10月10日 10:00より、藤沢市議会9月定例会(10日目)が開催されました。内容の抜粋は次の通りです。
令和4年度決算にあたり、各会派から賛成・反対討論のあと採決となりました。なお、私が所属する「民主クラブ」からは、安藤議員が、賛成の立場で討論を行いました。内容は次の通りです(全文)。
「民主クラブ」令和4年度決算討論
皆様こんにちは、民主クラブ安藤です。初めに情勢についてお話しさせて頂きます。令和4年度はウィズコロナの考え方の下、経済社会活動の継続により新型コロナウイルス感染症が経済に与える影響は小さくなり、脱炭素化の流れの中でコロナ禍からの景気回復、さらにウクライナ情勢の長期化に伴う原材料価格の高騰や希少物資の供給懸念や、金融資本市場の変動など様々な下振れリスクがありました。
今後、高齢化や人口減少が本格化していく中で、人への投資と分配を強化するとともに雇用形態にかかわらず、個々の希望に応じて多様な働き方を選択できる環境整備を進めることが求められます。
本市においては、令和4年度はSDGsの視点や新しい社会インフラとして、デジタル化など踏まえ未来に向けた、持続可能なまちづくりへの転換や『藤沢市市政運営の総合指針2024』に基づき、市民の誰もが便利さや生活の豊かさを実感でき、安全・安心で生き生きと暮らせるよう行政手続きのオンライン化など進めて頂きました。加えて長期化したコロナ禍に於いて感染対策やワクチン接種体制やPCR検査など、またロシアによりウクライナ侵略により原油価格・物価高騰など先の見通せない中、リーダーシップをとって頂いた鈴木市長に感謝申し上げます。
それでは、認定第1号令和4年度藤沢市一般会計及び認定第2号ほか6特別会計、また議案第42号決算の認定について民主クラブの賛成討論を行います。
【人件費】
会計年度任用職員の一時金の取扱い及び、給与改定について、決算特別委員会の中でも質疑をしました。一時金の取扱いについては、令和4年度人事院勧告のプラス改定を反映したことは、国が令和6年度から勤勉手当を導入することを先取りしたようなもので大いに評価しますが、給与改定時期が常勤職員と同様な扱いとならなかったことについては、遺憾と言わざるを得ません。今年度の人事院勧告については、一時金、給料ともにプラス勧告なので常勤職員と同様の対応を強く求めます。
また、会計年度 任用職員の一時金給与改定の取扱いについては、関係団体と協議していくという答弁でした。その姿勢は極めて当然であります。職員の給与については人事院勧告の尊重、情勢適用の原則を踏まえて、関係団体との協議・交渉を経て決定がされるものです。 従って、議会も含めて外部からの圧力により、その関係は決して歪めてはなりません。 一部手当が議会でも指摘されていますが、これまでの給与構造改革給与制度の総合的見直しによる国家公務員以上の給与引き下げは現在も影響しています。そのことを踏まえて、一部手当の見直しを検討することなく給与全体の水準について、職員がモチベーション高くやりがいを持って働ける水準とは何かを重視し市民サービスを低下させない対応を強く要望します。
【総務費】
行財政改革2020の個別課題で実施されている、窓口の協働事業化について、決算特別委員会で質疑をし財政効果も当初の想定通りに進んでいるとのことでしたが、協働事業を担う事業者の従業員は人数が多いため多くのロッカーが必要であります。市職員は2人で1つのロッカーを使用しているのに協働事業の従業員は、1人1つのロッカーで職場のすぐ近くに配置されている一方、職員は職場から遠いところにロッカーがあり不満の声も聞きます。そういった目に見えない課題は、財政効果に反映されていません。
そして、一番気になる点は決算特別委員会でも指摘しましたが、職員の実務経験が減っていることに伴うスキルの低下です。 答弁では、専門性の高い業務や、複雑な判断を要する業務など、制度改正等の施策にかかわる業務は、市職員が担当しているので、業務に必要な専門的スキルについては、継続性が図られていくと考えている、とのことでしたが、そのような楽観視は危険だと思います。協働事業の継続について、課題等の検証を行い業務領域の見直しも含め検討していくとのことでしたが、その点は真剣に考えていただきたいと思います。 更に、今回の協働事業のように国が進める新たな取組の多くは、厳しい地方財政に鑑み地方財政計画における地方財源の圧縮が目的と言えると思います。 藤沢市は不交付団体ですので、このような国主導の取組に対しては、先行して導入するのではなく地方の取組の様子を確認し、市民にとってより良い取組みに絞って取り入れていくような姿勢であるべきと指摘しておきます。
