3月19日 13:40より、藤沢市議会2月定例会(6日目)が開催されました。内容の抜粋は次の通りです。
1. 予算討論
令和7年度予算に対する予算討論が行われました。私が所属する「民主・無所属クラブ」からは、全ての議案に賛成の立場で、須田議員が行いました。内容は次の通りです(全文)。なお、他の会派の討論は割愛します。
皆さん、こんにちは。民主クラブの須田一行です。
それでは、令和7年度一般会計予算ほか全ての議案に対して賛成の立場で民主クラブの討論を行います。以下、今後の市の施策に対する要望等を述べてまいります。
【いじめ問題について】
子どもを「いじめ」から守るためのNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」を主催する、小森美登里さんという方がいらっしゃいます。
小森さんは一人娘の香澄さんを「いじめ」による自殺で亡くされてから、「いじめ」をなくすための活動に生涯をかけて取り組んで来られました。
その小森さんは、こうおっしゃいます。「いじめに出会ったら、まずいじめられている子どもに寄り添うことはもちろんですが、同時に、いじめをしてしまった子にも寄り添い、その子の声にも耳を傾けてあげてください。いじめをしてしまった子は、その子もまた何か辛い思いをしていることが少なくありません。その子にも支援が必要なのです。いじめの解決とは「謝罪」や「処分」ではありません。子ども同士の関係をつなぎなおすことです。」
先般、中学校で起きた「いじめ」について、代表質問で大矢議員から厳しく指摘をさせていただきました。ただ私たちが願うのは、謝罪や処罰ではありません。今回の問題を契機に、社会全体で「いじめ」をなくすために全力で取り組んでほしいということです。
それは、まず第一に、学校の先生方に担っていただかなくてはなりません。「いじめ」を未然に防止するための教育、そして、もし「いじめ」が起きてしまったら、いじめられた子を守り、いじめのない環境を作るための教育的支援に、全力で取り組んでいただきたいのです。教職員の多忙や人手不足、事実関係の認定に困難が伴う「いじめ」の複雑さは承知しています。しかし、それはけっして言い訳にはなりません。今回の問題を「他校の話」ではなく、市内55校が自分ごととして受け止め、いじめのない学校づくりに全力で取り組むことをお願いします。
あわせて、私たち大人も自らを省みる必要はないでしょうか。「藤沢市子どもをいじめから守る条例」は第7条で「保護者の役割」、第9条で「市民の役割」を定めました。 これは、子どもの「いじめ」は、大人の間に蔓延する差別やヘイトスピーチ、ハラスメントなどが子どもに投影されたものでもあるからです。それらを放置しておきながら、私たち大人は子どもたちに「いじめをやめなさい」と言えるでしょうか。
ぜひ、大人から子どもまでが一緒になって、いじめや差別、人権侵害のない藤沢をめざしたいと願います。
こども基本法が制定され、こども家庭庁ができる中で、いま「子どもの権利条約」が子ども政策の中心に位置づけられるようになりました。ユニセフ(国連児童基金)は、「子どもの権利条約」についてこう述べています。「子どもの権利条約は、子どもは『弱くておとなから守られる存在』という考え方から、「子どもも『ひとりの人間として人権をもっている』、つまり『権利の主体』だという考え方に大きく転換させた条約です。」この「子どもは権利の主体」だというユニセフの主張を、ぜひ施策の中心に据えてください。
令和4年に改訂された文科省の「生徒指導提要」にも、はじめて「児童の権利条約」の記述が入りました。「児童生徒の基本的人権に十分配慮し、一人一人を大切にした教育が行われることが求められています。」と記載されたことはきわめて重要です。全国的には、管理主義的で理不尽な校則、体罰、子どもの声に耳を傾けない一方的な指導もいまだに残っています。新しい「生徒指導提要」は藤沢の「支援教育」の理念とも合致するはずです。ぜひ、子どもの権利条約の理念をすべての子どもにかかわる皆さんの間で共有していただきたいとお願いします。
【ケア支援条例について】
「ケアをされる人もする人も自分らしい生き方ができる藤沢づくり条例」が、いよいよ4月から施行されます。昨年藤沢で、年老いた母親が長年介護をしていた娘を殺害するという痛ましい事件が起きました。30年以上にわたる介護の末、思い余ってわが子を手にかけた「介護殺人」です。なぜ、もっと早く支援の手を差し伸べられなかったのでしょう。藤沢の「福祉」が問われていると言っても過言ではありません。
