2022.6.10 厚生環境常任委員会

 6月10日 9:30より、藤沢市議会厚生環境常任委員会が開催され、副議長の立場で出席しました。内容の抜粋は次の通りです。

議案第17号 藤沢市民病院診療費等に関する条例の一部改正について

 厚生労働大臣が定める掲示事項等の一部が改正されたことに伴い、他の保険医療機関からの紹介状を持参せず受診した患者等から徴収する選定療養費の額を改定するものです。

桜井委員

 受診相談の状況は?⇒直接来られた患者には、紹介予約制と説明したうえで、看護師が状態を見て、受診するか紹介の対応をしている。

 今後、かかりつけ医を持つことについて、十分周知が必要と思うが?⇒紹介予約制であること、急性期後は、地域の医療機関に戻すということを今後も周知していく。

塚本委員

 患者の受入れ実態の状況は?⇒令和3年度は20,042件の紹介があり、急性期を終えて逆紹介したのが16,248件。

 紹介状を持たないで直接くる患者の状況は?⇒令和元年度は1,718件、令和2年度は1,207件。

 市民病院には、待ち時間の短縮と健全経営の課題がある。今後の取組は?⇒外来機能を明確にすることが待ち時間の短縮につながり、入院機能により注力できると考える。

原田委員

 直接くる患者は、どこが悪いか分からないので、総合内科を求めてくると思うが、受診相談を受ける看護師で判断できるのか?⇒総合内科があるので、医師と連携して適切な判断をしている。

 事情があって市民病院を受診しに来た患者について、一律に地域医療機関に案内するのか?⇒予約センターで紹介状をとれない患者でも予約はできる。

 内容によっては、選定療養費を取らないケースは?⇒救急車できた場合、土日に来られた方、交通事故、労災などは取らない。

 飛び込みで出産にかかる場合などは、予約センターでどう対応するのか?⇒当院でなければ対応が難しい場合は、当院で受け入れ、そうでない場合は、地域医療機関に案内している。

土屋委員

 選定療養費を取らないケースの見直しは、今回されたのか?⇒初診と再診で見直した。再診が考えにくいものを削除した。

※この議案は、土屋委員のみ反対しましたが、賛成多数で可決すべきものと決定しました

請願4第1号 高齢者のお出かけサポート事業の創設についての請願

 この請願は、次の事項について求めるものです。

(1)70歳以上を対象に、バス等の公共交通の無料パスの創設。

(2)交通不便地域の解消、デマンド交通(路線バスではなく利用者の要望で対応する公共交通)等の無料パスの創設。

※この請願は、土屋委員と原田委員が採択としましたが、採決の結果、不採択すべきものと決定しました。

報告(1)養護老人ホーム湘風園再整備基本構想について(報告)

 養護老人ホーム湘風園は、藤沢市、茅ヶ崎市、寒川町の2市1町で構成する湘南広域都市行政協議会で設立し、65歳以上で、環境上および経済的な理由により、自宅での生活が困難と判断される高齢者を措置として受け入れています。
 昭和47年に開設された本館の老朽化に伴い策定された、再整備基本構想が報告されたものです。

1. 基本情報

(1)施設概要

【所在地】寒川町大蔵800番地

【施設定員】95人(本館45人/新館50人)

(2)沿革

 管理運営を行うために、昭和45年当時の人口割合に基づき、藤沢市60%、茅ヶ崎市34%、寒川町6%の割合で出資し、社会福祉法人湘南広域社会福祉協会を設立して、施設管理及び事業運営を行っています。今後、再整備にあたっての費用負担の割合等については、改めて協議していきます。

(3)利用者の推移

 平成24年度から30年度までは概ね定員数(100人)を維持してきましたが、令和元年度と2年度の利用者数は90人程度となっています。

2. 再整備に関する基本方針

(1)基本的な考え方

 現在の敷地を活用し、老朽化が進む本館の建て替えを実施するとともに、平成9年度に整備した新館はそのまま活用し、本館建替え部分と一体として整備します。なお、再整備にあたっては、定員数を95人としたうえで、利用者の生活環境の向上のため、居室については全て個室化を行います。

