12月19日 10:00から、藤沢市議会12月定例会(5日目)が開催され、昨日に引き続き一般質問が行われました。なお、鈴木市長は、新型コロナの濃厚接触者となりましたが、陰性が確認されたので、本日の本会議から無事に出席となりました。
※一般質問は、質問者と市側で答弁調整をしているため、質問・答弁のメモをとるのが難しいことから、これまでは、質問の抜粋のみを掲載していました。しかし、議長・副議長は議事運営をする立場なので、質問の要旨、答弁の原稿が手元にあることから、そこから抜粋・要約して掲載します。関心のある質疑については、インターネット中継録画、議事録等をご覧ください。
通告14番 清水議員
1. 防災行政について
(1)新たな津波対策について
避難困難区域や要支援者が存在する中、避難するだけでなく、津波に巻き込まれた場合の対策も想定する必要がある。津波の死因分析で9割が溺死であることが明らかになっているが、その場合対策は明白だ。すでにライフジャケットを着用すれば生命が助かる可能性を示す実験結果も出ており、東北大学は津波専用のライフジャケットを民間と共同開発している。低体温症や頭部への打撃をいかに防ぐかなど課題もあるが、津波対策は総力戦であり、打てる手は全て打つ姿勢が大事だ。ライフジャケットの可能性について藤沢市としても研究し、将来的には配布を検討してほしいが?⇒(斎藤防災安全部長)津波災害時の避難行動については、地域防災計画や津波避難計画等に基づいて、現在本市では、津波から命を守るため、早く避難するにはどうすべきかという観点に重点を置き、取り組んでいる。その中で、まずは津波避難対象区域外への避難、又は高い建物等へ避難することを啓発し、より遠く、より高い場所へ逃げるための避難先と避難ルートの確保に努めている。ライフジャケットに関しては、浮力が確保できることで、要救助者となった場合に、一定の効果が想定できると考えている。一方で、津波に巻き込まれて漂流物等に接触した場合に、頭部等にダメージを受けること、及びライフジャケットを保有した場合に、過度の安心感等が生じて、避難行動に支障が生じる可能性もあると考えている。このようなことから、現在本市では、津波対策としてライフジャケットの備蓄はしていないが、専門機関の研究結果や、他自治体の先進事例等を注視しながら、研究していきたいと考えている。
通告15番 土屋議員
1. 福祉行政について
(1)国民健康を県について
国民健康保険は社会保障制度の中の1つであるのか?⇒(池田福祉部長)社会保障制度とは、病気、ケガ、老齢、障がい、失業などが原因で、生活の安定が損なわれた場合、国や地方公共団体などが、一定水準の生活保障を行う制度。具体的には「社会保険制度」「社会福祉制度」「公的扶助制度」「保健医療・公衆衛生」の4つの柱から成り立っており、国民健康保険については、医療給付を行う社会保険制度であることから、社会保障制度の一環
であると認識している。
健康保険証とマイナンバーカードを一体化することについて、現時点での方針はどのようになっているのか。また、マイナンバーカードをつくらない国保加入者を医療から排除すべきではないが?⇒(池田福祉部長)本年10月に国は、現行の保険証を令和6年秋に廃止し、マイナンバーカードと保険証を一体化することを発表した。マイナンバーカードの保険証利用のメリットは、被保険者がマイナポータルから、自らの医療や健診、医療費などの情報を随時閲覧することが可能となることで、適正な受診行動や健康づくりに向けた行動変容の機会が得られることなどが挙げられている。医療費適正化対策を進める保険者として、本市としては、積極的に受け止めているところ。
一方で、マイナンバーカードを保有しない方が、医療から排除されるような状況はあってはならないことと認識している。これに対処するために、神奈川県と県下全市町村が共同で、国に対して、「制度設計にあたっては、マイナンバーカードを取得しない方も含め、全ての人が医療給付を確実に受給できるようにすること」などの内容を含んだ要望書の提出を準備しているところ。国においても、例外的なケースに関する、保険診療検討会を設置するとしていることから、動向を注視していく。
藤沢市の国民健康保険料が中小企業の従業員や家族が加入している協会けんぽと比べてどのくらい高いのか、年収400万円で4人家族の試算は?⇒(池田福祉部長)国民健康保険と協会けんぽの、それぞれの保険料を、世帯主の収入が400万円、配偶者と子ども二人を扶養している世帯を例に試算すると、国民健康保険に加入した場合は、年額で35万7,770円、一方、協会けんぽに加入した場合は、年額で40万1,880円となる。ただし協会けんぽの場合は事業主と被保険者が折半しますので、本人負担分は20万940円となる。
保険料滞納者に対して、機械的な差し押さえはやめるべきだが?⇒(池田福祉部長)国民健康保険料に滞納が生じた場合には、滞納者と早期折衝を図るとともに、その理由を把握するよう努めている。そのような中、預金や生命保険等の財産調査の結果、納付資力がありながら、再三の通知にも連絡をせず、納付の意思が見られない場合には、やむを得ず、差押等の滞納処分を行い、保険料滞納の早期解消に努めている。また、納付相談や生活状況を調査する中で、納付できない特別な事情があると判明した場合には、関連する部局と協力し、被保険者に寄り添った丁寧な対応を行っている。
短期保険証、資格証明書の発行をやめるべきだが?⇒(池田福祉部長)短期被保険者証及び資格証明書については、再三にわたる督促状、催告書の発送、電話催告、現地訪問等の手法を用いても納付や相談をいただけない世帯に対して、法令等に基づき交付している。その大きな目的は、保険料を滞納している被保険者との納付相談の機会を増やし、保険料の納付に繋げること。また、納期までにきちんと納めている多くの被保険者との公平性の観点からも、今後も必要な措置であると考えている。
コロナ減免を今後も継続するべきだが?⇒(池田福祉部長)令和2年度に開始された減免制度は、令和4年度についても国による支援により継続している。今後、減免制度を継続することについては、減免総額からも国による支援が必要不可欠なものと考えているので、国の動向を注視していく。
