6月16日 9:30より、藤沢市議会総務常任委員会が開催され、インターネット中継を傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。
議案第14号 藤沢市印鑑条例の一部改正について
印鑑証明の交付の申請において、マイナンバーカードと同等の電子証明サービスを、新たにスマートフォンで利用できることとするため、所要の改正をするものです。
柳沢委員
印鑑証明書の交付を受ける方法として、窓口とコンビニがあるが割合は?⇒令和4年度で、市民窓口センターと市民センターと合わせて68.9%、コンビニ31.1%。
現在、コンビニ交付にマイナンバーカードが必要だが、どう変わっていくのか?⇒国は年内予定としているが、まだ、具体的な手続きは国から示されていない。
スマホ利用することのメリットとデメリットは?⇒メリットは、印鑑登録証やマイナンバーカードがなくてもコンビニで取得できる。デメリットは想定していない。
住民票や戸籍謄本などもスマホで取得可能となっているのか?⇒まだ開始されていない。
今後、スマホで取得できる方向性なのか?⇒対象になっていくと考えている。
マイナンバーカードを持ち歩かなくてよい一方、スマホのウイルス感染などか心配だが?⇒電子証明書機能のみ登載される。更に、セキュリティエレメントに保管されるので、安全性は確保されている。
マイナンバーカードのトラブルが続発している中で、進めるべきではないが?⇒市民の利便性の向上が図られるので、安心して使用できるように取組んでいく。
塚本委員
コンビニ交付でも証明書は紙で出てくる。証明書の電子化を進めるべきだが?⇒国の方で具体的に示されていないが、新規パスポート申請時に戸籍謄本を電子証明として送信できるような計画もあると聞いている。今後、印鑑証明なども準じていくことが想定される。
スマホ1つで何でも決裁できることが望ましい。各種証明書を受理して提出する手続がある。電子で完結するようにしていくべきだが?⇒方向性は紙から電子へ国としても進めている。令和6年度から確定申告も出来るようになるので、庁内デジタル推進課とも連携しながら取組んでいきたい。
※この議案は、柳沢委員が反対しましたが、採決の結果、賛成多数で可決すべきものと決定しました。
請願5第1号 「防衛力強化」のための増税方針撤回を日本政府に求める意見書提出についての請願
この請願は、日本政府に対して、増税方針の撤回を求める意見書の提出を求めるものです。
【意見陳述者に対する質疑】
町田委員
防衛力強化をどう考えるか?⇒防衛力強化には反対。増税が更に進めば国民に負担がかかり、生活も苦しくなる。戦争をさせない外交を取るべきと考える。
塚本委員
国会での審議状況をどう認識しているか?⇒閣議決定をして話が進んでいるが、世論を無視できないと思う。
今日の国会で可決成立する見通しだが、閣議決定されたら成立するとの認識か?⇒防衛力強化に伴う増税について、国民の80%が支持していないのに閣議決定するのはおかしいと思う。
閣議決定したものが法案として提出され、衆議院、参議院で様々な審議がされるが、国会へ請願をされたのか?⇒していない。
国会で審議がされる案件は、一義的には国会に請願すべきだが?⇒これで何かが変わるとは思っていないが、世論は変わってくると思う。そのための行動。
柳沢委員
防衛力強化そのものが問題と思っているが、憲法との関係で防衛力強化をどう思っているか?⇒反撃能力の保有について、今までなかったあり方が大きく変わるのに、国民に説明が果たされていないのが問題。戦争には行きたくない。
【紹介議員(原田議員)に対する質疑】
塚本委員
増税されるとのことだが、国が示したスキームで増税した場合、紹介議員自身の負担は、どのくらい増えるのか?⇒今回の増税は、法人税、たばこ税、復興特別消費税なので、自身としては、NPO法人に関わっているが、今後収益ある起業を考えているので影響がある可能性ある。タバコは吸わないので影響ない。所得税は関わってくると思う。
【市当局への質疑】
塚本委員
