2020.9.7 厚生環境常任委員会

 9月7日 9:30より、藤沢市議会厚生環境常任委員会が開催されました。いつもなら議員傍聴席にて傍聴するのですが、今議会も、密を避けるために議員傍聴を自粛しているため、自宅でインターネット中継を傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。

陳情2第8号 2021(令和3)年度における重度障害者医療費助成制度継続についての陳情

 この陳情は、2021(令和3)年度予算策定に際し、重度障害者医療費助成制度についいて、前年度に引き続き継続するよう求めるものです。

土屋委員

 本市の重度障害者医療費助成制度の利用状況は?⇒令和2年4月時点で、11,904人。

 利用者の増減は?⇒5年前と比較して1,039人増えている。

 県の補助金の減額分を市で補填しているが、その額は?⇒令和元年度分は約7,098万円を見込んでいる。

 同様に補填している県内自治体の状況は?⇒令和2年4月1日時点で、本市を含めて16市町村。

 県の助成のみの自治体は?⇒17市町。

 県や国へ要望しているが反応は?⇒市長会を通じて要望しているが動きはない。

※この陳情は、全会一致で主旨了承となりました。

陳情2第9号 2021(令和3)年度における障害児者・透析者を含む移動困難者に対する通院支援についての陳情

 この陳情は、2021(令和3)年度予算策定に際して、障害児者・透析者を含む移動困難者に対して、福祉助成施策の継続的な支援を求めるものです。

北橋委員

 コロナ禍における本事業の必要性は?⇒有効な手段と考える。

土屋委員

 腎機能障害1級の手帳交付の状況は?⇒令和2年4月時点で、909人。過去3年で、毎年30-40人増えている。

 腎臓移植の状況は?⇒更生医療での移植は、平成28年度1人/29年度0人/30年度1人/令和元年度3人。

 福祉有償運送事業者の状況は?⇒8団体で、料金は一般タクシーの概ね半額程度で、団体の運営状況は厳しい。

 ガソリン券を導入すべきだが?⇒使用者の本人確認ができないため導入は困難。

※この陳情は、全会一致で主旨了承となりました。

陳情2第13号 「善行老人憩の家」のあり方について検討を求める陳情

 この陳情は、「善行老人憩の家」の老朽化に伴う、今後のあり方について検討するよう、市に求めるものです。

栗原委員

 市内で他に老人憩の家はあるのか?⇒長後にある。

 これまで大規模改修はしているのか?⇒修繕で対応している。

土屋委員

 高齢者向けの施設なのに段差があったり手すりがなかったりする。対応すべきだが?⇒利用者の要望全てには対応できないが、運営委員会の要望に可能な限り対応していく。

 後期高齢者が多いとのことだが、団地内の前期高齢者の状況は?⇒住民4,040人の内、776人。

武藤委員

 この施設の敷地はURだが、どこの所有なのか?⇒敷地はURから市が借りている。建物は市の財産。

 将来的な廃止について、利用者に説明してこなかったのか?⇒第2次公共施設再整備基本更新の長期プランに位置付けているが、今後の方向性については、決まっていないため、説明してこなかった。

 築年数を考えれば、早急に方向性を示すべきだが?⇒今後のあり方について、どうしていくのか早急に検討していく。

 自治会や子どもも使用している。自治会館として使っていくなら、市民自治部と連携して自前でやっていくのか?⇒他の自治会と整合性を図る必要があるので、市民自治部と連携していく。

※この陳情は、全会一致で主旨了承となりました。

報告(1)介護保険課窓口業務等協働事業について

 令和2年2月議会において、「民間事業者との協働事業(業務委託)として実施する方向性」及び「協働事業実施の可否については、実施設計業務の履行状況や中間成果物等をもって最終的な判断をする」旨の報告がされました。

 今回の報告は、この間の検討結果及び今後の方向性・スケジュールなどが報告されたものです。

1.取組経過

(1)令和2年6月5日 業務委託契約締結

 ➀契約先 パーソルテンプスタッフ(株)神奈川営業部

 ➁契約先の主な実績 足立区、練馬区、大田区、八王子市、相模原市

(2)令和2年6月以降 実施設計業務開始

 ➀協働事業範囲の精査

 市が行った業務分析結果を精査するとともに、本市における業務フロー等を踏まえ、協働事業として実施する業務範囲を検討する。

 ➁業務フロー図及び業務マニュアルの作成

 協働事業として実施する各事業の作業工程や、作業内容及び作業手順などを示したもの。

 ➂運営管理マニュアルの作成

 市と協働事業実施者の役割分担、緊急時(業務執行時のトラブル等)の対処方針及び運営体制、モニタリング項目及び指標、情報管理体制、業務従事者への教育及び管理に係る方針などを示したもの。

 ➃オフィスレイアウトの詳細設計

 市と協働事業実施者とのエリア区分、什器の配置などを示したもの。

(3)令和2年7月末 実施設計に係る中間報告

 実施設計業務の進捗状況を踏まえ、中間成果物として、複数業務に係る業務フロー図や、運営管理マニュアル及び業務改善提案などが示されました。

2. 検討結果及び今後の方向性

(1)協働事業実施範囲

 業務分析結果等を精査した結果、当初の想定通り、認定担当の4割程度の業務を協働事業として実施することが可能。

(2)効率的な事務執行

 市と協働事業実施者との役割分担や権限規定、エリア区分及び一連の業務フローにおける引継ぎ方法などを明確化(マニュアル化)することにより、混在作業防止のほか、効率的かつ効果的に業務を執行する。