傷病手当金の対象を事業主、フリーランスに拡充すべき、相模原市同様の制度を検討すべきだが?⇒(池田福祉部長)相模原市の「傷病見舞金」制度については、財源として国の「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を活用する制度と聞いている。本市が同様の制度を実施することについては、国民健康保険の次年度以降の傷病手当金の実施が未確定なこと、新型コロナウイルスに感染した際の療養期間が、段階的に短縮されてきたこと、また、個人事業主、フリーランスの方の所得減少を正確に把握する事が困難であることなどから、実施は難しいと考えている。
所得にかかわらず、頭割りで課される応益割の比率を下げることは、とりわけ中低所得者の負担を軽くするもの。具体的には、応能と応益の負担の割合は70対30にすべきだと考えるが?⇒(池田福祉部長)国民健康保険料における応能応益割合については、平成30年2月定例会において、50対50から 56対44とすることを含めた条例改正議案について議決をいただいているところ。その過程において、70対30も含め、様々なケースを試算した結果、応益割合を引き下げることは、応能割合を引き上げることとなり、中間所得者層の保険料負担が過度となるため、県が示す標準負担割等を参考に、56対44としたもの。なお、低所得者層については、法定軽減のほか、本市独自の減額措置を実施している。
子どもの保険料をゼロにすべきだが?⇒(池田福祉部長)子どもの保険料については、国民健康保険法施行令の改正により、本年4月1日から、全世帯の未就学児にかかる均等割分の保険料負担が5割軽減となっている。さらなる、子育て世帯の負担軽減については、対象年齢や軽減割合の拡大など、制度の拡充について、全国市長会を通じて国に対して要請を行っている。
法定外繰入を2017年度の水準まで戻すべきだが?⇒(池田福祉部長)一般会計からの繰入金のうち、法に定められた公費補填分以外の繰入金、いわゆる法定外繰入については、国民健康保険財政の決算補填を目的とする繰入金の解消を国から強く求められている。本市では、これまでも、一定額の削減を行ってきたが、保険料が大幅に上昇する場合には、削減を行わないこととしている。今後も、持続可能な保険制度を維持するための法定外繰入金のあり方については、引き続き、庁内関係部局と調整していきたいと考えている。
保険料について、1人1万円の引き下げはできるのではないか?⇒(池田福祉部長)本市では、これまで、前年度からの繰越金の多くを保険料賦課総額に充てることなどにより、保険料水準の抑制を図ってきた。今年度についても、本市が県に支払う国民健康保険事業費納付金の大幅な増額に比例して、保険料の増額を検討したが、大幅な保険料率の引き上げは、被保険者の生活に大きな影響を与えることから、基金繰入金及び繰越金等を活用することで、保険料率の引き上げ幅を抑制した。令和5年度以降においても、国民健康保険事業費納付金が年々増加し、今年度以上に厳しい財政状況が続
くことを想定している。本市としては、将来にわたり健全な保険制度を維持するため、引き続き、保険料率の適正な設定に努めていきたいと考えている。
(2)介護保険について
次期介護保険事業計画の改定では、保険料を引き下げるべきだが?⇒(池田福祉部長)介護保険制度の財源に関しては、利用者負担分を除く介護サービスにかかる費用、いわゆる介護給付費の総額のうち、法令で定められている公費と第2号被保険者の負担分を除いた約23%を65歳以上の第1号被保
険者から徴収する保険料で賄うこととされている。高齢化が進み、介護認定者の増加とともに介護給付費もますます増えることが見込まれる中、安定した介護保険を運営し、持続可能な制度を維持していくためには、保険料の引き下げは大変厳しい状況であると認識している。
現在、国においては、令和6年度の介護保険制度の改正に向け、様々な検討が行われているところで、本市としては、その動向を注視するとともに、介護保険事業計画の次期改定にあたり、介護サービスに対する利用ニーズ等を的確に捉え、適切な保険料の算定に努めていく。
特別養護老人ホームの入所待機者数の状況は?⇒(池田福祉部長)令和4年4月1日時点で、要介護3以上の方は661人。
次期介護保険事業計画では、待機者「0」を目指すべきだと考えるが、市の考えは?⇒(池田福祉部長)待機者の解消に向けては、第8期介護保険事業計画において、100床の整備を目標とし、令和3年度には、短期入所から本入所への転換などにより、50床を整備した。また、現在、老朽化した既存施設の移転・改築に伴う増床により、さらに50床の整備を進めているところ。しかし、今後も入所希望者の増加が見込まれる中、未だ多くの方が待機している状況にあることは、課題と認識している。次期介護保険事業計画の策定にあたっては、近年増加する有料老人ホームなどの高齢者施設の整備状況や、不足する介護人材等も考慮しながら、必要な整備数等を検討し、待機者の解消に取り組んでいきたいと考えている。
介護労働者の労働環境等の改善のために、事業所の努力に対するバックアップや市としての独自の対策を行うべきだが?⇒(池田福祉部長)介護人材の確保と定着に向けた本市の独自施策としては、介護職員初任者研修受講料の助成のほか、従事者のキャリアアップに資する研修費用への助成とともに、介護ロボット・ICTの活用により、従事者の負担軽減等を図る先進的介護実証事業を行っている。また、現在、国や県において、事業所の生産性向上に向けた取組や、外国人などの多様な人材の参入を促進する取組などが進められていることから、本市としては、これらの国や県の取り組みを注視するとともに、事業者の意見も聞きながら、引き続き、より効果的な支援のあり方を検討していく。
新型コロナの影響や物価高騰の影響を受けている事業所の減収分を補償するなど支援すべきだが?⇒(池田福祉部長)長引くコロナ禍の影響や物価高騰等により、介護サービス事業所を取り巻く環境が、厳しさを増している状況にあることは、本市としても課題として捉え、様々な対策を講じている。具体例としては、新型コロナウイルス感染症に対して、国が行うサービス提供の際に、報酬上の上乗せ措置を認めるなどの基準緩和、県が行う通常のサービス提供では想定されない掛かり増し経費に対する財政支援などで、本市としては、今後とも、事業所に対して、これら制度活用の周知徹底や相談対応等に取り組んでいく。