ぜひケアラーを孤立させず、誰ひとり取り残さない藤沢づくりを進めてください。また、いまだ理解が十分とは言えない「ビジネスケアラー」や「若者ケアラー」の問題にも取り組みを進めてください。
次に、市政を担う職員の課題について申し述べます。
【職員定数と欠員について】
職員定数条例の一部改正について質問したところ、残念ながら今年も年度当初に欠員が生じることが分かりました。答弁では、本来欠員はあってはならないもので、欠員の解消に向けて、採用試験を早期に実施し速やかな補充を行うとともに、事務執行に影響が生じないよう、会計年度任用職員などの配置を行うなど体制の確保に努めていく。とのことでした。
また、最終的に欠員になった要因としては、1月以降に急遽、退職する職員が出たという事でしたが、ここ3年、定数条例の一部改正案を予算委員会で審査する段階で欠員が確定しています。今後は、年度末の急遽の退職も見込んだ上で、名簿登載制度を活用するなど、議会審査の段階で欠員が生じることがないよう、強く指摘をしておきます。
【職員の賃金水準と人材確保について】
市政運営を担う職員の賃金水準と人材確保については、密接な関係があり、既に必要な人材確保に向けて自治体間競争が始まっています。近隣自治体では、この間、藤沢市議会でも指摘されていました、持ち家に係る住居手当について、廃止の動きがある一方、廃止する代わりに、国の指定する地域手当を独自で大幅に引き上げる動きもあります。このことは、人材確保が困難な現状を踏まえた危機感の表れだと思います。
本市においても、選ばれる藤沢市に向けて、近隣自治体と同様、危機感を持って、独自の対応が必要、と指摘したところ、本市の賃金水準については、「均衡の原則」に基づき、毎年の人事院勧告の内容に準じて給与改定をしている。その一方で、近隣自治体では、国が指定する地域手当を独自に引き上げるなどの動きがあり、給与制度面における人材確保の自治体間競争が始まっている状況。本市としても選ばれる自治体として、独自の魅力創出が重要であると捉えているので、引き続き、市として主体的な判断を行いながら、人材確保に努めていく。との考えを示しました。
ここでのポイントは、「引き続き、市として主体的な判断を行いながら、人材確保に努めていく」という点です。これまでも職員の賃金については、人事院勧告を尊重しつつ、関係団体との協議・交渉を経て、市として主体的な判断をしてきました。今後の人材確保に向けて、自治体間競争を勝ち抜いていくためにも、職員がモチベーション高く働ける賃金水準とは何か、藤沢市を選んでもらうための賃金水準とは何かを重視して、主体的な判断をしていくよう強く求めます。
【窓口の協働事業について】
窓口の協働事業については、市職員が日常的に関わっていないことにより、職員の知識の欠如や、困難事案への対応能力の低下について、この間、指摘をさせていただきました。
そして、代表質問では、市役所職員の原点は窓口対応で、窓口に申請に来た市民、相談に来た市民、苦情に来た市民、様々な理由で窓口に来た市民、ひとりひとりに寄り添った対応で得た経験や知識があるからこそ、困難な事案に対応できると指摘し、原点に立ち返り、窓口業務の協働事業については、廃止を含めた検討をすべきと問いました。
答弁では、現在、各職場において、DX化の進展状況も踏まえた中で業務領域の見直しに向けた検討及び精査を進めている一方で、協働事業の実施により、中長期的に見てコスト削減が図られているほか、各職場において繁忙期や閑散期といった時期による業務量の差に応じた柔軟な人員配置と合わせ、職員がより高度な判断を要する業務や相談業務などに注力できるメリットもある。これらのことを踏まえ、市民サービスの向上の視点を第一にしつつ、職員のスキルや業務知識が着実に維持・継承されるよう、継続して努めていくとのことでした。
「職員がより高度な判断を要する業務や相談業務などに注力できる」点については、窓口で直接対応する経験がない職員が増えていく中で、高度な判断が出来なくなると指摘しているわけで、更にコストメリットについても、単なる人件費比較であって、きめ細やかに市民に寄り添った対応をコストでは表せません。つまり、総合的なコスト比較はできないということです。今後、DX化の進展により繁忙期の状況にも変化が見られることは想像できます。職員のスキルが更に低下する前に、協働事業については廃止を含めた検討をするよう求めます。
以上、市政運営の基本的な点について意見・要望を述べました。ここからは、個別政策について述べてまいります。
【防災対策について】