【男女共同参画推進事業費】
あらゆる分野でのジェンダー平等が求められる中、政策・方針決定過程の場における女性の登用率向上が本市でも課題となっています。
例えば、防災分野でのジェンダー平等の一つ防災会議委員の女性の登用率について現在委員38名中女性はわずか1人であり、その登用率は2.6%と目標値である15%に遠く及びません。 そのような中、本市はジェンダー平等、女性の参画に向けた意識改革の取り組みとして、市長を会長とするダイバーシティ・ アンド・インクルージョン推進会議を設置されています。意識改革の推進と啓発の際には、スローガンを掲げている以上、担当各課、又は担当者間でこの分野を共通認識として課題解決に向けた分析と実効性のある取り組みをお願いいたします。
また世界経済フォーラムが今年6月に発表した日本のジェンダーギャップ指数は、146カ国中125位で過去最低となりました。ジェンダー平等だけでなく障害者の社会参加や難民の受け入れ、子どもの権利などについて日本は国連から度々勧告を受けており、国際社会からは「人権後進国」と見なされていることを銘記すべきです。 このような中で、人権男女平等平和国際課の職員の皆さんの取り組みは非常に意義のあるものと評価させていただきます。ジェンダー平等については「女性の問題」ではなく、「意識の遅れた男性の側の問題」と見る視点も必要です。また性的指向や性自認LGBTQにかかわる啓発も引き続きお願いします。
在日コリアン女性に対して無数のヘイト書き込みを行った「極東のこだま」は藤沢市民だったことを忘れるわけにはいきません。被差別 部落情報の適時など、インターネットの普及によって「差別」はより悪質で深刻になっています。このような中で、各地の自治体からの粘り強い削除要請は、差別書き込みの削除に大きな役割を果たしました。引き続き適切なモニタリングを継続し、市民の人権を守って頂きたいと要望します。
藤沢には多くの外国につながる市民が暮らしています。この方たちにとって、「ことば」は藤沢で暮らし、学び、働いていく上で欠くことのできない生活のツールです。2016年に藤沢市の教職員を対象に実施されたヤングケアラー実態調査では、病院などへの通院の際、子どもが学校を休んで、日本語の堪能(たんのう)ではない 親に付き添っている実態が浮かび上がりました。もちろん、家族を支えることを学校に通うことより大切と考える文化を、持つ国もあることから、そのことは尊重しなければなりませんが、少なくとも日本側が子どもを「通訳のできる家族」としてカウントすることのないような通訳制度の整備を要望します。
2021年4月に開始されたパートナーシップ宣誓制度ですが、誰もが差別されることなく、多様性を認め合う社会の実現のためには、引き続き本制度の啓発や理解の促進が求められます。また他の会派の議員からも質問がなされていましたが、パートナーシップにある方のお子さんも家族として認める制度(ファミリーシップ宣誓制度)の導入もお願いいたします。
航空機騒音対策推進事業費についてですが、岩国基地移駐によりジェット機騒音は減少しましたが、厚木基地の運用が変わってきていることから、住宅地上をオスプレイによる飛来が増えています。市民の不安解消のため騒音対策だけではなく、安全対策についても考えて頂くよう要望します。加えて国への要請を引き続きお願いいたします。
【環境保全費】
温暖化防止対策は、まったなしの課題です。記録的な猛暑から環境問題がより身近に感じられ、市民意識が高くなっていると思いますが、一方で、何をすればいいのか、との声をよく聞きます。市民や事業者等に行動変容をもたらすよう、庁内横断的な繋がりをもって、より効果的な仕組みづくりを要望します。また、自分事と感じられるような環境啓発の推進をお願いします。
次世代自動車導入について、補助額の増額などにより次世代自動車の促進については評価いたします。その一方でインフラ整備は大変重要な課題であり国や県の動向を確認し、関係各課と連携を行いインフラ整備の拡大に向け進めて頂きたいと思います。
次に藤沢市の刑法犯 認知件数は、平成14年には9,675件でした。この数字は年々低下し、近年では2,000件を切るまでに大きく減少しました。これは防犯交通安全課の職員、警察、市民の皆さんの地道な取組はすばらしい成果です。高く評価させていただきたいと思います。ただ「刑法犯」と言っても、その内容は殺人や強盗などから窃盗器物損壊と多岐にわたります。また殺人にしてもその内実は介護殺人だったり万引きの背景にはさまざまな疾病(しっぺい)や困難があったり、単に「防犯」対策だけでなく福祉的な支援が必要なケースもあります。ぜひ個々の「犯罪」の内容や背景を分析したうえで、適切な対応を引き続き要望します。
