月に総務省から示された「新公立病院改革ガイドライン」の趣旨を踏まえて、平成29年3月に「藤沢市民病院健全経営推進計画書」を策定しました。今回は、その計画書も示されましたが、ここでは、計画書での目標と改革に向けた考え方を記載します。
経営の強化や医療機能の充実の面から、各年度ごとに具体的な数値目標を掲げ、推進計画期間が終了する平成32年度までに、経常収支比率を100%以上にすることを目標とします。
そのために、①経営の強化 ②医療機能の充実 ③患者サービス及び運営面での取組の3つの柱からなる様々な取組みを進めます。特に「神奈川県地域医療構想」を踏まえて、地域の患者を地域の医療機関全体で診ていく観点から、急性期医療に特化し、入院早期から退院支援が出来る体制づくりやクリニカルパス(入院診療計画)による適切な入院期間の設定、地域医療機関に逆紹介を積極的に進め、急性期医療の必要な患者への診療枠の拡大に努めるなどの取組を推進していきます。
推進計画での目標数値は次の通りです。なお、平成28年度の数値は、11月までの実績に基づき算定した数値です。
(1)経常損益(平成28年度⇒29年度⇒30年度⇒31年度⇒32年度)
△9億8,842万4千円⇒△11億386万6千円⇒△7億9,293万2千円⇒△3億673万4千円⇒185万3千円
(2)純損益(平成28年度⇒29年度⇒30年度⇒31年度⇒32年度)
△14億5,023万5千円⇒△20億4,548万5千円⇒△12億7,363万4千円⇒△4億2,673万4千円⇒△1億1,814万7千円
(3)経常収支比率(平成28年度⇒29年度⇒30年度⇒31年度⇒32年度)
94.6%⇒94.2%⇒95.9%⇒98.4%⇒100.0%
(4)入院延べ患者数/入院診療単価(平成28年度⇒29年度⇒30年度⇒31年度⇒32年度)
167,900人/64,026円⇒174,105人/64,026円⇒174,835人/65,000円⇒176,412人/66,000円⇒177,025人/67,000円
(5)1日平均入院患者数/病床利用率(平成28年度⇒29年度⇒30年度⇒31年度⇒32年度)
460人/86.8%⇒477人/90.0%⇒479人/90.4%⇒482人/90.9%⇒485人/91.5%
(6)外来延べ患者数/外来診療単価(平成28年度⇒29年度⇒30年度⇒31年度⇒32年度)
336,798人/14,037円⇒341,600人/14,037円⇒341,600人/15,000円⇒343,000人/15,250円⇒340,200人/15,500円
清水委員
診療単価増の見込みの根拠は?⇒心臓、脳血管、放射線などのがん治療など、高度急性期医療で単価増を図る。
徳洲会病院との違いや市民病院の強みは?⇒公立病院なので、不採算部門に取り組む必要がある。専門医の配置、PET-CT、手術、抗がん剤治療など、総合的ながん治療体制を整えている。機能分担を継続していく。
佐賀委員
徳洲会病院が出来てから、患者が減っている。患者に選ばれるためにどうしていくのか?⇒(仲野院長)医療の質の担保が必要。優れた医師を配置すること、育てることが重要であり、そのことで市民から選ばれるように取り組んでいく。
味村委員
経営形態について、県内他市の状況は?⇒政令市を除き、公立病院で地方公営企業法の一部適用は、小田原、茅ヶ崎、大和。全部適用は、厚木、平塚、三浦。横須賀は指定管理者制度。
独立行政法人化となった場合、どうなるのか?⇒財務、契約、定数、人事など弾力的に運用できる。職員の身分は公務員ではなくなる。
以上、報告とします。