2024.11.28 藤沢都心部再生・公共施設再整備特別委員会

 11月28日 9:30より、藤沢市議会藤沢都心部再生・公共施設再整備特別委員会が開催され、インターネット中継を傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。

1. OUR Project(生活・文化拠点再整備事業)の進捗状況及び事業者公募について

 本年6月に本委員会を開催し、事業者の公募概要を報告する予定でしたが、近隣商業施設の跡地活用の事業連携、事業費の縮減や平準化の検討を行うため、委員会の開催を見送りました。今回は、その後の検討について報告がされたものです。

(1)近隣商業施設跡地活用に係る事業との連携の検討

 近隣商業施設の跡地活用については、市街地再開発事業の可能性について本市と所有者で意見交換を重ねてきた結果、市街地再開発事業ではなく、所有者が単独での建て替え事業として進めることとなりました。

 また、本事業における複合化施設(機能)の一部を賃借により、近隣商業施設跡地の新施設に分散配置することについては、総事業費が過大となることから行わないことになりました。

 なお、当該施設は鵠沼歩行者専用道(ペデストリアンデッキ)が併設していることから、今後、所有者において具体的な検討を進めていく中で、藤沢駅周辺の賑わいの創出につながるよう、回遊性の向上に資する動線の確保や機能間の連携について、意見交換をしていきます。

(2)事業費の見込み

 令和7年度以降、供用開始までの事業費については、地質調査や家屋調査等、管理・運営計画やゾーニング等に応じて実施の有無が決まる事項を除き、現時点で約198億円と見込んでいます。

 また、管理・運営計画や設計の内容に起因する事業費の上振れを抑制するため、実施設計及び建設工事(既存施設の解体を含む)の上限額を約188億8千万円として検討を進めます。

(3)財源確保の検討

 公共施設再整備基金への積立を計画的に行うほか、国庫補助金の獲得、起債の活用を図るとともに、クラウドファンディングやネーミングライツの導入、企業協賛の獲得等について、管理・運営計画の策定及び基本設計の実施に合わせて、具体的に検討していきます。

(4)内水浸水対策施設の再検討

 内水浸水対策施設の規模について再検討をした結果、既存の藤が谷ポンプ場の排水能力を最大限に活用することで、機能分散を図り、施設規模を縮小し、当該敷地南側へ配置することとしました。設計、施工等を担う事業者については、本事業の検討の進捗に応じて別途選定することとし、工事範囲を分離します。※ポンプ場施設規模毎秒12.702㎥⇒8.035㎥/建築面積約2,500㎡⇒約850㎡

(5)今後のスケジュール

 令和13年4月の供用開始を予定しています。スケジュールの見直しにより供用開始までの期間は約1年延長することになりますが、工事期間中に既存施設が使用できなくなるため、設計段階において工期の短縮の検討を行います。

町田委員

 近隣商業施設の跡地活用について、具体的にどのような機能を検討したのか?⇒ホール以外の機能を分散配置した場合の試算をした結果、総事業費が課題となり断念した。

安田委員

 内水浸水対策施設の整備について、藤が谷ポンプ場の活用で解消されるのか?⇒全量放流の予定から、藤が谷ポンプ場と分散化位置することで対応できる。

味村委員

 近隣商業施設の所有者とは?⇒イトーヨーカドーの建物所有者。

 イトーヨーカドーの耐震性について話はあったのか?⇒裏の駐車場の耐震性がなく、建て替えをするとのこと。

 市街地再開発の試算は?⇒391地区を踏まえると一定の補助金が見込まれる。

 建て替えの対象はイトーヨーカドーと立体駐車場か?⇒その通り。

友田委員

 近隣商業施設はペデストリアンデッキと接続しているが?⇒除却するかどうか検討していくので、その中で確認していく。

 ペデストリアンデッキを活かすには接続が望ましいが?⇒ペデストリアンデッキのあり方を十分検討していくが、イトーヨーカドー解体に向けて、引き続き話し合いをしていく。

東木委員

 ホールについて、質の高い音響についての考えは?⇒管理・運営計画を作る中で検討していく。

谷津委員

 藤が谷ポンプ場は再整備していくのか?⇒平成28年度に耐震化、ポンプの改築もしているので、引き続き、機能の維持を図っていく。

佐賀委員

 これまで散々、収益が出るホールにすべきと指摘してきた。管理・運営計画の中で市の方向性はどうなっているのか?⇒市民会館は市民利用と市民が観る部分もある。これまでの指摘を踏まえて、公共が行える規模について事業者と協議していく。

 来年度、決まる前の段階で報告はいただけるのか?⇒適宜議会に報告していく。

2. 第4次藤沢市公共施設再整備プランの策定について(素案)

