6月15日 9:30より、藤沢市議会総務常任委員会が開催され、副議長として出席しました。内容の抜粋は次の通りです。
陳情3第2号 沖縄連南部の沖縄戦犠牲者の遺骨が含まれる土を辺野古米軍新基地建設の為の大浦湾埋め立てに使うことに反対する陳情
この陳情は、辺野古米軍新基地建設の為に南部糸満、八重瀬の沖縄戦激戦地跡に残る犠牲者の遺骨が含まれる土を、大浦湾埋め立てに使うことに反対する意見書を国等に提出することを求めるものです。
※この陳情は、柳田委員・谷津委員・柳沢委員・原田委員が主旨了承、井上委員・佐野委員・武藤委員・山口委員が主旨不了承、可否同数となったため、神村委員長の採決により主旨不了承となりました。
報告(1)本市におけるDX(デジタル・トランスフォーメーション)の取組について
本市におけるDX(デジタル・トランスフォーメーション)の取組について報告がされたものです。
1. デジタル市役所に向けた取組
(1)行政手続きのオンライン化
マイナンバーカードを用いて申請を行うことが想定される手続き(31手続きのうちの25手続)を対象としたオンライン化の推進。
(2)書面・押印・対面の見直し(BPRの取組の徹底)
(3)オープンデータの推進
(4)情報システムの標準化・共通化への対応
基幹系17業務システムについて、国の策定する標準仕様に準拠したシステムへの移行。
(5)ITガバナンスの推進
各課からの情報システム導入・更新において必要な仕様書(機能要件等)や情報提供依頼の作成支援、業務見直しの推進、見積書の精査等によるコスト・効果・リスク等の最適化。
(6)AI・PRAの利用推進
(7)テレワークの推進
2. スマートシティの実現に向けた取組
スマートシティとは、ICT等の新技術やデータの活用等により、都市や地域の抱える諸課題の解決を行い、新たな価値を創出し続ける持続可能な新しい都市とされています。本市においても、SSTの存在や、さがみロボット産業特区の特性を活かした最先端技術の実証フィールドとしての積み重ねなど、スマートシティに向けて着実に進めてきました。
今後も市民目線を大切に、一人ひとりに寄り添ったサービス提供を通じて、市民生活の質の向上を実感できるスマートシティの実現に向けた取組を進めます。
3. デジタル化を主導する人材の育成
自治体DXを推進していくためには、デジタル化を主導する人材が必須です。デジタル化戦略の構想、立案をはじめ、庁内におけるデジタル化全般を統括する人材については、外部人材の登用も含め、早期設置に向けて検討していきます。
また、ICTを業務に適用させるために、各業務における課題の整理、解決方法を習得し、新たなアイデアや業務プロセスの再構築を行うことができる人材についても専門研修と職員研修の両面による育成を進めていきます。
4. デジタルデバイドへの取組
デジタル化の推進にあたり、デジタル機器の扱いに不慣れな方々に対する支援を行い、すべての市民に必要な情報やサービスを届けることができるよう、これまで地域で育まれてきたコミュニティを大切にしながら、デジタルの力で様々な格差を解消し、市民サービスの利用機会の均等などに取組みます。
5. 「デジタル行政推進プロジェクト組織」の取組
デジタル化の推進にあたっては、行政総務課、情報システム課、行革内部統制推進室、デジタル推進室で構成された「デジタル行政推進プロジェクト組織」を立ち上げ、企画立案、進捗管理に取組みます。また、課題ごとにワーキンググループを設置し、組織横断的な取組により課題解決を図ります。
6. 今年度の取組
(1)(仮)藤沢市DX推進計画の策定
本年夏頃に国から示される「(仮称)自治体DX推進手順書」を踏まえ、本市におけるDXの推進に向けた計画を令和3年度中に策定します。
(2)藤沢市スマートシティの推進に向けた基本方針の策定
本市が目指すスマートシティの進め方についての基本的な考え方をまとめた方針を令和3年度中に策定します。
谷津委員
