9月16日 10:00より、藤沢市議会9月定例会(4日目)が開催され、昨日に引き続き一般質問が行われました。
※一般質問は、質問者と市側で答弁調整をしているため、質問・答弁のメモをとるのが難しいことから、これまでは、質問の抜粋のみを掲載していました。しかし、議長・副議長は議事運営をする立場なので、質問の要旨、答弁の原稿が手元にあることから、そこから抜粋・要約して掲載します。関心のある質疑については、インターネット中継録画、議事録等をご覧ください。
通告4番 友田議員
1. 新型コロナウイルス感染症における本市の対応について
(1)コロナ禍におけるニューノーマルな海水浴場の運営課題について
今夏海水浴場が開設されたが、緊急事態宣言が発出された場合、自治体としてはどのようなことを重視し、何をすべきと考えているか?⇒緊急事態宣言下においては、より一層の感染拡大防止のため、市民に対しては、これまで以上に徹底した感染防止対策の実施や不要不急の外出自粛を呼び掛けてきた。また、飲食店等には、営業時間の短縮や休業、酒類提供の停止の要請を行うほか、イベントの開催制限や施設の営業短縮なども要請してきた。
今夏の海水浴場ルールに定められた感染対策やルールの遵守状況はどうだったか?⇒県から示された海水浴場ルールのガイドラインに市独自の感染防止対策として、砂浜での飲酒禁止や音響機器の音量制限などを盛り込み藤沢市海水浴場ルールを策定した。このルールの遵守状況については、砂浜での飲酒や従業員のマスク未着用が散見されたため、海水浴客への声掛けを行うとともに、各海水浴場組合を通じて改善を求めた。更に、まん延防止等重点措置に移行後、海の家における酒類提供の情報提供があったことから、7月30日付けで、各組合に対し、海の家の管理運営を厳格に行うよう改善を要請した。
7月の市から組合への要請後、海の家の酒類提供の状況はどうだったか?⇒神奈川県に緊急事態宣言が発出されたため、海の家の営業時間の短縮や入店制限など独自対策を実施したが、一部の海の家では依然として酒類の提供などがあったことから、組合の内部規定により営業停止処分が実施されたと聞いている。
今夏の本市海水浴場は「コロナ禍における海水浴場のベストモデル」となり得たか市の見解は?⇒ベストモデルを目指して取
り組んできたが、砂浜での飲酒や一部の海の家における従業員のマスク未着用や酒類提供など、ルールの徹底が不十分であったため、市に対して不安の声が寄せられる結果となった。
コロナ禍における海水浴場は何を重視すべきと考えるか?⇒コロナ禍の海水浴場は、来場者はもとより、近隣住民の方々にとっても安全安心な場所としての環境整備が最も重要であると考えているので、今一度原点に立ち返り、来夏に向けた改善に取り組ん
でいく。
海水浴場において、緊急事態宣言発出後、速やかに人流抑制に動くことができなかった状況は大きな課題であり、改善すべきと考えるが?⇒海水浴場の開設主体が海水浴場組合であるため、本市としては各組合に対し閉場要請しかできなかったことや県による海の家に対する海岸占用許可条件に緊急事態宣言などの発出を想定した内容が示されなかったことなどが課題となった。来夏に向けては、県のガイドラインにコロナ禍の海水浴場におけるあらゆる状況を想定した内容を盛り込むことや、実効力を伴う海岸占
用許可条件の設定などについて、県に対して強く求めるとともに、本市においては、海水浴場開設主体のあり方や、海水浴場運営方法の見直しが必要であると考えている。
夏の海水浴場や観光は本市にとって重要であり街の活気には欠かせないものであるが、海水浴場や駐車場の閉鎖の遅れが市に対する批判の声となった。緊急事態宣言後、人流抑制の態度を示せず、結果として経済活動が優先されたことについては、市として真摯に反省すべき。緊急事態宣言下において、市長は何を最も重視しなければならないとお考えるか?⇒私はこれまで、市民の生命と暮らしを守ることに注力し、新型コロナウイルスの感染対策をしてきた。海水浴場の休場に時間を要したことから、市民の皆様が不安に感じられたことは大変重く受け止めている。今夏、顕在化した課題を共有し、適切な改善に努めていく。
