9月6日 9:30より、藤沢市議会厚生環境常任委員会が開催され、傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。
議案第37号 藤沢市民病院診療費等に関する条例の一部改正について
藤沢市民病院において新たにLDR室を整備することに伴い同室の利用に係る使用料を定め、及び分娩介助料を見直すものです。
清水委員
LDR室の料金は13,000円だが、利用率の想定と採算の考えは?⇒東館の個室が13,000円で利用率が85%となっているので、同様と考えて年間800万円の収入を見込む。整備費が8,000万円なので10年で回収できる見込み。
分娩件数が増えている要因は?⇒市内の分娩施設が減少傾向にあること。地域の分娩医療機関を中心に考え市民病院として受け入れを制限してきたが、今は積極的に受け入れていることなど。
吉田委員
分娩介助料を改定したが、なぜ今改定するのか?⇒ハイリスクの分娩が増えている。医師、助産師の人件費、LDR室の整備をしたことから改定するもの。
改定により、市民病院での分娩が減ってしまうのでは?⇒3万円引き上げると、総額が約51万円となるが、県内比較でも同程度。高度、緊急体制をとっているので大きな変動はないと考える。
これまで30年間据え置いてきた。今後は、公共料金の見直しとあわせて見直しを検討すべきだが?⇒今後は、公共料金見直しのタイミングで定期的な見直しをして、適正な料金としていく。
石井委員
初期健診から分娩までと分娩だけの差は?⇒初期健診から出産が多いが、出産だけは年間数件。
LDR室の周知の考えは?⇒受診の際に希望をとる。またホームページで周知していく予定。
分娩件数が増えた場合の体制の考えは?⇒医局に体制の強化を要望していく。
出産時にLDR室に入れる人について、男女、親類など制限している病院ある。どうしていくか?⇒分娩時には制限が必要なので検討していく。
土屋委員
今までの分娩との違いは?⇒陣痛室、分娩室、病室と部屋を移動していたが、同じ部屋で行うことで患者の負担が軽減される。
出産する人の利便性が高くなるということか?⇒その通り。
室料13,000円は妥当なのか?⇒他の個室と同様の負担としたもの。
原田委員
市民病院における分娩件数の推移は?⇒平成26年度435件/27年度499件/28年度499件/29年度558件/30年度669件
そのうち、ハイリスクの患者の状況は?⇒ハイリスクは、早産、40歳以上での初産婦、高血圧や等に糖尿病などの合併症など。5年前より1.3倍となっている。
ハイリスク患者が増えている要因は?⇒ハイリスク患者に対応できる医療機関が減っている。高齢出産の初産婦が増えている。分娩件数全体が増えていることなどが考えられる。
※この議案は、土屋委員、原田委員が反対しましたが、賛成多数で可決すべきものと決定しました。
陳情1第8号 2020(令和2)年度における重度障害者医療費助成制度継続についての陳情
この陳情は、2020年度予算策定に際し、重度障害者医療費助成制度について、前年度に引き続き継続するよう市へ働きかけるよう求めるものです。
吉田委員
行革の見直し検討対象事業となっている。検討の方向性は?⇒事業を持続可能としていくために所得制限、年齢制限などの導入していく可否について関係団体と協議しながら検討している。
土屋委員
本市の利用者の状況は?⇒2019年4月日現在で、11,658人。5年前より956人増えている。
県の補助金削減による市の負担額は?⇒平成30年度で6,714万3千円。
県の削減が問題。県や国へ要望していくべきだが?⇒市長会を通じて要望している。
※この陳情は、全会一致で主旨了承となりました。
陳情1第9号 2020(令和2)年度における障害児者・透析者を含む移動困難者に対する通院支援についての陳情
この陳情は、2020年度予算策定に際して、障害児者・透析者を含む移動困難者の通院に対して、福祉助成施策の継続的な支援を求めるものです。
