2024.3.7 補正予算常任委員会

 3月7日 9:30より、藤沢市議会補正予算常任委員会が開催され、インターネット中継を傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。

議案第92号 令和5年度藤沢市一般会計補正予算(第8号)

 事業費に原則500万円以上の執行残が見込まれるもの、財源更正を必要とするもの、翌年度への繰越措置を必要とするもの、その他特別な事情により補正を必要とするものなどで、補正額は次の通りです。

【一般会計】補正額:62億9,225万9千円/補正後総額:1,766億5,124万8千円

【特別会計】補正額:1億9,517万1千円/補正後総額:1,306億8,294万8千円

※補正後の一般会計・特別会計総額は、3,073億3,419万6千円となります。補正の概要は次の通りです。

【総務費】補正額:60億1,448万6千円

1. 財政調整基金積立金 46億1,000万円

 前年度決算剰余金の一部及び減額事業費の一部をを積み立てるものです。

原田委員

 46億円を積立てるが、今後、予算でどう活用していくのか?⇒大規模災害への備え、急激な社会情勢の変化への対応などに活用していく。

 災害復興基金があるが?⇒市民生活の復興を速やかに進めていくための財源。

2. 公共施設整備基金積立金 12億7,317万円

 公共施設の整備に係る財源を確保するため、公共施設整備基金へ積立を行うものです。

原田委員

 活用の見込みは?⇒公共施設再整備プランの対象事業を対象にしている。

3. 市民センター整備費 5,165万6千円【繰越明許費設定】

 旧辻堂市民センター解体工事着手前の家屋事前調査に要する経費を増額するものです。

町田委員

 なぜこのタイミングで家屋調査するのか?⇒令和6年度当初を予定していたが、旧辻堂市民センターの維持管理費の削減、防犯上の観点から早期に実施する必要があったため。

 今後の解体に向けたスケジュールは?⇒近隣住民に解体前の調査の希望確認をとり、令和6年5-6月に契約、夏に調査をして、その後、解体工事に入る予定。令和7年度夏ころまでに終わらせていきたい。

原田委員

 今後の有効活用の考えは?⇒解体工事後、更地にして、境界確定までの間、有効活用をしていきたいが、今後、企画政策部と検討していく。

 売却までの期間の想定は?⇒相手があるため示せない。

有賀委員

 旧辻堂市民センターを閉鎖してから2年たつが、この間の活用状況は?⇒コロナ禍での検査、物資倉庫として活用した。

 公共資産パートナー提案制度を検討しなかったのか?⇒売却の方向性が決まっていたので、検討していない。

 市民提案があったのでは?⇒令和3年度に跡地、施設の利用について提案の相談を受けたが、今後、提案する機会かあれば連絡するとした。

 地域への説明が更地になった後とのことだが、まちの景観が大きく変わろうとしているので、更地にする前に説明すべきだが?⇒新施設建設にあたり、旧施設も一緒に議論してきた。その際、地域からの要望もなかった。解体するための地域説明で、活用の説明ではないが、地域から活用の意見があれば受止ていく。事前の家屋調査の希望を取る中で意見を聞いていく。

 補正額5,100万円の内訳は?⇒家屋調査の対象を境界から20mとし、家屋8棟、工作物12、対象は30世帯となる。最大限で実施した場合を想定しているもの。契約までに希望をとるので、実際の契約額は減額となるのが一般的。

4. 平和基金積立金 1,520万3千円

 寄附額が見込みを上回ったことから増額するものです。

5. 過年度市税等還付金及び還付加算金 4,886万4千円

 国庫負担金等返還金が当初の見込みを上回るため、増額補正をするものです。

6. 災害復興基金積立金 600万円

 寄附額が見込みを上回ったことから増額するものです。

7. 防災設備等整備事業費 2億1,651万1千円【繰越明許費設定】

8. 減額事業(生活・文化拠点再整備費ほか10事業) △2億691万8千円

原田委員

 基幹系システム関係費の標準化文字同定作業を中止したとのことだが、内容は?⇒市独自の外字が1,900ある。標準化により、移行が定められている。令和5年度に実施しようとしたが、国がツールを出すこととなり、コストが縮減できるため、令和6年度に再度実施することとしたもの。