まずは、防災対策費・地震対策事業費についてですが、初動対応情報収集については、市職員専用のマニュアルにのっとり対応するとのことですが、市職員も被災するので、民間の力を結集する必要があります。そのために、ぜひ市内各地で民間との合同の初動対応訓練が行えるようにしてください。
次に、避難所関連について、まず女性視点の避難所運営が施政方針にも取り上げられており、各避難所運営委員会のメンバーに女性が増えていくことを期待します。
ただし、問題はそもそも避難所が十分でないことです。最大避難者数の4割に満たないということは、広域災害の際は相当な混乱が予想されます。これを抑えるために、設置並びに運営訓練の実施と充実が必要です。81か所すべての指定避難所でおこなわれるよう、自主防災組織、防災士の協力を得て、取り組みをさらに進めてください。防災活動を底支えするのは市民の防災意識と災害の際の協力です。先進的な取り組みである防災士のスキルアップ勉強会の更なる発展も期待しています。
続いて、携帯トイレ・段ボールベッドの備蓄ですが、これらの備蓄不足は災害関連死増加に直結します。携帯トイレについてはほかの備蓄品よりも市民の意識が低いと言われています。仮に3つの下水道処理施設が機能停止した場合、ほぼ全市民がトイレを使えなくなります。市の備蓄、避難者数の3日分では全く足りません。携帯トイレは在宅避難でも必要になります。市民に対して携帯トイレの備蓄をさらに啓発することと、市の備蓄も現在の4倍の全市民3日分に増やすべきと考えます。
段ボールベッドはプライバシー確保だけでなく、床からの高さを確保することで感染症を予防する重要な備蓄品です。避難所では「雑魚寝NO」がもはや常識で世界基準ですが、本市では1,700台程度しか備蓄がなく、最大避難者数の1%にもなりません。全国の備蓄も60万台弱なので、広域災害の際も、あてになりません。課題は備蓄スペースの確保で、備蓄倉庫の建築も厳しい状況であることは承知しています。こういった状況から本市は危機的な状況にあると思います。備蓄スペース確保は市内全部署、全公共施設の協力を得てください。まずは指定避難所81か所の収容人数と同数を目指して、備蓄できるスペース確保に全力を尽くしてください。
【ご遺族手続き支援窓口について】
本市における死亡届け出件数は年々増えており、先の代表質問の回答では、ご遺族手続支援窓口の予約が3週間程度先になってしまう場合もあるとのことでした。既に窓口の稼働率は9割と、ご遺族の心身の負担が軽減されるこの窓口のニーズは大変高い状況です。本格的な超高齢・多死社会を見据え、窓口の需要増に見合う担当職員の増員等の執行体制の強化を求めます。
また、かねてより要望してきた終活に関する相談窓口の設置については、先の代表質問で鈴木市長より安否確認等の情報登録の取組の他、身寄りがない方などに対する生前の葬儀契約の支援事業とともに、相談支援窓口の設置に向け、早期開始の準備を進めていくとの回答をいただき、高く評価しております。お一人暮らしの高齢者や頼れる身寄りのない方にとっては、人生の最後を迎えるにあたり、身の回りの整理や遺言、相続、葬儀等にご不安を抱える方もおられますので、いち早い取り組みをよろしくお願いいたします。
【航空機騒音対策推進事業費について】
厚木基地に米軍の外来機や、新たな運用方法による基地機能強化が進められています。今後も、市民の安全な暮らしのために、防衛省への要請活動とともに、市民に向けて、適切な情報提供を続けていただくようお願いいたします。
【選挙費について】
選挙へ行きたくても行けない市民がいます。これまでの有権者の移動支援については、利用者が増える取組みに至らず、自宅での郵便投票は国の要件が厳しい状況です。しかし、日常生活の延長線上に選挙があり、投票は選挙権を持つ市民の権利の行使であります。高齢化が進む社会を踏まえて、今後も国へ郵便投票の要件緩和の要請を続けるとともに、移動支援における他市の事例を踏まえ、他の部局と連携しながら、さらなる検討を進めるようお願いいたします。
【生活・文化拠点再整備費について】
基本設計と管理・運営計画の募集要領を見る限り、想定規模は既存の施設を足したものにとどまり、意匠についても無難なものを志向しているという印象です。予算に限りがあるのは理解しますが、これでは期待される「にぎわい」と街の魅力創出に資するものになるのか不安です。夢のある、大胆な計画になるように希望いたします。また、近隣の大型商業施設の撤退に伴う跡地活用との連携を進め、駅南口エリア全体の再開発を視野に入れるよう要望いたします。
【デジタル推進事業費について】