一方、物価高騰等に対しては、本年9月に認めいただいた補正予算により、多分に影響を受けている通所系及び施設・居住系サービスの事業所に対して、財政的支援を実施しているところ。加えて、今後、予定されている介護報酬改定にあたっては、新型コロナウイルス感染症や物価高騰等に対する
影響額が適切に反映されるよう国に要望していく。
通告16番 平川議員
1. 子どもの健康を守る取組みについて
(1)子どもの視力について
本市の公立小中学校での視力検査の「1.0未満」の児童生徒の推移と教育委員会の考えは?⇒(峯教育部長)本市立小中学校での視力検査の結果は、5年ごとに統計をとっている。平成25年度、視力が「1.0未満」であった児童生徒の割合は、小学校が28.6%、中学校が54.5%、直近の平成30年度は、小学校が33.7%、中学校が63.2%となっており、視力が1.0未満であった児童生徒の割合は増加している。子どもの視力低下の要因はICTの普及等様々考えられるが、学校と家庭が連携し、子ども達の目の健康に配慮していく必要があると考えている。
視力が低下した児童生徒や保護者に対してどのようにアプローチしているのか?⇒(峯教育部長)定期健康診断での視力検査の結果を、保護者あてに通知するとともに、視力が1.0未満であった場合には、専門医による精密検査の受診を案内している。なお、精密検査受診後は、受診結果票を学校に提出してもらい、保護者との情報共有に努めている。
子どもたちの視力低下の原因の1つにICT利用が挙げられるが、その対応策として、学校ではどのような指導を行っているのか?⇒(峯教育部長)
現在、学校では、子どもの視力低下の対応策として、文部科学省が作成した「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック」を活用し、ICT機器を使用する際の画面を見る角度や姿勢、教室の明るさなどを配慮するようにしている。また、教育委員会で作成した端末の利用に関するガイドラインを学校から家庭へ配布し、端末を使用する際の姿勢や、連続使用時間を30分とすることの周知など、児童生徒の視力低下の対策に努めている。
子どもの目の機能は、3歳6か月ごろまでに視力1.0程度まで成長し7歳ごろまでには完成するとされている。6歳ごろまでの早期発見・治療が欠かせない。本市では、3歳6か月児健康診査で視力検査を行っているが、3歳6か月児健康診査の受診率の状況と、健診に来られていない方の把握と勧奨状況は?⇒(齋藤健康医療部長)3歳6か月児健康診査の受診率については、令和3年度の実績で3,715人の対象者のうち、3,402人が受診し、受診率91.6%となっている。なお、健診に来られていない方の把握と勧奨については、健診月の2か月後に未受診者の抽出を行い、手紙による受診勧奨及び受診の意向確認を行うとともに、必要に応じて電話や訪問などで、さらなる受診勧奨を行っているところ。
本市では、3歳6か月児健康診査において屈折検査を導入されているが、検査で異常が出たお子さんの状況は?⇒(齋藤健康医療部長)令和3年度の実績で、3歳6か月児健康診査において、屈折検査機器であるスポット ビジョンスクリーナーによる測定を受けたお子さんが3,385人おり、そのうち、正常範囲外となったお子さんが236人、約7%となっている。
3歳6か月児健康診査の視覚検で精密検査となったお子さんの状況と、その結果、弱視と診断されたお子さんの状況は?⇒(齋藤健康医療部長)令和3年度の実績で、3歳6か月児健康診査における視覚検査で精密検査が必要となったお子さんは179人おり、そのうち受診したお子さんが147人、受診率は82.1%。また、精密検査の結果、疑いを含め弱視とされた方が51人おり、3歳6か月児健康診査における発見率は、1.5%。
弱視の早期発見に向けて、現在どのように取り組んでいるのか?⇒(齋藤健康医療部長)本市では、従来から3歳6か月児健康診査において、家庭で実施する視覚1次検査及び必要に応じて小児療育相談センターによる視覚2次検査を実施している。それに加え、令和2年10月からは、屈折異常を判定
できるスポット ビジョン スクリーナーを導入し、弱視につながる眼の疾患の早期発見を図るとともに、3歳6か月児健康診査の問診票等を送付する際に、弱視に関するチラシを同封し、早期発見の必要性について啓発を行っている。
子どもの健康を守るためには、弱視の早期発見が重要。市として今後の取組は?⇒(齋藤健康医療部長)本市としては、子どもの目の健やかな発達を促すためには、3歳6か月児健康診査において、弱視を早期に発見し、必要な治療に結びつけていくことが重要と考えている。今後についても、まずは、より多くのお子さんに3歳6か月児健康診査を受けていただくよう、保護者に対し、この時期の視覚検査の必要性について伝え、受診勧奨を図るとともに、精密検査が必要となったお子さんの保護者に対しては、確実に受診していただけるよう、啓発していく。また、視覚検査の結果をもとに、藤沢市医師会眼科医会とより効果的な視覚検査の在り方について協議し、一人でも多くのお子さんの弱視を早期に発見し、治療に結び付けていくよう取り組んでいきたいと考えている。
弱視の早期発見のために、就学時健康診断での屈折検査の導入についての考えは?⇒(峯教育部長)就学時健康診断における視力の屈折検査については、今年度、実際の健診会場にて、実施について検討を行ったが、会場の明るさや広さ、健診にかかる人員や時間の確保等、課題があるものと捉えている。今後は、就学時健康診断における視力の検査方法も含め、弱視の早期発見について、学校医の眼科医部会の先生方と相談しながら、課題を整理していきたい考えている。
(2)子どもの歯を守る取組みについて
歯は健康にとって非常に大切。子どもの歯の健康について、市としてどう考えているか?⇒(齋藤健康医療部長)子どもたちが、心身ともに健全な発育・発達を遂げるために「歯の健康」は重要と考えている。本市としては、食べる、話すなど、生活と深く関係する歯の健康づくりを支援できるよう、子どもたちや保護者に対して検診、相談、健康教育を実施している。また、保護者だけではなく、子どもに関わる保育士や教員などに対しても講習会などを実施し、歯科保健の普及啓発に努めている。