効率を追い求めると人間らしさがなくなる。スマートと生活の質の向上に不安あるが?⇒国の方針でも誰ひとり取り残さない、人にやさしいデジタル化を進めていくとしている。市民すべての方へ恩恵が行き渡るようにしていく。
デジタルデバイドの取組の内容は?⇒公民館でのスマホ講座、県との連携事業の中で研修会など実施している。
スマホがないと生活できない社会となっているが、無償貸出しなど困窮者対策が必要だが?⇒経済的困窮には、福祉部門と連携して進めていく必要ある。渋谷区では65歳以上でスマホない方へ5年間無料で貸与している。参考にしながら検討していく。
井上委員
デジタル化を主導する人材の育成とあるが、外部人材登用の考え方は?⇒民間企業の中でデジタルプロジェクトのマネジメント経験の実績ある方などを優先的に採用していきたい。
外部人材の前に市職員の中にどのくらいITに詳しい人材がいるのかを把握すべきだが?⇒今後、人材育成の研修をしていく。
スマートシティのイメージ図について、縦割りでなく横断的な連携をどう進めていくのか?⇒横断的取り組みの1つとして、デジタル行政推進プロジェクトを立ち上げて、手数料のキャッシュレス化など横断的課題について検討していく。
柳沢委員
マイナンバーカードを用いた申請25手続きについて、マイナンバーカードを持っていない市民への対応は?⇒引き続き対面で行う。
17の基幹系業務の標準化について、自治体の独自性がなくなるのでは?⇒市独自のサービスは標準化後もできるよう国に要望していくこととなる。
スマートシティの推進について、今後の展開は?⇒具体的な場所や規模は想定していないが、市内にはSSTがある。新たに進めるまちづくりの地区で検討していく。
行政のブラックボックス解消に触れられていないが?⇒デジタル化の推進について、業務フローの作成など、見える化することで、ブラックボックス化を解消していく。
原田委員
学校にタブレット配布されている。活用ができているところと、そうでないところある。専門事業者などが指導していると思うが、活用の幅が狭いと思うが?⇒学校に配布されているタブレットは学習目的に用意したもので、活用は難しい。今後、地域の声を聞いて必要な施策を進めていく。
学校図書館でのデジタル活用に差がある。図書専門指導員が週2回しか入れない。デジタルを活用することで改善できると思うが?⇒本の管理や貸出しに期待できる。今後、デジタル化により子どもたちがより図書に親しめるように様々な手法を検討していく。
柳田委員
藤沢市官民データ活用推進指針にとの関係性は?⇒DX計画は具体的な計画として位置づける。
スケジュールが示されているが、住民ニーズや現状を調査したうえで、目標を定めるべきだが?⇒数値目標は国から示される手順書を踏まえて、令和3年度中に計画策定していく中で検討していく。
デジタル化を主導する人材について、外部からの常勤となるとかなりの報酬となると思うが?⇒非常勤の特別職を想定している。民間企業で得ている報酬を踏まえる必要あるので相応の額が必要と考える。
システムを使う側にも専門的な人材が必要となると思うが?⇒DXの取組の進捗を見て、補佐官の登用やデジタル市役所推進にあたり人材が必要であれば登用も必要となる。
コミュニティについて、デジタル化になじまないコミュニティとは?⇒コロナ禍でコミュニティ活動が停滞した一方でオンラインなど新たなコミュニティもできた。対面の大切さの実感多い中で、全てをデジタル化するものではない。
DXの取組なので、この部分は必要ないのでは?⇒デジタルにできるところ、できないところを線引きする必要あるので、記載している。
武藤委員
市民ニーズをどう捉えるかが重要。必要でない人も恩恵をうけられるものであるべきだが?⇒デジタル化は将来の社会インフラの1つとなる。デジタルの必要、不必要の方に対して市民センター公民館がハブの機能を持っていく必要がある。住民との対話、データ分析を経て計画策定を進めていく。
報告(2)市民窓口センター窓口業務等協働事業について
市民窓口センター「窓口業務のあり方の検討」については、令和2年9月市議会の当委員会で報告がされましたが、今回は、その後の取組状況の報告がされたものです。