 「第4次藤沢市公共施設再整備プラン」については、「(仮称)藤沢市市政運営の総合指針2028」の期間に合わせて作成するもので、今回は、その素案が報告されたものです。なお、短期プランを記載し、長期プランは割愛します。

(1)短期プランの実施事業(令和7年度~令和10年度)

 ※短期プランの実施事業とは、令和7年度から10年度の間で、着手する事業です。

 ①OUR Project(生活・文化拠点再整備)

 現在着手中、令和7年度管理・運営計画の検討、基本設計~令和13年4月供用開始予定/総事業費見込198億8,288万9千円。

 ②村岡公民館等再整備(第6分団含)

 現在着手中、令和7年度建設工事~令和7年10月供用開始予定/総事業費見込36億8,455万9千円。

 ③鵠沼保育園等再整備

 現在整備中、令和6年度中供用開始予定/総事業費見込10億6,547万6千円。

 ④善行保育園・善行乳児保育園等再整備

 現在着手中、令和7年度建設工事~令和8年度中供用開始予定/総事業費見込24億1,990万3千円。

 ⑤石名坂環境事業所再整備

 現在整備中、令和7年度新1号炉基幹的設備改良工事(2年目)~令和11年度供用開始予定/総事業費見込204億8,474万円。

 ⑥南消防署本町出張所(第9分団)再整備

 現在着手中、令和7年度埋蔵文化財本調査~令和9年9月供用開始予定/総事業費見込11億4,913万1千円。

 ⑦鵠沼中学校再整備

 現在着手中、令和7年度基本実施設計(4年目)~令和10年9月供用開始予定/総事業費見込83億4,093万円。

 ⑧辻堂小学校再整備

 現在着手中、令和7年度基本実施設計(3年目)~令和10年9月供用開始予定/総事業費見込93億1,060万2千円。

 ⑨鵠洋小学校再整備

 現在着手中、令和7年度基本実施設計(1年目)~令和12年12月供用開始予定/総事業費見込56億4,000万円。

 ⑩片瀬小学校再整備

 現在着手中、令和7年度整備に向けた庁内検討~令和13年2月供用開始予定/総事業費見込39億8,500万円。

 ⑪片瀬山市民の家再整備

 現在着手中、令和7年度業者選考、設計、施工~令和8年度中供用開始予定/総事業費見込5億5,950万5千円。

 ⑫鵠沼市民センター等再整備

 現在着手中、令和7年度基本・実施設計(1年目)~令和10年度供用開始予定/総事業費見込52億6,643万8千円。

 ⑬藤沢宿歴史的建築物整備(旧桔梗屋)

 現在着手中、令和7年度活用事業者の公募・選定~令和13年1月供用開始予定/総事業費見込6億828万6千円。

 ⑭長久保公園みどりの相談所再整備

 現在着手中、令和7年度基本設計・地質調査~令和10年4月供用開始予定/総事業費見込5億3,292万5千円。

 ⑮大庭台墓園立体墓地再整備(特別会計施設)

 現在整備中、令和7年度合祀墓建設工事~令和7年度中供用開始予定/総事業費見込4億607万7千円。

 ⑯下水道施設再整備(特別会計施設)

 現在着手中、令和7年度辻堂浄化センター沈砂池ポンプ棟改築工事~供用開始予定未定/総事業費見込246億1,620万4千円。     

(2)短期プランの検討事業(令和7年度~令和10年度)

 ※短期プランの検討事業とは、令和7年度から10年度の間で検討する事業です。

 ①文化財収蔵庫再整備

 令和7年度新収蔵庫整備計画策定(令和7年度~10年度)~令和12年度以降供用開始予定。

 ②老人福祉センターやすらぎ荘再整備

 令和7年度議会等からの意見をもとに検討~供用開始予定未定。

 ③太陽の家再整備

 令和7年度関係各課との協議・調整~供用開始予定未定。 

 ④南消防署苅田出張所(第5分団)再整備(自家用給油所等)

 令和7年度庁内検討(仮設用地の検討及び関係課との調整)~供用開始予定未定。
 
 ⑤北消防署善行出張所(第15分団)再整備

 令和7年度庁内検討(仮設用地の検討及び関係課との調整)~供用開始予定未定。

 ⑥北消防署御所見出張所(第30分団)再整備

 令和7年度庁内検討(仮設用地の検討及び関係課との調整)~供用開始予定未定。 

 ⑦明治中学校再整備

 令和7年度整備に向けた庁内検討~令和12年12月供用開始予定。※藤沢市立学校施設再整備第2次実施計画時の事業スケジュールのため、今後、見直し作業により変更となります。

 ⑧藤沢小学校再整備

 令和8年度整備に向けた庁内検討~令和13年12月供用開始予定。※藤沢市立学校施設再整備第2次実施計画時の事業スケジュールのため、今後、見直し作業により変更となります。