幼児健診での歯科検診において、何らかの治療が必要と診断された状況は?⇒(齋藤健康医療部長)幼児健診における歯科検診で、治療が必要とされるもののほとんどが、むし歯となっている。令和3年度の歯科検診で、むし歯があると判定された子どもの数は、1歳6か月児健康診査では、受診者3,299人のうち、20人、0.6%、2歳児歯科健康診査では、受診者2,893人のうち、64人で、2.2%、3歳6か月児健康診査では、受診者3,400人のうち、284人で、8.4%となっている。
学校での歯科検診の結果状況は?⇒(峯教育部長)市立小・中学校での歯科検診結果にいては、5年ごとに統計を取っており、直近では、平成30年度のむし歯のある児童生徒の割合は、小学校で15.5%、中学校で16.9%となっており、平成30年度以前と比べると、もっとも少ない数値となっている。
一方、歯列・咬合・顎関節の検診項目において、要受診となった児童生徒の割合は、すでに矯正治療中を含めた値だが、平成30年度は、小学校が3.2%、中学校が3.6%となっており、以前と比べ増加傾向にある。
歯並びにより健康に及ぼす影響が大きいと考えるが?⇒(齋藤健康医療部長)子どもの歯並びは、成長とともに変化するものであり、歯並びの悪さが、必ずしも健康に影響を及ぼすものではないと考えている。なお、顎変形症などの食べる、話すといった口腔機能に大きく影響を及ぼす疾患については、治療を要する場合があり、これらを把握した場合は、専門の医療機関を紹介している。
歯科矯正について、保険適用になる範囲は?⇒(齋藤健康医療部長)令和4年10月現在、歯科矯正治療において公的医療保険が適用されるものは、厚生労働大臣が定める61種類の疾患で、これらに起因した顎の変形や噛み合わせの異常について保険診療の対象となっている。
保険診療外の歯科矯正については高額となるため、多くの保護者が補助を希望しているが、市の考えは?⇒(齋藤健康医療部長)歯科矯正については、先ほ答弁したとおり、口腔機能に支障をきたすような疾患は、保険適用となっていると認識しており、現状において、それらの疾患に該当しない歯科矯正について、市独自の補助を行うことは検討していない。なお、発育段階にある子どもの歯科矯正は、世帯収入にもよるが、医療費控除の対象として認められている。
2. 誰一人取りのこさない教育行政について
(1)ディスレクシアについての現状と理解について
学習障がいの一つで、全体的な発達には遅れはないが、文字の読み書きに限定した困難さを抱える子を「ディスレクシア」というが、「ディスレクシア」とはどういうものか?⇒(峯教育部長)「ディスレクシア」は、学習障がいの一つのタイプとされ、全体的な発達に遅れはないものの文字の読み書きに限定した困難がある状態を指し、「発達性読み書き障がい」「発達性ディスレクシア」とも言われている。
ディスレクシアの疑いのある児童・生徒を早期に発見することが大事だが、本市ではどのように見つけているのか?⇒(峯教育部長)本市ではディスレクシアに特化した早期発見の取組は、現在のところないが、担任と新入生サポート講師が連携し、学校生活における学習面や生活面等において、困難な状況がないかどうか、きめ細かに児童の様子を見とるようにしている。
早期発見の取組として、つくば市では、小・中それぞれ1年生全員と、中学校2年生のディスレクシアの心配があるお子さんに検査を実施している。そして中学校2年生までに見つけ出すことで、入試の際に「合理的配慮」の支援をしている。笠間市でも小学校1年生、中学校1年生全員にディスレクシアの検査を実施している。藤沢市でも検査を導入していく必要があると考えるが?⇒(峯教育部長)早期発見の取組については、先進市の事例とし、スクリーニング検査を行っていることは聞いている。本市としては、学習障がいも含め、さまざまな発達障がいがある中で、ディスレクシアの検査を行うことについては、保護者の理解や体制の整備等さまざまな課題が考えられるので、他市の事例等を参考に研究していく。
つくば市では、市内45校すべての学校から1名ずつ先生を集めて「専門的教育養成講座」を開催し、ディスレクシアについての概要、検査方法、検査後の分析、支援方法を研修し、先生の意識を深め、正しい支援につなげている。本市においても、教職員への研修が必要と考えるが?⇒(峯教育部長)教員がディスレクシアの理解を深めるための取組について、本市では、毎年、教育文化センターで、ディスレクシアを含む発達障がいを理解し、多様な教育的ニーズのある子どもへの指導と支援を進めるための研修会を開いている。今年度は、国立特別支援教育総合研究所の総括研究員を講師として招き、研修を行った。さらに、初任者研修など、教職員のキャリアステージごとに行われる経験者研修においても、支援教育への理解について扱っている。今後も、多様な教育的ニーズに合った研修となるよう内容の充実を図っていく。
早期発見できても適切な支援につながらないと意味がない。学校現場においてどのような支援、対応がとられているのか?⇒(峯教育部長)教職員が子どもの読み書きに対する困難さに気付いた場合については、個々の状況に応じた手立てや支援策について担任や支援担当教員を中心として、組織的に考えている。また、保護者や本人と面談を重ねる中で、困りごとなどを共有し、必要に応じてスクールカウンセラーや学校教育相談センターにつなぎ、児童生徒が安心して学校生活が送れるよう努めている。
ディスレクシアの疑いがあると思われる際、保護者との連携も重要。さらに学校だけでなく専門医の診断を得ることが望ましいと考えられる場合もあり、医療機関との連携や、早い段階で適切な療育につなげる必要もあると考えるが、どのように連携を図っているのか?⇒(峯教育部長)医療機関との連携については、学校生活において困難を抱える児童生徒の相談ニーズがあった場合には、保護者の承諾を得たうえで、医師やメディカルソーシャルワーカーと連携を図り、支援の手立てを考え、必要に応じて適切な療育につなぐ等の取組を行っている。連携している公的な医療・療育機関としては、神奈川県立総合療育相談センター、県立こども医療センター、県立精神医療センター及び藤沢市民病院がある。