【民生費】
昨年の10月、国連の障害者権利委員会は障害者権利条約に関して日本政府への総括所見を公表しました。この中で、従来の「医学モデル」「社会モデル」という概念をさらに発展させた「慈善モデル」に対する「人権モデル」という考え方が示されました。障害の有無にかかわらず「共に生きる社会」をつくる課題は「思いやり」の問題ではなく、「基本的人権」の問題という認識です。ぜひそのような観点から障害者権利条約や改正障害者差別解消法についての啓発を進めて頂きたいと思います。
公立保育園における課題について、保育士と意見交換をしたところ多くの保育士から保育士が足りないとの声がありました。正規職員のほかに会計年度 任用職員に欠員があり、相当な負担を抱え年休も取れない状況にあると切実に訴えられました。決算特別委員会では、会計年度 任用職員の欠員について一部欠員が生じているがフリー職員として加配している3歳児対応職員の活用や保育士応援派遣制度により、再任用職員を人員が不足する園に派遣して対応するなど、保育に支障が生じないように対応している。との答弁で現場保育士の感覚と乖離があると感じました。
あらゆる工夫をしていることは認識していますが、会計年度 任用職員の欠員が常態化していることは事実です。採用の努力や工夫をしているから、欠員が解消されなくても、仕方ないとはなりません。この間、指摘をしていますが、会計年度 任用職員の欠員解消がされないのであれば一定の応募がある正規保育士をまず確保するなどとにかく欠員はあってはならないことを基本に対応することを強く要望します。
医療的ケア児について、医療的ケア児の受け入れが少しずつではありますが、着実に広がっていることを評価したいと思います。障害者総合支援協議会で頂いた様々なご意見も十分に受け止めつつ現場の条件整備を進め、より積極的な取り組みを要望します。
幼児教育振興助成金について、藤沢市には認可されていない幼稚園形態の園が数園あります。これらの園は地域に定着しているだけでなく、幼稚園から入園を断られた子どもや、発達に偏りのある子どもを受け入れるなど、多様な子どもたちの大切な保育・教育の場となっています。幼児教育施設保育料補助金の見直しに関して、9月に市長宛に出された当該園からの要望も踏まえた対応を要望します。
【衛生費】
産後ケア事業について、出産後4か月を超える母と子に対しケアを実施している施設は4か所ありますが、いずれも市外にあり利用者の施設への移動は自家用車、電車、バスの乗り継ぎが必要で時間もかかり、産後の母親の心身の負担は大きいことからタクシー券の助成など移動支援に対する助成を行っていただきたいと考えます。決算特別委員会での質疑に対するご答弁では、現在、出産・子育て応援事業における給付金のクーポン化に向けた検討が行われており、市内外問わず産後に移動する際の交通手段としてタクシーの利用に給付金が活用できるように現場の声をお伝えさせていただきました。産後にかかる費用負担を軽減するため、タクシーの利用に限らず必要な支援の選択肢を示して頂けるとの答弁がありました。是非、早期実現に向けた取り組みをお願いいたします。併せて随時要望させて頂いておりますが、ケアを利用したい人誰もが利用をためらわないよう利用料金に対する自己負担額の軽減に向けた取り組みもお願いいたします。
インターネットが普及した今日、子どもや若者は、歪んだ性の情報や、あからさまな、性的情報に過剰にさらされています。そのような状況を踏まえ、ユネスコは「国際セクシュアリティ 教育ガイダンス」を公表し体や妊娠についての教育だけでなく、ジェンダー、人権、多様性、人間関係、性暴力の防止なども含めた「包括的性教育」を提唱しています。 しかし日本では2000年代初頭に吹き荒れた「性教育バッシング」によって、学校での性教育はすっかり萎縮させられました。 それに変わり得るものとしていま「ユースクリニック」という取り組みが広がっています。 これは『若者のためだけにあるクリニック』で、13歳から18歳の女性はワンコインで助産師さん看護師さんになんでも相談をすることができます。
「包括的性教育」の理念に添った大切な場ですが、ただ中学生や高校生が産婦人科の門をくぐるのは非常にハードルが高いことです。若者が多く集まる場所例えば市役所5階などにブースを作るなどの「出張ユースクリニック」の取り組みについて、ぜひ積極的に検討してくださるよう要望します。