清水委員
病院側の送迎バスは重要。市として病院へ協力を求めるべきだが?⇒移動支援について医療機関と協力しながら検討していく。
吉田委員
利用実態調査の結果は?⇒障がい種別による差はなかった。
その結果を踏まえてどのように検討していくのか?⇒今後、利用目的の調査をし、よりよい制度となるよう検討していく。
土屋委員
腎機能障害1級の手帳交付の推移は?⇒平成28年度791人/29年度794人/30年度828人。
腎臓移植の状況は?⇒平成28年度1人/29年度0人/30年度1人。
ガソリン券の導入を検討すべきだが?⇒使用者の確認ができないため導入は厳しい。
原田委員
300円券と600円券があるが、おつりは出るのか?⇒でない。
利用目的調査をする目的は?⇒利用実態把握のため。
※この陳情は、全会一致で主旨了承となりました。
報告(1)「地域福祉プラザ」の整備について
令和2年1月に供用開始予定の市役所分庁舎内(旧新館)に整備する「地域福祉プラザ」について、基本的なコンセプトや機能、運営方法等が概ねまとまりましたので、その報告がされたものです。
1. 基本コンセプト
地域福祉推進の拠点として、地域福祉プラザの各種機能が有機的につながること、地域生活課題の解決に向け多様な主体が活動・交流を通じてつながること、そして地域福祉プラザと地域住民等とがつながることを意図し、地域福祉プラザの基本コンセプトを「地域をつなぐ~多様な主体による参加と協働」とし、次のような運営を目指します。
(1)藤沢市社会福祉協議会を中心として、障がい者団体や社会福祉法人等の連携・協力により地域福祉プラザを運営します。
(2)福祉に関する相談支援、障がい者等の社会参加、子育て支援等の機能を有機的につなぎ、連携した運営を行います。
(3)地域生活課題等の解決に資する情報や、地域福祉の推進を目的に活動する多様な主体の情報、また、福祉に関する事業やイベント等の情報を積極的に収集し、発信します。
(4)藤沢駅至近のアクセスの良さ・バリアフリーに配慮した施設設計により、多様な主体の集まりやすさ・活動のしやすさに配慮します。
2. 主な機能
(1)分庁舎1階
➀市社会福祉協議会(玉半ビルから移転)
・各種支援機関との連携による総合相談機能
・市域におけるインフォーマルな地域福祉サービスの集約
・生活福祉資金等の貸付や各種援護事業の実施
・在宅福祉サービスセンターによる各種公的在宅福祉サービス事業の調整、介護保険事業、障がい者総合支援事業の実施
・ふじさわあんしんセンターによる成年後見制度及び日常生活自立支援等、権利擁護関係事業の実施
・コミュニティソーシャルワーカーによる地域支援及び生活困窮者等の相談支援の実施
➁障がい者の社会参加促進
・福祉喫茶室
・物販スペース
・障がい者団体をはじめとする当事者団体がメンター役となる相談窓口ブース
➂高齢者の社会参加促進
「藤沢市老人クラブ連合会事務局」をやすらぎ荘から移転し、各地区の単位老人クラブ等に対し、高齢者の地域参加や多様な主体との連携、世代間交流等を推進するための支援を行います。
➃再犯防止の取組みと社会を明るくする運動
「藤沢地区更生保護サポートセンター」を湘南台の民間ビルから移転するとともに、保護司会の事務局を藤沢市みらい創造財団から市社会福祉協議会に移管します。また、犯罪・非行防止の活動として「社会を明るくする運動」を推進します。
(2)分庁舎2階
➀障がい者の社会参加促進
「JOBチャレふじさわ」をNTTビルから移転し、藤沢市における障がい者雇用の取組を地域福祉プラザの機能として位置付けます。
➁子育て支援の場
「ファミリー・サポート・センター」を湘南台文化センター内から移転し、子どもの預かり・送迎等の支援を行うとともに、制度の狭間を埋めるための働きかけを行います。また、子ども連れでの活動を支援するための「キッズスペース」を設置します。
➂各種団体の活動の場(多様な主体への活動支援)