足らない4兆円の内、1兆円分を国民に負担をいただくもので、法人税、たばこ税、復興特別消費税2%のうちの1%であり、個人の負担は少ないことの周知が足りないと思うが?⇒防衛力強化に関することは、国の取組。財源確保について国民へ説明した上で、国会で審議されるものであり、市としては注視していく。
柳沢委員
請願の中に実質賃金がマイナスと書いてあるが、現状は?⇒厚労省の調査では、平成27年度から減少が続いており、直近ではマイナスが大きくなっている。
防衛費について、これまでGDP比1%としていたが、岸田政権は2%に拡大している。5年間で43兆円は、GDP比何%になるのか?⇒2023-2027年度の5年間で43兆円、2027年度は8億9,000万円で、2%に達するとされている。
世界第3位の軍事大国になると報道されているが?⇒GDP比2%となれば、米国、中国に次いで第3位となる。
核兵器廃絶平和都市宣言をしている本市としての見解は?⇒国が12月に策定した国家安全保障戦略で軍事大国とはならないとしている。核兵器廃絶平和都市宣言の方針が堅持されるるべきと考えている。
※この請願は、有賀委員、安藤委員、安田委員、柳沢委員が採択、井上委員、町田委員、塚本委員、佐野委員が不採択とし、可否同数となり、平川委員長の採決により、不採択となりました。
報告(1)公共料金の見直しについて(改定案報告)
2月の当委員会に中間報告がされましたが、このたび、見直し検討が完了し、改定案が作成されましたので、その報告がされたものです。
1. コスト分析の実施状況について
(1)有料・無料別件数(合計1,326件)
➀有料 施設利用料等に係る使用料1,185件/証明書発行等に係る手数料96件/合計1,281件
➁無料 施設利用料等に係る使用料45件/証明書発行等に係る手数料0件/合計45件
(2)受益者負担割合の状況
➀受益者負担割合66.7%以上 施設利用料等に係る使用料817件/証明書発行等に係る手数料43件/合計860件⇒改定の対象外
➁受益者負担割合50.0%~66.7%未満 施設利用料等に係る使用料197件/証明書発行等に係る手数料17件/合計214件⇒改定の対象
➂受益者負担割合33.3%~50.0%未満 施設利用料等に係る使用料98件/証明書発行等に係る手数料13件/合計111件⇒改定の対象
➃受益者負担割合25.0%~33.3%未満 施設利用料等に係る使用料23件/証明書発行等に係る手数料1件/合計24件⇒改定の対象
➄受益者負担割合20.0%~25.0%未満 施設利用料等に係る使用料11件/証明書発行等に係る手数料5件/合計16件⇒改定の対象
➅受益者負担割合20.0%未満 施設利用料等に係る使用料39件/証明書発行等に係る手数料17件/合計56件⇒改定の対象
(3)改定率
改定率については、前回見直し時の改定率(120%から170%まで)を参考にしました。
受益者負担率50.0%~66.7%未満は改定率120%/33.3%~50.0%未満は改定率130%/25.0%~33.3%未満は改定率140%/20.0%~25.0%未満は改定率150%/20.0%未満は改定率170%。
(3)見直し検討結果
➀有料で改定するもの 施設利用料等に係る使用料65件/証明書発行等に係る手数料11件/合計76件
➁改定しないもの 施設利用料等に係る使用料305件/証明書発行等に係る手数料42件/合計347件
➂無料で有料化するもの 施設利用料等に係る使用料2件/証明書発行等に係る手数料0件/合計2件
➃無料で有料化しないもの 施設利用料等に係る使用料43件/証明書発行等に係る手数料0件/合計43件
2. 改定する料金
【施設利用等に係る使用料(15件)】
市民病院特別入院室料2,400円を3,120円/看護学校授業料140,400円を176,400円/公園内行為物品販売200円を260円 その他見直しあり/八ヶ岳野外体験教室管理棟1,400円を1,800、宿泊棟900円を1,300円、テント無料を400円(金額は大人料金)。
【証明書発行等に係る手数料(11件)】
火葬証明手数料300円を400円/大庭台墓園墓地管理手数料普通墓地(4㎡)6,120円を7,340円、芝生墓地(4㎡)7,200円を8,640円、普通納骨壇3,883円を4,650円、集合納骨壇1,941円を2,320円/歯科予防処置手数料660円を950円/市民病院文書に係る手数料普通診断書2,000円を2,400円、普通証明書1,500円を1,800円/看護学校入学料22,000円を30,000円。
