11月25日 9:30より、藤沢市議会行政改革等特別委員会が開催され、委員として出席しました。内容の抜粋は次の通りです。
1. 藤沢市行財政改革2020実行プラン
今年度が最終年度となる行革2020実行プランの進捗状況が報告されたものです。内容は省略し、質問の抜粋を記載します。
【窓口のあり方の検討】
柳沢委員
国民健康保険の窓口業務について委託化して半年が経過したが、うまくいっているのか?⇒引継ぎの不十分、事業者の習熟度不足などで一時は待ち時間が長くなったが、その都度、事業者と市で対応した結果、昨年度に近い状況になった。アンケート調査を踏まえても市民サービス低下はしていない。
介護保険課の窓口業の委託化について、複数業務の業務マニュアルやフローチャートなど、委託事業者から受理した提案内容は?⇒委託事業者である、パーソルテンプスタッフ(株)からは、令和2年7月末に1部の業務手順書、マニュアル、フローチャート、オフィスレイアウト図などの提案を受けた。
国民健康保険課の窓口業務委託と同じ事業者となったが、昨年度は何社と面談したのか?⇒業務実績のある2社と面談した。
費用対効果により委託化を判断したのか?⇒市民サービスが維持向上することと、費用対効果を合わせて判断した。
介護保険課の窓口業務では複雑なケースある。民間委託で市民の要望に十分対応できるのか?⇒業務範囲内は事業者が責任をもって対応する。マニュアルにないケースは市が対応することとなる。
偽装請負も考えられるが?⇒事業者の責任者が市へ依頼することを管理運営マニュアルで定めることで偽装請負にはならない。
窓口業務の委託化による人員減の見込みは?⇒最終的には、保険年金課で正規フルタイム職員が18人程度、任期付短時間職員が11人程度、会計年度職員が16人程度/介護保険課で正規フルタイム職員が15人程度、任期付短時間職員が6人程度、会計年度職員が8人程度/市民窓口センターで実施した場合は、正規フルタイム職員が15-20人程度、任期付短時間職員が15-20人程度、会計年度職員が10-15人程度。
委託事業者の体制と平均給与は?⇒委託料は令和2年度で、2億300万円で大部分が人件費。じきゅうは1,150円となっている。
【公有財産の有効活用】
柳沢委員
各部署の資産の確認状況は?⇒全庁照会をしている。
資産の活用には透明性の確保が必要。手順は?⇒公共資産活用検討委員会で活用を検討したうえで、庁議で市としての意思決定をしていく。
活用の仕方について、市民への周知と合意が必要だが?⇒庁議により意思決定した後、地域関係団体などと調整していく。
2. 事務事業の抜本的見直しについて
行革2020の具体的な取組の1つとして、平成30年度から「事務事業の抜本的見直し」に取組んでいますが、見直し検討対象事業33事業の内、現時点で見直しを継続しているのは11事業となっており、令和3年度中の実施予定が4事業、令和4年度以降の実施予定が7事業となっています。
竹村委員
心身障がい者介護手当などの事業の見直しについて、障がい者支援協議会などからの意見は?⇒心身障がい者介護手当や障がい者福祉手当は制度が古いため、目的を達成できているか、当事者が納得する形で進めてほしい。障がい者等福祉タクシー助成事業は、重度障がい者の利用が多いため、支援を継続してほしい。見直しでねん出された財源を別の福祉の充実に充ててほしいなど。障がい者等医療助成費に対しては、高齢者の難病など年齢制限による負担が大きい。医療費の負担による障がいの悪化の意見がある。
障がい福祉全般の中で、どこに力点を置くかが重要。市の考えは?⇒充足していない支援の改善、時代とともに高まるニーズへの対応など、全体としての事業の再構築が必要と考えている。関係団体、当事者から広く意見を聞いて総合的に判断していく。
柳沢委員
残りの11事業の内訳は?⇒令和3年度中の実施予定は、障がい者等福祉タクシー助成事業費/住宅福祉サービス関連事業/介護保険利用者負担軽減対策事業費/特別支援学級関係費。令和4年度以降の実施予定は、心身障がい者介護手当/障がい者福祉手当/障がい者等医療助成費/高齢者いきいき交流事業費/幼児教育振興助成費/法人立保育所運営費等助成事業費/就学援助事業。
コロナの影響で具体的な協議ができず、4年間で結論が出なかったが?⇒関係団体からの意見聴取、アンケート調査などに一定の時間を要している。