 ⑨明治小学校再整備

 令和9年度整備に向けた庁内検討~令和14年12月供用開始予定。※藤沢市立学校施設再整備第2次実施計画時の事業スケジュールのため、今後、見直し作業により変更となります。 

 ⑩特別支援学校適正配置整備事業(白浜養護学校過大規模解消事業)

 令和6年度~10年度仮設校舎の運用・新たな敷地の活用の検討~供用開始予定未定。 

 ⑪藤沢聖苑再整備

 令和7年度~8年度基本構想~令和13年度供用開始予定。 

 ⑫北部環境事業所1号炉再整備

 令和7年度~8年度藤沢市焼却施設整備基本計画改定~令和15年4月供用開始予定。 

 ⑬北部環境事業所し尿処理施設再整備

 令和7年度湘南東ブロックし尿処理広域化施設整備基本計画策定~令和14年4月供用開始予定。

 ⑭市営住宅再整備(古里住宅・渋谷ヶ原住宅)

 令和7年度(仮称)藤沢市市営住宅マネジメント計画策定~令和15年度一部供用開始予定。

 ⑮中学校給食センター整備

 令和7年度整備に向けた庁内検討/令和11年9月供用開始予定。

 ⑯少年の森管理棟再整備

 令和7年度基本・実施設計~令和10年度中供用開始予定。

 ⑰藤沢市民病院西館等再整備

 令和7年度基本計画~令和13年4月供用開始予定。 
 
(3)今後のスケジュール

 ①令和7年1月 公共資産活用等検討委員会で検討・審査

 ②令和7年2月 藤沢都心部・公共施設再整備特別委員会へ報告

 ③令和7年3月 第4次公共施設再整備プラン策定

安田委員

 下水道施設の再構築について、浜見山ポンプ場を選んだ理由は?⇒昭和39年に供用開始し60年が経過している。性能不足、電気設備の老朽化対策も必要。南部処理区の中心的な施設のため再整備するもの。

 文化財収蔵庫の整備について、設置場所は?⇒多くの人に来てもらえる場所を検討していく。

平川委員

 地域子どもの家について、今後の計画は?⇒利用者、見守る人たちの声を聞きながら、子ども居場所計画に反映させていきたい。

味村委員

 資産の有効活用の実績は?⇒公共使用7件、売却17件、民間活用5件。

東木委員

 やすらぎ荘についての考えは?⇒55年が経過し老朽化している。今後、どうしていくかを検討しているところ。

 白浜養護学校の大規模化についての考えは?⇒県に対応できないか要望している。県の方向性を確認してから検討していく。

佐賀委員

 青少年会館の活用について、文化財展示や自習室利用など、市役所の分館的な活用は考えられないか?⇒藤沢駅近くの場所なので、指摘の点も踏まえて検討していく。

 学校給食センター整備について、全員給食をめざすのか?⇒国が給食無償化にした場合は、全員給食になっていくと想定している。給食センターの整備は、供給体制を確保するため。

友田委員

 旧桔梗屋の方向性は?⇒公民連携での事業者募集を検討している。事業者からの提案を求めていきたい。

 市としてどうしていきたいのか?⇒有識者を含めた検討委員会の中で、募集する条件を検討しているところ。

3. 藤沢駅周辺地区再整備事業の進捗状況について

 藤沢駅周辺地区再整備事業の進捗状況と今後のスケジュール等について報告がされたものです。

(1)藤沢駅周辺地区再整備事業の進捗状況図

(2)南北自由通路拡幅整備事業(図⑨)

 ①第1期整備の進捗状況

 令和5年度に小田急電鉄、JRと第1期整備に関する協定を締結し、現在、小田急側自由通路拡幅及び小田急藤沢駅改札の橋上化に向けた鉄骨工事等を進めています。
 また、JR側自由通路接続部の整備については、小田急側の進捗に合わせ、2回に分割して工事を進めることとしており、1回目の工事は令和6年10月に完了しています。

【小田急側自由通路拡幅、小田急藤沢駅改札の橋上化】

 工期:令和5年6月12日~令和10年3月31日

 概算費用:83億6,832万1千円(うち市負担額 64億2,101万1千円(継続費))

 工事概要:自由通路拡幅延長約41m 幅員約16m/南口付近にエレベーター1基整備/橋上駅舎約2,451㎡/駅コンコース内にエレベーター2基、エスカレーター4基整備

【JR側自由通路接続部の整備(その1)】

 工期:令和5年9月27日~令和6年10月31日

 概算費用:9,215万6,425円(うち市負担額 9,215万6,425円(債務負担行為))

 工事概要:自由通路接続部改良(支障物撤去、鉄道施設整備)