国全体でデジタル人材が枯渇するなか、市役所に必要な人材を外部から採用することが困難になっていくため、庁内でデジタルスキルを持つ人を養成することが求められます。早急な対応を要望いたします。
なお、デジタル市役所を推進する上では、市民が取り残されないよう、市民自身に選ぶ権利があることを大切にしてほしいと思います。拙速なデジタル推進は、市民に寄り添う姿勢を失いがちです。市民にとってデジタルの恩恵を実感できるような取組をお願いいたします。
【自転車の交通安全対策について】
交通安全啓発費についてですが、道路交通法が令和6年5月に改正され罰則が設けられるなど、自転車の安全対策が重要だと考えます。毎月5日と22日の自転車マナーアップの日としての活動については評価いたしますが、自転車の基本的な交通ルールが守られていない状況です。自転車は簡単に乗れることやシェアサイクルの需要も増え、健康増進に対してもよい乗り物ですが、交通事故が増えている状況ですので、自転車のルールに関する周知活動と交通事故減少への取組を進めていただきますよう、お願いいたします。
【民生委員の負担軽減について】
民生委員活動費についてですが、来年度は委員の一斉改選を迎えます。民生委員の制度は時代の変化を捉えきれておらず、委員の方から負担が大きいとの声をうかがいます。このままでは「地域福祉」の担い手がいなくなり、制度を維持できなくなると危惧します。業務を見直し、民生委員の負担を減らしていくよう要望いたします。
【地域子どもの家について】
「地域こどもの家」は老朽化しており、ボランティア運営委員からは、要望を出してもなかなか修繕をしてもらえず、使えない遊具があると聞いています。小規模な修繕を支える管理運営費は今後も充足させてください。また、大型の修繕の整備費に関しましては、令和5年・6年度には予算計上がありましたが、令和7年度はありません。子どもの遊ぶ場所が減っている中では、常設型の貴重な遊び場ですので、早急な整備計画を要望いたします。
【保育士不足対策について】
現在、本市の保育士数は52名足りない状況です。保育士養成校が募集停止や定員割れで、新卒の募集は厳しく、既卒に関しては紹介業者に高額の紹介料を支払う例が相次いでいます。そこで、人材不足対策として、無資格者を保育士補助などとして採用し、働きながら勉強して資格を取る方式を推進してはいかがでしょうか。無資格者を保育所が雇う余裕がないことが課題ですが、この無資格者の人件費などに助成し、保育士補助を増やすことで、保育士業務の軽減も図れます。
また、併せて保育士の処遇改善のための施策も求めます。保育士の平均月給は全産業平均より低く、多くの保育士が責任に見合わない処遇におかれています。保育士不足により市内保育所では児童を十分に受け入れられない現状があります。待機・保留児童対策としても、保育士のさらなる処遇改善が必要です。
【乳幼児健診事業について】
新しい事業である仮称5歳児支援事業に関しまして、本来の目的は、早期に特性を見つけ、合理的配慮へつなげることだと思います。インクルーシブな環境づくりを可能にする取組として活用するようお願いいたします。
【産後ケアについて】
これまで、各サービスの利用料に対する自己負担額の軽減を求めてきましたが、今回示された新年度の予算案にはショートステイのみが軽減対象となりました。その根拠について伺いましたが、その回答は総合的に判断してショートステイのニーズが多いからというものです。しかし産後ケアは、その対象者をケアを必要とする者としており、どの人にとっても利用しやすいサービス提供体制を整えることが必要です。ショートステイに限らず、デイサービスやアウトリーチについても同様に自己負担額の軽減を求めます。
またサービスを提供する事業者への委託料について伺ったところ、新年度は全サービスの事業単価を現在の1.2倍に増額し、その理由は担い手の負担軽減と運営の安定を図るという説明でした。受け入れ可能な対象年齢には幅があり、例えば4か月未満のお子さんと1歳近くのお子さんでは、発達や発育の程度も違いますし、多胎児も含め、それに見合った人員確保等が事業者には求められます。その一方で、サービスを提供する事業者には病院等の医療機関や助産院、分娩を扱わない施設もあり、事業規模やサービス内容、マンパワーも異なります。産後ケアを安定的に提供できる仕組みづくりに向け、実施施設側のボランティア精神ありきの料金設定ではなく、現場の声を反映し、実情に見合った対策を引き続き求めます。
【精神保健対策について】