障がいの困難さを軽減するため、学校現場においてタブレット端末の活用やデジタル教科書を効果的に活用できるよう教育委員会からの後押しが必要と思うが、現在の学校現場での学習サポートの状況は?⇒(峯教育部長)学校における学習サポートについては、読み書き等に困難を示す児童生徒にはデイジー教科書という音声教材や一人1台端末等を活用し、視覚的、聴覚的なサポートを行っている。また、黒板の文字が見えやすいように、教室の座席の配置を配慮したり、ルビ付きの試験問題を準備したりするなど、一人一人の困難さの状態や教育的ニーズ、発達段階を考慮し、「合理的配慮」の観点を踏まえた支援に努めている。
当事者の保護者の理解はもちろんのこと、他の児童生徒や保護者の理解も必要だと考える。特別扱いしているとの誤解や理解してもらえないことから、いじめにつながる可能性もある。発達性ディスレクシアに関する学習会や講演会を実施し理解を促す必要があると考えるが?⇒(峯教育部長)周りの児童生徒や保護者への理解について、児童生徒に対しては、障がいのあるなしにかかわらず、多様性を認め合い理解する関係が築けるよう、学校の教育活動全体を通して、他者を尊重する態度を育む人権教育に取り組んでいる。また、保護者等に対しては、講演会やリーフレットを通じて、藤沢の支援教育について周知しているが、様々な配慮が必要な児童生徒への理解がより深まるよう、内容等を常に見直すなど、工夫していく。
通告17番 栗原議員
※栗原議員から、本日欠席届が出されましたので、一般質問は取り消されました。
通告18番 山内議員
1. 有機フッ素化合物汚染について
(1)藤沢市、県、国の汚染状況の概要について
藤沢市のHPにあるPFOS、PFOAのこれまでの調査結果について、市の考えは?⇒(福室環境部長)PFOS及びPFOAについては、世界的に製造・輸出入・使用の制限等が規定され、国内においても製造及び輸入が事実上禁止されている。なお、環境省においても、平成25年度に公共用水域における要調査項目として位置づけ、知見の集積を図り、令和2年度に要監視項目として位置付けられ、指針値が定められた。また、水道水質基準については、令和元年度に暫定目標値が設定された。これまでの調査概要は、神奈川県においては、平成19年度から平成23年度及び平成29年度から平成30年度に概況調査を実施し、比較的濃度の高い引地川の詳細調査を実施したところ、大和市の福田1号橋を境に、当該地点より下流で指針値を超過した。また、引地川に合流する蓼川の綾瀬市の藪根橋においても指針値を超過していた。令和元年度に環境省が実施した全国存在状況把握調査においても、引地川で指針値の超過があった。令和2年度の同調査では、綾瀬市内の地下水で指針値を大きく超過する地点が確認された。その結果を受けて神奈川県が周辺調査を実施したが、本市を含む周辺5地点の井戸調査では指針値の超過はなく、地下水の汚染は確認されなかった。
本市においても、環境省や神奈川県の調査結果を踏まえ平成27年度から調査を開始している。
国の報告によると、この暫定指針を超える値の場合には、注意喚起、継続検査、汚染範囲把握などの追跡調査を行うとなっているが、これまでの調査では富士見橋だけでなく下土棚大橋でも値が高かったが、具体的にどのように対応したか?⇒(福室環境部長)国の調査結果を受け、本市では令和2年度に県及び上流市と連携し引地川の水質の監視を継続していくこととした。また、引地川及び境川へ流入する支川について調査を行い、藤沢市域を流れる支川において、指針値の超過はなかったことを確認している。なお、これらの調査結果については、ホームページで公表をしている。
(2)水道水、地下水、農業用水の汚染について
2020年から2021年に米軍キャンプ座間に隣接した河川・鳩川の数か所で暫定指針を上回る有機フッ素化合物が検出された。寒川取水場もあるが、水道水質はどうか?⇒(福室環境部長)神奈川県の公表資料によると、令和2年度の県営水道の寒川浄水場の原水及び浄水については、いずれも水道の水質目標設定項目の目標暫定値を下回っていることを確認している。
綾瀬市では厚木基地の南側の本蓼川地区の井戸で2020年に水1リットル当たり1,300ナノグラム、2021年には水1リットル当たり2,600ナノグラムという高濃度の汚染がみつかり、井戸水飲用を控えるようにとのチラシが配布されたが、本市においても引地川周辺の井戸の調査をするべきだが?⇒(福室環境部長)綾瀬市本蓼川地区の井戸においてPFOS及びPFOAが高濃度で検出された事案については、令和2年度に環境省が実施した全国存在状況把握調査において判明したもの。その結果を受けて、神奈川県が主体となり、上流市と連携し、本市内1地点を含む発生源周辺において、地下水調査を実施したが、全ての地点で暫定目標値以下であったため、本市の井戸において、汚染はないと考えている。引地川及び流入する支川の調査結果から、汚染源が上流域にあると考えられるが、今後の状況に応じて調査を検討していく。
県の資料によると、井戸水の調査は各自の自己負担でやるように書いてあるが、井戸水が汚染されたのは市民に責任があるわけでなく、数万円する水質検査費用を市民に負担させるべきではない。少なくとも費用の一部を助成すべきだが?⇒(福室環境部長)井戸水の飲用についは、所有者の責任において行われるものなのでで、水質検査費用の助成は考えていない。しかし、今後市内で汚染が確認された場合は、国、県と調整をしながら、本市において調査実施の検討をしていく。
引地川から農業用水として利用している水利組合が5つあり、その受益面積は約60ヘクタール、受益農家は364戸と聞いているが、その農家への周知や土壌調査についての対応状況は?⇒(福室環境部長)現在、国や県において、水田土壌や農作物へのPFOS及びPFOAの蓄積などに関する評価基準について、設定がされていないため、市では、農家への周知や土壌調査を実施していない。
(3)人体への影響について
