9月15日 10:00より、藤沢市議会9月定例会(3日目)が開催され、各常任委員会の報告後、議案に対する討論・採決が行われ、一般質問に入りました。内容の抜粋は次の通りです。
【建設経済常任委員会(9/6開催)に付託された議案】
議案第25号 市道の認定について(六会913号線ほか1路線)
議案第26号 市道の廃止について(本藤沢1274-5号線ほか2路線)
議案第34号 藤沢市自転車等駐車場条例の一部改正について
※上記3議案は、全会一致で可決されました。
【厚生環境常任委員会(9/7開催)に付託された議案】
議案第35号 藤沢市公衆浴場法施行条例の一部改正について
※この議案は、全会一致で可決されました。
【総務常任委員会(9/9開催)に付託された議案】
議案第28号 藤沢市職員の勤務時間等に関する条例の一部改正について
議案第29号 藤沢市職員の育児休業等に関する条例の一部改正について
議案第32号 藤沢市市税条例の一部改正について
議案第33号 藤沢市手数料条例の一部改正について
※上記4議案は、全会一致で可決されました。
【補正予算常任委員会(9/12開催)に付託された議案】
議案第37号 令和4年度藤沢市一般会計補正予算(第6号)
議案第38号 令和4年度藤沢市国民健康保険事業費特別会計補正予算(第1号)
※上記2議案は、共産党が反対しましたが、賛成多数で可決されました。
【ここから一般質問】
※一般質問は、質問者と市側で答弁調整をしているため、質問・答弁のメモをとるのが難しいことから、これまでは、質問の抜粋のみを掲載していました。しかし、議長・副議長は議事運営をする立場なので、質問の要旨、答弁の原稿が手元にあることから、そこから抜粋・要約して掲載します。関心のある質疑については、インターネット中継録画、議事録等をご覧ください。
通告1番 竹村議員
1. 教育政策について
(1)「先生がいない!」Part2 崩壊する学校教育の現状と対策について
欠員と未配置の定義と、藤沢市の公立小・中学校における令和4年度4月から7月の教員の欠員・未配置の状況は?⇒欠員の定義は、定数に対して正規の教員を配置できない枠を「欠員」と呼んでいる。通常「欠員」の枠には常勤の臨時的任用教員や、非常勤講師を配置し、教員定数を満たすが、人材が確保できず配置できていない枠を「未配置」と呼んでいる。また、産・育休や療養休暇、休職の代替の教員を配置できない場合も「未配置」と呼んでいる。次に、今年度4月から7月の欠員・未配置の状況は、欠員については小学校が86名、中学校が75名から76名、未配置については、小学校が2名から5名、中学校が1名から3名となっている。
教科担任がいない場合は、どうするのか?⇒中学校においては、代替者が充てられない教科の授業は、県に免許教科外教科の教授担任許可申請をしたうえで、他の教科の教員が行うことがある。今年度は、4校で計5名が許可を受け、免許教科外教科の授業を行っており、該当教科は、国語1名、家庭2名、技術2名となっている。
なぜ、このような教員の「欠員・未配置」が生まれたのか?⇒年度当初の教員配置については、学級数の変動等に伴う教員定数の増減への対応や県の採用計画の関係により、一定数の欠員が生じた場合、臨時的任用教員を配置することになっている。しかし、この臨時的任用教員や、非常勤講師が不足しているために、教員の未配置が生じることと認識している。今年1月に文部科学省が発表した、「教師不足」に関する実態調査の結果によると、産休・育休取得者数の増加、特別支援学級数の増加、病休者数の増加により、必要となる臨時的任用の教員が見込みより増加したことが教師不足の要因とされている。さらに、そのような状況の中、もともと臨時的任用教員として勤務していた者の正規採用が進んだことや、民間企業等への就職が増え、臨時的任用教員のなり手不足により、講師名簿登録者の減少が顕著であることも報告されている。このような全国的な人材不足に加え、本市においては、産休・育休取得者、療養休暇取得者・休職者、また、育児短時間勤務取得者の増加等に伴い、特に年度途中の代替者等の確保については困難を極めている。
神奈川県の教員採用試験の受験者の動向は?⇒神奈川県公立学校教員採用試験の全校種の受験者数は、近年では平成22年度実施試験の7,694
人をピークに、途中若干の増加はあるものの、年々減少傾向にあり、令和3年度の試験においては、4,521人と、12年間でピーク時の59%まで減少している。
中学校の教科ごとの応募倍率は?⇒令和3年度の試験における中学校の教科ごとの応募倍率は、国語2.6倍/社会8.5倍/数学6.6倍/理科4.8倍/音楽3.6倍/美術1.3倍/保健体育9.1倍/技術1.0倍/家庭2.2倍/英語4.0倍となっている。
藤沢市の県費負担非常勤講師の、年齢別構成は?⇒小学校は20歳代が1.3%、30歳代が6.3%、40歳代が7.6%、50歳代が12.7%、60歳代が48.1%、70歳代が24.0%。中学校は20歳代が4.4%、30歳代が4.4%、40歳代が13.0%、50歳代が17.4%、60歳代が36.9%、70歳代が23.9%となっている。
なぜ、高齢者に頼らなければ学校が成り立たない事態が起きているのか。その一因となった「教員免許更新制」の動向は?⇒「教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律」が成立し、本年5月18日に公布され、7月1日に施行された。教育職員免許法の一部改正により、普通免許状及び特別免許状は有効期間の定めのないものとされ、更新制に関する規定が削除された。このことにより、免許状が休眠状態、つまり、平成21年3月31日以前に授与された旧免許状の所持者で現職教員でない者の免許状が修了確認期限を超過した場合でも、特段の手続きをすることなく、免許状は有効となった。なお、施行日前に既に失効している免許状については、授与権者に再度授与申請を行う必要がある。