 その外字は消滅するのか?⇒国の検討が終わっていない。経過措置が設けられる予定となっている。

 
【環境保全費】補正額:483万9千円

9. 交通安全対策基金積立金 2,581万8千円

 寄附額が見込みを上回ったことから増額するものです。

10. 減額事業(緑地保全事業費ほか2事業) △2,097万9千円

【民生費】補正額:5億2,005万5千円

11. 保険基盤安定操出金 2億133万6千円

 国民健康保険事業特別会計(保険基盤安定分)への操出金を増額するものです。

12. 愛の輪福祉基金積立金 1,367万4千円

 寄附額が見込みを上回ったことから増額するものです。

13. 介護給付費等事業費 4億2,344万3千円

 サービス利用に係る扶助費等が当初見込みを上回ることから、増額補正をするものです。

14. こども未来基金積立金 400万円

 新たに設置した基金への寄附額が見込みを上回ったことから増額するものです。

味村委員

 積立額の目標設定は?⇒していない。

 教育応援基金とのすみ分けは?⇒教育応援基金は奨学金や教育環境整備で、こども未来応援基金は、子どもの居場所づくり、こどもの支援をしている団体の事業などに充てる。

15. 児童保育委託費 6億226万7千円

 公定価格が引き上げられたことに伴い、増額するものです。

16. 生活保護扶助費 1,005万1千円

 生活保護に係る扶助費が当初の見込みを上回るため、増額補正するものです。

味村委員

 見込みを上回ることをどう捉えているか?⇒高齢者世帯の増加と捉えている。

 エアコンの修理代についても出すべきだが?⇒日用品と同様に保護費のやりくりの中で対応してもらうものだが、支給できるよう県を通じて要望している。

17. 減額事業(運営費拠出金ほか20事業) △7億3,471万6千円

町田委員

 医療的ケア児保育事業費について、減額の背景は?⇒公立の再整備した保育園を受入園としているが、認定保育園での受入れを予定したが、公立園での受入れだけとなったので、減額したもの。

 今後は、法人立園に医療的ケア児をお願いしていくのか?⇒来年度は1人受入れ予定となっている。

味村委員

 高齢者はり・きゅう・マッサージ利用助成事業費の減額理由は?⇒当初44,000枚を見込んだが、約36,000枚の見込みとなったもの。

 事業を再構築してから、なぜ利用が減っているのか?⇒全体的に事業周知が行き届いていなかったと考えている。

東木委員

 地域密着型サービス整備事業費について、整備を予定していた1事業者が整備を行わないこととなったとのことだが、その理由は?⇒令和4年度、募集・選定後、内示をしたあとに土地所有者と契約をしていく中で、条件が折り合わなかったとのこと。

 その影響は?⇒36人分の整備を目標としており、18人分が今期では未整備となる。第9期の計画の中に反映させていく。

 幼稚園人材確保支援事業費について、申請者数が当初見込みを下回るとのことだが?⇒制度創設から間もないので、周知が不足していると考えている。チラシ、ポスターを作成して、幼稚園教諭を目指す養成校に配布している。

 市内幼稚園教諭の人材不足の影響は?⇒幼稚園にアンケートでは預かり保育などに影響あるとの声ある。1園あたり平均1.1人不足していると聞く。

有賀委員

 少年の森整備事業費について、ナラ枯れの被害の推移は?⇒令和3年度に調査し、469本のほとんどがカシノナガキクイムシが入っていて、210本が元気だが、枯れる恐れがある。

 来年度以降の想定は?⇒県のガイドラインでは、5年~10年で被害となるので、それ以上、生きれば大丈夫と考えられる。

 
【衛生費】補正額:△17億4,556万2千円

18. 妊娠・出産包括支援事業費 2,446万3千円

 産後ケア事業利用者が当初見込みを上回ることから、増額するものです。

東木委員

 どのくらい当初見込みを上回る背景は?⇒令和3年度96件、4年度260件、5年度は1月末で2,199件となっており、施設数が増加し10施設で実施している。

 今後の施設拡大の見通しは?⇒施設が増えているので、毎年の委託事業について、実施可能か調査していく。

19. 新型コロナウイルスワクチン接種費 1,612万2千円【繰越明許費設定】

 新型コロナウイルスワクチン接種実施機関へ支払う接種費を増額するものです。

20. 減額事業(健康診査事業費ほか8事業) △17億8,614万7千円

東木委員

 各種予防接種費について、HPVワクチンの接種者数が当初見込みを下回るとのことだが、キャッチアップ世代の接種状況は?⇒12月末で、1回目4.56%で延べ13.6%。