日本ではいまだ精神障害者の精神科病院への長期入院が依然として続き、地域移行が進んでいません。 地域移行が進まない原因のひとつは、精神障害に対する差別や偏見が社会に根強く残っていることだと思います。この神奈川でも、精神障害者のグループホーム建設に対して反対運動が起きています。 しかし、「共に暮らさ」なければ理解は進みません。引き続き粘り強い啓発を続けてくださるよう要望します。 交通機関の運賃の「障害者割引」は単なる「サービス」ではありません。介助者が付けば障害者の社会参加は大きく広がります。そのため、障害者+介助者で一人分の運賃を設定しています。
この10月からは東急電鉄と京浜急行が「精神障がい者割引制度」を導入しました。しかし、東急と相互乗り入れを開始した相模鉄道はこの制度を導入していません。 是非バス事業者を含め、相鉄など藤沢市に関係する交通事業者にも、精神障害者への割引制度の導入を働きかけてくださるよう要望します。
【労働費】
技能振興関係費について、多くの中小企業では、技能者の後継者不足が深刻な問題となっており、本市の地域経済を支える「ものづくり産業」においても、技能継承については大きな課題となっています。多くの子どもや若者に、職人の技能や技術を身近に感じて頂き、将来の職業選択のきっかけとなるように引き続き取り組んでください。加えて中小企業の技能者人材の採用、定着についても取り組みをお願いいたします。またマイスター制度の認定は個人となっていますが、今後は、企業のご支援を検討し、マイスターの技能・技術をさらに、たくさんの方に伝える事業を実施して頂きたいと思います。
【商工費】
MaaS基盤強化について、新型コロナウイルス感染症の影響により、落ち込んだ市内経済の回復を図るため、鉄道事業者が運用するMaaSアプリ等の基盤強化で得られた、アンケート結果などのデータを踏まえ、多様化する観光客のニーズに対する選択肢や、オフピークへの可能性も広がったことから、観光事業者と連携し、費用対効果も含めた活用について検討を進めるように要望いたします。
またエネルギーや食料品等の価格高騰により影響を受けた、中小企業活性化に向け対応したことは評価いたします。今後も物価上昇が続くとのことですので、中小企業活性化や市民の皆様に還元して頂けますように要望いたします。
【土木費】
道路施設改修事業費について、近年全国各地で多発している集中豪雨(ゲリラ豪雨)により鉄道の下を通るアンダーパスの冠水により車両等が水没するなどの事故が多く発生しております。掲示標識や浸水の深さを確認できる標示など対策を実施していますが、いつ起こるかわからない集中豪雨ですので、未整備の区間は市民の安全を守るために早急な整備を要望いたします。
次に公園について、藤沢市内には300の公園があります、本市では公園が多く子育てしやすい街としても愛されています。しかし愛護会設置公園の割合が54.24%で団体数が60団体となっていますが、愛護会の構成している会員の皆様が高齢化により存続が厳しくなっていると伺っています。市民アンケートの結果では公園愛護会を知らないとの回答が74.1%あったとのことでした、広報ふじさわや紹介記事など対応していただいておりますが、いろいろな媒体などの活用や企業などの支援も検討し、藤沢市の魅力である公園の維持管理をして頂けますようにお願いいたします。
旧東海道藤沢宿街なみ継承地区には、国登録有形文化財に指定されていない建造物でも藤沢宿の街なみを形成している貴重な建築物があります。しかし、藤沢の歴史的建造物には民間所有のものが多く、所有者の方の意向や事情などによって失われてしまうことが懸念されます。 是非これらも市として一定の支援を要望します。
【教育費】
学校の深刻な課題は、教職員の長時間労働と深刻な人手不足です。学校現場は欠員・未配置と教員志望者の激減により、正常な学校運営に支障をきたす深刻な状況に陥ってしまっています。この問題は基本的には国・県の問題ではありますが、市教育委員会としてもぜひ積極的な対応をお願いします。
不登校の子どもたちが平成24年を境に顕著に増加に転じたことと、精神疾患を理由に退職した教員もほぼ同時期から急増しています。この両者には相関があると考えます。
「ゆとり教育」が否定されて授業内容を大幅に増加させた、新学習指導要領が実施されたことによって、子どもも先生も余裕を失い、学校についていけなくなったのではないでしょうか。学習指導要領を見直し、「詰め込み教育」を改めることを考えるべきです。教育委員会として、機会を捉えて国や県に問題提起をしてくださるよう要望します。