通告5番 北橋議員
1. 子どもたちの学習環境について
(1)コロナ禍の対策について
コロナ禍での学校再開であったが、タブレットを活用した、児童生徒が対面同様に参加できる授業や学習アプリの活用、教員同士あるいは子どもたちとのコミュニケーションツールなど、様々な活用が考えられると思うが?⇒ICTの活用については、新型コロナウイルス感染症への不安などから、やむを得ず登校を控える児童生徒がいる中、児童生徒とコミュニケーションを絶やさず、学びを止めないようにするためにも有効と考える。その中で、特に教員が双方向でのオンライン通信ができるアプリを活用して、児童生徒とのコミュニケーションを定期的に行うことは、自宅学習の促進、児童生徒の安心感につながると考える。
タブレットの効果的な運用にあたっては、教員一人ひとりの活用スキルが重要である。夏休みにおける教員向けの研修状況は?⇒夏休み期間に実施した教員研修については、すべての学校のICT担当教員を対象に、1人1台端末における双方向でのオンライン通信を始めとした操作研修を行い、その担当が校内で講師として研修を行うことで、全教員の操作スキルの向上に取り組んだ。また、小学校のすべての教員を対象に学習支援アプリの活用について研修を行い、児童に対しわかりやすく課題を提示する方法や、児童がお互いの意見を共有したり発表したりするための活用方法の習得を図った。
(2)防災について
防災教育について、学校における子どもたちを守る設備や訓練について、教職員向けにどのような研修が行われているのか?⇒本市の教職員向の防災教育研修は、地震学者である慶應義塾大学の大木聖子准教授を講師として、年間3校程度、防災研修会を行っている。また、本市教育文化センターの夏の研修講座で、防災教育の充実と防災担当教員の指導力向上を図るための研修を毎年行っており、今年度は、地域のハザードマップ等を活用した授業づくりや、本市の防災対策を生かした防災教育などをテーマとして実施している。
教職員だけでなく、中学生であれば災害時にリーダーとなることも考えられる。先日六会地区で実施した、自治会と防災リーダーによる「ファーストミッションボックス」講習会に参加したが、災害時における当事者意識を養うことができる有意義な研修であった。子どもたちの防災意識向上のため、地域とも連携した様々な活動が考えられるが?⇒子どもたちの防災意識を高めるための取組としては、中学生に対し、将来の地域における防災の担い手となれるようジュニア防災リーダーに係る研修を行っている。次に地域と連携した活動としては、PTAなどの保護者会や自治会等と協力し、講演会や防災体験学習会、炊き出し訓練、合同防災避難訓練を行うなど、子どもたちも含め、地域全体の防災意識の高揚を図る活動を行っている学校もある。このような活動を共有し、子どもたちの防災に対する意識を高めることができると考えている。
(3)地域との連携について
コミュニティ・スクール(学校運営協議会)について、モデル校における委員の人選はどのように行っているのか?⇒選出にあたっては、学校長や教育委員会だけではなく、市民センター・公民館や三者連携の役員も交えて協議を行って選出した。
片瀬小学校と秋葉台小学校における、学校運営協議会の実施状況や成果は?⇒両校とも年間5回で予定している協議会のうち、2回目の会議を終えた。秋葉台小学校では「児童の下校時の見守り体制」について、片瀬小学校では「タブレットを用いた授業に対する補助」が議題となり、その解決策として、地域の人的支援についての協議がされた。協議会が一体となって課題を共有し、解決に向けた話し合いができたことは、大きな成果だったと捉えている。