3. 今後の予定
(1)令和5年9月 市議会へ関係条例改正案の提出
(2)令和5年10月~翌年3月 市民周知
(3)令和6年4月 公共料金の改正
4. 改定時期を延期する料金(52件)
市民活動推進センター会議室A150円を200円、B140円を180円/地域市民の家ホール300円を390円/藤沢青少年会館体育室440円を500円 その他見直しあり/辻堂青少年会館談話室390円を400円、集会室240円を300円。
5. その他
市民センター・公民館等の駐車場利用については、別途検討を進めています。
町田委員
看護学校の授業料について、湘南看護専門学校は年間50万円で、今回値上げしても乖離が大きいが?⇒ICT機器の整備、シミュレーション人形の更新など、他の看護学校と学習環境の水準を合わせるための値上げ。他の学校並みとすると過剰な負担となるため、可能な改定率で見直すもの。
市民病院看護師の生涯定着率は?⇒生涯定着率の数値はないが、看護師の8割が卒業者。離職率は、県平均11.2%に対して4.7%。
奨学金制度を設けて、返済義務をなくすことで離職率を下げていくべきだが?⇒市独自の制度あったが、現在は運用していない。他の奨学金制度があるため。
柳沢委員
コスト分析実施状況について、2月と6月の数字が違うが?⇒2月議会の報告は、中間報告であり、その後の検討の中で、改めて算出したため。
受益と負担の適正化について、66.7%以下を対象として検討してきたが、66.7%で線引きした理由は?⇒3年に1度の見直しとしているので、その都度基準を変えられない。66.7%であれば、一定の負担をいただいていると考えるため。
改定時期を延期するものについて、今後の見直しは?⇒延期するのはより多くの市民が地域コミュニティで使用する施設で、物価高騰なども踏まえて延期する。今後は改めて検討していく。
この改定で値上げした場合、市の収入増の見込み額は?⇒令和6年4月に改定した場合、約4,838万円の増が見込まれる。
物価高騰、実質賃金が上がらない中で、公共料金の値上げはするべきではないといった意見はなかったのか?⇒物価高騰を踏まえて慎重に検討してきた。市民生活への影響も懸念されるが、維持管理コストが増えているので、受益と負担の偏りのないよう、受益者が限定されるものを見直すもの。
塚本委員
コストに対して、受益の負担を66.7%をラインとして、33.3%は使わない市民に負担してもらうもの。料金を上げなければ、使わない市民の負担が大きいということか?⇒市の税金で負担することとなる。
井上委員
看護学校の入学金、授業料を値上げするとのことだが、湘南看護専門学校との比較状況は?⇒湘南看護専門学校は、入学金25万円、授業料50万円、市立看護学校は、入学金22,000円、授業料140,400円。
大きな差がある。市立看護学校の卒業者は全て市民病院に入るなら分かるが、湘南看護専門学校と市立看護学校との違いは?⇒湘南看護専門学校の設置前から、市民病院、市内医療機関へ安定した看護師の供給を担うことを目的として設置された。
違いを説明できないが?⇒乖離を埋める発想ではなく、これまで安定した人材の供給をしてきた。これまでの学習環境を整えるには値上げが必要としていたが、極端な値上げをすれば、応募が減ると考えてきた。
値上げした分、市民サービスへの還元が見えるようにすべきだが?⇒値上げする一方、歳出削減も必要。施設の維持管理経費、今後の投資による歳入確保の面もある。今後、市民に周知していく。
報告(2)片瀬海岸3丁目における津波避難施設の整備について
片瀬海岸3丁目における津波避難施設の整備については、令和4年度に基本構想を策定し、基本・実施設計業務に着手、今回は、基本設計がまとまりましたので、方向がされたものです。
(仮称)片瀬海岸3丁目9番地先津波避難施設整備事業基本設計の概要
1. 計画概要
【敷地概要】
(1)計画値 片瀬海岸3丁目9番地先
(2)敷地面積 963.25㎡
