2022.6.23 本会議(6日目)~一般質問

 6月23日 10:00より、藤沢市議会本会議(6日目)が開催され、引き続き一般質問が行われました。

※一般質問は、質問者と市側で答弁調整をしているため、質問・答弁のメモをとるのが難しいことから、これまでは、質問の抜粋のみを掲載していました。しかし、議長・副議長は議事運営をする立場なので、質問の要旨、答弁の原稿が手元にあることから、そこから抜粋・要約して掲載します。関心のある質疑については、インターネット中継録画、議事録等をご覧ください。

通告17番 平川議員

1. 教育行政について

(1)がん教育について

 学習指導要領が改訂され、授業の中で「がん教育」が実施されているが、現在、本市の公立学校における「がん教育」の現状は?⇒中学校では2年生の保健分野の学習内容である「生活習慣病などの予防」の中で、がんについて取り扱っている。また、小学校では保健領域の「病気の予防」の中で、発展的な学習として扱うことがある。昨年度は、神奈川県教育委員会主催の「外部講師を活用したがん教育研究授業」の実施校として、がん教育に取り組んだ中学校の事例がある。

 現在までに外部講師を活用した「がん教育」を実施した学校は何校あるのか?⇒平成29年度に中学校で1校、30年度は小学校で1校、令和3年度は先程の事例にある中学校1校。

 藤ヶ岡中学校での外部講師を活用した「がん教育」について、授業の内容、生徒や教員の感想などは?⇒内容は、病院の医師から、がんについての基礎的な知識を学んだり、元患者の方から話を聞いたりするもの。生徒からは「がんを悲観するのではなく、どうやって生きていくか、生きていくことの大切さを学ぶことができた」という感想があった。また、教員からは通常の授業だけでは得られない、命差の大切さを学ぶ、良い時間となったと聞いている。

 外部講師を活用した「がん教育」を実施するために学校はどのように依頼をしているのか?⇒学校が希望するがん教育の実施の目的に合わせて、科学的根拠に基づいた知識・理解をねらいとした場合は医療従事者が、健康や命の大切さをねらいとした場合は、がん患者等が外部講師として派遣されている。

 県から派遣されているとのことだが、外部講師を活用したがん教育の課題として、令和2年12月の一般質問の答弁では、内容が専門すぎて、児童生徒にとって難しいものにならないよう調整する必要があり、児童生徒が興味関心を持てる分かりやすい授業を実施するために、教員が外部講師と調整することの難しさや調整に要する時間の確保が課題とのことだった。先日懇談した、がん患者の団体では、外部講師を活用するがん教育のハンドブックを作成している。それを利用したり、市民病院や患者家族などの関係機関と連携することで、よりスムーズに外部講師によるがん教育ができると思うが?⇒ハンドブックの利用については、児童生徒の実態や学習のねらいに応じたがん教育を実施するには有効であると考える。また、教育委員会としては、学校が外部講師を活用したいときに、様々なニーズに応えられるよう、関係部局との連携についても検討していく。

 教職員への啓発の状況は?⇒これまでも、動画の研修資料等を、各学校の授業に活かすことができるように紹介するなど、教員の理解が深まるような工夫をしてきた。

 今後、市内の全学校でがん教育を実施するためには、校長にも啓発や情報提供が必要と考える。懇談したがん患者団体連合会の方も、校長会や教員対象の「がん教育」をする際は喜んで講師として伺いますと言っていた。まずは校長、教員を対象に外部講師による「がん教育」を実施し、外部講師活用の理解を深めていただき、全学校で実施することについて、教育委員会の考えは?⇒今後は、市内全校にがん教育のハンドブックを配布することや、がん教育の意義や効果的な実践事例を紹介するなど、学校の取組の支援に努めていく。

(2)院内学級、復学支援について

 現在、本市の公立学校に在籍していた児童生徒で他市の院内学級に在籍する児童生徒の人数と、退院して地元校に復学後自宅療養をしている児童生徒数は?⇒入院治療をのため転学をして院内学級で指導を受けている児童生徒の人数は、5月末現在で6名。また、令和3年4月から令和4年5月末まで、退院後院内学級から復学した児童生徒は、4名いるが、現在自宅療養をしている児童生徒は、いないことを確認している。

 現在、院内学級で指導を受けている児童生徒が6名とのことだが、入院中の児童生徒と地元校が繋がりを保つために、行っていることはあるか?⇒院内学級に在籍している児童生徒に対する取組は、教職員による見舞いや電話連絡、保護者に学校・学年だよりを届け、クラスの様子や学校の様子が分かるようにするなど、保護者と信頼関係のもと、地元校と在籍校が連携し、一人ひとりの状況に合わせて繋がりを保つための取組みをしている。