学校と地域が連携することの意義について、教育長の考えは?⇒子どもたちを健やかに育んでいくためには、保護者や地域の方々との信頼関係を築きながら、学校と地域が連携することが大変重要であると考える。子どもたちが地元の学校で学び、日々の生活を通して地域を愛する心を培い、幅広い世代の方々と関わる活動の中で「生きる力」を育んでいくためには、学校と地域が一体となって、学びの環境を作り上げていくことが大切。こうした子どもたちの豊かな学びには、地元を支える「地域の担い手」の存在が欠かせない。次代の担い手の育成のためには、地元愛を持った子どもたちや、学校の保護者会活動などに熱心に取り組まれた方々が、学校から離れた後も、様々な関わりをもって学校を支え続けてくださることが望ましいと考えている。
2. 高齢者支援について
(1)運動不足対策について
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、外出自粛が求められ、出かける機会,人と会う機会が減少してしまった。市民の身体活動量が減り、コロナ禍以前に比べ健康の維持が難しくなっているように思われるが、市の認識は?⇒藤沢市における新型コロナウイルスによる外出自粛と、これに伴う身体活動の低下に関するデータはないが、公園でラジオ体操などを定期的に実施する地域のグループでも、活動回数や参加者数が減少したと聞いており、身体活動の低下について認識している。
外出自粛が長期化し、閉じこもりがちな人も増えていると思われるが、コロナ禍における市の健康づくりの対応状況は?⇒従来からの集合式の教室なども感染予防対策を徹底した中で、最低限の範囲で実施しているが、WEBの活用を積極的に行っている。YouTubeを活用した「こそトレ」、「食事の選び方講座」などのほか、スポーツ事業においても自宅で取り組める肩こり解消ストレッチやマタニティヨガなどの動画も配信している。また、口腔機能の低下が懸念されることから、お口の体操などの情報提供もしている。このほか、インスタグラムなどのSNSを活用し、利用者同士の写真投稿などにより、歩きたくなるきっかけを提供している。
行事等の中止や外出自粛の要請等により、高齢者が運動不足やコミュニケーション不足により元気がなくなっている。高齢者の現状や課題について、どの把握しているか?⇒昨年度、要介護認定を受けていない85歳以上の一人暮らし高齢者1,050人を対象に「高齢者個別訪問」を行った。訪問において、外出自粛による運動不足から身体機能の低下が起こっていることが推測されるケースや、精神面においても、人との交流機会の減少から、気持ちが沈みがちになっている方がいることが確認できた。
コロナ禍で、高齢者の健康を維持するための支援、特にフレイル予防として、どのような取組をしているのか?⇒フレイル予防対策としては、自粛生活の中、できるだけ体を動かしていただけるよう、フレイル予防のポイントや自宅での運動などの特集記事を広報ふじさわに掲載し、広く周知を図る他、高齢者ご本人が自ら健康管理や体操に取り組むための支援として、「お口と体の体操」のDVDや健康手帳の配布を行った。また、コロナ禍でも人と人がつながり、楽しみ、介護予防につなげることをテーマとした「地域さんかく塾、ステイホームダイアリー」を開催し、交換日記とスマートフォンを組み合わせたツールを活用した。
通告6番 佐野議員
1. 健やかな子どもの成長について
(1)子どもの居場所と生活支援について
サマースクールはどのような目的で実施したのか?⇒小学校の夏休みには、放課後児童クラブの需要が特に高くなるという傾向を踏まえ、児童の新たな居場所を確保するとともに、保護者からの保育需要に応える事業として、今年度サマースクールを実施することとしたもの。
対象となる児童の学年や人数は?⇒対象児童は、放課後児童クラブに入所していない市内の小学校4年生から6年生で、定員については30人とした。