支援が一番必要な分野の見直しを進めている。4年間で結論が出なかった事業は、一度見直しを終了すべきだが?⇒財政状況を踏まえ、将来にわたり持続可能な事業となるよう見直しを進めている。次年度以降も見直しを検討していく。
3. 「(仮称)藤沢市行財政改革2024基本方針(素案)」について
今年度で終了する藤沢市行財政改革2020を踏まえて、令和3年度から6年度までを取組期間とした「(仮称)藤沢市行財政改革2024基本方針(素案)」が示されたものです。
【新たな行財政改革の基本的な考え】
(1)効率的な行政運営への転換
AIやRPAなどICTをはじめとした新たなテクノロジーを積極的に活用し、業務効率化に向けたデジタル化の取組や行政手続きのオンライン化を推進します。また、効率的な行政運営の転換に向けて、外部資源の活用等あらゆる可能性を追求する中で、市職員は企画立案業務や市民への直接的なサービス提供など、職員でなければできない業務に注力することができるよう、現行業務の仕組み・手法の転換に向けた業務改善の取組を進めます。
(2)歳入確保と歳出抑制策による健全財政の堅持
民間資金の活用等による歳入の確保、既存事業の抜本的見直しや優先的に行うべき事業の見極めなどによる歳出の抑制のほか、マルチなパートナーシップの手法による公共施設の再整備を行い、施設としての魅力を高めるとともに経費の縮減に努めるなど、財政負担の平準化等を図りながら、将来にわたる健全財政の堅持に向けた取組を進めます。
(3)将来を見据えた職員力の強化
社会情勢の変化により生じる諸課題の解決に向けた政策形成能力や発想力など、職員の能力開発を進めるとともに、ICTを活用できる人材の育成強化などの取組を進め、職員の個としての質を高めます。また、専門的な分野については、外部からの様々な職務経験や知識等を有する人材の採用など、採用から人事のあり方まで、時代の変化にあわせた取組についても進めていきます。
【新たな行財政改革の進め方】
(1)実行プランの策定
(2)取組期間
市政運営の総合指針との連携を図るため、取組期間は令和3年度から6年度までの4年間とします。
(3)進行管理
行財政改革主管課と行財政改革協議会で行い、進行管理の全体調整は、行財政改革推進本部で行います。また、進捗状況は、市議会行政改革等特別委員会に定期的に報告します。
佐野委員
歳入確保について、民間資金の活用の具体的取組は?⇒クラウドファンディングについてソフト面にも活用していく。また、ふるさと納税のポータルサイトも拡充した。ネーミングライツなどの広告料収入の確保も積極的に取組んでいく。
石井委員
令和4.5.6年度の市税収入の見込み額は?⇒コロナ禍で見通しが立てにくい。中期財政見通しの見直しも見送っている。現状をリーマンショック時と比較する中で検討しているところ。
パラダイムシフトの目玉は?⇒行政のデジタル化を進め、スマート自治体への転換を図ること。
令和6年度における人件費の目標値はあるのか?⇒現段階ではない。
柳沢委員
第1次から3次までの15年間の行革で、763人の人員抑制、508億円の財政効果を出していてるが、第1.2.3次行革での内訳は?⇒第1次176人で約164億円/第2次412人で約217億円/第3次176人でやく127億円。
歳出削減で福祉切り捨てとなっている。大規模開発、大企業優遇の政策から福祉・医療・子育てへ転換していくべきだが?⇒都市基盤整備も市内経済の好循環につながる。今後も投資の財源と市民の暮らしの財源を考慮しながら、健全財政を維持していく。
井上委員
行革による定数・人件費の効果が小さくなってきている。コロナによる財政への影響も大きい。理事者の考えは?⇒コロナ禍は発想の転換のタイミングでもある。その中で大胆に取組むことも必要と考える。
堺委員
デジタル市役所を進めるにあたり、ICT活用を行革に位置付けるべきだが?⇒新たな行革では、デジタル化の推進による効率化をめざすため、ICT活用を位置付けていく。
現在、ICTスキルの高い人材は育っているのか?⇒大きく前進はしていないが、引き続き職員の育成をしていく。
ITスキルの高い職員を組織化すべきだが?⇒令和3年度組織改正に向けて、デジタル推進室の設置を検討している。
IT人材を採用する考えは?⇒ITスキルの高い人材を採用できればと思ったが、結果的に採用に至らなかった。引き続き努力していく。
職員研修の評価について指標が必要だが?⇒効果の数値化は難しい。
※以上、報告とします。