【今後のスケジュール】

 引き続き小田急側自由通路拡幅及び小田急藤沢駅改札の橋上化の整備を進め、令和7年度末に小田急藤沢駅橋上改札の一部を供用開始、令和8年度末までに改札内エレベーター、エスカレーターを使用開始し、令和9年度末までに既存駅舎ビル解体及び新設整備、既存自由通路の改修を行い、第1期整備の完了を目指します。
 また、第2期整備については、継続して着手できるよう、鉄道事業者や国と調整を進めていきます。

(3)南口駅前広場再整備事業(図⑩)

 令和5年度に策定した藤沢駅南口再整備基本計画に基づき、令和6年度は計画の深度化を進めており、南北自由通路拡幅整備事業の第1期整備に合わせたエスカレーター設置等の先行整備に向けた検討と事業全体の工事ステップの検討、概算工事費の算出等を進めています。

【先行整備の内容】

 駅前広場北側に整備する小田急新駅舎内の外周通路に合わせ、新駅舎前の既存デッキ、階段を撤去するとともにエスカレーター及び接続デッキを新設します。

【駅前広場再整備全体の工事期間及び概算事業費】

 現時点で工事期間を約7年、先行整備を含め、概算事業費を約100億円と見込んでいます。なお、施工期間については、藤沢駅南北自由通路拡幅整備事業の完了以降に予定しています。

(4)藤沢駅南口391地区市街地再開発事業(図⑪)

 南口駅前広場に面する391地区(フジサワ名店ビル・ダイヤモンドビル・CDビル)において、ビルの老朽化や耐震性の課題が生じていることから、平成29年に土地建物の権利者等による準備組合が設立され、事業化に向けた検討が進められるとともに、本市においても、令和5年度に都市計画決定を行いました。本市の都心部にふさわしい都市空間の形成に向けて、市街地再開発事業を実施するものです。

【市街地再開発事業の内容】

 施工者:(仮称)藤沢駅南口391地区市街地再開発組合

 面積:約0.5ha

 総事業費:約321億円(補助金(国県市)約125億円)

 計画期間:令和8年度~令和14年度

 施設計画:約35,200㎡/17階建て、商業・業務・宿泊施設等

 ①事業の進捗状況

 令和7年度の本組合設立・事業計画認可に向け、基本計画及び事業費の精査により、計画期間が見直されましたが、藤沢駅南口391地区市街地再開発準備組合が(株)フジタ及び(株)平田晃久建築設計事務所と基本設計の契約を締結するとともに、既存のテナントに対し、説明会や個別の面談を行うなど、事業を着実に進めています。

 ②市街地再開発事業で整備される公共施設等の内容

 市街地再開発事業では、民間施設の建て替えに合わせ、公共施設の再整備や民間施設内での公共的空間の整備といった基盤整備が進められます。主な整備内容は次の通りです。

・西側道路を廃道にし、南北地下通路と新たな商業施設の間に地下広場を新設

・南側道路にバスベイを新設し、南口駅前広場からバス停を移設

・西側道路の廃道及び荷捌き車両等の動線確保のため、東側道路を4m⇒7mに拡幅、北側及び東側道路を相互通行に変更

・民間敷地内にエレベーター・エスカレーターを新設(始発から終電稼働予定)

・地下1階に付置義務駐輪場(約500台)に加え、さらに約100台程度のスペースを追加

・老朽化したデッキの一部架け替え

・帰宅困難者の一時滞在施設となる多目的ホールをホテル内に設置

 ③今後のスケジュール(事業者想定案)

・令和7年度 本組合設立/事業計画の県認可

・令和8年度 詳細設計の実施

・令和9年度 権利変換計画の県認可

・令和9年度~14年度 工事期間(解体含む)

佐野委員

 391地区再整備について、国県市の補助の内訳は?⇒国が65億円、県が25億円、市が35億円で、調査設計、除却、補償など。

 民間事業に市が支援する必要性は?⇒災害時の安全性の確保、藤沢駅前の安全性の向上、駅前公共空間などか確保されるため。

友田委員

 トイレはセブンイレブンで使えるが、21時以降は使用できないと聞く。改善できないか?⇒実態を把握して、改善策を検討していく。

東木委員

 エリアマネジメントについて、イベント時にコンセントがなくてやりにくいと聞く。南口再整備には、設計段階から、そういう面を反映させていくべきだが?⇒賑わいエリアを設けていくので、イベントに対応できるよう取り入れていく。

桜井委員

 OKストアに向けた人の流れに課題ある。改善していく必要があると思うが?⇒藤沢駅宮前線については大きな課題と認識している。391地区には歩行者空間を設けていく。周辺施設の更新を想定しながら、時期を捉えて検討していく。

※以上、報告とします。


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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