「にも包括」で精神疾患がある人の、暮らしなれた地域での生活を支援することは、本人や家族のためだけでなく、インクルーシブ社会を作る上でも意義ある取り組みです。陥りそうな課題もきちんと認識されていると伺えました。チームを組んで、地域の中で最良のケアを受けられる体制を実現してください。期待しています。
【人手不足と就労支援について】
近年日本では業界や業種にかかわらず、賃金上昇を反映することが厳しい企業が多く、人手不足に悩む企業があり、さらに中小企業では人材確保が難しくなっている状況です。幅広い世代を対象とした就労支援事業実施を進め、企業の人材採用確保につながるよう様々な対応を進めて頂きますように要望いたします。また、ものづくりの魅力や大切さを、子どもや若者をはじめとした、少しでも多くの方々に身近に感じていただけるような活動を拡大することを要望いたします。
また、若い人の就労や自立を支援する事業には、利用者との信頼関係の構築が重要です。そのためには事業の継続性が大切になりますので、長期的な視野で取り組むよう要望いたします。
【営農支援について】
産地競争力強化事業費、一般農地費についてですが、食料自給率の向上が叫ばれる今、本市で展開されているような都市農業の重要性が増していますので、営農支援を充実するようお願いいたします。また、市内に残された貴重な水田を維持・保全するために、農家が共同で農業機械等を利用するいわゆる「ライスセンター」の設置に向けた支援を要望いたします。
また、2050年までに有機農業の作付面積が、拡大目標である25%につながる取り組みを続けるようお願いいたします。
【誘客宣伝について】
市内北部の観光は、農業を中心としたグリーンツーリズムに発展の可能性がありますので、従来からあるツアーを磨いていただきたいと思います。また、建築物にも目を見張るものがありますので、観光資源としてとらえ、情報発信とともにガイドツアーなど新たなコンテンツを開発するよう要望いたします。
【自転車走行空間について】
自転車走行空間の山羽根は、南側地区で設置が進んでいますが、車道が狭くなることや、走行ルールが不明確なこと、自転車のマナーが悪く危険なこと、といった課題があります。関係部局と連携した課題解決を求めます。
【公共交通の利用促進について】
人手不足の影響や労働条件の規制が強化され、その影響でバスの減便などが発生し、市民の移動に影響が出ており、持続可能な公共交通を構築していくことが必要だと考えます。現在検討を行っているバスの費用に対する補助を行うことで、外出促進を促す取組でオフピークとなる昼間の時間帯において、公共交通の利用促進が図られれば、運行の効率化による経営環境の向上が図られ、また身近な移動を支えるバスの維持に繋がると思います。今後も市民全体の公共交通の利便性向上に寄与して頂けますように要望いたします。
【持続可能な交通体系について】
持続可能な交通体系のために「自家用車に過度に依存しない」を目標にしていますので、それには「歩きたくなる魅力的なまち。道路」が求められます。歩行者の視点からの施策を一層進めるよう要望いたします。
また、持続可能なまちづくりのために交通施策は重要です。「コンパクトシティ・プラス・ネットワーク」を着実に進めていただくよう要望いたします。
【西北部地域のまちづくりについて】
西北部地域では、様々なまちづくりが動きだしており、企業誘致は非常に重要な役割を果たします。市民生活の利便性向上、本地域の産業振興と市全体の活力創出につなげるために、新しい世代の多角的なご意見も伺い、新たな都市機能の集積と周辺環境と調和した都市空間・景観形成に努め、西北部地域のまちづくりを早期実現に向け進めて頂きますように要望いたします。
【市営住宅の整備について】
市営住宅は、人気が高いところと低いところに、はっきり分かれています。社会の変化や、ニーズに合わせて再整備するよう要望いたします。
【建築物の耐震化について】
新年度から、グレーゾーンへの耐震診断、耐震工事の補助が始まります。これは県内では先進的な取り組みになります。たった1軒の耐震化でも、影響は決して少なくありません。これからも一つ一つ地道に進めていくことを期待いたします。
【小学校給食無償化について】
小学校給食費無償化についてですが、先の代表質問で、今後の小学校給食費無償化への取り組みを鈴木市長に伺ったところ、3党合意の報道を受けて、令和8年度からの実施を目指すという回答でした。