(2)施設の機能等

 再整備後の施設機能は、既存施設と同様に養護老人ホームの運営を基本とし、付帯機能についても地域の交流スペースとしての活用や高齢者の生活に関する相談対応等を想定しています。

3. 運営に関する基本的な考え方

(1)運営に対する基本的な考え方

 社会福祉法人湘南広域社会福祉会が、これまでのノウハウを活かして運営します。

(2)施設経営健全化の推進

 ➀収入面での改善

 介護保険サービス利用者への対応強化、空床発生時の対策のための契約入所の実施、各種加算の取得。

 ➁支出面での改善

 職員配置や業務の効率化、施設運営に係る経費の削減。

4. 新施設の概要と規模

 再整備後は、既存施設と同様の規模・機能とし、新たに建て替える床面積は、本館部分の既存面積と同じ2,500㎡程度とします。詳細については、今後策定する基本設計等において協議し決定します。

5. 再整備事業費の想定

 再整備事業費は約15億円を見込んでいます(現時点での概算)。なお、2市1町の負担割合については、法人の自己資金、県補助金などを踏まえて、2市1町が法人と協議・調整をしていきます。

6. 今後のスケジュール

(1)令和5年度~6年度 基本設計・実施設計

(2)令和7年度~9年度 整備工事

(3)令和10年度 施設供用開始予定

塚本委員

 過去にはPFIも検討されていたが?⇒PFIも検討されてきたが、参入する事業者がなく、養護老人ホーム単体での再整備となった。

 特別養護老人ホームや高齢者施設が充実してきている中で、湘風園を必要とする理由は?⇒1人で自立できない、虐待などを受け入れを措置する施設として必要。

土屋委員

 ここでいう措置とは?⇒行政が公的責任を持って入所の措置をするもの。

 2016年度から、新たな入所者の推移は?⇒2016年度から2018年度は、12-13人、2019年度は6人、2020年度は9人。

 措置控えはあるのか?⇒本市では、入所の推移を見ても、適切に対応している。

原田委員

 経営健全化に向けて、介護保険サービス利用者への対応強化とあるが、どういうことか?⇒介護保険サービス利用者も対象となるので、積極的に対応していくもの。

 収入面の改善につながる理由は?⇒介護度に応じて収益が上がる。

 これまでの枠が拡大されたのか?⇒現在、要介護1が8人/2が9人/3が5人/4が4人入所している。30人まで受け入れていくので、積極的に増やしていくもの。

報告(2)令和4年度国民健康保険料の料率について

 令和4年度の国民健康保険料の料率について報告がされたものです。

(1)医療分

 ➀所得割 令和4年度 旧ただし書所得の5.95%/3年度 旧ただし書所得の5.73% =0.22%の増

 ➁均等割 令和4年度 24,240円/令和3年度 23,640円 =600円の増

 ➂平等割 令和4年度 16,560円/令和3年度 16,440円 =120円の増

 ➃賦課限度額 令和4年度 650,000円/令和3年度 630,000円 =20,000円の増

(2)後期高齢者支援金分

 ➀所得割 令和4年度 旧ただし書所得の2.53%/令和3年度 旧ただし書所得の2.49% =0.04%の増

 ➁均等割 令和4年度 9,960円/令和3年度 9,840円 =120円の増

 ➂平等割 令和4年度 6,840円/令和3年度 6,840円 =増減なし

 ➃賦課限度額 令和4年度 200,000円/令和3年度 190,000円 =10,000円の増

(3)介護分

 ➀所得割 令和4年度 旧ただし書所得の2.41%/令和3年度 旧ただし書所得の2.07% =0.34%の増

 ➁均等割 令和4年度 11,880円/令和3年度 10,320円 =1,560円の増

 ➂平等割 令和4年度 5,880円/令和3年度 5,040円 =840円の増

 ➃賦課限度額 令和4年度 170,000円/令和3年度 170,000円 =増減なし

(4)一人当たり保険料(平均値)

 令和4年度 110,037円/令和3年度 104,441円円 =5,596円の増(5.35%の増)