人体への影響についての暫定指針とはどういうものか。また、世界では基準の見直しの動きがあるが、内容は?⇒(福室環境部長)暫定指針については、令和2年5月28日付の環境省水・大気環境局長通知「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の施行等について」によると、現時点では、毒性学的に明確な基準値及び指針値の設定は困難であるものの、各国・各機関が行った評価の中で妥当と考えられるものを参考に、暫定的な目標値として設定したものとされている
また、世界での基準の見直しについては、ドイツの健康関連指針値は、PFOS、PFOAとも水1リットル当たり300ナノグラムだが、米国環境保護庁の飲用水に関する生涯健康勧告値では、これまでPFOSとPFOAの合算値を水1リットル当たり70ナノグラムとされていたものが、令和4年6月にPFOSが暫定で水1リットル当たり0.02ナノグラム、PFOAが暫定で水1リットル当たり0.004ナノグラムに引き下げられている。
引地川では鯉やイナッコを釣っている人もいる。魚の中の含有量を調べるべきだが、調査予定は?⇒(福室環境部長)PFOS及びPFOAについては、現在のところ、農作物を含む、生物に残留・生物濃縮している濃度等の具体的な知見も十分に集まっておらず、環境省からも明確な判断基準は示されていない。現在暫定指針値として設定されている水1リットル当たり50ナノグラムという数値については、毎日2リットル飲み続けても安全とされる数値であることから、引地川については、直ちに健康被害が生じるものとは考えにくいため、引き続き水質調査を継続し、状況把握に努めていく。
沖縄県では米軍基地周辺において、水道や河川からPFOS、PFOAが検出されている問題で、市民団体が住民の血液検査を行い、一部で血中濃度の高い結果が出たと発表している。引地川でも暫定指針を上回る汚染が検出されていることから、引地川周辺のリスクの高い人から血液検査をするべきと考えるが?⇒(福室環境部長)引地川については、水道水源になっていないこと、地下水の汚染がないこと、また飲用している井戸の実態がないことから、本市としては、現時点での血液検査の実施は考えていないが、今後、国、県の動向を注視しながら、必要に応じて検討していく。
(4)排出源対策について
古い泡消火剤は未だに使ってよいことになっているようだが、廃棄すべきと考えるが?⇒(福室環境部長)環境省及び消防庁において、PFOSによる環境汚染を未然に防止するため、消防設備の点検等の機会を捉えて、可能な限り、PFOS含有消火器等の代替製品への切替えをお願いしている。本市消防局では、届け出や検査等の機会を捉え、周知を行い、切替えを推奨していると聞いているが、環境部としても、消防局と連携を図り、周知していく。
(5)米軍基地からの汚染対策について
藤沢市の汚染状況を踏まえ、藤沢市でも、綾瀬市と大和市が実施したような厚木基地への立ち入り調査を行い、泡消火剤の保管、調整池の現地確認視察と採水などを求めるべきと考えるが?⇒(福室環境部長)厚木基地については、綾瀬市及び大和市に立地している施設であることから、本市として基地への立入調査等を求めることは考えていないが、本市など米軍基地に関係する県内8市と県で構成する神奈川県基地関係県市連絡協議会として、これまで、PFOS等流出対策等について要請を行ってきた。今後も厚木基地に起因する問題解決のため、必要に応じて要望等を行うことが重要と考えている。
通告19番 井上議員
1. 市民窓口センターについて
(1)課題について
6月議会でも課題提起したが、手続きにかかる市民の待ち時間増については、市として課題として認識されているところだと思うが、一方で、一定の待ち時間の発生は必然的に起こりうることであるとも捉えている。そこで、市民にストレスを感じさせることなくお待ちいただくための対策等について、現状の取組状況は?⇒(平井市民自治部長)市民の待ち時間にかかる対策は、本市では番号発券機を使用し、発券用紙に記載された二次元コードをお手元のスマートフォンで読み込んでいただくことで、呼び出しの順番を確認できる仕組みを導入し、お待ちになる市民が一時的に離席できる環境を整えている。また、窓口カウンターの上部に設置した電光掲示板に、各種届出の待ち人数を表示するほか、市のホームページにも窓口の混雑状況を表示している。
市のホームページで混雑状況を表示しているとのことだが、内容を見ると、すべての手続きが一緒になって表示されており、どの手続きが混雑しているかが分からない。市としての課題の認識と改善に向けた考え方は?⇒(平井市民自治部長)議員指摘のとおり、市のホームページにおける、戸籍届出や住民異動届、マイナンバーカードの申請など、市民窓口センターにかかる各種手続きに関しては、手続き種別ごとの待ち人数が確認できない表示となっているので、早急に改善していく。
現状の体制では、市民への待ち時間のアナウンスは不十分であると感じる。例えば、一部の自治体では窓口に設置された混雑状況を表示した電光掲示板をライブ配信することで、わかりやすいと好評を得ている事例があり、経費がかからず効果的な手法であると考えるが、市の見解は?⇒(平井市民自治部長)他市ですでに導入され、効果を上げている電光掲示板
のライブ配信については、市民の方々が日ごろから慣れ親しんでいる動画配信サイトを活用し、待ち時間の状況を確認できる仕組みで大変有効であると捉えている。ついては、先ほどいただいたホームページ上の待ち人数表示の意見と合わせて、年度末の繁忙期における市民の待ち時間に対する負担軽減策を検討していく。
2. 安全安心について
(1)通学路等の課題について
通学路の安全点検をどのようにやってきたか?⇒(峯教育部長)通学路の安全点検については、毎年、市立小学校に対して通学路の危険箇所の報告を依頼している。防犯交通安全課や道路維持課など庁内関係各課と共に報告内容の精査を行い、警察、神奈川県藤沢土木事務所等を含む通学路安全対策検討会議において、関係機関がそれぞれの所掌に応じて必要な対策を進めるほか、案件により現地にて合同点検を行っている。危険箇所に係る対策状況は、年度末に各学校に報告しており、令和3年度の実施状況は、学校から167か所の危険箇所の報告を受け、そのうち時間を要するものや実施には課題のある箇所を除いた96か所の安全対策を実施した。