 復学支援について、スムーズな復学につなげるために教育委員会や学校の取組は?⇒事例の一つとして、院内学級から復学の連絡を受けた学校が、病院や家庭とオンラインでつながり、本人と保護者の気持ちや教育的ニーズ等を聞き取り、子どもの学校復帰後、安心して生活できるよう、検討をしたケースがある。院内学級から復学する際は、退院直後である児童生徒の体調面を十分に考慮し、無理なく安全に学校で過ごせるよう、必要な活動場面で介助員を配置するなどしている。また、心理面に配慮し、不安なく復学できるよう、本人や保護者の意向を丁寧に確認して、受け入れる学級の児童生徒にどのように伝えるかなどについて、教職員間で検討し、受け入れ体制を整えて支援している。

 児童生徒の復学後の支援について、教育的な支援に対応できる人材が教員以外にも必要だと考える。学校への人的な支援及びその確保についての考えは?⇒児童生徒が学校生活の中で介助や特別な教育的支援を必要とする場合、介助員をはじめ学生ボランティアなどにも協力いただき、教育活動の支援をしている。教育委員会としては、広報やホームページ等を活用して、更なる人材確保に努めている。ほかにも県の事業として、特別支援教育の推進に係る非常勤講師が派遣されている。

 実際に復学されて学習支援を受けている方から、介助員が少ないと聞いている。病後児や様々な理由で学習支援が必要な児童生徒がいるが、介助員やボランティアは十分配置されているのか?⇒児童生徒の教育的ニーズに応じた支援・指導ができるよう、介助員や学習指導員、ボランティア等を配置し、学校においては校内支援担当教諭等を中心として学校全体で組織的な支援体制で対応している。今後も、教職員がより効果的な支援ができるよう、特別支援学校の地域支援担当とも連携を図るなど、組織的な対応力の向上に努めていく。

通告18番 谷津議員

1. 選択する権利について

(1)HPVワクチン勧奨について

 HPVワクチン接種について、国の取扱いの経緯と積極的勧奨についての具体的内容は?⇒平成25年3月の予防接種法の改正により、同年4月から、国はHPVワクチンを定期接種の対象としたが、当時このワクチン接種との因果関係が否定できない持続的な疼痛などの症状がみられた。国は同年6月から、これらの症状について適切な情報提供ができるまでの間、積極的に勧奨すべきでないとした。その後、令和3年11月12日に開催された厚生労働省の専門家会議において、安全性について特段の懸念が認められないことが改めて確認され、接種による有効性が副反応のリスクをはるかに上回ると認められたこと、また、HPVワクチンの安全性の評価や情報提供を充実させていくことなどを確認し、令和3年11月26日の通知を持って、積極的勧奨を再開することとしたもの。なお、HPVワクチン接種は、予防接種法のA類の定期接種に分類され、法律上、市町村が接種対象者やその保護者に対し、接種を受けるよう、勧奨しなければならないものとされている。積極的勧奨については、国の資料において、「市町村が接種対象者やその保護者に対して、標準的な接種期間の前に接種を促すハガキや予診票等を各家庭に送ること等により接種を勧める取り組み」と示されている。

 ワクチンの有効性が高まったと強調されている印象を受けるが、ワクチンの成分が変更されたのか?⇒ワクチンの薬事承認は国の所管であり、成分等に関して自治体レベルで詳細を把握しているものではないが、成分の変更はないものと聞いている。

 なぜ、HPVワクチンだけ、ここ数年の間に何度も個別勧奨をするのでしょうか?対象者に1回の案内で十分ではないか?⇒HPVワクチンについては、積極的勧奨の差し控えが続いている中で、令和2年10月に、国より対象者や保護者に対し、情報提供を実施する旨が通知されたことを受け、本市では令和2年度と3年度に1回ずつ情報提供をしてきた。また、令和3年11月に国により積極的勧奨を再開するとの方針変更がされたことを受けて、本年5月にも情報提供をした。それぞれのタイミングで、適切に条例する必要があることから、市の通知文だけでなく国の作成したリーフレットもあわせ、封書による通知をしている。

 令和3年11月26日付の厚生労働省による通知によって示されている標準的な対象者について、具体的には?⇒この通知の中で、個別勧奨を進めるにあたって、13歳を標準的な接種期間にあたる女子とし、これまで個別勧奨を受けていない、14歳から16歳になる女子についても必要に応じて配慮すること、また、これまで個別勧奨を受けていない定期接種対象者、こちらは、予防接種法施行令に謳われている、12歳から16歳の女子となるが、こちらも年齢が高い順に、できるだけ早期に個別勧奨を進めることが示されている。