藤沢市としても何らかの形で、県や国に対し「教員不足問題が存在する」ことを認識させ、教職員定数の改善と教育予算の増額を求められないか?⇒議員指摘の教員不足の問題は、本市のみならず、全国で生じている課題であると捉えている。そうした中で、本市では、県から配当される教職員数だけでは十分ではないとの現状認識を踏まえ、市独自で、新入生サポート講師や市費講師を配置して教育環境の向上に努めてきた。しかし、義務教育の教職員定数の改善、そして良好な教育環境を確保するための教育予算の確保については、本来、国の責任において対応すべき課題。そこで、本市では、この問題について、これまでも全国市長会を通じ、国の関係各省庁へ要望を行うとともに、県知事、県教育委員会に対して、現場の窮状を訴え、強く要望を行ってきた。また、私自身(宮治副市長)が機会をとらえて、文部科学省に直接行き、本市への予算配分の充実を要請している。今後については、このままでは、教員不足によって本市の学校運営が立ちいかなくなることが現実の問題となりつつあることを念頭に、現場の危機感がより伝わるよう要望書を作成し、強力に要望活動を行っていく。
教育の「質」を確保するために、学習指導要領を改訂して総授業時間数を削減することについて、問題提起をしてほしいが?⇒現行の学習指導要領では、各学校において児童生徒の発達段階及び各教科等や学習活動の特質を考慮し、児童生徒の負担過重にならないよう、単元や題材など内容や時間のまとまりを見通した中で、創意工夫を生かした時間割を弾力的に編成できるとされている。教育委員会としては、コロナ禍において、各学校が学習内容や学校行事を精選しながら実施してきた経験を活かし、効果的な教育課程を編成・実施できるよう支援に努め、さらなる教育の質の向上を目指していく。
教育委員会の内部で「教職員の働き方改革」の論議をするには限界がある。学校がいまや崩壊の瀬戸際にあるという事態をふまえ、市全体で、いま学校が担っている業務のうち削減できるものや他に移管できるものがないか、行革の手法も取り入れながら抜本的に検討することが必要と思うが?⇒本市における教職員の働き方改革については、藤沢市立学校教職員の働き方改革基本方針に基づき、これまで、スクールロイヤーの配置やICTの利活用による業務改善などの取組を行っているが、新型コロナウイルス感染症の対応や新たな業務等により、教職員の多忙感は拭えない状況にある。そのような中で、学校における働き方改革の推進に向けて発出された文部科学省の通知においては、学校や教師が担っている業務を、基本的には学校以外が担うべき業務、学校の業務だが必ずしも教師が担う必要のない業務、教師の業務だが負担軽減が可能な業務に分類している。このうち、学校以外が担うべき業務としては、放課後の夜間見回り、補導対応、地域ボランティアとの連絡調整等が挙げられている。これらの事例も参考にして、学校及び教師が担うべき業務を精選するとともに、他部局や関係機関等との連携を図ることなどを含め、行革の視点を持った働き方改革を推進していきたい。
市費によるスクールサポートスタッフの配置についての考えは?⇒スクールサポートスタッフは、教員の事務作業負担軽減のために、現在、神奈川県が市立小・中・特別支援学校の全校に配置しており、その配置時間数については、昨年度、各校600時間であったものが今年度、各校680時間に増加されている。国は、教員の負担軽減を図り、教員がより児童生徒への指導や教材研究等に注力できるよう、スクールサポートスタッフの配置を支援しており、その予算規模は、年々拡大している状況。教育委員会としても、スクールサポートスタッフは、教職員の働き方改革を進める上で必要不可欠な存在と認識しており、配置時数の増加が必要であると考えているので、国の動向を踏まえて、引き続き、神奈川県に対して配置時数の増加を要望していく。
教育委員会として、この「教員不足が生む教育崩壊」の問題にどう取組んでいくのか?⇒教員不足の問題は、まさに危機的な状況と捉えており、その原因の一つは、「教員のなり手不足」であると考えられる。「教員の多忙」「いじめや不登校の課題」「困難な児童生徒指導」などに加え、本来学校が担うべきではない課題までもが学校に依存される傾向があり、教員の仕事は、過剰な負担を抱える状況となっている。特に、その「教員の多忙」が社会問題として頻繁に取り上げられるようになったことが、教職に就くことを躊躇させる理由の一つになっていると考えられる。私(岩本教育長)は、教職は、「学びを通して、子どもたちの成長に関わることができる」大変やりがいのある仕事であると思っている。「教員のなり手不足」を解消し、教員不足という大きな教育課題を解決していくために、藤沢市の学校が魅力あるものとなり、「教員として子どもたちのために働きたい」と希望する人が増えるよう、教育環境の充実に努めていく。また、すべての教職員が、心身ともに健康な状態で子どもたちと向き合い、充実感を持って仕事に打ち込めるよう、引き続き、教職員の働き方改革に取り組んでいく。
通告2番 塚本議員
1. 国と連携した社会保障政策について
(1)全世代型社会保障の構築について
「誰もが安心して暮らせる社会の実現」は自公連立約20年の歴史の中で、我が党が一貫して進めてきたテーマであり、社会保障制度の充実に努めてきた。これまで本市が取り組んで来た社会保障政策を総括し、今後の社会情勢を踏まえた課題や改善点、全世代型社会保障制度に関する市の定義や基本的な考え方は?⇒本市ではこれまで、国の社会保障制度の枠組みや変革へ迅速に対応するため、平成18年に保健所政令市になるとともに藤沢市保健所を設置、平成20年度には、子ども青少年部を新設、福祉分野においては、地域共生社会の実現を図るため、現在の地域共生社会推進室を立ち上げるなど、誰一人取り残さない社会の実現に向け、各部局が連携する中で様々な施策を進めてきた。