今回、実施時期を明確にしていただいたことは高く評価します。一方で、国の動向を含め、様々な社会情勢の変化があるにせよ、段階的な給食費無償化への検討すらせず、新年度からの開始を見送るとの方針には市民の皆様方の期待に沿えなかったことを重く受け止めるべきです。市単独事業として継続的に実施できるよう、全庁的な業務の見直しをお願いいたします。
【中学校給食施設整備について】
給食センターの設置にあたっては、市民に開放され、食の大切さを学べるような施設になるよう要望いたします。また、予定地の近くには地方卸売市場がありますので、設置にあわせて、エリアを藤沢の食の発信地にすることも可能ではないかと思います。ご検討を要望いたします。さらに、良質な中学校給食を担保できるような運営も要望いたします。
【学校図書館の管理運営について】
国が定める図書標準を満たしていない学校が少なくありません。早急に是正するよう要望いたします。情報化が一層すすむ今、学校図書館に限らず図書館の役割は増す一方です。そうした新しい潮流を的確にとらえ運営に反映するには、図書館員の専門性が重要です。専門性を反映した処遇・勤務体系になるよう要望いたします。
【総合市民図書館の市民運営費について】
これから、図書館についての行動計画を策定するとのことですので、その際には、現在、図書館の運営に協力していただいている多くのボランティアの方のご意見や、利用者の意見を反映する形で検討するよう要望いたします。
【学校での防災教育について】
新年度予算で防災教育の拠点校を設置したことで、本市防災教育の今後の発展に大いに期待が持てます。今回指定された拠点校での取り組みを参考に、拠点校をさらに増やしてください。
【インクルーシブ教育について】
今回改訂された藤沢市の教育振興基本計画は、「すべての子どもたちが同じ環境で一緒に学ぶ『インクルーシブ教育』をより一層推進することが求められています。」と明記しました。ここまでの目標を掲げた自治体は、全国でも稀です。これまで重度の障害のある児童生徒も普通級に受け入れてきた藤沢です。ぜひ理想を明確に掲げ、取り組んでいただきたいと思います。私たちはこの理念を高く評価し、全面的に支えたいと思います。
また、この目標は学校だけが掲げれば良いものではありません。藤沢の学校では障害があっても普通学級で共に学んでいる児童も少なくありません。ところが、放課後になるといわゆる健常児は児童クラブ、障がいのある児童は放課後デイと、分離されてしまいます。児童クラブやその他の子ども施設も「障害の有無に関わらず共に過ごせる場」とするよう検討していただきたいとお願いいたします。
【学校の教室不足について】
藤沢の学校の教室不足は依然として深刻です。仮設校舎の建設や特別教室の転用などで、かろうじて教室は確保していますが、本来、特別教室は学習のために必要な施設であり、特別教室がないということは児童生徒の教育環境として、けっして望ましいことではない、ということを指摘しておきます。
学区の適正化だけでは解決しない可能性も少なくありません。場合によっては新たな学校の施設や、期限を定めた分校の設置も、選択肢からは排除しないでいただきたいと要望いたします。白浜養護学校も早晩パンクしてしまうことは明らかです。これについても、ぜひ取り組んでください。
【学校施設の環境整備について】
市内の小中・特別支援学校の教育施設には、もっとお金をかけるべきです。今年度から設置が始まる体育館のエアコン設置はもちろんのこと、断熱化工事、古い施設の更新、グラウンドの整備など、やるべきことはたくさんあります。義務教育の期間はたった9年ですが、子どもたちが少しでも良い環境で学校生活を送れるようにすることが、大人の義務だと思います。しかし、財源は国の補助を含め全く足りません。
【今後の行財政改革について】
予算審査にあたり、この間、様々な歳出事業の取組みなどについて質疑させていただきましたが、古くから変わらず続いている事業、国や県の補助が廃止されたにもかかわらず市単独で続けられている事業などもあり、課題がある事業は少なくないと考えます。そのような中、新年度から行政経営室が新設され、外部の視点を取り入れた中で、客観的な分析に基づく既存事業の見直しや、公共と民間の役割を明確にした上での事業選択など、経営的な視点に立った効率化及び最適化を進めていくとの方針でした。庁内での重複や費用対効果などを見える化する、こうした動きは、議会が行政のチェック機能を果たす上で重要な視点だと考えます。また財政課からの回答においても市単独事業の見直し等を含めて、新年度早々から庁内で検討、着手するとのことでしたので、議会と行政が車の両輪として、その役割を十分発揮できる取り組みとなればと思います。
【歳入について】