 本市では、本年5月にHPVワクチンの個別勧奨ををしたが、その対象と人数は?⇒12歳から16歳の女子、約10,000人に個別通知を送付した。

 国による救済制度について、申請数、認定数及び認定率の状況と本市の状況は?⇒令和3年3月末までの時点で、予防接種法に基づく救済の対象者は、審査した57人中30人で、認定されている割合は52.6%。また、PMDA法に基づく救済の対象者は、審査した526人中317人で、認定されている割合は60.2%。本市の状況は、予防接種法に基づく救済の対象者はいない。また、PMDA法に基づく救済に関しては、任意接種を対象としており、市では把握できていない状況。

 HPVワクチンの接種後の副反応疑い報告を確実に把握することが重要だが、どのような仕組みで行っていくか?⇒定期予防接種の副反応報告は、接種をした医師から国へ報告し、国から都道府県、更には予防接種を実施した市区町村へ情報提供がされる。また、副反応疑い報告は予防接種を行った医師以外で相談や診療を行った医師も行うものとされている。なお、接種後に発生した健康被害に関する相談が本市にあれば、本市は、当該健康被害を診断した医師等に対し、副反応疑い報告書の提出を促し、医師等が報告基準に該当しないと判断し、報告しない場合には、その理由を添えて県を通じて国に報告をしている。

 市内で、副反応の診断、治療ができる医療機関はあるか?⇒ワクチン接種後に気になる症状が出た場合には、まずは接種を受けた医師やかかりつけ医など、地域の医療機関を受診し、当該医療機関は、その症状に応じた診断や治療をする。当該医療機関で診察できる範囲を超えている場合、または高度な治療等が必要と判断した場合には、協力医療機関ら紹介する流れになっている。神奈川県では、6つの大学病院が協力医療機関として選定されている。

 本市のホームページで地域の協力医療機関を探すと、ペインクリニック、麻酔科が主なものとして掲載されているが、対症療法だけでなく、根本的な治療方法が進み、治療体制が整ったということか?⇒協力医療機関の窓口は、特定の診療科となっているが、ワクチン接種による副反応は、患者により様々であるため、複数の診療科を備え、緊密な連携や高度な診療が可能な医療機関が選定されていると考えている。

 キャッチアップ接種について、接種年齢が高くなることで、ワクチンの有効性はどうなるのか?また、どういう観点から接種を実施しているのか?⇒国のキャッチアップ接種の対象者に向けたリーフレットには、HPVワクチンが子宮病変を予防する有効性は、概ね16歳以下の接種で最も高いものの、20歳頃までの初回接種までは、ある程度の有効性が保たれることや、性交経験がない場合は、それ以上の年齢についても、一定程度の有効性が示されている旨が記載されている。キャッチアップ接種については、積極的勧奨を控えていた時期に、公費による接種の機会を逃してしまった世代の方々に、公平な接種機会を確保する観点から実施している。

 キャッチアップ接種について、対象者が接種するか否かをしっかり選択できるように情報提供をすべきと考えるが、どう周知していくのか?⇒対象となる平成9年度から17年度生まれの女性、約19,000人を対象に、7月中旬を目途に個別通知を予定してる。個別通知には、定期接種の方と同様に、市からの通知分だけでなく、厚労省が作成したリーフレットを同封し、丁寧でわかりやすい周知に努めていく。

 平成25年6月に、積極的勧奨を中断した後、本市で実施した「健康被害のアンケート」について、以前は公表していたとの事だが、公表していた時期は?⇒平成26年から28年度末まで、アンケート結果をホームページに掲示していた。

 他市では、掲示を継続している例もあるが、このアンケート結果を公表しなくなった理由は?⇒アンケート結果は、HPVワクチンを接種した方の、その後の状況をまとめたもの。ホームページへの掲示については、当時、掲示から一定の時間が経過したことから、掲示を終了したもの。しかし、対象者や保護者の方々が接種について、判断するための参考として、当時のアンケート結果についても、再掲示していきたいと考えている。

 本市は他市の対応とは異なり、国の通知で求められるよりも対象者を広げ、回数も多く個別通知を行っているが、副反応についての情報は十分ではなく、バランスが悪い。公務員は、公権力を持つため、憲法にも規定されている。憲法に照らして、主権者である市民の知る権利について、地方自治の義務をどう考えているのか?⇒本市におけるHPVワクチン接種の通知は、予防接種法施行令に定められた対象者に対し、必要な時期を捉えて適切に行っている。また、今回のHPVワクチンの情報提供については、国による取り扱いの見直しに沿って、市の通知分だけでなく、子宮頸がんの説明や発生頻度、ワクチンの効果とリスクについても記載されている、国のリーフレットを併せて送っている。なお、ホームページでも丁寧でわかりやすい周知に努めている。いずれにしても、対象者や保護者の方々が、接種について十分検討していただけるよう、情報提供に努めていきたい。