しかし、世界で最も進行していると言われる我が国の少子超高齢化の状況に鑑み、急速な人口減少と人口構造の変化、とりわけ団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年を見据えると、持続可能な社会保障制度を構築することは大変重要であると認識している。さらに、地域活動の担い手不足が大きな課題として表出している一方で、ひとり暮らし高齢者の増加や新型コロナウイルス感染症の影響などにより、孤独・孤立・生活困窮などの問題を抱える人や世帯が増える状況にあると認識しており、社会保障のあり方を、未来にシフトしていくことが求められている。いずれにしても、国が進める全世代型社会保障制度の重要性を踏まえ、成長と分配の好循環の実現のためにも、高齢者だけではなく、子ども、子育て世代、現役世代のすべてに、制度による分断や格差が生じないよう、すべての人の安心感につながる地域社会となるよう取組を進めていく必要があると考えている。
全世代型の社会保障政策を推進していくにあたり、全体を俯瞰して課題を整理し、進捗を管理していく部門や仕組みが必要と思われるが、今後どのように取り組んでいくのか、市の考えは?⇒全世代型社会保障の構築に向けて、国の全世代型社会保障構築会議は「給付は高齢者中心、負担は現役世代中心となっているこれまでの社会保障の構造を見直し、能力に応じて皆が支え合うことを基本としながら、それぞれの人生のステージに応じて、必要な保証をバランスよく確保することが重要である」としている。本市においては、「制度や分野の枠組みを超える」「支えて・受け手の枠組みを超える」という考え方のもと、地域共生社会の実現に向けて藤沢型地域包括ケアシステムを推進しており、「介護・障がい・子ども・困窮」など、福祉分野を中心に連携を進めるとともに、「地域共生社会推進プロジェクト」を設置し、横断的かつ機動的な企画立案、効率的な施策展開を図っている。
市としては、未来への投資として2040年の社会動向を構想し、人生100年時代を自分の状況に応じた生き方ができるよう、福祉分野にとどまらない全
庁的な課題であることを全ての部局が認識し、市民の皆さんが未来を託しうる持続可能な市政運営として、他分野との制限のない幅広い様々な連携施策に取り組んでまいきたい。
(2)高校3年生迄の小児医療費助成について
市として、小児医療費助成制度を取り巻く環境の変化をどの様に捉えているのか。また、来年から所得制限を撤廃して拡充していく状況ではあるが、近い将来、早ければ来年・再来年といったタイミングで、高校3年生までの医療費助成の拡大について、どの様に考えているのか?⇒本市の小児医療費助成制度については、子どもの健康増進に資する取組として、子どもへの現物給付を行う社会保障という性格と、子育て世代の経済的負担の軽減という性格を併せ持った事業で、子育てしやすい「まち」づくりを進めるための中心的な役割を果たしていると認識している。
小児医療費助成制度は、診療を受けられずに亡くなる子どもを救うためのセーフティネットとして1960年代にはじまり、1990年代半ばには、子どもの保健・福祉の充実と、子育て世帯の経済的負担の軽減という子育て支援策として、全国的に広がりをみせた事業と認識している。自治体にとって若い世帯を呼び込むための政策の1つとして、全国で助成制度の拡充が過熱しており、令和2年4月現在、市区町村の約5割が中学生まで、約4割が高校生までの子どもを対象として、助成を行っている。こうした中、本市としては、令和5年度から中学生に対する所得制限を撤廃し、医療費助成の拡充に向けた準備を進めているところ。議員指摘の医療費助成の拡大については、児童福祉法が対象とする18歳までの年齢を視野に、国・県の動向に注視するとともに、先進的に取組みを進める他自治体の実施状況をふまえながら、検討を重ねていく。
(3)認知症対策の充実について
僅か3年後に2025年を迎える状況で、認知症対策は待ったなしの課題であり、本市もこれまで国の方針を受け、オレンジプランの作成や、認知症初期集中支援チームの設置、ケアパスの発行等々、取り組まれていることは承知をしている。これまでの取組事例と見えてきた課題は?⇒本市の取組について、具体的には、まず、「認知症になっても住み慣れた地域で安心して暮らせる」という「共生」の取組として、本人やその家族が出会い、思いを語り合う場としての「本人・家族交流会」の開催、本人、介護者、地域の方などが気軽に集える場としての「認知症カフェ」の開催、また、本人や家族が希望する活動のサポートを目的とする「チームオレンジ」を結成し、認知症地域支援推進員とともに支援を行っている。
一方、「認知症になるのを遅らせる」「認知症になっても進行を緩やかにする」という「予防」の取組としては、自主的な活動として行われている公園体操をはじめ、介護予防や健康増進のための講座の開催、認知症初期集中支援チームによる支援などを行っている。こうした取組を進める中での最大の問題は、やはり認知症への理解不足だと捉えている。認知症予防と聞くと、「なってはいけない」「ならないためにはどうしたらよいか」など、まだまだ否定的な評価が少なくない。また、「共生」の観点でも、本来は「一緒に何をしていくのか(with)」を考えるべきだが、「この人に何をしてあげるか(to)」という考え方が大半を占めており、認知症対策として、関係機関や関係者による啓発や情報の提供など、認知症に対する正しい理解を広げていくことこそが、最大の課題だと考えている。
認知症対策は市行政だけで対応出来るものではなく、社会福祉協議会や医療関係者、民生委員や認知症サポーター等々、行政と市民・地域が一体となって進めて行かなければならない。オレンジプランの改定見直しも含め、市の認知症対策の全体図を示し、市域全体で認知症者を包み込んでいけるよう取り組むべきと考えるが、市の見解は?⇒認知症の地域ケアという観点においては、「当事者が求める支援とは何か」を多くの当事者の意見を聴いたうえで、地域の一員としてともに生きることを「みんなで考える」ことが、本人と家族に優しい地域への変容につながると認識している。こうした取組を進めるうえでの行政の役割は、みんなで考えるための材料を提供することだと考えている。現在「いきいき長寿プラン」の来年度の改定に向けたアンケート調査の準備を進めており、この計画の改定に合わせて、「藤沢おれんじプラン」も見直しを予定している。この見直しの中で、認知症の本人を中心に置