昨年12月定例会の一般質問で、いわゆる所得税の「年収103万円の壁」を178万円に引き上げた場合の影響について、本市において100億円程度の減収が生じるとの試算が答弁により明らかとなりました。
しかし、その後に閣議決定された「令和7年度税制改正大綱」によると、仮に所得税の年収の壁を178万円に引き上げた場合でも、そのために本市において減収が生じることはなくなりました。
共同通信社が2月15・16日に行った世論調査によると、所得税の年収の壁を178万円に引き上げるべきとの回答が全回答の31.4%を占め、最多でした。以下、150万円程度に引き上げるべきとの回答が32.2%、123万円程度に引き上げるべきとの回答が17.9%でした。合わせて81.5%もの方が、所得税の年収の壁引き上げによる減税を求めており、世論調査からは、物価高や上がらない給料、高い税金や社会保険料負担への国民や市民の不満を見て取れます。
なお、この度の税制改正により、住民税の給与所得控除が10万円上がることや、新たな特別控除が設けられること等の影響から、本市においては令和8年度より、毎年1億5,000万円程度の個人市民税の減収が見込まれています。個人市民税は、地方自治体の基幹税であり、本市の各種行政サービスには必要不可欠なものです。ですが、令和7年度の国民負担率は46.2%になる見通しとなり、いわゆる「五公五民」の状態に近づく中、高い税金や社会保険料への市民の皆様の不満は、限界に達しつつあります。
そうした中では、既存の税収以外の新たな財源確保策も必要です。クラウドファンディング、ふるさと納税などはもちろん一助になりますが、そのような外部システムに乗っかる方法には限界があります。そこで、この度新設される行政経営室には、行革的な業務見直しだけではなく、新たな財源確保策を創造できる組織になってもらえるよう期待いたします。
【下水道事業の耐震化について】
下水道施設の耐震化についてですが、下水道の施設は管路、ポンプ場、処理センターと3種類の施設がつながり、どれが欠けてもトイレが使えなくなります。避難生活において、下水道が使用できれば多くの問題が解決されます。3種類の施設の災害対策は十分とは言えません。引き続き国庫補助を活用しながら対策を進めてください。
2. 予算議案の採決
議案第97号 令和7年度藤沢市一般会計予算
議案第98号 令和7年度藤沢市北部第二(三地区)土地区画整理事業費特別会計予算
議案第100号 令和7年度藤沢市国民健康保険事業費特別会計予算
議案第101号 令和7年度藤沢市介護保険事業費特別会計予算
議案第102号 令和7年度藤沢市後期高齢者医療事業費特別会計予算
議案第103号 令和7年度藤沢市下水道事業費特別会計予算
※上記6議案は、共産党が反対しましたが、賛成多数で可決されました。
議案第99号 令和7年度藤沢市墓園事業費特別会計予算
議案第104号 令和7年度藤沢市民病院事業会計予算
議案第72号 藤沢市職員定数条例の一部改正について
※上記3議案は、全会一致で可決されました。
3. 追加議案
議案第106号 藤沢市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例及び藤沢市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について
この議案は、国が定める特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業並びに特定子ども・子育て支援施設等の運営に関する基準及び家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準の一部が改正されたことに伴い、規定の整備をするものです。
※この議案は、全会一致で可決されました。
議案第107号 教育委員会委員の任命
この議案は、教育委員会委員の1人が任期満了となることに伴い、委員を任命するにあたり、市長から議会に同意が求められたものです。
※この議案は、全会一致で同意されました。
議案第108号 監査委員の選任について
この議案は、監査委員の1人が任期満了になることに伴い、委員を選任するにあたり、市長から議会に同意が求められたものです。
※この議案は、全会一致で同意されました。
人権擁護委員候補者の推薦について
人権擁護委員候補者の推薦について、市長から議会に意見が求められたものです。
※この件については、全会一致で市長依頼の通り決定しました。
※以上をもって、藤沢市議会2月定例会が閉会となりました。