通告19番 神村議員

1. 暮らしを支える社会基盤の構築について

(1)家庭裁判所の誘致について

(2)養育費の確保に対する補助事業について

(3)アフターコロナの地域活動について

※神村議員は、発熱により本日欠席されました。

通告20番 西議員

1. 保育行政について

(1)公立保育園の完全給食の実施について

 法人立保育園において、3~5歳児の完全給食の実施状況は?⇒保育所で主食と副食の両方を提供する完全給食について、令和2年度に市内の法人立認可保育所に調査をしたところ、回答のあった施設の全てで、副食に加え、主食の提供を行っている状況だった。

 3~5歳児の完全給食については、どのように考えているのか?⇒主食の提供についての考え方については、まずは、何よりも保護者の負担軽減が図られることが大きなメリットと考えている。また、主食を持参する場合には昼食時間までに衛生面を考慮した保管を要するが、主食を時間に合わせて提供することにより衛生面の向上や温かい主食の提供ができることなどもメリットと考えている。一方で、主食を持参する場合には、保護者が、子どもの発育状況等に応じて、主食の量や種類など、きめ細かな対応が可能となりますが、主食を提供する場合には、こうした対応が難しいことなどが、考えられる。

 公立保育園での完全給食の実施について、検討しているか?⇒公立保育園での主食の提供については、保護者から主食提供を求めるご意見を多数いただいている状況を踏まえ、提供を行う場合の課題について検討を進めているところ。具体的な検討に当たっては、調理器具などの設備の増設や食器等を置くスペースの確保、また、調理や配膳に係る人員体制の整備等について課題として捉えている。

 公立保育園で完全給食の実施を行うべきだが?⇒公立保育園での主食の提供については、法人立保育所での実施状況や、提供による保護者の負担軽減、また、衛生面の向上等のメリットがある一方で、前述の課題もあることから、対応策や手法などの検証を進める中で、実施の可能性について検討していく。

(2)コロナ禍の対応について

 緊急事態宣言期間及びまん延防止等重点措置期間において、保育所に通う乳幼児および保育士等の勤務者の陽性者数の状況は?⇒令和2年4月から5月にかけての緊急事態宣言期間においては、園児・職員の感染者は見られなかった。次に、令和3年1月から3月にかけての緊急事態宣言期間における感染者数は、園児が5人、職員が6人、同年5月から6月にかけてのまん延防止等重点措置期間は、園児が6人、職員が7人、同年7月のまん延防止等重点措置期間は、園児が4人、職員が17人、同年8月から9月にかけての緊急事態宣言期間は、園児が88人、職員が48人、また、令和4年1月から3月にかけてのまん延防止等重点措置期間は、園児が780人、職員が279人となっている。

 緊急事態宣言期間及びまん延防止等重点措置期間において、登園自粛要請の実施の有無は?また、0~2歳児の保育料の減額(還付)は行ったのか?⇒令和2年4月の緊急事態宣言発令時においては、国から人と人との接触機会を8割程度削減すべきとの見解が示され、外出の自粛が要請されたことを
踏まえまして、登園自粛要請を行い、登園を控えた日数に応じて保育料の減額を行った。その後の緊急事態宣言発令時においては、社会経済活動を幅広く止めるのではなく、飲食など感染リスクが高いとされる場面を中心に対策を実施し、保育所については通常どおり開所することとされたことから、登園自粛要請していないが、保護者に対しては、可能な範囲で保育時間の短縮等の協力要請を行っており、この対応の中で、自主的に登園を見合わせた場合については保育料の減額を行っている。また、まん延防止等重点措置期間においては、登園自粛要請は行わず、保育料については、施設が休園になった場合や、園児が感染又は濃厚接触者となり登園ができなかった場合を除き、減額は行っていない。

 自治体により、まん延防止等重点措置期間に登園自粛要請をしたところ、保育料の減額(還付)をしたころがあり、自治体の判断が分かれている。本市はどのような考えにより、決定したのか?⇒当該期間については、社会経済活動を維持するために、保育所については、感染防止対策を徹底した上で原則開所することが国から要請されたと。本市では、この要請の趣旨を前提に、保護者の就労等を支え、保育を必要とする園児にしっかりと保育を提供する観点から、登園自粛要請や保育時間短縮の協力要請はしないこととし、自主的に登園を控えた場合の保育料についても減額はしないことにした。この対応については、まん延防止等重点措置期間に流行したオミクロン株の特徴を前提として、保育所に対して抗原検査キットの配付を行うなど、感染防止対策の支援を行うこととあわせて、対応することとしたもの。