き、それぞれの支援者の役割や関連性を表す全体図を示すことなどにより、より分かりやすく、共通認識を得やすい材料を提供できるよう工夫していく。
本市の認知症初期集中支援チームがこれまで関わった案件が15件と聞き、少ないように思う。国が示す支援チームの役割は、認知症が疑われる人や認知症の人及びその家族を訪問し、観察・評価を行い、速やかに適切な医療・介護サービス等の利用につなげる初期の支援を包括的、集中的に行い、自立生活のサポートを行う事としている。この観点からすると、本市の支援チームの在り方は、一考すべき課題と感じる。認知症初期集中支援チームの在り方の検討や、実態把握について、市の見解は?⇒認知症初期集中支援チームについては、その対象者を医療・介護サービスを受けていない方、または中断している方や医療・介護サービスを受けているが症状が顕著なため対応に苦慮している方となっており、昨年度は15件の実績があった。また、本市には認知症初期集中支援チーム以外にも市内19か所の地域包括支援センターにおいて認知症の相談を受けており、年間相談件数は2,000件を超え、地域において早期の段階から生活や医療、介護への相談支援に対応している。
認知症初期集中支援チームの在り方については、「認知症施策推進大綱」でも「今後、先進的な活動事例を収集し全国に横展開するとともに、それらをもとに、チームの質の評価や向上のための方策について検討する」とされており、調査研究においても従来からの地域包括支援センター等による支援状況を含めた観点から、一体的に捉える必要があると指摘されている。
本市としては、生活状況や他の疾患から認知症の症状をきたす場合もあり、医療の介入を欠かすことができないことや、年齢によっては障がい福祉制度や就労支援等介護保険制度以外の支援が必要な場合もあることから、認知症初期集中支援チームの在り方については、専門職が対象者及び家族を訪問し、アセスメントや支援を包括的・集中的に行いサポートする仕組みがますます必要とされると考えている。今後は、地域包括支援センターをはじめ、地域の関係機関と情報共有を密に行いながら実態把握の方法や支援のあり方を検討していく。
認知症者と共に生きる世界の共生社会の潮流は「認知症フレンドリー社会」であり、認知症になっても、特殊な環境に閉じ込めるのではなく、これまでと同じように、地域や社会とつながりを持って生きていける社会を構築していく事。既に、東京都町田市の事業者や板橋区で、認知症者のアンメットニーズの把握と分析を基に変革を目指し、認知症者を孤立させない社会的ネットワークづくりが動き出しているが、本市としてもこのような視点に立って、取り組みを強化していく必要があると思うが?⇒認知症の方々と共に生きる共生社会の実現にあたっては、本人とその家族のニーズを的確に把握するために、まずは、本人の声を聴くこと、その声に寄り添うこと、意思を尊重することにより、認知症の理解を広めていくことが重要と認識している。本市では、本人が安心して語り合える場を広げるため、今年度から認知症地域支援推進員によるコーディネートを取り入れることで、既存の「本人ミーティング」を充実した。その中で、本人が家族や周囲に頼らざるを得ない状況、遠慮して言えないことや我慢している状況などを把握することができた一方で、家族も対応方法がわからず
苦しんでいるにもかかわらず、人には相談しにくい状況にあることなど、孤立している様子も見受けられた。今後も、認知症に関する多岐にわたるニーズを把握し、チームオレンジを活用しながら、地域で生活していくうえで必要なネットワークづくりの機運を高め、「認知症になっても住み慣れた地域で安心して暮らせる」という意識の醸成に向けた施策を推進していきたい。
(4)高齢者の保健事業と介護予防の一体化について
高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施を進めるにあたり、神奈川県後期高齢者医療広域連合からの受託事業の内容、また、どのようなデータが提供されるか、そのデータをどのように活用して事業展開を図るのか?⇒本市では、昨年度より、神奈川県後期高齢者医療広域連合から委託を受け、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施を推進している。受託内容は、一体的実施にあたっての基本的な方針の策定や、国保データベースシステム、いわゆるKDBシステム等を活用したデータ分析、これに基づく地域の健康課題の把握やハイリスク者への個別的支援などとなっている。なお、広域連合から提供されるデータは、75歳以上の被保険者の健診結果や質問票のデータ、医療レセプト、要介護度などの情報となっている。これらのデータを活用しての具体的な事業展開については、昨年度は、生活習慣病重症化のハイリスク者、約900人に対し医療の受診勧奨などの個別通知を行うとともに、糖尿病性腎症の重症化ハイリスク者、約50人に対しては、保健指導プログラムの事業紹介を行った。
また、低栄養などのハイリスク者、約270人には個別通知の上、電話による状況確認を行い、必要に応じて訪問指導などの個別支援を実施した。このように多くの高齢者に対し、タイムリーに効果的に関わるには、庁内関係課はもとより、関係機関との連携・協力が必要不可欠であると考えている。さらに、本市では、これら個別的な支援だけでなく、広く多くの方に向けた支援、ポピュレーションアプローチとして、地域の縁側など、高齢者が多く集まる場に専門職が出向き、フレイルリスクのチェックを行いながら、フレイル予防の普及啓発を行っており、今後も、引き続き、様々な場で展開していくことが必要でと考えている。
一体化を進めるためには人的資源の投入や体制強化が必要。基本方針の作成の状況、KDBシステムを活用した分析の状況、目標はどうしているのか?⇒高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施事業における体制は、昨年度から、健康づくり課に専従の医療専門職を配置し、体制を強化するとともに、関係各課の連携を密にするため、庁内連絡会を設置した。「基本方針」については、実施体制や各部署の役割を示すとともに、「住み慣れた地域でできる限り長く自立した日常生活を送ることができるよう年齢で区切ることなく、一体的な事業展開を図る」ことや、「データ分析やスクリーニングを通じて、地域の健康課題を把握する」こと、「庁内関係部署等との連携強化を図る」ことなどの取組の方向性を位置づけている。
