10月26日 9:30より、藤沢市議会藤沢都心部再生・公共施設再整備特別委員会が開催され、傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。
1. 藤沢駅周辺地区再整備事業の進捗状況について(報告)
藤沢駅周辺地区再整備事業の進捗状況として、藤沢駅北口デッキリニューアルの部分について、その内容が報告されました。
(1)再整備のコンセプト
「湘南・藤沢 Garden Gate」
(2)リニューアルの具体的取組
① 昇降施設・スロープの設置
エレベーター新設2基、改良1基、さいか屋へのスロープ改良、ビックカメラ横エスカレーターの新設。
② 誰もが安心して利用できる空間の整備
階段やスロープに滑りにくい手すりを設置、夜間でも段差が分かる足元照明で安全性を高める。
③ 広がりのある空間を演出する高欄
駅からの出口は、高級感を感じさせるガラス高欄に変更、植栽や明り取りの開口部には、視線の抜けが良い多柵式高欄とする。
④ 機能性を考慮した舗装材料
・一般部は、排水性に優れ、汚れ等が目立たない舗装材を使用。
・ガーデンテラス/待ち合わせ広場は、天然木を使用したウッドデッキ。
・ガーデンパークは、イベントや憩いの空間として使いやすいように、人工芝とする。
⑤ デッキ下面の暗さ対策
バスターミナルの暗さ対策や美観の観点から、白色系の汚れの付きにくいクリア塗装とする。また、LED照明にして明るい空間とする。
(3)概算事業費
① デッキ本体(リニューアル・補修等) 約22億円
② エレベーター・エスカレーター 約8億円 合計 約30億円
(4)にぎわい・交流の創出、魅力づくりに向けた取組について
官民連携したマネジメントの導入を見据えて検討をする。藤沢駅周辺におけるエリアマネジメント対象エリアは、藤沢駅北側は、ペデストリアンデッキ/特殊街路/地下通路。南側は、駅前広場/デッキ 等。
スケジュールは、平成31年度から、藤沢駅北側を中心にエリアマネジメントを実施し、順次、リニューアルを終えた個所から拡大を予定している。また、特殊街路は先行して再整備を終えるため、平成29・30年度に実験的に取組む。
永井委員
障がい者団体の意見をどう聞いたのか?⇒平成27年5月に福祉団体連絡会で意見を聞き、28年4月の同会議の中で、詳細設計に向けて、一定の合意を得た。
西委員
イベントステージ常設の考えは?⇒エリアマネジメント実施のさい、可動式のステージの活用を検討していく。
現行の喫煙所はどうなるのか?⇒デッキ上の喫煙所は撤去を予定している。
北口通り線に降りる階段できないか?⇒課題と認識している。将来的に民間ビルの建て替えの際に検討していく。
山内委員
エリアマネジメントについて、駅前広場での街頭活動や政治活動は、今まで通りできるのか?⇒今まで通りと考えている。
エリアマネジメントの会社の収入源は?⇒イベント時の施設利用料、広告収入、エリアマネジメントの協議会の会費収入など。藤沢駅周辺については、今後の検討。
ガラス高欄に企業広告貼ることはあるか?⇒想定していない。
友田委員
コンセプトの「湘南・藤沢 Garden Gate」という名称になるのか?⇒想定していない。
メンテナンスコストについて、現状とリニューアル後でどうなるのか?⇒デッキの維持管理はサンパール(株)が行っており、今後も同様。昇降施設の点検管理は必要となる。
ガラス高欄にした場合、横断幕はどうなるのか?⇒公共の横断幕は、何らか工夫が必要で、今後、検討していく。
デッキの耐震の状況は?⇒今回のリニューアルでの補強は必要ない。
オリンピックに工事が重なるが?⇒鉄道事業者と協議している中で、オリンピックをまたぐかどうか、今後、検討していく。
地下通路のリニューアルについて、バリアフリー化の検討状況は?⇒東西方向と南北方向とあるが、東西方向はオリンピック前に整備したいが、南北方向は、自由通路の拡幅と合わせて検討していく。
阿部委員
一般部の舗装材について、インターロッキングにすると、将来的にガタガタになるのでは?⇒一般的な歩道と違い、車が乗らない。今回は、インターロッキングでなくタイルで整備する。がたつきなどの支障はないと考える。
桜井委員
工事の進め方は?⇒平成29・30年度で、デッキの舗装、高欄、下部の塗り替えを行い、31年度にエレベーター・エスカレーターの整備をする。工事範囲を4ブロックに分けて、夜間・昼夜を分けながら進めていく。
