2024.10.23~25 厚生環境常任委員会視察

 10月23日から25日に厚生環境常任委員会視察が行われました。内容の抜粋は次の通りです。

10月23日

1.「古着リサイクルの取組について」福岡県大川市 日本ファイバー株式会社

 藤沢市の資源ごみのなかに古着がありますが、回収された古着の一部(約50トン)が日本ファイバーに納品されているので、納品された後の有効利用について視察をしました。

 納品された古着は、きれいで使えるものは、チェーン展開している「西海岸」というお店で、古着として販売がされています。ただ、国内からの古着のほとんどは女性用で、男性用は欧米から輸入して販売しているとのことでした。

 そして、古着として国内で販売できないものは、ジャンルに仕分けをして、用途に合わせた国々に輸出をしているとのことで、それにも当たらないものは、材質ごとに自動車メーカーなどにウエスとして納品しているとのことでした。社長いわく、この事業は、とにかく輸出を止めることなく継続することが重要とのことでした。工場では、多くの外国人の方々が働いており、また、簡単な作業には障がい者も雇用しているとのことでした。藤沢市民が出した古着が、仕分けされて海外に輸出される流れを見ることができました。

10月24日

2.「久留米らしい重なり方デザイン事業」久留米市

 重なり方デザインと久留米の地域福祉の説明をいただきました。狭間の課題として、例えば制度の対象とならない課題、制度があってもつながりきれない課題、性質として制度では対応しにくい「生きづらさ」などを踏まえた「くるめ支え合うプラン」を中心に、地域共生社会の実現に向けた取組の説明をいただきました。熱心に職員から説明をいただき、うまく報告が出来ませんが、事業展開が本当にうまくいっていると感じました。常任委員会の視察で感じることは、熱心で前向きな職員がいる市の取組は上手くいっている一方、視察の説明でも資料を読むだけのような職員が中心となっている取組は、平均的な取組になっていると感じています。今回の取組内容は本当に素晴らしいという感じでした。

3.「福岡100の取組について」福岡市

 福岡100の取組の中から、「オーラルケア28」、「ユマニチュードを核とした福岡市の認知症施策」、「ビックデータを活用した地域包括ケアシステムの実現」について説明を受けました。

 オーラルケア28では、全ての市民が28本の歯と口腔機能を健康に保ち、食事と会話を楽しみながら、笑顔で人生を過ごすことを目指す姿として、乳幼児・学齢期、成人期、高齢期のそれぞれのステージにおける取組について説明を受けました。

 ユマニチュードについては、ユマニチュードとは、フランス語で「人間らしさを取り戻す」「人間らしくある」ことを意味する言葉で、認知症などの対人援助の場面で用いられるケア技法で、その技法を用いることで、行動心理症状や介護者の負担が減少したとのことでした。そして、ユマニチュードの普及に向けて、地域リーダーを16人から52人に増やしたとのことでした。このような取組で、2023年にフランスにおいて、アジア唯一の調印がされ、国境を越えたユマニチュードの推進をしていくとしています。認知症対策について、このユマニチュードの取組は本当に大切な視点だと感じました。

 ビッグデータを活用した地域包括ケアシステムの実現では、ビッグデータの活用により、地域特性に合わせたケアシステムの構築を支援できるとし、住民情報、健診情報、医療情報、介護情報など、毎月最新データを蓄積、約230種53億件のデータを保有(2024年10月現在)、そのデータを解析して各種の取組を展開しているとのことでした。

 以前にも、福岡市には行政視察に行きましたが、そのたびに先進的な取組を聞くことができ、藤沢市が進めていく政策に参考になる自治体だと改めて感じました。

4.「北九州市のエコタウン事業について」北九州市

 このエコタウン事業は、産業から出る全ての廃棄物を新たに他の分野の原材料として活用し、あらゆる廃棄物をゼロにすることを目指し、先進的な環境調和型のまちづくりを推進することを目的として1997年に国で設立されました。北九州市では、長年にわたる「ものづくりのまち」としての産業基盤や技術力、公害克服の過程で培われた人材・技術・ノウハウ等を活かし、資源循環型社会の構築を図るため、「環境保全政策」と「産業振興」を統合した独自の地域政策として国から認定を受けた後、「北九州エコタウン事業」として展開しています。

 広大な敷地で、小型家電、自動車、パチンコ台、携帯電話などをはじめとしたリサイクルできるほとんどの種類のリサイクルを展開していました。特に今後大きな課題となる太陽光パネルのリサイクルは、年間9万枚を行っていますが将来的には18万枚に倍増する予定とのことでした。これまでは、リサイクルする際に同等品にリサイクルするのではなく、程度が低いものとなり別の活用をしていたのですが、リサイクルの技術が向上し、今では同等品へのリサイクルが進んでいるとのことでした。

 藤沢市のリサイクルの規模では参考になりませんでしたが、こういった広大な敷地で、ほとんどすべてといっていいほどのものがリサイクルされているということに驚きました。もはやリサイクルできないものはないのではと思うほどで、有意義な時間となりました。

※以上、報告とします。

 


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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