また、KDBシステムの活用状況としては、昨年度、データを分析し、後期高齢者の健康に関する現状及び地区別の現状をまとめている。現在、これら分析結果による「口腔機能低下や低栄養などのフレイルリスク」「糖尿病や高血圧などの生活習慣病の重症化」「転倒による骨折」などの健康課題や地区ごとの特徴について、行政だけでなく、地域支援事業連絡会などで共有し、今後の事業の方向性について検討を進めている。本事業の目標には、「健康寿命の延伸」及び「要介護認定者割合の減少または維持」を掲げているが、今後は、データの分析を重ね、個人や地域の継続的な傾向を把握するなかで、目標を「数値化」「見える化」する必要があると考えている。そして、関係課・関係機関などが連携し、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自立した生活が継続できるよう、一体的な実施を推進していきたい。
4月から藤沢市鍼灸・マッサージ師会の協力によりフレイルチェックが実施されているが、実施状況と、上がってくるデータの活用方法、今後の事業展開と目標は?⇒高齢者はり・
きゅう・マッサージ利用助成事業におけるフレイルチェックについては、市内約150か所の施術所と連携して、利用券を使われる方が年に1回、施術所においてフレイルチェックを受けられるもので、7月までの4か月間の実績は、約1,600人。このフレイルチェックは、質問票により、自身のサルコペニアの可能性とフレイルの兆候を確認してもらうとともに、チェック内容に基づき、施術者からフレイルに関するアドバイスをしていただくなどフレイル予防の普及啓発に役立てている。このほか、地域包括支援センターなどの相談機関の紹介、医療機関や歯科受診の勧奨などを行っており、さらなる多職種連携による高齢者の支援に繋げていきたいと考えている。
また、フレイルチェックにより集計されたデータについては、本事業の評価に使うほか、70歳以上の方のフレイル状態を把握する貴重な資料として、健康医療部及び福祉部で構成する地域支援事業連絡会などで、課題を共有し、活用していきたい考えている。
鍼灸・マッサージ師会は、豊富な実績と経験を有している。鍼灸・マッサージ師会には、フレイルチェックによるデータ収集に止まるのではなく、国家資格を有する鍼灸マッサージ師を機能訓練指導員や保健・医療の専門医と位置づけ、フレイル予防教室や訪問型介護予防事業の実施など、ハイリスクアプローチやポピュレーションアプローチの事業展開を協働して実施していくことが、必要ではないか?⇒今年度については、新たな取組として、鍼灸・マッサージ師会に介護予防にかかるポピュレーションアプローチの一端を担っていただくため、「藤沢市高齢者はり・きゅう・マッサージ利用助成事業における介護予防把握業務及び介護予防普及啓発業務」を委託事業として実施している。この委託においては、フレイルチェックのデータ収集のほか、事業を通じて介護予防事業の充実や効果的な実施に向けた課題等を分析し、鍼灸・マッサージ師会や施術所が取り組める対策を検討することとしている。
また、フレイルチェックの実施を通じて、専門性を生かし、身体機能にかかる相談や各種健診の受診勧奨、地域の相談窓口の情報提供等を実施している。従来とは異なる新たな普及啓発及びデータ収集により、介護予防の充実や、ハイリスクアプローチへの波及効果を期待しているところ。
また、市域全体を対象としたポピュレーションアプローチとして、日ごろの施術の状況から把握した高齢者の健康課題を踏まえて、市民向けの公開講座の開催や、認知症予防の普及啓発イベントへの出展等を行う予定。今年度は主に市域全体に向けた取組を始めているが、今後は、保健医療センターの運動指導員等の専門職と連携を図り、地域での健康教育の実施等に向けた取組についても検討を進めていく予定。今後においても、藤沢市鍼灸・マッサージ師会や施術者の方々の専門性や地域とのネットワークを生かした協働について、さらに充実させるよう検討を進めていく。
2. 危険から市民を守り誰にも優しい市政について
(1)有害外来植物ナガミヒナゲシ対策について
有害外来植物ナガミヒナゲシ対策について、本市として当該植物の生息実態の把握状況、市民からの苦情や連絡の状況、今後の対策は?⇒ナガミヒナゲシについては、ヨーロッパが原産で繁殖力が強く、日本全国で確認されている植物であり、本市においても近年、幹線道路沿いや民有地の植栽帯などで、その旺盛な繁殖力から生育範囲を広げている状況。市民からの苦情や連絡の状況は、現段階ではほとんどないが、一株から約16万個の種ができるなど、既存の植物の生息場所を奪う恐れがあるため、自然生態系への影響が懸念される植物であり、できるだけ駆除を行うことが望ましいと考えている。このことから、駆除の必要性や、種を持つ前の駆除が効果的である事、また議員指摘のとおり直接人が触れることでかぶれることもある成分を含んでいるため、これらの注意点について、ホームページに掲載し啓発を図っていきたいと考えている。
(2)男性トイレにもサニタリーボックスを設置することについて
膀胱がんを患った方々や高齢者の方々の中には、尿失禁の対処として、尿漏れパットを使用している方も多く、外出中にトイレを使用した際、サニタリーボックスやごみ箱がないため、カバンを持参したり、ポケットにティッシュに丸めて持ち帰ったりと不便を強いられている。高まるニーズに対応するため、多くの自治体で設置又は設置の方向である。本市としても早期に設置していくべきだが?⇒前立腺がんや膀胱がんの手術を受けた男性の多くは、術後しばらく、尿漏れパッドを必要とする場合がある。そのような方々が外出先での使用済みの尿漏れパッドの処分に苦慮されていることから、男性トイレにサニタリーボックスを設置することの必要性は高いと認識している。本市としても、病気や加齢等により尿漏れパッドを使用している方が、安心して外出できるよう、まずは市の施設として、本庁舎と分庁舎の男性トイレに設置をしていく。また、市民センター・公民館などについても、施設の実情に応じ、サニタリーボックスの設置に向けて、検討していく。