整備中、例年実施しているイベントができなくなるが?⇒例えば、市民まつりは、平成30年度はサンパール広場は使えないため、市民会館前、特殊街路などでの対応を検討していく。各団体と協議していく。
広告について、景観に配慮する必要があるのでは?⇒一定のルールが必要と考える。
環境に配慮した、太陽光パネルの設置など、検討されたのか?⇒詳細設計の中で、可能性について検討していく。
柳沢委員
遊行通り商店街への誘導をどう位置付けているのか?⇒新設するエレベーター・エスカレーターの利用により、誘導していく。
平川委員
ウッドデッキについて、人口木のデッキより天然木の方が高くなるが?⇒再生木と天然木の比較している。イベントで火器使用したときに溶ける心配ある。質感、見栄えなども踏まえて天然木とした。工事費は1.2~1.3倍となるが、色合いは15~20年変わらず、メンテナンスフリーとされている。
原田委員
朝の通勤者は急いでいる。エレベーター・エスカレーターを設置して階段を撤去することについて、声を聞くべきだが?⇒検討していく。
2. 藤沢市新庁舎建設事業の進捗状況について(報告)
新庁舎建設について、現在の進捗状況が報告されたものです。なお、9月末現在、地下1階の躯体工事を進めているところで、工事全体の進捗率は19.6%、平成29年12月13日のしゅん工に向けて、計画通りに進んでいます。
実施設計を基に、将来を見据えた新庁舎の機能などを再整理・調整を行い、また、近年建設されている他市の新庁舎を参考にした結果、庁舎機能の拡充が必要になったため、次の通り変更、追加をします。なお、工事の変更手続きは、2月議会で補正予算等を上程する予定。
(1)変更・追加内容
① 組織改正等に伴うフロア計画の変更
② 市民用多目的トイレの増設
福祉団体からの要望に基づき、1階に、より広い多目的トイレを1か所増設する。
③ Wi-Fi環境の整備
市民利用エリアでの環境整備、市議会におけるタブレット端末導入に伴い、議会フロアの環境整備を行う。
④ 窓口発券呼び出しシステムの機能拡充
市民の利便性向上のため、各課の窓口と連動し、混雑状況を配信するなど機能を拡充する。
⑤ デジタルサイネージの増設
エレベーターホールにも増設する。
⑥ 市民利用、庁舎管理に伴う変更
市民ラウンジが設置されるフロアへの冷水機の設置、防犯上の観点から、地下1階の国道側に管理シャッターを設置、セキュリティー強化のため、ICカードによる入室管理機能を各フロアの集密書架にも設置する。
(2)新庁舎建設工事の残土処分について
神奈川県との協議で、湘南海岸の養浜事業に活用することとしていなしたが、搬入直前の段階で、砂の性状が受け入れに適さないとのことから、活用できなくなったため、発生した残土は、村岡東の土地開発公社所有の土地に一時仮置きしており、他の建設事業での有効活用を検討している。
(3)ユニバーサルレイアウトの導入に伴う什器について
新庁舎については、将来にわたる組織改正や環境の変化に対して、柔軟に対応できるユニバーサルレイアウトを採用する。このことによる、事務机、デスクワゴン等の購入費用は約8億円を見込んでいるが、組織改正ごとに発生していた什器の移転やインフラ整備などの経費を削減することができるため、長期的なランニングコストを抑制できるものと考える。また、移転に伴い不要となった什器・備品等についても、新庁舎以外の部署で活用するなど、再利用に努めていく。
(4)新庁舎建設工事における市内業者の活用状況等について
① 市内業者の活用状況
・建築工事⇒竣工までに達成すべき活用率16%/8月末現在の活用率5.3%
・電気工事⇒竣工までに達成すべき活用率21%/8月末現在の活用率23.2%
・機械設備工事⇒竣工までに達成すべき活用率21%/8月末現在の活用率0.0%
・土木工事⇒竣工までに達成すべき活用率26%/8月末現在の活用率46.2%
② 工事以外でも、資材の調達、事務用品の購入、備品のレンタルなどに市内業者が活用されている。
(5)今後のスケジュール
① 落成式典・内覧会
平成29年12月16日に落成式典、翌17日に市民対象の内覧会を予定。
② 執務室の移転
新庁舎の供用開始は、平成30年1月4日を予定。それに合わせて、執務室の移転を年末年始の6日間で実施予定。
西委員
Wi-Fi環境整備にかかるコストは?⇒議会フロアは600万円を見込む。市民エリアはその範囲を整理しているところ。
何のためのWi-Fi環境整備なのか?⇒市民向けの平時に加え、災害時の情報提供に配慮している。
執務エリアの整備は?⇒職員向けは、庁内会議で活用できるような対応を検討している。