 長期欠席した際の退園の基準は?また、緊急事態宣言発令時やまん延防止等重点措置期間等のコロナ禍での取扱いの特例などはあるか?⇒退園の基準については、原則として、対象児童が連続して2か月以上利用がない場合としている。コロナ禍での運用では、施設内で陽性者が発生し、休園となった期間や緊急事態宣言の発令に伴い、登園自粛要請を行った期間については、この期間の算定に含めないこととしている。また、まん延防止等重点措置期間については、現状、本市では、登園自粛要請を行うことは想定していないため、対象者の状況に応じて個別に判断している。

 退園の基準を明確化して、示すべきだが?⇒長期欠席時の退園の基準は、おおよその目安として定めたものであり、一律に2か月を経過した時点で退園とするものではなく、長期欠席となるご事情を聞く中で、個別に対応を検討することとしており、コロナ禍の運用についても、こうした取扱いの中で対応したもの。

 個別の事情を汲んでいるとは思えない事例を聞いている。まん延防止等重点措置期間に登園自粛要請をしてこなかった本市においては、長期欠席の対応を柔軟にすべきだと考えるが?⇒長期欠席時の退園の取扱いについては、限りある保育所の定員枠を有効に活用する観点から、一定の基準を設ける中で運用を行っており、この取扱いにより、特段の理由がなく、長期欠席となる利用者の抑制につながっているものと考えている。一方、怪我や疾病による長期療養や里帰り出産などにより、2か月以上の欠席が必要と考えられる場合には、個々のご事情を聞いたうえで、柔軟に対応することとしている。コロナ禍における取扱いは、現状では、オミクロン株の特徴を踏まえ、長期欠席の理由が感染防止を目的とするのみの場合には、退園基準のカウントの対象外とはしていない。しかし、この取扱いは個々の事情に応じた判断となることから、あらためて基準の取扱いについて再確認するとともに、わかりやすい説明に努めていく。

通告21番 原田議員

1. 地域包括ケアシステム「藤沢型」の未来デザインへ

(1)現状の課題について

 藤沢型地域包括ケアシステム推進会議におけるテーマ別の部会「複合的な困りごとへの支援」での意見交換によって把握された課題は?⇒「課題が複雑化・複合化しているために、相談先に迷う」「長期化・深刻化しないよう、様々な関係機関や関係部門が構成するチームで対応することが必要である」等の意見の他、「個別の対応にあたっては、様々な課題を整理し調整役を担う、キーとなる機関や部門が必要ではないか」との意見も出ている。

 「誰が支援者間のキーになっていくのか、だれが支援のイニシアティブをとるのか」という意見に対する市の考えは?⇒個別の相談支援においては、相談者との関わりや課題解決に向けた緊急度、優先順位によって、主体的にかかわる機関や部門が複数にまたがることになる。こうした中で、イニシアティブをとるべき役割は、重要であると認識しており、また、その役割を担う機関や部門等については、事案により異なると考えている。

 部会の中で、「法や制度に基づく業務を行う中でも、話を聞くことは全ての職員ができるのではないか」との意見があったが、どう受け止めているか?⇒行政における相談窓口は、法や制度に基づき設置されており、それぞれが提供するサービスやその案内も、基本的には制度に沿ったもの。しかし、相談者が複合的な悩みや困りごとを抱えている場合、相談を受けた部門が単独で解決まで担うことはできないまでも、しっかりと受け止め、必要な部門に的確につないでいくことが重要であり、このことは、相談を担うそれぞれの部門等が、共通して認識する必要があると考えている。

 そうなっていないのは何故だと考えるか?⇒庁内の各部門においては、まず、担当する制度の確実な運用や適切なサービスの提供を重視しており、また、他部門の制度に関して、不確実な情報を提供することが、相談者の不利益につながるという意識が、少なからず存在すると考えている。しかし、最近では、庁内の連携が進むにつれ、所管する制度以外の相談内容であっても、丁寧に受け止めるという意識の改革が、徐々ではあるが進んでいると捉えている。

 部会での意見「どこが相談を受け、受けた先でチームを組めるのか、そこがないと時間が経過して、課題も深刻化する。」といった事例が増えていないか?⇒相談者の状況やその感情により、支援者との関係性の構築に時間がかかる事案があること、もしくは、相談者が希望する支援に必ずしも十分に応えられない場合もあるなどの理由から、支援チームの構成が円滑に進まない事例があることも課題として認識している。

 過去の事例において、まさにそのような状態になっていないか?⇒地域の支援関係機関の協力をいただきつつも、行政を含めた支援者間において、あるいは、支援者と相談者の間において、支援の方向性についての合意が得られないなどの結果として、相談者や支援関係機関の方に対し、迷惑をかけている事案があることは承知している。