 個別通知など周知啓発を強化すべきだが?⇒令和6年度は最終年度となるので、対象の19,000人に個別通知をしていく。

味村委員

 感染症対策事業費について、コロナの後遺症に悩んでいる市民の実態把握と支援の考えは?⇒調査は、保健所を介しない患者も多いので把握は難しい。保健所で相談を受けているが、かかりつけ医へ案内している。

須田委員

 各種予防接種について、HPVワクチン以外の接種率は?⇒1月末で概ね80%。

 HPVワクチンの接種率が特に低い理由は?⇒個別通知をしているが、対象者、保護者がリスクを判断して接種している状況。

 HPVワクチンの接種率が低いことについて、市として問題ないということか?⇒希望者が接種していると判断している。

原田委員

 各種予防接種について、HPVワクチンの有効性が改善されたのか?⇒国の審議会で副反応の調査研究をしている。リスク、安全性のエビデンスが増えてきたと思われる。

【農林水産業費】補正額:△4,162万6千円

21. 減額事業(担い手育成支援事業費ほか2事業) △4,162万6千円

有賀委員

 漁協の合併による補助金の見通しは?⇒1月に湘南漁協になったが、藤沢支所となり、これまでの運用と変わらない。

原田委員

 担い手育成支援事業費について、新規就農者と就農者を必要とする方とのマッチングの取組状況は?⇒1㎡あたり50円の補助をしている。現在の規模拡大にも利用できる。

【土木費】補正額:△5,381万1千円

22. 道路施設改修事業費 1億1,018万3千円【繰越明許費設定】

 老朽化により早期の対策が必要な施設の改修に要する経費を増額するものです。

23. 市道新設改良費 1億3,525万7千円【繰越明許費設定】

 国庫補助金の追加内示及び事業進捗を図るための工事等に要する経費を増額するものです。

24. 遠藤葛原線新設事業費 2億1,107万2千円【繰越明許費設定】

 国の補正予算可決に伴い国庫補助事業が前倒し採択されることから増額するものです。

味村委員

 総事業費について、約60億円とのことだが、物価高騰により事業費増の見込みは?⇒今は見込んでいないが、労務費や物価の上昇については、改めて算出していく。

 いつ頃示されるのか?⇒今後、葛原第2工区、遠藤工区の線形を示して、用地交渉に入っていく中で、見えてくると考えている。

25. 近隣・街区公園新設事業費 7,127万6千円

 先行取得の事業用地の買戻しに要する経費を増額するものです。

26. 減額事業(建築物等防災対策事業費ほか15事業) △5億8,159万9千円

【消防費】補正額:△2,347万5千円 

27. 減額事業(消防自動車等整備費ほか2事業) △2,347万5千円

原田委員

 消防自動車等整備費について、消防重機の状況は?⇒保有していない。
 
 本市で災害があった場合はどうするのか?⇒保有も検討していくが、市の各課と連携して対応していく。

味村委員

 本町出張所再整備の今後のスケジュールは?⇒令和6年度に解体、埋蔵文化財の試掘、令和7年度中に埋蔵文化財の本調査、令和8年度に新築、令和9年度9月の供用開始を予定している。

 事業費見込みは?⇒全体で10億6,000万円。

【教育費】補正額:16億1,735万3千円

28. 教育応援基金積立金 6,928万5千円

 寄附額が見込みを上回ったことから増額するものです。

29. 学校施設環境整備事業費(小学校費) 6億1,971万6千円【繰越明許費設定】

 国の補正予算可決に伴い国庫補助事業が前倒し採択されたことから、増額するものです。

味村委員

 大越小学校の外壁改修こうじあるが、和式トイレの様式化の進捗状況は?⇒2系統のうち1系統目の工事が終わっているが、和式トイレなので、他の工事と調整して対応していく。

30. 鵠南小学校改築事業費 3億7,621万8千円【繰越明許費設定】

 国の補正予算可決に伴い国庫補助事業が前倒し採択されたことによる増額、及び工事に係る賃金等の急激な変動による経費を増額するものです。

31. 学校施設環境整備事業費(中学校費) 6億4,405万5千円【繰越明許費設定】

 国の補正予算可決に伴い国庫補助事業が前倒し採択されることから増額するものです。

味村委員

 羽鳥中学校の外壁等改修工事があるが、南側へのエレベーター設置、渡り廊下への屋根設置はできないか?⇒検討していない。

32. 公民館整備費 374万円【繰越明許費設定】

 済美館の老朽化した高圧引込設備の更新工事に係る経費を増額するものです。

33. 文化振興基金積立金 5,288万8千円

 寄附額が見込みを上回ったことから増額するものです。

原田委員

 文化振興基金について、中学校の部活動の地域移行が検討されているが、受け皿としての予算が必要となる。活用の可能性はあるのか?⇒教育委員会と一緒に検討している。地域移行は、教員のワークライフバランスと子どものやりたい部活がないなどの課題への対応なので、現在の地域活動が地域移行につながっていくものと考える。