市のペーパーレス化の考えは?⇒Wi-Fi環境は手法の一つ。電子化推進など、今後も検討していく。
ユニバーサルレイアウトで、ランニングコストがどのくらい抑制できるのか?⇒平成27年度、9課のレイアウト変更で1,600万円かかった。今後のレイアウト変更は具体的に想定できないが、ユニバーサルレイアウトの導入で、相当の経費が抑制できると考える。
フリーアドレスの検討状況は?⇒導入環境は整うが、導入については、今後の課題と捉えている。
窓口発券呼び出しシステムの機能拡充とあるが、ワンストップサービスにできないのか?⇒検討した結果、1階フロアにワンストップの総合窓口の設置は、利用者の状況から難しく、ニーズに合ったサービスにすることとした。
友田委員
計画変更・追加の費用は?⇒整理しているが、数億円を見込む。
残土について、仮置きの量と処分費は?⇒25,000㎥。全て処分した場合は、1億5,000万円。
他の工事での有効活用の見通しは?⇒主に、盛土、埋め戻し、整地で利用可能。利用先は、市内公共事業、県内の公共事業を検討している。
仮置き場のコストは発生しているか?⇒土地開発公社の土地、5,000㎡を借りている。借地料900万円がかかっている。
ユニバーサルレイアウトの導入で生み出したスペースのコスト効果を示すべきだが?⇒什器の改善でスペースを生み出すもの。
柳沢委員
総事業費が185億円から200億円ぐらいになる。節約を考えられないか?⇒ユニバーサルレイアウトの導入は、将来的な節約への投資と考えている。
市内業者の活用について、2次・3次下請けの状況は把握しているのか?⇒月に1度、確認している。
2次・3次下請けは、市外業者もあるのか?⇒中にはある。
3. 藤沢公民館・労働会館等複合施設建設事業の進捗状況について(報告)
今回は、基本設計で示された図面と比較する形で、実施設計の図面が示されました。内容については、割愛します。
永井委員
旧藤沢高校跡地での活用の際には、青少年の居場所機能が検討項目にあったが、どうなるのか?⇒旧藤沢高校跡地を活用した場合には、そのような考えがあった。全市的な課題と捉え、検討していく。
労働会館と藤沢公民館の合築の中での、青少年の居場所の考えは?⇒地域子どもの家、児童クラブ、ユースワーク、多世代交流スペースなどある。
調理室について、他の施設では狭いとの意見あるが?⇒11㎡広くなる。
山内委員
ホール機能が当面使えない。臨時的に民間フロアを借りて対応すべきだが?⇒市内公民館を活用してもらっている。各団体から強い要望はない。市内、市外、民間施設を紹介していく。
友田委員
荷解室と搬入用エレベーターが無くなったが、理由は?⇒地下駐車場の天井が低く、大型トラックが入れないため、正面から入り、2台のエレベーターから搬入、もしくは、スロープからの搬入を計画している。
消防活動空地と消防隊活動スペースを設けた理由は?⇒基本設計段階でも想定していた。消防と調整してきたもの。
3階の公用車駐車場と消防隊活動スペースが重なると活動が出来なくなるが?⇒検討していく。
消防活動空地ついて、スロープが4mだが、6mないと設けられないが?⇒消防と協議を進めているが、スロープ部分は、消防車が入れると聞いている。
実施設計の段階で、警防課に確認を取ってから議会に示すべきだが?⇒開発協議をしているが、各方面の条例を確認していく。
条例に抵触する。確認が出来なければ、審議できないが?⇒ ※消防局等に確認するため、休憩となりました。~1時間超~ (小野副市長答弁)進入路について、はしご車の進入路の確保のため、開発の条例の中で、6mを基準として、指導している。はしご車の軌跡図、現地確認が必要だが、事前協議の中で、現状が担保されているもの。
今後、進入路を見直さないのか?⇒軌跡図で確保しながら進めていく。
柳沢委員
解体のアスベストの状況は?⇒機械室の煙突内部の断熱材に含まれている。
今後、周辺に影響がないということを引き続き周辺住民に説明していくのか?⇒適宜していく。
原田委員
事業費の想定は?⇒45億1,440万円。
施設の複合化のメリットでなく、経済部と生涯学習部が一緒に取り組むメリットはないのか?⇒地域や幅広い主体との連携について、経済部と生涯学習部と連携しながら、進めていく。拠点としてのメリットを発揮していく。
再整備後の評価指標の考えは?⇒生涯学習ふじさわプランの改定しているが、効果、成果を位置付けていく。
西委員
3階に児童クラブと子どもの家が入る。2階の談話室、4階の会議室は静かな環境が求められるが、防音は大丈夫なのか?⇒十分考慮して設計を進めていく。