3. 物価高騰対策として賃上げに繋がる政策について
(1)公共工事単価の引き上げについて
本市が発注する公共工事等に関して、既に国においては公共工事にかかる設計労務単価について3%程度引き上げると聞き及んでいる。本市の発注単価を含め、どのような状況なのか?⇒国が公表している「公共工事の設計労務単価」については、公共工事に従事する建設労働者の賃金について調査・見直しを行い、都道府県別、51の職種別に毎年改定しており、神奈川県についても、この単価を採用し、設定している。本市が発注する工事の設計労務単価は、神奈川県が設定している単価に準拠しており、国の改定にあわせて最新の単価を採用している。神奈川県における具体的な令和4年度の単価の引き上げは、公共工事において、広く一般に従事されている、主要12職種で前年度比較すると、例えば、「一般運転手」で3.7%増、「普通作業員」で3.2%増、「左官」で1.9%増、「型枠工」で1.1%増と職種により、ばらつきあるが、12職種全体の平均では、2.2%の増となっている。
本市が発注する公共工事の各種単価を引上げていく必要がある。また、議会案件に上がって来る物件等は多年度にかかるものが多く、既に発注した物件等は価格上昇前の基準である事も考えられ、さかのぼって調査し該当する案件には物価スライドを適用するなど対策が必要。どのように対応されるのか?⇒土木工事の単価については、神奈川県が設定した土木工事資材等単価表を適用しており、四半期ごとに改定され、著しい単価の変動があった場合は、単価の臨時改定にて対応している。営繕工事の単価は、国交省の積算基準に準拠しており、単価根拠となる材料価格は経済調査会と建設物価調査会の刊行物の掲載価格を採用し、主要な資材については、積算時の価格を採用している。また、見積価格を採用する場合については、その都度、製造業者や専門工事業者から徴取した見積を参考としている。次に、物価スライドへの対応は、国交省から「資材価格の急激な変動に伴う請負代金額の変更等について」の文書が発出されており、物価スライドへの適切な対応が求められている。これを受け、工事担当課においても、施工中の工事に対して、情報収集や情報提供などの丁寧な対応
を行っており、実際に物価スライドの適用に向けた調整を進めている工事もある。今後も、物価高騰などに注視し、施工業者との情報共有などをしながら、適正な工事執行に努めていく。
(2)職員給料の引き上げについて
公共財を市場に積極投資し、雇用を生み出し、消費を向上させ、経済の回復を図った例があり、経済回復の方程式である。物価が高騰し賃金上昇を公が誘導していこうとしている最中、本市職員の給料も上げていくべき時であると考えるが?⇒議員指摘の通り、公共財を市場に積極投資し、その結果、雇用を生み出し、賃上げを促していくことは、経済社会活動の回復を図る一つの手法として、大変有効なものであると認識している。しかし、市職員の給与は、地方公務員法第24条に「生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない」と定められている。このため、民間企業の給与を比較するなどして、その年の国家公務員の給与のあり方を人事院が政府に勧告するいわゆる人事院勧告の内容に準拠することで職員給与を定めていることから、市独自でベースアップを行うことは難しいと考えている。本年8月に公表された人事院勧告では、新型コロナウイルス感染症の影響から持ち直しの動きがみられるとともに、物価が上昇しており、こうした状況の下で、民間企業の給与が上昇したことから、勤勉手当の支給月数の引上げに加え、若年層のベースアップを行うべきとの内容になっている。これを踏まえて、今後、関係団体との協議もした上で、給与改定について、検討を進めていく。
通告3番 原田議員
1. 市長の政治姿勢と藤沢市の未来デザイン
(1)憲法について
安倍元総理の逝去に伴う7月12日の半旗掲揚は誰が何を根拠に実施したのか。本庁舎以外でも実施をしたのか?⇒国からは弔意表明の協力を依頼する通知が発出されなかったため、私(鈴木市長)の判断により実施を決定し、その実施方法については、神奈川県を参考に、葬儀の日に市役所本庁舎のみで半旗を掲揚することとした。
小中学校での実施状況は?⇒市立学校、全55校において、半旗を掲揚した事例はなかった。
9月27日に実施予定の国葬に伴う市の対応は?⇒岸田総理大臣は、8月31日の記者会見において、関係機関に対して弔意表明の要請をする予定はないと発言している。市としては、今後も政府の動向を注視しながら、対応を検討していく。
教育委員会の対応は?⇒教育委員会においても、政府の動向を注視しながら、対応を検討していく。
教育委員会が弔意を示さないことを学校に示したとしても、校長が弔意を示すと考えれば学校では弔意を示すことになる。学校では様々な判断がなされると思うが校長の判断が最終判断となるということでよいのか?⇒日々、学校では、児童生徒の支援や指導方法のほか、学校施設の使用許可など様々な判断を求められる場面があり、学校運営において、学校長の責任のもとに、様々な判断が行われている。
校長が最終判断ということだが、この事態の中で半旗を上げることは、政治的中立の原則を謳った教育基本法第14条第2項に反しないか?⇒学校運営においては、校長の責任により様々な判断が行われているところだが、今回の件も適切に判断がされるものと考えている。
旧統一教会系(世界平和統一家庭連合、世界平和女性連合、ピースロード)からの寄付や会合への出席、祝電などの対応を市や市長として行ったことはあるか?⇒旧統一教会の関連団体とされる団体のうち、質問にあった団体から、市として寄付を受けたことは認められなかった。関連団体の行事への対応としては、平成28年及び平成29年に、「ピースロード in Japan」の実行委員会から、平和活動に対するメッセージの依頼があり、当時の企画政策部長が市長名のメッセージを代読している。