 その事案に、なぜCSWは関わらないのか?⇒この事案については、これまで主体的に関わっている部門が関係性の構築に向け、丁寧に対応しながらコミュニティソーシャルワーカーが関わる適切なタイミングを計っていた。今後は、相談者と支援関係機関との関係性の再構築を検討していく中で、CSWにも支援の輪に入っていただきながら、相談者に寄り添った支援体制を構築していく。

 市のケースワーカーとCSWの関わりの姿勢の違いは何か?⇒市では、様々な部門で相談支援を担う担当者を一般的にケースワーカーと位置づけ、その部門が担う専門性に基づき相談支援を展開している。一方、CSWは、世代・分野などの対象を限定せず、また相談者に身近な地域を基盤として、時には地域や隣・近所の方の協力を得ながら、幅広く相談対応している。いずれの相談員も、適切な関係機関等と連携し、相談者のニーズに向き合いながら、自立に向けた支援を展開している。

 先の事例において、誰が主導すべきか?⇒例えば、支援が必要となる方が複数存在する世帯支援という視点からは、特定の専門性を持った部門が、単一で、それぞれ関わることは難しいと考えている。従って、複数の機関や部門等が、個々の世帯員との関わりを深め、支援の方向性に関する共通認識を持ち、世帯の特徴を把握したうえで、そのケースに応じて適切な機関や部門等が主導するべきものと考えている。

 CSWの活動の集約、見える化の必要性について、どう考えているか?⇒CSWの活動は、決して一人では成し得ないものであり、様々な支援機関はもとより、地域の活動団体や、場合によっては、住民の皆様にも協力いただくことで成り立つものと考えている。従って、CSWのがどのような支援を行い、どのような場合に地域の皆様と連携・協働させていただくかについて、幅広く知っていただくことが、今後の支援の展開においては、大変重要であると考えている。

 ポストコロナ禍において、課題が複合化するじあんが増加する中、課題の複合化をどう「見える化」させるのか?⇒コロナ禍において、福祉部門に寄せられた相談は、経済的な支援に関するものが中心だったが、今後は、これまで以上にその背景にも確実に目を向けるとともに、相談者が求めるニーズ把握に努めていくことで、潜在化する課題を「顕在化」させ、具体的な支援につなげていきたいと考えている。

 複合的困難事例への対応について、統一した意識化をどう図っていくべきか?⇒課題が複合化し、対応が困難な事案に対しては、一つの部門が抱えることなく、様々な機関が重層的に関わることで、複数の視点が生まれ、課題解決に向けた方向性が明確になってくると考えている。そのために多機関協働という視点で支援のプラットフォームを体系化し、それぞれの機関等が支援の方向性について共通認識を持つとともに、それぞれの役割を確認する場として、重層的支援会議を設置し複合的な課題の解決に向けた検討を開始したところ。

 重層的支援会議とは何か?⇒重層的支援会議は、地域共生社会の実現に向けた包括的支援体制づくりを具体的に進めるために、令和3年4月施行の改正社会福祉法に規定された「重層的支援体制整備事業」における基幹的な役割を担う会議体。本市では、生活・困窮者支援を中心に自立支援に取り組んでいる「バックアップふじさわ」が、この会議の運営を主導し、高齢、障がい、子ども、困窮の、各分野にまたがる複合的な事案に対して、それぞれの分野における支援機関が担うべき役割を整理し、円滑な支援に向けた調整をしている。

 藤沢市社会福祉協議会へ委託する「生活支援型」訪問サービスの内容は?⇒生活支援型ホームヘルパー派遣事業は、市内において日常生活を営むことに支障のある高齢者がいる世帯に対し、ホームヘルパーを派遣し、適切な家事等の日常生活に関する援助を行う事業。対象者は、原則として、藤沢市民のうち介護保険の認定を受けた方、並びに非該当となった方のうち、日常生活を営むのに支障のある、65歳以上の方だが、その他、市長が、特に派遣対象者として認める場合にも、派遣を可能としている。

 共生型、オールラウンドに使える制度の運用が、なぜ徹底されていないのか?⇒生活支援型ホームヘルパー派遣事業は、原則的には高齢者を対象としたサービスだが、対象者を幅広く捉えて活用できることを、支援者が十分に認識していないことが課題と考えている。しかし、今後、支援ニーズが多様化していく中では、大変有効なサービスであり、委託先の藤沢市社会福祉協議会とも協議を行い、周知を含めて、これまで以上に柔軟に対応できるよう取り組んでいく。