場所によっては、すぐに対応可能と思われる場所であっても改善が見られないケースがあり、安全点検結果のレスポンスに課題があると考える。通学路は児童だけでなく、高齢者や地域の方々も利用する道路であることから、安全点検の結果などは地域の課題として市民センター・公民館と情報共有を図るべきと考えるが?⇒(峯教育部長)通学路点検の結果等については、毎年度末に各学校に報告し、さらに学校を通じてPTAや青少年育成協力会など地域の関係者と共有している。一方で、それぞれの地域における交通安全の視点からは、より多くの方々と円滑な情報共有を図ることが望ましいと考えている。このようなことから、通学路点検の結果など交通安全の課題等については、各地区交通安全対策協議会などの地域団体との連携も重要になるので、通学路安全対策検討会議の構成員である市民自治部や防災安全部を通じて、地域の拠点である市民センター・公民館との連携を一層強化し情報共有を行っていく。
3. まちづくりについて
(1)駐輪場等の増設について
以前と比較して、駅前の放置自転車が少なくなっており、これは、自転車駐車場の整備、また店舗による利用者用の駐輪スペースの確保など、収容台数が増えたこと、また、自転車利用者が放置はいけないことと認識し、マナーの向上も図られたことによるもとと考えている。しかし、今後も市内では住民が増え、環境にやさしい自転車の利用が増加すると考えている。そこで、自転車駐車場の状況について、市の認識は?⇒(北村道路河川部長)自転車等駐車場の整備については、「ふじさわサイクルプラン実施計画」に基づき、新設、有料化、機械化を進めている。また、自転車駐車場を新たに有料化した駅周辺は自転車等放置禁止区域に指定し、放置されないよう指導啓発することで、歩行者の安全かつ円滑な通行の確保を図っている。市内全体の自転車駐車場については、コロナ禍前の令和元年度では平均87%の利用率だったが、感染拡大に伴い、令和2年度では68%、令和3年度は79%だった。しかし、本年度についは、10月までの平均で83%と徐々に増えてきている。そのなかでも、依然として藤沢駅周辺では定期利用の予約待ちがあることや、昼過ぎには駅周辺の自転車駐車場が満車になることがあるなどの状況を確認している。
藤沢駅周辺での自転車駐車場について、藤沢市として今の状況やコロナ禍前の状況を見てきたなかでの課題等の状況は?⇒(北村道路河川部長)藤沢駅周辺については、既設自転車駐車場の老朽化や運用方法、電動自転車や子供乗せ自転車など、自転車の大型化への対応、また原動機付自転車等の対応を含めた自転車等駐車場が不足していることが課題と考えている。
このような課題があるなか、藤沢駅周辺に、新たな駐輪スペースの確保をする必要があると考えるが、以前のように大規模な建物の自転車駐車場を整備するのではなく、何か工夫が必要。市として利便性の向上に向けた取組みの考えは?⇒(北村道路河川部長)藤沢駅周辺の自転車駐車場不足を解消するため、新たな用地の確保、既存施設の老朽化対策に合わせた増強を検討しているところ。また、民間事業者と共同で行っている駐輪シェアサービス、いわゆる「みんちゅう」の拡大や民間駐輪施設の増設などをお願いしていきたい考えている。さらに、交通系ICカードの利用ができるゲート設置など、機械化を進めると共に、定期、一時利用の配分の調整を行い、より多くの方に自転車駐車場を利用していただけるよう指定管理者と検討しているところ。
通告20番 谷津議員
1. 持続可能な藤沢について
(1)オーガニック給食について
環境保全の視点から見た有機農業の取組についての考えは?⇒(饗庭経済部長)近年、食料の安定供給や農業の持続的発展と地球環境の両立が強く求められており、その活動に起因する環境負荷の軽減を図り、豊かな地球環境を維持することが、持続可能な生産活動には不可欠であり、次世代に向けて取り組まなければならない重要な課題とされている。このような状況を受け、国は、令和3年5月に「みどりの食料システム戦略」を策定し、カーボンニュートラル等の環境負荷軽減を推進するため、2050年までに耕地面積に占める有機農業の取組面積を全体の25%である100万haに拡大する目標を掲げ、取組を進めているところ。
環境負荷の軽減を図りながら生産活動を展開していくことは重要。本市では新規就農者を中心に有機農業の取組を行っている方が増えていると認識しているが、昨年度改定した「藤沢市都市農業振興基本計画」において目標に掲げている、有機農業取組面積の拡大について、現状と今後の課題は?⇒(饗庭経済部長)第2次藤沢市都市農業振興基本計画の基本方針のひとつに、「農業に関する環境施策の推進」を位置付けており、本市の有機農業取組面積を現状の19.7haから令和8年度までには54.2haに拡大することを目標値として設定している。その中で、今後、有機農業に取り組む担い手をどのようにして増やすか、また、有機農業の取組面積拡大により増加する農産物の販売先をいかに確保するかが課題と捉えている。先月26日に辻堂神台公園において、「藤沢産オーガニックマルシェ」を開催したところ、生産者だけでなく来場者にも大変好評だった。今後も有機農業者と消費者が触れ合えるイベントの開催や、有機農業の取組面積拡大という目標の達成に向けた協議会を設置するなど、本市の有機農業の推進に取り組んでいきたいと考えている。
千葉県のいすみ市では、学校給食に100%地元産の有機米を使用するなど、未来ある子どもたちの食を大切にするとともに、米農家の将来を守る仕組みとして、公民連携による学校給食需要に着目した産地づくりの取組を行っている。本市でも有効と考えるが?⇒(饗庭経済部長)現在本市では、市内産米を学校給食に提供しているが、有機米の割合は一部にとどまっている。しかし、本市には環境への負荷を低減する取組を実施している「エコファーマー」が100人以上いるので、環境に配慮した生産方式の米の産地としてPRしていくことが、現状では米農家の将来を守る仕組みとして有効なものと考えている。