日本語支援を必要とする児童生徒に対する指導は現状、「取り出し」型で行われています。しかし、このような方法では限界があり、学校現場からは改善を要望する声があがっています。外国人が集住しているわけではない藤沢市の特性は理解しますが、横浜市などで開設されている「初期集中支援教室(プレ・スクール)」の開設について、ご検討くださるよう要望します。
国連の障害者権利委員会は昨年、日本政府に対して「特別支援教育を中止するよう求める」衝撃的な勧告を行いました。 「分けられた場」で行われる教育は、障害者権利条約の求める「インクルーシブ教育」ではない、というきわめて厳しい内容です。 これに対して文部科学大臣は「特別支援教育を廃止する考えはない」とする見解を表明しました。 学校現場も、抜本的な教員定数の改善や、合理的配慮のための教育予算増額なしに、ただちに「フル インクルージョン」を目指すことは現実的ではない、との声が大半だろうと思います。
しかし一方、日本も条約の締約国として障害者権利条約を誠実に遵守すべき責務を負っており、総括所見の示すロードマップを視野に入れた教育政策に転換していくことが求められるはずです。
藤沢市は就学時健康診断で就学先を一方的に決定するのではなく、「保護者の意向を最大限に尊重する」という方針を取っており、重度の障害のある児童生徒であっても地域の普通学級に通学している例も少なくなく全国でも最も先進的な自治体のひとつです。もちろん先生方のご負担も決して少なくないとは思いますが、条件整備を進めこの方針を堅持してくださるようお願いします。
藤沢市の児童生徒数は長期的には、減少に向かうかもしれませんが、学校施設は子どもたちにとって「いま」の課題です。 過大規模校対策については当面の通学区域の変更と合わせ、学校新設や時限的な分校の建設もぜひ選択肢として排除しないで頂きたいと思います。 あわせて、白浜養護学校の過大規模化への対策にも、ぜひ取り組んでくださることをお願いします。
各学校に任されている学校管理費ですが、予算内に納める都合上、地域の事業者へ発注していたクリーニング作業を保護者が行っている学校が多くなっています。それにより、様々なご家庭が洗濯することで、洗剤や柔軟剤による香害が懸念されます。各校が適切な学校運営が行えるよう、現場の声をきちんと反映した予算配分を要望します。
特別支援教育運営費の介助員派遣事業について、本市において、小・中学校・特別支援学校に在籍する、特別な教育的支援を必要とする児童生徒の人数が右肩上がりに上昇する一方で、教員不足が深刻化しています。 そのため、従来の介助員の人数や時間数では、十分な対応ができなくなるリスクが高まっています。 また、本市の介助員は有償ボランティアであるため基本的な時給が900円と最低賃金未満の水準です。安定的な人材の確保・育成のため、本事業の予算を増額し介助員の処遇改善を図ることを強く要望いたします。
八ヶ岳野外体験教室の冬期利用が増えています。 冬期利用の場合の下見や打合せは従来には無かった、八ヶ岳ゆえの困難な問題が生じます。万一の事故などあってはなりません。旅費の再検討や、下見の集団化など、学校現場の声を踏まえた改善をお願いします。
スポーツ庁は平成30年に「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」を策定し、従来の部活動のあり方の見直しを求めました。 これは体罰の禁止はもちろん、行きすぎた勝利至上主義や、児童生徒の発達段階を考慮しない長時間にわたる練習、非科学的な精神論に基づく指導など見直しを求める重要なガイドラインです。時間の経過につれてガイドラインが形骸化することのないよう、引き続き周知を図ってくださるよう要望します。
またこれは学校部活動に対するものですが、今後部活動の地域移行が進むことを考えれば民間のスポーツクラブなどにおいてもこのガイドラインの遵守が求められています。去る10月1日に藤沢市と藤沢市教育委員会の共催で「藤沢市スポーツシンポジウム2023」が開催され、女子バレーボール元日本代表の益子直美さんの「監督が怒ってはいけない大会を開催した理由」と題した講演がありました。参加者の心に届く非常に貴重な講演だったと思います。科学的なスポーツ指導のあり方について、この講演会を単発のものに終わらせず、藤沢市全体に広げてくださるよう要望します。
藤沢宿を代表する歴史的建造物である旧桔梗屋を市が取得して以来、維持・活用に取り組んでくださっていることを高く評価します。 この旧桔梗屋も含めた藤沢宿の歴史的建造物にアート展示を行う「藤沢今昔・まちなかアートめぐり」が開催されています。これは歴史的建造物を活用する大変意義のある活動のひとつだと思います。 藤沢宿の景観や歴史的建造物の維持・活用は、市民の皆さんの活発な活動によっても担われています。ぜひ、官・民連携による取り組みをいっそう進めてくださるよう要望します。