教育長は?⇒教育委員会については、質問にあった団体から寄付を受けたことは認められなかった。また、教育長が、同団体の会合への出席、あるいは教育長名で祝電を送付したこともなかった。
このような団体について、これまでの市の公共施設の利用状況の把握、施設利用に係る団体登録の実態把握はしているか?⇒市が所管する施設の利用状況や団体登録の実態など
について、個別の状況については、回答を控える。
質問に答えられないとのことだが、情報公開請求をしたらどのような対応となるのか?⇒情報公開請求については、請求の内容によりその都度判断していく。
今後の当該団体に対する市のスタンスは?⇒当該団体について、現時点では、法令等、団体の活動を規制する明確な基準がないので、今後、基準等が示された場合には、それに則って、市として適切な対応をとっていく。
これらの対応が、憲法上どのような問題だと理解しているか?⇒元総理大臣の逝去に際して半旗を掲揚したことは、哀悼の意を表したものであり、憲法や地方公務員法で制限される宗教的活動や政治的行為には当たらないものと捉えている。また、公共施設の利用等への対応については、条例や規則等に基づき、判断している。
憲法を守らなければいけないのは誰か?⇒憲法を尊重し擁護する義務を負う者は、憲法の規定において、天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員と定められており、私たち公務員も含まれるものと捉えている。
憲法25条では、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」とある。学校図書館が十分機能しているのか疑問である。十分機能させるためにも図書館専門員の労働環境の改善が必要と考える。労働環境について、誰が責任を負っていて、課題についてどのように考えているのか?⇒学校図書館専門員については、市の会計年度任用職員として採用し、教育文化センターが各小中学校に1名ずつ配置しており、藤沢市立学校図書館運営指針に則り、学校長の指示のもと、学校図書館の管理運営、蔵書管理、選書、授業支援、委員会活動への協力などを行っている。学校図書館専門員からは、蔵書管理の方法が学校により異なることや、勤務日数が限られているため教職員等とのコミュニケーションが取りづらいことなど、業務上の課題が挙げられている。そのような状況の改善を図るために、研修の実施や、指導主事とのヒアリングを通し、問題点の共有を図るほ
か、ICTの情報共有ツールを活用し、効果的な取組事例を還元しているところ。教育委員会としては、学校図書館専門員が学校の司書教諭を中心とした教職員や図書館ボランティアとも連携を図り、効率的かつ効果的に業務に取り組めるよう環境整備に努めていく。
司書教諭も忙しいため、連携を図るという環境整備では無理がある。労働環境の改善がないと、サービス向上もない。学校図書館専門員の勤務日数を増やすか、労働者の要求を聞くことができるような体制が必要だと考えるが?⇒学校図書館専門員の勤務日数は、専門員としての業務や役割を精査し、学校のニーズもふまえ、学校にかかわる様々な人材とのバランスを図りながら適切な配置に努めていく。
来年度、こども家庭庁が創設されるが、子ども青少年部として何を緊急の課題と捉えているのか?⇒こども家庭庁の創設により、児童福祉法等の改正が予定されており、この法改正に伴う新たな行政事務への円滑な対応が喫緊の課題であると認識している。具体的には、児童福祉の機能として設置している子ども家庭総合支援拠点と、母子保健の機能として設置している子育て世代包括支援センターの機能を維持したうえで組織を見直し、全ての妊産婦、子育て世帯、子どもへ一体的に相談支援を行う機能を有する「こども家庭セン
ター」の設置が求められているところ。当該センターの設置により、妊娠届からの妊産婦支援に始まり、子育て世帯や子どもに対して、相談を受けて支援につなぐためのマネジメントを行い、支援の種類や内容、その他必要な事項を記載した計画の策定と、計画に基づいた支援の実践、関係機関との連携、児童及び妊産婦の福祉、並びに児童の健全育成に資する支援を円滑に行うための体制整備を行う必要がある。こども家庭センターの設置については、直接的には、子ども青少年部、健康医療部による調整となるが、全庁的に組織横断的な福祉施策を展開している藤沢型地域包括ケアシステムとの連携が必須であると捉えており、市民の福祉の増進のため、本市におけるこども家庭センターの在り方について、喫緊の課題として、取り組んでいる。
教育部として何を喫緊の課題と捉えているか?⇒コロナ禍において、社会の経済状況の変化や新しい生活様式など、児童生徒を取り巻く家庭環境や生活環境が変化している。このような中、学校は、困りごとを抱えた児童生徒の状況を早期に把握することができるよう努めている。教育委員会としては、学校や関係機関と連携し、困りごとを抱えたすべての児童生徒を適切な支援につなげることが喫緊の課題と捉えている。
夏休みなど、給食のない期間に、食事を摂ることができない子どもたちがいる。市として取り組むべきと考えるが、子ども青少年部の見解は?⇒長期休業中の食の支援については、法に基づく支援制度はなく、こども家庭庁の創設に伴い、制度化されるという情報についても、現在のところ確認ができていない。憲法25条の規定に基づくという観点から、社会保障
としてのセーフティネットについては、国において制度化することが望ましく、食に困窮する状況にある世帯支援についても同様であると考えている。本市においては、いわゆる「子ども食堂」が、コロナ禍により活動の休止や縮小を余儀なくされたことは承知しており、提供食事数の減少数等については把握していないが、複数の子ども食堂において「子どもたちへ食の支援を続けたい」との思いから、お弁当を配布する形に切り替えたりと、多くの子どもたちの食を支える活動が引き続き進められているものと認識している。