(3)緊急時の対応

 業務執行時のトラブル対応については、予め複数のトラブルを予見した報告、相談、解決から改善までのフローを作成し、円滑な対応を図る。

(4)業務品質

 協働事業実施以降、窓口アンケートの結果や事務水準及び接遇などを経年的にモニタリングチェックする。のた、従事者への事前および協働事業開始後にも定期的に研修を実施することなどにより、業務品質の維持・向上を図る。

(5)個人情報保護

 執務エリアへの私物持ち込み禁止などを定めたセキュリティルールを策定するとともに、誓約書の提出や内部監査、研修の実施などによりルール遵守の徹底を図る。

(6)業務改善提案

 過去に他自治体において実施し、効率的な事務処理や市民サービス向上となった事例について、本市においても具現化が見込まれる。

【結論】

 これらのほか、豊富な運営スタッフを抱える事業者に委託することにより、業務量の変動による人員体制を市で整備する必要がないため、人的な固定費についてコストメリットが生じ、かつ、協働事業実施後の職員定数減員分を体制強化が必要な部門等へ再配置することで、市民サービスの維持・向上に寄与することが認められると判断したため、介護保険課窓口業務等については、令和3年度から協働事業(業務委託)として実施していきます。

3. 今後のスケジュール

(1)令和2年9月以降

 協働事業実施に向けた引き継ぎ、協働事業実施者による従事者公募、オフィスレイアウト設計などを実施

(2)令和3年1月以降

 業務リハーサル

(3)令和3年4月以降

 ➀第1期(認定担当)協働事業開始

 ➁実施設計業務開始(総務給付担当・資格保険料担当)

(4)令和4年4月

 第2期(総務給付担当・資格保険料担当)協働事業開始

永井委員

 事業者選定について、プロポーザルで行った理由は?⇒技術提案者を求めて、技術力を確認することが必要だったため。

 指名競争入札ではだめだったのか?⇒技術提案書で判断できる部分もあるが、より質の高い成果が期待できることからプロポーザルとした。

 随意契約には上限額があるが?⇒随意契約の上限は50万円だが、プロポーザルには上限はない。

 応募が2社となった理由は?⇒委託する範囲を介護保険課業務全体としていたため、可能とする事業者が少なかったと分析している。

 かながわ電子入札共同システムでの周知はしなかったのか?⇒しなかった。

 人口20万人以上の自治体の実績がある事業者は?⇒令和元年5月1日時点で9社。

栗原委員

 より効率的、効果的な業務執行体制とは?⇒職員数の減と減に伴うコストメリット。

 今後、コストメリットをどのくらいのスパンで報告がされるのか?⇒保険年金課は毎年確認して庁内で確認していく。単年度契約なので、予算、決算の時にも示される。

 緊急時の対応について、どのようなトラブルを想定しているのか?⇒事務事故の発生、市民からの苦情、個人情報の流出など。

 パーソルテンプスタッフへ市民から苦情あった場合の市の対応は?⇒委託業務範囲内は事業者で対応するが、それでも解決できない場合は、市も加わって対応する。

武藤委員

 事業者の選定について、全国で9社あるとのことだが、パソナとか大手には周知したのか?⇒ホームページで公表した。個別のアプローチはしていない。

 競争させることが重要。大手にも声をかけていくべき。問題があるのか?⇒今後、そのような仕組みを検討していく。

北橋委員

 執務室のレイアウト変更の考え方は?⇒ユニバーサルデザインに基づいて、レイアウト変更があったとしても低額での変更ができるが、必要最小限の経費は必要。

谷津委員

 窓口業務委託について、保険年金課での課題を介護保険課でどのように解消していくのか?⇒適切なスケジュール管理や長めの研修などで。

 オフィスレイアウトについて、保険年金課では床に線を引いてエリア分けをしているが効果は?⇒執務エリアを分ける方法はいくつかあるが、偽装請負防止のためにしているもの。パーテーションでは見えにくくなるため、テープで区分けをした。他市でも実施しており、最善の方法として実施した。

土屋委員

 専門性が失われ市民サービスが低下することを懸念している。委託先に住民福祉の増進が目的となり得るのか?⇒藤沢市とのパートナーシップにより、実質的に同じ目標としてやっていけると考える。

 委託先職員に宣誓をさせるのか?⇒服務の宣誓については、自治体職員には義務があるが、民間にはないので、地方自治法の義務は負わない。

 そうであれば、住民福祉の増進にならないのでは?⇒公務員の義務などをテーマとした研修をすることで、住民に寄りそった対応ができると考える。

 市職員の専門性、継続性が懸念されるが?⇒昼窓は市職員が担う。委託事業者と情報の共有も行っていく。

 市職員と委託職員の関係性は?⇒直接指示命令はできないが、責任者・副責任者とのやりとりは認められている。指示命令は運営管理マニュアルで定めて、事業者と共有していく。

 民間への委託料は?⇒見積もりでは、2年間は実施設計の委託で1憶100万円、4年間は窓口委託で6億2,500万円で、計7億2,600万円。

 コストメリットが5年間で1,200万円で10年間で1億5,800万円とのことだが、なぜ10年でそんなに増えるのか?⇒前段は実施設計の分が入っているため。

 正規職員15人削減の根拠は?⇒業務委託の範囲が決まったので、その部分を担っている正規職員を減することとなる。

 災害時の対応や途中で撤退した場合の対応は?⇒業務継続計画により行っていく。撤退した場合は、市職員で行えるようマニュアルを作成している。

 今からでも委託は中止すべきだが?⇒市民サービスの維持向上に寄与すると認識している。

※以上、報告とします。


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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