34. スポーツ振興基金積立金 1,284万2千円

 寄附額が見込みを上回ったことから増額するものです。

35. 減額事業(辻堂小学校改築事業費ほか3事業) △1億6,139万1千円

※この議案は、味村委員が反対しましたが、賛成多数で可決すべきものと決定しました。
 

議案第93号 令和5年度藤沢市北部第二(三地区)土地区画整理事業費特別会計補正予算(第2号)/補正額:△1億8,641万9千円

 業務委託費、工事費の入札残、補償費の執行残、公債費の減額並びに国庫補助金の減額交付による事業費の財源更正をするものです。また、補償費のうち、年度内の完了が見込めないものについて繰越明許費の設定をするものです。

※この議案は、味村委員が反対しましたが、賛成多数で可決すべきものと決定しました。

議案第94号 令和5年度藤沢市墓園事業費特別会計補正予算(第2号)/補正額:3,005万7千円

 大庭台墓園管理業務委託、事務所屋根防水等改修工事等の工事費の入札残を減額補正するとともに、基金積立金の増額補正をするものです。

※この議案は、全会一致で可決すべきものと決定しました。

議案第95号 令和5年度藤沢市国民健康保険事業費特別会計補正予算(第2号)/補正額:△5,099万6千円

 保険給付費の執行見込みの増減に伴う減額補正、特定健康診査の受診者数が当初の見込みを下回ることによる減額補正、過年度の国庫支出金返還のための増額補正をするものです。

※この議案は、味村委員が反対しましたが、賛成多数で可決すべきものと決定しました。

議案第96号 令和5年度藤沢市介護保険事業費特別会計補正予算(第3号)/補正額:1億4,465万3千円

 一般管理費の増額補正、介護認定審査会費の減額補正、居宅介護サービス給付費の増額補正、地域密着型介護サービス給付費、施設介護サービス給付費、介護予防サービス給付費、地域密着型介護予防サービス給付費、特定入所者介護サービス費、高額介護サービス費、審査支払手数料の減額補正、通所型サービス費の増額補正、訪問型サービス費、介護サービス相談員派遣事業費の減額補正、令和4年度剰余金の介護保険事業運営基金への積立、過年度超過分の返還に伴う増額補正をするものです。

原田委員

 地域密着型介護予防サービス給付金が見込みを下回る理由は?⇒計画に基づき整備を見込んでいたが、手上げがなかったため。

 今後の考えは?⇒県補助金について、募集から応募までの間を見直す検討をしている。用地確保についてオーナー型補助も検討していく。

 人材確保については?⇒厳しいと聞いている。今年度から研修受講補助を市外へ拡大、今後もより効果的な支援を検討していく。

※この議案は、味村委員が反対しましたが、賛成多数で可決すべきものと決定しました。

議案第97号 令和5年度藤沢市後期高齢者医療事業費特別会計補正予算(第2号)/補正額:1億1,749万7千円

 後期高齢者医療広域連合納付金について、保険料等負担金を増額補正、保険基盤安定制度拠出金の執行見込みの減に伴い減額補正するものです。

※この議案は、味村委員が反対しましたが、賛成多数で可決すべきものと決定しました。

議案第98号 令和5年度藤沢市下水道事業費特別会計補正予算(第2号)/補正額:△2億4,996万3千円

 入札残に伴う工事請負費の減額補正、また、令和6年度実施を予定していた国庫補助事業について、国の令和5年度第1次補正予算で前倒しとなったことから、工事費の増額補正をするものです。

原田委員

 能登半島地震では下水道管の被害が大きかった。国では全国の耐震化56%と言っているが、本市の状況は?⇒下水道管延長1,600kmのうち、約15%が耐震化されている。

 耐震化には国の補助があると思うが、能登半島地震を受けた国の動きはあるか?⇒能登半島地震を受けて国庫補助メニューが変わる可能性もあるので注視していく。

※この議案は、味村委員が反対しましたが、賛成多数で可決すべきものと決定しました。

※以上、報告とします。


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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