土屋委員

 職業別の状況は?⇒令和3年度末で、給与所得が33.9%、営業所得が11.8%、農業所得が0.2%、その他年金などが38.4%、収入なしが15.7%。

 社会保険から国保への加入状況は?⇒令和3年度は、延べ11,901人。

 令和3年度の旧ただし書き所得の状況は?⇒加入者平均97万833円で、世帯平均は145万4,040円。

 令和3年度の滞納状況は?⇒令和4年4月末で、滞納は、加入者の25.4%、13,896世帯。

 その他の保険の割合は?⇒後期高齢者医療保険12.9%、生活保護が1.3%、残りの67.2%が社会保険と思われる。

 法定外繰り入れの推移は?⇒令和元年度6億2,319万円/2年度8億1,069万円/3年度7億8,195万円/4年度7億7,867万円。

 法定外繰り入れを増やすべきだが?⇒保険料が大幅に増する場合は削減していない。

 国費の投入が必要と思うが?⇒全国知事会、市長会から国へ抜本的見直しが提言されている。県も引き続き働きかけていくとしている。

 1人1万円以上、保険料を引き下げるべきだが?⇒繰越金をあてることで保険料の水準を抑制してきた。引き続き、保険料率について適切な設定をしていく。

塚本委員

 階層別の保険料の増額は?⇒1,000円未満の増額は全体の1/3。3,000円未満までにすると全体の1/2を占めている。3万円以上増額となるのは1.7%。

原田委員

 県内保険料を統一することによる、国からの負担は示されているのか?⇒示されていないが、統一したところにはインセンティブを与える検討がされている。

報告(3)石名坂環境事業所整備基本構想の策定について(報告)

 令和3年12月の当委員会で中間報告がされて以降の検討結果を踏まえて、基本構想が策定されたので、その概要が報告されたものです。

1. 概算事業費の精査

(1)メーカーヒアリング調査により概算事業費

 中間報告では約214億円としていましたが、メーカーヒアリング等により精査した結果、198億円となりました。

(2)他自治体の事例による本事業費の試算

 他自治体の事例の実勢価格動向を踏まえると、本事業費は約194億円と想定され、本事業では既設管理棟の解体、ペット火葬棟新設工事も行うため、それらの費用を合わせると、試算事業費は約202億円となり、概算事業費198億円と近い金額であるため、概算事業費は妥当と判断します。

2. その他想定される費用

(1)外部搬出費

 本事業において、2炉同時停止期間に市外への外部搬出が見込まれるため、その搬出費用が別途発生します。

(2)汚染土壌対策費

 令和4年度から実施する調査により、本事業範囲に汚染土壌が確認された場合には、その対策費用が別途発生します。

3. 事業手法の検討

 事業手法について、公設公営方式、DBO方式、PFI方式を検討した結果、公設公営方式による分離発注が適合性が高い結果となりました。

4. 今後のスケジュール

(1)令和4年度~5年度 生活実態調査・土壌汚染状況調査

(2)令和4年度中旬~5年度 実施設計

(3)令和6年度中旬~10年度 整備事業

(4)令和11年度 供用開始

安藤委員

 整備するにあたり、環境面への取組の考えは?⇒タービンにより、高圧蒸気による発電量の増、温室効果ガスの削減が図られる。

 防災拠点となるので、施設で使用する電力の確保が必要だが?⇒ガス発電機を予定しており、施設内の電気をまかなう。

原田委員

 参入した事業者からも流動床炉を希望されたとのことだが、何社からか?⇒8社で、アンケート取ったが、全て流動床炉であった。

 ガス化溶融方式は現在使われていないのか?⇒そうではないが、藤沢市においては、過去に検討した結果、焼却としたもの。

土屋委員

 その他想定される費用について、同時停止期間と費用の想定は?⇒令和7年度に4か月程度の停止を想定、費用は4,100万円程度と想定している。

 石名坂温水プールへの余熱利用配管は再整備するのか?⇒しない。

塚本委員

 煙突の耐震化について、既存の高さを低くしても問題はないのか?⇒法的には問題ないが、現在の施設整備の際に住民要望により120mとしたので、現状の高さを維持していく。

※以上、報告とします。 


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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