1. 市民窓口センターの業務一覧と協働事業予定の業務
【市民窓口センター】
(1)住民担当(諸証明)
『証明業務』
➀★住民票等、戸籍の証明書の受付・交付等に関すること
➁★公用による住民票等、戸籍の証明に関すること
➂★印鑑登録証明書の交付手続きに関すること
『郵送業務』
➀★住民票等、戸籍の証明書の郵送請求に関すること
➁★公用による住民票等、戸籍の証明の郵送請求に関すること
(2)住民担当(届出・記録)
『住民基本台帳関連』
➀★住民異動の受付・入力に関すること
➁実態調査に関すること
➂支援措置に関すること
『外国人住民関連』
➀★外国人住民の手続きに関すること
『印鑑登録関連』
➀★印鑑登録の受付等に関すること
➁印鑑登録の手続きに関すること(成年被後見人)
(3)マイナンバー担当
➀★マイナンバーカードの申請・交付に関すること
➁公的個人認証の新規・廃止・更新手続きに関すること
➂パスワードロック解除等に関すること
(4)庶務・システム担当
➀システムに関すること
➁課内庶務に関すること
➂予算決算に関すること
(5)戸籍担当
➀戸籍の届出に関すること
➁破産者及び犯罪人の名簿に関すること
➂相続税課税のための資料の作成及び提出
➃埋火葬の許可並びに火葬場使用の許可
※令和4年1月から主に★の付いた業務の一部を協働事業として実施する予定。
※今後も市が担う主な業務
〇戸籍担当事務
〇実態調査など公権力行使に係る業務
〇予算決算に係る業務
〇各業務に係る審査、決定業務 など
2. 今後のスケジュール
(1)令和3年9月 市議会9月定例会にて協働事業業務委託費の補正予算上程
(2)令和3年10月 現場研修・業務リハーサル開始
(3)令和4年1月 協働事業開始
谷津委員
協働事業により、不安定雇用を助長するのでは?⇒非正規から正規への登用も多く将来的なステップアップも開かれている。
柳沢委員
国民年金課窓口業務の協働事業でのコスト縮減の状況は?⇒5~10年での比較となるので、今後検証していく。
偽装請負にはなっていないのか?⇒ないものと認識している。問題点、類似点を共有したうえで、引き続き法令遵守していく。
市民サービスは向上したのか?⇒待ち時間は実施前と同様の状況。
住民票と戸籍証明の手続きの流れは?⇒民間が受付し、市が認証、交付決定し、民間が交付する。
受付業務での本人や第3者確認は?⇒国のガイドラインで示された通り民間が行う。
民間業務範囲に戸籍の届出を入れなかった理由は?⇒国は民間で可としているが、範囲を検討する中で、専門的知識が必要と判断したため。
不測の事態の時は市の職員が対応できるとしているが、不測の事態とは?⇒虚偽、なりすましの申請があり得る。市が引き取り対応する。
その場合は偽装請負になるのでは?⇒あらかじめ緊急時の対応方針を決めるのでならない。
DVなど通常の申請ではない場合、民間では対応できないと思うが?⇒事業者の業務範囲を仕様書で定めるので、範囲外とする予定。
協働事業で、どのくらいの職員を削減できるのか?⇒現時点で、フルタイム職員15-18人、任期付短時間職員15-18人を想定。
井上委員
民間委託で市民サービスが向上すると言うが、職員の接遇の向上をどう考えるか?⇒市民と直接話をする機会は減るが、市民と職員が相対するのは、どこの職場でもあり、接遇も含めて職員のスキルアップは様々な場面で経験できる。戸籍業務、DV対応など、事業者が判断できない部分は今後も市職員が担っていく。
原田委員
外国人住民の手続きが協働事業となるが、対応における課題と民間の経験をどう捉えているか?⇒基本的には住所異動や印鑑などを受付けているものを委託にするもの。課題は言語の部分あるが、民間は多言語のコールセンターなどを持っているので、ノウハウを活かして対応できると考える。
外国人の抱える生活課題や困りごとを捉える場所がない。窓口に来た時の対応が重要となると思うが?⇒職員がフロアマネージャー等で必要な手続きにつながるように努めている。今後、民間ノウハウ含めて対応していく。
※以上、報告とします。