事業者の選定方法と今年度の実施内容は?⇒事業者選定は公募で行い、選考委員会においてプレゼンテーション、ヒアリングを基に審査を行い、ミズノスポーツサービス株式会社に決定した。実施場所は、主に神奈川県立スポーツセンターを会場とし、事業者の特色を活かした各種運動プログラムを中心に、タレントを招いたお笑い講座、キーホルダーづくり、英会話教室となっている。
今年度に実施した状況を踏まえ、サマースクールの今後の展開は?⇒今年度実施したサマースクールにいては、1事業者による実施で、定員30人に対して最終的な申込み数は100人を超えるという状況だった。これは、夏休みの居場所を求める児童が多く存在していることの表れであると捉えている。サマースクールは長期休暇対策を目的として実施している事業だが、夏休みに放課後児童クラブのほか、多様な居場所の一つとして事業展開することにより、結果として放課後児童クラブの待機児童対策という役割を果たすと捉えている。今後は、今年度の取組の評価をしたうえで、市政運営の総合指針2024の重点施策である「子どもの健やかな成長に向けた支援の充実」に向けて、市内の様々な地域に住む児童が参加できるよう拡充していく。
少年の森の再整備に関する検討状況と地元への説明状況は?⇒検討の参考とするために、施設の持つ可能性や活用アイデアについて、広く民間事業者から意見を聞き取る「サウンディング型市場調査」を今年度行うこととして、現在は、調査の支援業務を受託した事業者と準備を進めている。地元への説明は、今年6月、地権者、御所見地区の郷土づくり推進会議とまちづくり推進協議会のメンバーの方々及び遠藤地区の郷土づくり推進会議会長に対し、少年の森の在り方について市として本格的に検討を始めることや、サウンディング型市場調査を行うことについて説明している。
検討を進めてきた中で、ハードルとなっている課題はあるか?⇒少年の森が立地するのが市街化調整区域なので、市街化区域に比べて開発が強く規制されており、検討に当たっては、その点を十分踏まえる必要がある。
今年度「サウンディング型市場調査」を行うが、市としてどのような方向性でアイデアや意見を聞き取ろうとしているのか?⇒「北部地域の活性化」を実現できるような施設再整備のアイデアや意見を聞き取っていきたい。
「サウンディング型市場調査」によって民間事業者から出てきたアイデアや意見はどのように扱うのか?⇒令和4年度以降に、「サウンディング型市場調査」で聞き取ったアイデアや意見を参考にしながら、まず、市として考える施設再整備の具体的な方向性を取りまとめ、市の考えをたたき台として地元に示しながら地域住民の方々とともに検討を進めていく。
2019年に厚生労働省が実施した国民生活基礎調査によると、17歳以下の日本の子どもの「7人に1人が貧困」状態にあり、特にひとり親家庭は2世帯に1世帯が相対的な貧困の生活水準にあると言われている。現在、本市ではひとり親家庭に対してどのような支援をしているのか?⇒ひとり親世帯の生活や就労、子育てなど様々な生活課題に寄り添った相談支援を実施しており、個々の課題
を把握し、必要に応じて関係機関と連携しながら、ひとり親世帯の生活課題の解決に努めている。また、新型コロナウイルス感染症に係る支援としては、国が令和2年度に引き続き、今年度も給付金の支給を決定したことから、その支給をしている。
養育費の不払いによって経済的負担を強いられているひとり親世帯に対し、現段階でどのような支援策を検討しているのか?⇒国では不払い養育費の確保のための課題等を総合的観点から検討するため、法務省と厚労省によるタスクフォースを設置するほか、複数の会議体で問題解決に向けた論点の整理や課題の分析等を進めているが、現時点では具体的な方策の策定には至っていない。本市では、まず離婚時の養育費の取り決めを促進することが重要と考え、養育費問題等について気軽に必要な法律相談を受けられるよう、弁護士による無料相談の実施を考えている。併せて、養育費確保のためには債務名義を取得しておくことが重要であることから、養育費に関する公正証書等の作成に係る手数料などの費用補助を検討している。
※以上、報告とします。