考古資料や民俗資料などを管理・収蔵する文化財収蔵庫の再整備を巡っては、建築費の増加の見込みを受け「見直しを検討する」と報告されています。 しかし文化財が亡失してしまえば二度と元には戻せません。また資料によっては時間の経過と共に痛みの進行が心配なものもあります。 様々な課題があることは承知しますがこの収蔵庫はぜひ早急に整備すべきものと強く要望させて頂きます。
※採決
認定第1号 令和4年度藤沢市一般会計歳入歳出決算の認定について
※上記認定議案は、共産党、アクティブ藤沢が反対しましたが、賛成多数で認定されました。
認定第2号 令和4年度藤沢市北部第二(三地区)土地区画整理事業費特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第4号 令和4年度藤沢市国民健康保険事業費特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第5号 令和4年度藤沢市介護保険事業費特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第6号 令和4年度藤沢市後期高齢者医療事業費特別会計歳入歳出決算の認定について
※上記4認定議案は、共産党が反対しましたが、賛成多数で認定されました。
認定第3号 令和4年度藤沢市墓園事業費特別会計歳入歳出決算の認定について
認定第7号 令和4年度藤沢市民病院事業会計決算の認定について
※上記2認定議案は、全会一致で認定されました。
議案第42号 令和4年度藤沢市下水道事業費特別会計剰余金の処分及び決算の認定について
※この認定議案は、共産党が反対しましたが、賛成多数で認定されました。
【追加議案】
議案第46号 令和5年度藤沢市介護保険事業費特別会計補正予算(第1号)
認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム)に対する監査結果に基づき、当該事業所の運営法人に対して介護給付費返還命令処分を行いましたが、その後、当該法人が神奈川県介護保険審査会に「処分の取消」「支払った介護給付費の全額返金」について審査請求を行い、採決の結果、法人側の審査請求が容認されたため、返金するものです。
1. 過誤納付還付金 422万5,000円
2. 還付加算金 18万6,000円
※この議案は、補正予算常任委員会に付託されました。
~本会議を休憩し、補正予算時容認委員会を開催~
議案第46号 令和5年度藤沢市介護保険事業費特別会計補正予算(第1号)
認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム)に対する監査結果に基づき、当該事業所の運営法人に対して介護給付費返還命令処分を行いましたが、その後、当該法人が神奈川県介護保険審査会に「処分の取消」「支払った介護給付費の全額返金」について審査請求を行い、採決の結果、法人側の審査請求が容認されたため、返金するものです。
原田委員
審査会の評価は?や⇒不正とまでは言えないとのこと。
※この議案は、全会一致で可決すべきものと決定しました。
~本会議再開~
議案第46号 令和5年度藤沢市介護保険事業費特別会計補正予算(第1号)
※この議案は、全会一致で可決されました。
議会議案第5号 保育所等保育施設の職員配置基準改善を求める意見書について
この議案は、子ども文教常任委員会に付託された陳情が趣旨了承となったため、国に意見書を提出するものです。
※この議案は、全会一致で可決されました。
議会議案第6号 厚木飛行場の住宅防音工事補助対象区域に係る見直しに際しての問題解決を求める意見書について
この議案は、総務常任委員会に付託された陳情が趣旨了承となったため、国に意見書を提出するものです。
※この議案は、市民クラブが反対しましたが、賛成多数で可決されました。
議会議案第7号 選択的夫婦別姓制度の法制化を求める意見書について
この議案は、総務常任委員会に付託された陳情が趣旨了承となったため、国に意見書を提出するものです。
※この議案は、松長議員、石井議員、石川議員、町田議員、甘粕議員が反対、佐野議員、小池議員が退席しましたが、賛成多数で可決されました。
※以上をもって、藤沢市議会9月定例会が閉会となりました。
※以上、報告とします。