2016.11.22 平成28年度湘南地方市議会議長会「議員研修会」

 11月22日 14:00より、鎌倉プリンスホテルにおいて、湘南地方市議会議長会主催の「議員研修会」が開催され、出席しました。内容の抜粋は次の通りです。

1. テーマ 「議会改革」

2. 講師 一般財団法人地域開発研究所 上席主任研究員 「牧瀬 稔」氏 ※明日(11/23)カフェトークのコーディネーター。

3. 講演のポイント

(1)自治体議員の役割は(再確認)

 自治体議員に求められている役割は、住民福祉の増進。福祉とは、幸福度の向上。

(2)(一般的に言われる)議会の役割

【執行機関の監視機能】

 朝日新聞の調査によると2007年からの4年間で、首長が提出した議案を1本も修正・否決していない「丸のみ」議会は50%。2015年の毎日新聞の調査でも50%であった。

 ※牧瀬氏は、マスコミは、「丸のみ」議会として、批判する傾向にあるが、多くの議会では、議案として提案される前に、調整・修正をした上で提案しているため、「丸のみ」とは思わないと言っていました。実際、藤沢市議会においても、重要な議案については、事前に説明がされ、意見聴取をし、否決される見通しであれば、次期の議会に送るなど、相当な事前調整がされています。ですので、マスコミが批判する「丸のみ」議会には当たらないと私は考えます。

【政策の立案機能】

 2015年の毎日新聞のアンケートによると、2011年からの4年間で、議員提案の政策条例(改正含む)を可決した議会は、全体で17%となっています。2011年の朝日新聞のアンケートでは9%。

 ※牧瀬氏は、この議員提案による条例提案こそが重要と指摘されました。そして、政策条例の提案をするために必要なこととして次のことを提起しました。

【政策立案の3つの視点】

 ① 複眼思考

 物事には多様な側面があり、みる視点により、その多様な側面が違って見える。その視点で物事を考える思考。

 ② ゼロベース思考

 先入観や偏見を捨て、ゼロベースで考え、改めて「何が問題なのか」検討することが大切。先入観や偏見を捨てるためには「疑う」ことが必要で、徹底的に調べること!

 ③ 数字思考

 数字を把握する。設置施設の数、共働き世帯、生活保護世帯など、数字には必ず背景があり、そこを考えることが大切。数字の規則性に着目するとともに、イレギュラーな数字を発見することも大切。

 ※これまでも議会で、多くの市民が望んでいるとか、利用者が少ないとか、質問の中で、客観的根拠のないことを耳にしましたが、その根拠や背景をデータで入手し、分析したうえで質問することが必要だと改めて思いました。

(3)議員定数を考える

 議員定数を考えるとき、重要なことは、議員数で捉えるのではなく、トータルとしての議会費の削減を考えるべき。では、正しい議員定数の管理とは?例えば、平均的な仕事量を1仕事とした場合、1人=1仕事となります。優秀な人材が多く、1人で2仕事をした場合は、半分の5人で出来ることになります。逆に、問題な議員が多く、1人で0.5仕事しかできなければ20人必要となるように、議員の能力により、必要な議員定数も変化してきます。なのに、議員の能力を高める議論がされていない。研修や視察で、議員のレベルアップをすべきと指摘がされました。

 また、議会改革などにより、議員の仕事が増加した場合、これまで、あまり議論されてこなかったが、行政の外部委託と同様に、議員の増えた仕事を民間、大学、NPOなどと連携して行うことも、これからは考える必要があるとのことでした。

(4)政策条例の効果を高めるテクニック

 議員提案で条例制定しても、効果がなくては意味がありません。効果を高める手法としては、見直し等の規定を設ける、市長は必要な財源措置を講じなければならないと財源の担保を取る、必要な事項は規則で定めるとし、規則を定める前に議会との事前協議を定める、調査・研究・提言など、議会の責任を入れるなどでした。

※以上、報告としますが、私たち議員は、議員の役割を果たさなければなりませんが、今回の研修で指摘されたように、自分の考えや主張が、市民のニーズに合っているのか、しっかりと調査・分析したのか、先入観や偏見になっていないか等、様々な観点から総合的に判断しているのかに注意する必要があると改めて思いました。議員の権限、発言は重いです。思い付きや、適当な発言は許されません。今後も、緊張感をもって、議員として行動していきたいと思います。 以上、報告とします。 写真は、講演する「牧瀬 稔」氏。

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おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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