「地域福祉活動センター」の設置により、地域活動を行う多様な主体に対して、「活動室」の利用を含め、自主的な活動や交流の支援を行うとともに、支援が必要な方をインフォーマルな主体も含めた支援関係機関等につなげるコーディネートを行い、生活課題の解決を図ります。また、「社会参加スペース」の設置により、地域で孤立しがちな方の活動の場とするとともに、一人ひとりにあった社会参加のきっかけづくりをコーディネートします。
➃多様な主体の活動支援と情報配信の取組
「多目的スペース」の設置により、各種団体の交流や当事者の方が自由に活動するためのフリースペースでチラシ・掲示板等の活用による情報提供を行います。また、フォーマル・インフォーマルな情報を配信する「福祉情報配信サイト」を開設します。
3. 運営方法等
各種福祉機能を集約し、地域福祉プラザとして展開させるため、市社会福祉協議会の以下の事業等を補助事業として位置付けて実施します。
(1)地域福祉プラザに集約する各種機能との連携に関する取組
(2)地域福祉活動センターの運営
(3)福祉情報の配信に係る新たな取組
(4)社会参加スペースの運営
なお、地域福祉プラザを構成する各機能の運営方法及び担当課は、次の通りです。
清水委員
地域福祉活動センターと市民活動推進センターとの整合性は?⇒障がい者など当事者、家族会など、利用を限定している。
地域福祉プラザオープン後、本庁舎での福祉団体の弁当販売は継続されるのか?⇒本庁舎に加えて、分庁舎でも販売していく。
原田委員
今の社会福祉協議会が地域福祉プラザ全体のコーディネートをしていくのか?⇒それぞれの機能を連携される役割を担う。
どこが担うのか?⇒ふじさわボランティアセンターを拡充した、地域福祉活動センターが担う。
活動室の利用時間は20時までとなっているが?⇒平日の20時以降は社会福祉協議会と調整中。
永井委員
分庁舎の総合案内の考えは?⇒十分対応できる職員を配置していく。
東木委員
福祉団体連絡会が、この件で市に不信感を持っているが?⇒障がい者福祉活動拠点としてのハード・ソフト面について、一緒に考えていきたい。
地域福祉プラザの愛称についての考えは?⇒意見があれば受け止める。
佐賀委員
この件については、これまでに何度か報告がされたが、考え方に大きな違いはないか?⇒ない。
石井委員
施設の中に防災備蓄をしていくのか?⇒今後、社会福祉協議会とふじさわ災害救援ボランティアセンターと協議して検討していく。
報告(2)保険年金課窓口業務等協働事業について
今年2月の当委員会で報告された以降の検討結果やスケジュールなどが報告されたものです。内容は割愛し、スケジュールのみ掲載します。
【今後のスケジュール】
(1)令和元年9月以降 協働事業実施に向けた引き継ぎ、協働事業実施者による従事者公募、オフィスレイアウト設計などを実施
(2)令和2年1月以降 業務リハーサル
(3)令和2年4月 第1期(国民健康保険業務)協働事業開始
(4)令和3年4月 第2期(後期高齢者医療・国民年金業務)協働事業開始
永井委員
契約の仕方は?⇒請負契約。
責任の所在は?⇒役割分担などは、運営管理マニュアルで明確にする。
土屋委員
委託をすることで、市職員の窓口業務のスキル低下が懸念されるが?⇒先進都市視察で、中長期的な課題と聞いている。昼窓は市職員で行うこと、マニュアル改定を共同で行うなどスキル低下しないようにしていく。
保険年金課職員の定数減の見込みは?⇒段階的に18人の減を見込んでいるが、実施状況により変動する。
原田委員
非常勤職員の事業者への転籍について、義務付けているのか?⇒義務付けていない。
事業者に提案していくのか?⇒事業者の方から市へ申し出があったもので、非常勤職員に案内したもの。
佐賀委員
公務員が担う窓口業務の委託は好ましくない。本当に個人情報が守れるのか危惧している。市として、もっと重要視すべきだが?⇒民間企業も顧客情報にはシビア。話し合いを重ねながら進めていく。
※以上、報告とします。