4. 藤沢市藤が岡二丁目地区再整備事業について(報告)
この整備事業については、2月に基本方針案が示されていますが、今回は、PFI法第5条に基づき、実施方針(案)が示されたもので、この実施方針(案)は、民間事業者からの質問、回答の機会を設け、意思疎通を図るとともに準備期間を提供し、民間事業者の創意工夫を最大限に発揮できる条件整備を行うため、民間事業者の募集開始に先立ち公表するものです。したがって、公共施設の複合化などの内容は、2月の基本方針案で示されていますので、内容は割愛します。
質疑は、主に藤沢市有機質資源再生センターにおける、PFI事業の失敗(中止)の経緯を踏まえて、そのリスクやメリット・デメリットについての質疑が中心となりました。私も、20年間という長期にわたる事業期間ですので、20年後の責任をどう背負っていくか、慎重な判断が求められると思います。
5. 第2次藤沢市公共施設再整備プラン(素案)について(報告)
平成28年度で終了する藤沢市公共施設再整備プランについて、平成29年度~32年度を短期プランとする、第2次藤沢市公共施設再整備プランが示されました。今回の報告では、中期財政フレーム、総合指針2020との関係について、示されていませんので、次回の委員会で報告がされた段階で、短期プランの内容について掲載したいと思います。ここでは、位置付けられた施設名のみ記載します。
(1)第1期短期プランからの継続
① 市庁舎等再整備
② 藤沢公民館・労働会館等再整備
③ 津波対策整備(市営鵠沼住宅)
④ 付帯施設整備(宮ノ下公園整備・防災備蓄倉庫整備)
⑤ 市民病院再整備
⑥ 下水道施設再整備(辻堂・大清水浄化センター・各ポンプ場)
(2)検討事業からの移行
① 善行市民センター再整備
② 辻堂市民センター再整備(南消防署辻堂出張所等)
③ 北部環境事業所再整備
④ 藤が岡二丁目地区再整備(藤が岡保育園等)
(3)検討事業(継続)
① 善行保育園・善行乳児保育園等再整備
② 市民会館・南図書館等再整備
③ 村岡公民館再整備
④ 文化財収蔵庫整備
⑤ 老人福祉センターやすらぎ荘再整備
⑥ 太陽の家再整備
⑦ 環境事業センター再整備(南北収集事務所統合)
⑧ 石名坂環境事業所再整備
⑨ 南消防本町出張所(第9分団)再整備
⑩ 南消防署苅田出張所(第5分団)再整備(自家用給油所等)
(4)検討事業(新規)
① 片瀬山市民の家再整備
② 鵠沼市民センター等再整備
③ 辻堂保育園等再整備(放課後児童クラブ複合化)
④ 鵠沼保育園等再整備
⑤ 放課後児童クラブ((仮称)天神小学校区放課後児童クラブ・障がい児者一時預かり施設)
⑥ 北消防署善行出張所(第15分団)再整備
⑦ 鵠南小学校等再整備(浜見保育園・放課後児童クラブ複合化)
⑧ 六会中学校屋内運動場再整備
⑨ 鵠沼中学校校舎棟再整備
⑩ 辻堂小学校再整備
⑪ 鵠洋小学校再整備
⑫ 片瀬小学校再整備
柳沢委員
複合化・PFIの方向性を決定する前に、市民の組織を設置して意見を聞くべきだが?⇒案件ごとに地元の意見を聞く仕組みをそれぞれ考えていく。
中期財政フレームは、いつ示されるのか?⇒11月の行革等特別委員会をめざして作業を進めている。
実施事業の事業費見込みは?⇒短期プランの見通しは、一般会計で383億円。
次の案を示すときに、複合化やPFIの方向性は決まっているのか?⇒検討する対象は示すが、方向性は4年間の早い段階で示していく。
山内委員
鵠南小学校の再整備は、津波浸水区域外で整備すべきだが?⇒全面改修をする。可能性の検討をしたが、現在の場所での再整備の検討となった。
原田委員
片瀬市民の家の再整備について、現在の場所での建て替えを検討したのか?⇒現地では、解体して整備となるが、内部での検討、地元との調整の結果。
鵠沼市民センターの再整備について、用地の取得はいつから検討してきたのか?⇒所有者と売却の話を前からしていたが、至らなかった。今年度、売却の話があり、交渉しているところ。
津波浸水区域であるが、分館みたいな検討はしたか?⇒していない。
再整備の優先度について、近くの用地が確保できたら、優先度が上がるのか?⇒採点は目安で基本となる。用地確保なども加味して決定する。
第1期プランの財政的評価は?⇒精査して加えていく。
公共施設の廃止、売却の考えはあるのか?⇒平成26年度に公共施設再整備基本方針を定めたが、義務施設は再整備を検討、任意施設は必要性を明確にしたうえで、再整備を検討し、結果として廃止もあり得る。
以上、報告とします。