 介護と虐待の混在。一刻も早い介入支援が求められると考えるが、様々な要素が重なり、チーム支援としての動き出しに時間がかかってしまうこととについて、市の考えは?⇒高齢者に対する虐待の事案においては、その原因の一つに、家族などの介護者が、その介護負担や対応が極限に達したために、虐待という望まない結果に至ってしまうことを、大変痛ましい現実として認識するとともに、早期の介入や、従前からの世帯全体を対象とする支援が、虐待防止の観点からも大変重要であると捉えている。また、養護者支援の観点からも、早い段階から様々な部門が支援にかかわっていくことが、課題の深刻化を防ぎ、スムーズな世帯支援が可能になると考えている。

 民間事業者がサービスの範囲を超えて、抱え込んでいることについて、どう考えているか?⇒民間の介護サービス事業者においては、利用者やその
家族からの支援ニーズが、時には、通常のサービスの範囲を超えているにもかかわらず、安定した生活を守りたいという強い思いから、大きな負担を抱えながらも対応してくれていると認識している。課題の複雑化・複合化が進むにつれ、実際の支援現場でそのような対応が行われている現状にあっては、様々な機関が、それぞれの役割と可能な支援を展開するとともに、重なり、時には補完しあう連携・協働の関係性が、普段から構築されていることが重要であると考えている。一つの支援機関が抱え込んでしまうことがなくなるよう、専門機関による多機関協働に基づく支援と、地域の民間事業者による支援を、より一層、連携・協働させることにより、引き続き、地域における共生社会を推進していきたい。

(2)これからの藤沢型について

 川崎市や他自治体での小地域における生活支援体制整備事業などを例として、本市においても行政と民間事業者が、それぞれの立場から可能な支援を重ねていくような取組が必要と考えるが?⇒川崎市他の取組については、より小さい地域単位で、概ね小学校区の範囲で、介護サービス事業所に生活支援コーディネーターを配置し、個別支援と地域支援を有機的につなぎ合わせることを目的とする事業であると捉えている。本市においては、地域共生社会の実現に向けた藤沢型地域包括ケアシステムを推進する中で、13地区を拠点として「相談支援機関」や「地域活動団体」が連携することで、課題解決に向けた取組を進めている。今後も、川崎市他のような小地域での取組を参考としながらも、行政を含め支援機関と民間の事業所が、必要に応じてそれぞれの活動を補完しあえるような体制づくりを、さらに強化していきたいと考えている。いずれにしても、行政において分野横断的な連携を進めるとともに、そのうえで、行政と多様な主体が協働することにより、様々な機関が重なりながら支援を行う多機関協働体制及び地域生活課題の解決に向けた包括的な相談支援体制の整備に、積極的に取り組んでいきます。

通告22番 桜井議員

1. 教育行政について

(1)校長会について

 市立学校における校長会については、かねてから会議を公開するよう求めているが、現在の検討状況は?⇒校長会の会議を公開することにいては、校長会とは、どのような集まりなのか、また、どのようなことを取り扱っているのかということを市のホームページで紹介することについて校長会と調整をしてきた。その結果、今年4月から教育総務課内のホームページに校長会のページを作成し、「校長会の位置付け」や「会議の概要」などを掲載し始めたところ。

 会議公開の原則に従い、校長会の会議を公開すべきと考えるが、教育委員会の考えは?⇒校長会の議題等の内容については、情報共有や情報交換といった公開できる内容と児童生徒個人の事例や教員の人事管理など公開できない内容がある。実際の会議では、公開できない情報が数多くあること
から校長会の会議を公開することにはなじまないものと認識している。

 校長会は、意思決定の場なのか、情報共有の場なのか?⇒学校運営は、各学校長の判断により行われるもの。しかし、学校運営の諸課題については、市内一律に対応することが必要なケースや学校ごとの実態に合わせて対応が必要なケースなど対応が異なる。そのため、校長会の会議は、学校長が様々な諸課題に対処する方法を判断するために他校の状況や考え方を聞くための情報共有の場であると認識している。

2. 藤沢駅周辺地区再整備について

(1)サンパール広場の諸課題について

 広場条例の目的は?⇒藤沢市藤沢駅前広場条例については、本条例第1条に規定しているとおり、「本市の都心部であり、藤沢・湘南の玄関口でもある藤沢駅街区を、市民等の憩い、賑わい、交流の場とすることにより、藤沢駅周辺及び本市の魅力を発信し、もって本市の付加価値を高める」ことを目的に設置したもの。

 橋上部を含めた広場利用者の優先順位は?⇒サンパール広場については、本条例第3条に規定するとおり、「広く一般に開放するもの」としている。一方、同第5条において、「広場の一部を独占して使用する者は、あらかじめ指定管理者の許可を受けなければならない」と規定している。また、橋上部についても、サンパール広場と同様に広く一般に開放している通路となる。こうしたことから、橋上部を含めた藤沢駅北口駅前広場の利用については、優先順位という概念はないが、利用者の相互理解のもと、広場の利用をしていただきたいと考えている。