子どもたちの日常を守りぬくため、感染リスクはゼロにならないということを受けとめた上で、多様な子どもたちの居場所を、いかに、安全で安心に再開することができるのか、ということが課題であると捉えている。コロナ禍だからこそ、フードドライブやフードバンクといった新たな食の支援についても、公民の連携により、取組が進められている。このように、市民が主体となった力強い活動が地域に広がる状況を踏まえ、子ども青少年部としては、食の支援を必要とする子どもと、食の提供を行う場を「つなぐ」取組を進めていきたいと考えている
教育部の見解は?⇒児童生徒にとって、規則正しい栄養のある食事を摂ることは、身体的な成長を促すだけでなく、心の成長のためにも重要であると認識している。学校では、困りごとを抱えた児童生徒が、夏休みなどの長期休業中にも学校に相談することができるよう、お知らせをしている。教育委員会としては、食の支援について学校教育活動の中で実施するのではなく、相談体制を整え、適切な支援につなげることが重要と考えている。
今年の夏休みに実施した子ども弁当の事業は、盛況だった。教育委員会は、適切な支援につなげるとの答弁であるが、夏休み前に子ども弁当事業のチラシについて学校配布をお願いしに行ったところ、月に1度しか開催されない校長会を通さないとチラシを配布できないとして断られた。改善すべきだが?⇒市立学校でのチラシ配布は、公の教育機関での配布となることから、一定の公共性・公平性を考慮する必要があり、ルールに基づいて対応している。なお案件の内容やタイミングによっては、各校長に事前に直接説明し、趣旨を理解していただいたうえで対応を図ることもある。
憲法第26条において、教育を受ける権利について保障されているが、不登校児童生徒への教育を受ける権利が果たされているか?⇒学校では児童生徒や家庭等と対話を重ね、一人ひとりの状況に応じた多様な教育機会を確保し、社会的自立を目指した支援を進めているところ。しかし、未だ必要な支援機関などにつながっていない不登校児童生徒も多く、喫緊の課題として捉えている。不登校は学校や家庭だけの課題ではなく、子どもたちが抱える様々な困難の解決に向けて社会全体で取り組むことが重要であることから、学校や地域において、関係機関等とも連携した広域的な支援体制を構築し、子どもの社会的自立に向けた支援を推進していくことが必要であると考えている。
支援を推進していくことが必要とのことだが、不登校児童生徒や家庭に対して具体的な支援策は?⇒まずは児童生徒本人の希望を尊重し、教室には入れないものの、別室への登校はできるという児童生徒に対しては、安心できる環境を整え、担任や支援担当教員、学習指導員等が協力して学習支援を行っている。また、一人一台端末を活用して学校と家庭をつなぎ、学習支援や相談支援を行うこともある。教育委員会では、小学生の不登校も増加していることを踏まえて、相談支援教室において、発達段階に適したプログラムの充実を図るほか、フリースクール等の民間施設とも情報交換会を行い、連携を進めている。更に、不登校児童生徒を抱える保護者同士が思いを共有できる場として、年4回「おしゃべりひろば」を開催するなど、家庭への支援を行っている。今後も、不登校児童生徒の状況に応じた学びの場を確保することができるよう、支援の充実に努めていく。
選挙に関する質問として、憲法で成年者には普通選挙が保障される旨が謳われ、誰もが一票を投じる権利があるが、高齢者や障がい者の中には、投票したくても出来ない方々も見受けらる。こうした、支援が必要な方々に対する、選挙管理委員会の見解は?⇒有権者の誰もが投票できるよう、投票環境の向上を目指し、日々調査・研究を重ねている。その中で、高齢者や障がい者に対しては、投票所の段差の解消や、車いす用記載台の設置等の設備面での配慮や、投票用紙への自書が難しい方に対しては代理投票の活用をご案内するなど、安心して投票していただけるよう努めている。また、法律的に制限されている「郵便投票」制度については、現状では要件が厳しく対象者も限られているが、より多くの方がこの制度を利用
できるよう、全国市区選挙管理委員会連合会を通じて、国に対して要件の緩和を要望している。
最近の選挙で実施している投票所への「移動支援」についての状況は?⇒昨年10月の衆議院選挙では、長後地区の北西部地域を対象にジャンボタクシーによる停留所巡回方式により実施したが、有権者に停留所まで来てもらう必要があったことや、停留所の場所の確保に困難を来すことなどが、課題として挙った。こうしたことを受け、今年7月の参議院選挙においては、期日前投票所の空白地である湘南大庭地区を対象に、個別タクシーによる自宅から期日前投票所までの送迎方式により実施をした。利用件数については、一桁にとどまり、周知の方法や利用条件などに課題があったと捉えている。
いくら有効な取り組みをしても、活用されなければ意味がない。周知方法の改善も必要と思うが、「移動支援」に対する今後の方向性、福祉的な支援について、もっと踏み込んで有権者の方へのアウトリーチを徹底し、ニーズを把握する必要があると思うが?⇒投票所への「移動支援」については、現在、手探りの中で試行的に実施しているが、社会の動
向を見ても必要な施策と捉えている。今後についても、試行する中で検証を重ね、より多くの方に利用いただけるよう研究を進めていく。また、アウトリーチ的手法に関しては、市民に対してアンケートを実施している部門や福祉部門とも連携し、ニーズの把握に努めていきたい。いずれにしても、投票環境の向上は選挙管理委員会の使命なので、有権者の声に耳を
傾け、より良い投票環境の整備に努めていく。
職務にあたり、憲法が意識され、全うされているのか。職員への意識付けはどのように行われているのか?⇒地方公務員法及び「藤沢市職員の服務の宣誓に関する条例」に基づき、職員は、憲法を尊重し擁護すること及び全体の奉仕者として誠実かつ公正に職務を執行することを採用時に宣誓している。入庁後は、階層別研修などの機会を捉えて、その意義を再認識するとともに、日頃から、法令遵守や公務員倫理に対する意識を持って職務を行っている。
※以上、報告とします。