10月9日~10日、盛岡にて、全国市議会議長会研究フォーラムが開催されましたので、参加しました。
1. 基調講演(※中止)
「人口減少社会における地域の未来図」をテーマに、「菅 義偉」元内閣総理大臣からの基調講演を予定していましたが、国会日程の関係で、ビデオメッセージとなりました。
2. パネルディスカッション
(1)テーマ 「地方議会の課題と主権者教育」
(2)コーディネーター 「井柳 美紀」氏 静岡大学人文社会科学部法学科教授
(3)パネリスト
①「土山 希美枝」氏 法政大学法学部教授
②「越智 大貴」氏 一般社団法人 WONDER EDUCATION 代表理事
③「渡辺 嘉久」氏 読売新聞東京本社教育ネットワーク事務局
④「遠藤 征幸」氏 盛岡市議会議長
(4)所感
今回は、それぞれの立場で主権者教育に取組んでいる方々のパネルディスカッションで、大変興味深いものでした。例えば、地方議会選挙における投票率は低下の一途をたどり、無投票となる選挙もある。そこで、若者が政治に関わることが重要で、18歳の若者に調査したところ、政治に関心がないから選挙に行かないというよりも、どうせ変わらないと思っていること、一方で社会の役に立ちたいと思っているということも分かったとのこと。
ということは、「どうせ変わらない」と思っていることに対して、自分たちが言った意見で、議会が動き、行政が対応する。これが具体的になり、自分たちの意見で課題が解決する、まちが安全になる、まちが変わると思えば、政治が身近になり、投票行為につながるわけです。多くの取組に共通していたのは、中学生、高校生、大学生との意見交換です。それを積み重ねることで、議会や議員との距離が近くなり、結果として政治や行政に興味がわくということです。
主権者教育というと、高校生議会とか模擬投票などが事例として紹介されますが、それももちろん大事ですが、今回の研究フォーラムで一番大事だと思ったのは、自分たちの意見で何かが変わることを、如何に若い人たちに実感させられるかです。
藤沢市議会で実施している「カフェトークふじさわ」も中高大校生も参加してもらっていますが、これまで、カフェトークで話し合ったことが、何らかの形になり実感として感じてもらえたかという点では、十分とは言えないと私は思います。今後、主権者教育を議会がするというのではなく、学校側がどういう主権者教育をすれば、生徒にとって実感ができるものになるのかと考えた時、議会が協力できる内容について議論を深めていきたいと思いました。
3. 課題討議
(1)コーディネーター 「河村 和徳」氏 東北大学大学院情報科学研究科准教授
(2)事例報告者
①「白鳥 敏明」氏 伊那市議会前議長
②「諸岡 覚」氏 四日市市議会議員(第83代議長)
③「服部 香代」氏 山鹿市議会議長
(3)所感
上記3市議会の主権者教育について事例報告がされました。伊那市議会では、高校生議会の取組や意見交換を重ねる中で、参加した生徒が保護者にアンケートをとり子育ての課題改善に向けた請願に結びついたとのこと。四日市市では、正副議長が所信表明の際の公約により、「ワイ!ワイ!GIKAI」の実施や高校生議会の状況、山鹿市議会では小学校でのシチズンシップ教室実施までの流れや実施したことによって、議会や議員の役割を分かってもらえたなど、内容と若者の反響などを聞くことが出来ました。
藤沢市議会が関わる主権者教育について、学校のカリキュラムに余裕がない中で、どのように学校側と関わっていくことが出来るのか、内容も含めて議論をしていく必要があると感じました。いずれにしても、今回の研究フォーラムで貴重な話を聞くことが出来ました。
※以上、報告とします。