 先日、橋上部利用者と広場利用者との間でトラブルがあったと聞いたが、トラブルがあった場合はどのような対応を図るのか?⇒橋上部を含む藤沢駅北口駅前広場については、昭和63年にJR東日本と本市で締結した「藤沢駅北口駅前広場の管理運営に関する協定書」に基づき管理運営をしており、橋上部については、土地所有者であるJR東日本が占用及び使用の許可を行っている。また、不法使用の監視などは本市が行うこととなっているが、具体的な内容を定めた規定がなかったため、現在、実施細目について協議を進めているところ。今後、トラブル等が発生した場合には、この実施細目により本市が対応することになる。

 そういったトラブルの場合は、お互いに納得すれば良いが、解決が図られない場合はどのように対応するのか?明確な根拠を示しながら説明する必要があると思うが?⇒サンパール広場も橋上部も、誰もが自由に通行し、利用できる場なので、広場利用者と橋上部利用者が互いに配慮しあって利用していただくことが、望ましい姿と考えている。解決が図られない場合の対応は、「藤沢駅北口駅前広場の管理運営に関する協定書」に基づき、藤沢市が仲裁していく。その根拠となる実施細目について、現在、JR東日本と協議を進めており、禁止事項として、「管理上又は通行上支障を及ぼすおそれがある行為」や「他人に迷惑を及ぼすおそれがある行為」などを考えている。

 現在の橋上部に貼ってある張り紙は市民の理解を得られているのか?⇒現在の張り紙には、「このエリアでの壁や手すりに横断幕・ポスターの掲出や大音量のマイクを使用するなどの活動は、ほかの皆様の迷惑となりますのでご遠慮ください。」と記載している。橋上部は、道路法及び道路交通法の規制の対象ではない状況なので、この内容以上の記載は難しく、現状ではやむを得ないものと考えている。

 現在のJR東日本と道路管理者との協議状況は?⇒サンパール広場と橋上部が一体となった円滑な管理運営を図るため、藤沢市藤沢駅前広場条例のエリア拡大について、JR東日本と協議を進めている。具体的には、橋上部を本市が自由に活用できるようにした上で、同広場条例で維持管理運営ができるよう、協議を進めている。なお、広場条例の区域を変更するまでには、相当期間、時間を要することから、それまでの期間については、先ほど答弁したとおり、橋上部の管理協定に基づく実施細目により対応できるよう協議を進めている。

 誰かが利用者間のコーディネートをやる必要があるのではないか?⇒先ほども答弁したとおり、利用者間のトラブルに関しては、協定書に基づき、本市がコーディネートするものと考えている。

 広場利用者の理解が得られるような仕組み作りはできないか?⇒現在、サンパール広場内に指定管理者による広場利用に関する案内板設置の検討を進めている。この案内板には、有料エリア内外の区分図及び区分の管理者を明示するとともに、一般社団法人藤沢駅周辺地区エリアマネジメントによる指定管理であることを、まずは広場利用者に広く周知していく。また、藤沢駅前広場条例の認知度を向上させるため、条例の周知活動についても、広場利用者に利用の手引きの配布や、SNSを活用したPRなどを積極的に推進することで、広場利用者の理解が得られるような取組みを市と指定管理者により進めていきたいと考えている。

 新たに案内板を設置するとのことだが、広場内だけではなく橋上部にも設置するべきだが?⇒指摘のとおり、広場利用者と橋上部利用者の相互理解を深めるためには、橋上部に案内板を設置することも、有効な手段の一つであると考える。橋上部への案内板の設置には、JR東日本の占用許可が必要となるので、指定管理者と連携して、案内板の設置に向けて、市がJR東日本との協議を進めていく。

 昨年の12月定例会の一般質問において、器物破損などについては毅然とした対応を図っていくとの答弁だったが、その後も同じような事例が見られる。その後の対応は?⇒サンパール広場における施設の破損や汚損などの対応策については、警察及び指定管理者へパトロールの強化を依頼するとともに、本市においてもパトロールをすることで、再発防止に努めている。また、藤沢市きれいで住みよい環境づくり条例に基づく巡回パトロールの依頼も併せて行っているところ。さらに、その他の対応策として、広場に設置している防犯カメラを活用することで、原因の特定を図ることを検討してきた。しかし、本市で設置している防犯カメラでは、防犯上の視点から、広場内の歩行者を対象としており、破損等の原因を特定するに至らなかった。従って、原因の特定ができるよう新たな防犯カメラの設置に向けて、指定管理者と協議を進めている。

※以上、報告とします。


おおや徹

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