学校給食で米だけでなく市内で生産されている有機農産物を利用することで、食育への反映など単に生産と消費にとどまらない効果もあると考える。本市の有機農産物の給食利用についての考えと、今後の取組は?⇒(峯教育部長)有機農産物の給食での利用については、環境負荷が少なく食料生産の持続性につながる、という有機農業の特性から子どもたちが学ぶことも多くあると思う。特に地産地消推進校においては近隣の生産者の協力をいただきながら食育にも取り組んできたた。有機農業に関してはアイガモ米を導入しているが、さらに作付けの広がりとともに生産者との連携の可能性も広がっていくのではないかと考えている。今後の取組としては、地産地消と食育の充実に向けて、米以外の有機農業の産物活用についても課題の整理などに取り組んでいく。
2. ジェンダー平等について
(1)困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(女性支援新法)について
困難な問題を抱える女性が多いのは、女性の自立が難しい現状に起因している。男女の雇用形態から現状をどう捉えているか?⇒(宮原企画政策部長)令和2年の国勢調査において、本市における雇用形態は、男性では正規雇用が8割を超えているのに対し、女性では45.3%%となっている。内閣府の令和3年版男女共同参画白書によると、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、サービス業を中心に女性の非正規労働者が特に深刻な打撃を受けたと指摘しており、本市も同様の傾向にあると捉えている。
様々な問題を抱える女性が増えていると思う。女性相談員の取組状況は?⇒(池田福祉部長)現在、本市では、困難な問題を抱える女性への支援策の一環として、生活援護課に3人の女性相談員を配置しており、相談の内容は、配偶者等からの暴力、親族関係、男女問題、住居問題、経済問題、医療問題など、多岐にわたっている。過去3年間の相談件数は、令和元年度が286件、令和2年度が365件、令和3年度が391件と、増加傾向にあると捉えている。
女性相談に関して、全国的に8割がDV相談と言われているが、本市のDV相談件数の過去3年間の推移は?⇒(池田福祉部長)令和元年度が236件、令和2年度が324件、令和3年度が335件。なお、相談件数の内訳は、3年間の平均で、住居問題が1.2%、親族問題が4.8%であるのに対して、DV相談は85.9%と、相談件数の大半を占めており、相談に至らない多くのケースが存在することが推測されることから、DV対応は喫緊の課題であると認識している。
DV相談などはワンストップでされるべきと考える。そういった体制の構築状況と、女性相談員の負担軽減と資質向上の取組状況は?⇒(池田福祉部長)相談に対しては、ワンストップを原則としながらも、重層的な支援体制の中で、相談窓口の選択肢は広げており、いずれの窓口に相談があった場合にも、女性相談員に情報を集約するとともに、必要に応じて、
関係部門、関係機関やNPO法人などと連携し、相談者に寄り添った切れ目のない支援を行っている。女性相談員の負担軽減については、女性相談員の他に生活保護のケースワーカー及び査察指導員、合わせて5人が協力して対応しており、相談員の負担軽減に努めている。女性相談員の資質向上については、女性相談員が相談者に対し適切な支援を行うため、知識や技術の向上を目的として、各種研修会や講習会への参加、他の自治体や関係機関の担当者等と情報共有や意見交換を行うなど、多様化・複合化する相談内容に対応できるよう取り
組んでいる。
「ふじさわジェンダー平等プラン2030」では、目標として相談支援体制を拡充していくとある。現状を踏まえた考え方は?⇒(池田福祉部長)本市における相談支援に関して、現状では、女性相談員が主にDV相談に対して、適切な制度やサービスの案内、また、様々な機関や支援団体等と連携しながら対応している。しかし、相談の内容は、多様化・複雑化して
おり、今後は、これまで以上に多様な主体による包括的な相談支援を継続することが重要だと考えている。今年度については、住居を失った女性が入所できるNPO施設と新たに連携するなど、支援の拡充に努めてきたが、複雑化するそれぞれのケースに即した的確な支援が可能となるよう、関係部局や関係機関等との協力体制を強化し、相談支援体制のさらなる拡充に取り組んでいく。
「ふじさわジェンダー平等プラン2030」(調査市民アンケート含む)では、学校や社会の教育啓発活動が、高く求められているが、今年度は企業向けである。今後はどう考えていくのか?⇒(宮原企画政策部長)本市における令和4年度ジェンダー平等・男女共同参画講演会については、「女性活躍」をテーマに働き方や意識改革について、本市職員の研修と合わせ、広く市民の方にもご覧いただける内容として企画した。その他にも、今年度は、若年女性の悩み、子育て、セクシュアルマイノリティなど様々なテーマで講演会を開催しており、今後も予定している。さらに、講演会だけでなく、藤沢市ジェンダー平等推進週間に合わせたポスター展の開催、市民編集員によるインターネットを活用した情報発信など、多様な実施手法を用いて啓発に取り組んでいるところ。
国の第5次男女参画計画では、地方公共団体に対し、男女参画センターの果たす役割を明確にし、取組を強化拡充するように求めている。横須賀市や茅ヶ崎市は、市独自のセンターを持って、困難を抱えた女性の発見、学習啓発、相談、現状の把握に努めている。支援調整会議や、地域の特徴や社会資源の現状を反映した藤沢市基本計画をつくる必要があると考えるが?⇒(宮原企画政策部長)本市としては、かながわ男女共同参画センターが、市内に設置され、県域の拠点施設として機能していることから、同センターとの連携を深めるとともに、庁内関係各課等の組織横断的な取組を推進することが重要と考えている。今後は、令和6年4月の「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」の施行に合わせた円滑な支援実施に向け、自治体と民間団体等で構成する支援調整会議を設置し、困難な問題を抱える女性の発見・相談等の具体的な支援に関し、協議及び情報交換を行っていく。また、すべての女性が能力を最大限に発揮でき、すべての人が性別にかかわらず平等に機会が与えられる社会をつくるというSDGsの視点に基づいた最適な支援が包括的に届けられるよう、課題の整理を進めながら実施体制を整備していく。
※以上、報告とします。