(3)用途地域 第一種低層住居専用地域
【建物概要】
(1)構造 鉄骨造2階建
(2)用途 津波避難施設
(3)建築面積 約555㎡
(4)延べ床面積 約707㎡
(5)屋上階避難床 約440㎡(733人)
(6)その他 倉庫・階段・スロープ
2. 基本設計のコンセプト
(1)避難対象とする区域の全員が避難できる施設とします。
(2)防災訓練等の実施を通し、防災意識の向上を図る施設を目指します。
(3)周辺住環境・景観に配慮した計画とします。
3. 主な設備等
(1)階段とスロープを併設し、多様な人々の避難に対応できる施設とします。
(2)階段とスロープには、蓄光材を設け、停電時でも避難可能となるようにします。また、非常照明設備を設け、停電後30分は蓄電池による照明の点灯が可能とします。備品として非常用発電機を設け、非常回線の照明・コンセントの利用が可能とします。
(3)中間階に設ける倉庫には、災害時に必要な備蓄資機材を保管します。
(4)倉庫内には多機能トイレ1箇所と組立式トイレ設置スペース(8箇所)を確保します。
4. 津波避難行動の想定
避難想定距離 歩行距離最長300m⇒歩行速度1.0m/秒 最大約5分⇒避難施設地上階到達⇒スロープ1分30秒 階段30秒⇒屋上階避難床到達 避難完了 最大6分30秒
5. ユニバーサルデザイン
(1)スロープは、ユニバーサル基準に準拠した勾配とします。
(2)階段の踏面は27cm程度、蹴上は18cm程度とします。
(3)サインは、色彩、書体をわかりやすくしたものとします。
6. 環境配慮
(1)周辺の住宅環境に配慮し、暖色系を基調とした色を採用します。
(2)東南角には再生木のルーバーを設置し、圧迫感を軽減します。
(3)監視カメラを設置し防犯対策を講じます。
7. 事業スケジュール(予定)
(1)令和5年度 基本・実施設計
(2)令和6年4月~6月 工事発注
(3)令和6年6月~令和7年度末 建築工事
(4)令和8年4月~ 運用
佐野委員
西浜町内会の一部のプロジェクトで行ったアンケートの内容は?⇒6人を中心に活動している団体で、設問は地盤高7mについて、➀7mで十分、➁7mでは不安、➂わからない、➃その他で、147件の回答で70%が➁を選んだと聞いている。
避難床を10mにしない理由は?⇒法律、国・県の基準に基づき、基準水位3.4mに加えて、干渉帯3.6mをかさ上げして安全確保している。730人全員が避難できること。片瀬地区全体の理解のもと、最短の工期で整備するため。
避難床を10mとした場合の支障は?⇒日影規制で屋上避難床面積が狭くなり、全員が避難できなくなること、屋上まで短時間でたどり着けない、特定財源の減額、地区全体の理解が得られないなど。
高さを理解し、早期完成を望む声あるか?⇒一定の理解を得るとともに、早期完成を望んでいる。
不安を感じている住民への対応は?⇒今後も個別に訪問しながら、丁寧な説明をしていく。
安田委員
当初案から地元要望はどう反映されているのか?⇒出来るものは計画に反映させている。例えば、階段・スロープの入口を道路から直接入れるようにした、中間層に避難床、多目的トイレの設置、避難床の高さを高くしたなど。
事業費5億円の内、国庫補助は?⇒1/2補助。
10mとした場合、どうなるのか?⇒事業費で約1.5から2倍くらいになることに加え、国庫補助の減額が推測される。
塚本委員
パースにある壁は必要なのか?⇒ルーバー形式で計画を損なわないようにしたもの。また、地域住民からも見下ろされる目線を防いでほしいという要望もあった。流れてきた漂流物が壁の役割を果たすので、壁ありきで設計している。
733人全員避難できるとのことだが、高齢者や災害時避難行動要支援者もいるが大丈夫か?⇒要配慮者、車いすの方もいるのでスロープで上り、具合が悪い方は倉庫の中で待機してもらう。
令和7年度の完成後、避難訓練の実施もあると思うが、例えば、花火大会の時に地域の開放するなど、地域に親しんでもらうことも必要と思うが?⇒津波避難施設として、本来の目的で活用していくが、町内会、片瀬地域の方々の避難訓練の前後で、活用の仕方を考える機会には、柔軟に考えていきたい。
※以上、報告とします。