12月6日 9:30より、藤沢市議会建設経済常任委員会が開催され、委員として出席しました。内容の抜粋は次の通りです。
議案第40号 市道の認定について(鵠沼922号線ほか8路線)
開発や市道新設などに伴い、市道を認定するものです。
この議案は、全会一致で可決すべきものと決定しました。
議案第41号 市道の廃止について(本町962-2号線ほか3路線)
払い下げ、終点変更による再認定などに伴い、市道を廃止するものです。
柳沢委員
本町962-2号線の廃止について、旧藤沢高校跡地に入っているのか?⇒敷地外
道路の形態となっているのか?⇒なっていない。
廃止する理由は?⇒平成5年3月の市内道路再編成の中で廃止されずに残されていたもので、開発業者から、路線を開発区域に含みたいと
のことだったので、廃止し普通財産とするもの。
事業者へ売却するのか?⇒処分について、事業者、関係課と協議していく。
隣接する住宅との話し合いはどうしていくのか?⇒開発区域内なので、事業者から近隣住民へ説明している。
この議案は、全会一致で可決すべきものと決定しました。
議案第53号 藤沢市下水道条例の一部改正について
公共下水道事業の財政状況を勘案して、下水道使用料を平均4.8%引き上げる改定を行うものです。
塚本委員
平成29年度から31年度の収支均衡を図るための改定だが、その先の見通しがないと、市民は不安となる。どうなるのか?⇒経費節減をする中で、経営計画を見直していく。
平成31年度以降、使用料は上がるのか?⇒アセットマネジメントの取り組みの中で、システムの見える化を図る。3年間を一区切りとするが、次期見直しの際には、市民にも理解されるよう、見える化を図っていく。
下水道ビジョンでは平成42年度までの長期計画となっている。長期の財政フレームを示すべきだが?⇒次年度以降、改定の前に長期的な財政資料を示していきたい。
下水道管理にPPPやPFIを検討すべきだが?⇒本市として、これまで業務委託で経費節減をしてきた。今後、検討していく。
柳沢委員
95%普及している中で受益と言えるのか。受益者負担の考え方を変えるべきだが?⇒使用者を受益者とすることに矛盾していない。
この間の使用料の引き上げの状況は?⇒平成2年度の改定前の単価は、月20㎥で1,067円、今回の改定では、2,003円となる。
実質賃金が下がっている中での引き上げをどう考えるのか?⇒使用料の見直しは適切に行われてきたと考える。
資本費割合について、平成2年度の15%から現在95%となっている。一般会計からの繰入金の状況は?⇒平成2年度決算で44億9,000万円、27年度決算で45億円。
目的税に都市計画税がある。下水道にどのくらい入っているのか?⇒平成27年度決算で、都市計画税のうち65%を下水道へ充当している。
この議案は、柳沢委員が反対しましたが、採決の結果、可決すべきものと決定しました。
報告(1) 今後の下水道事業運営のあり方について~「アセットマネジメント手法」導入の考え方について~
今後の健全な下水道事業運営を進めるにあたり、下水道ビジョンにおける事業の継続性を維持する視点の目標である「独立採算制を原則とする下水道事業運営」を具現化し、経営基盤を強化する仕組みとして、「アセットマネジメント手法の導入」を段階的に進めるもので、その考え方が報告されたものです。
下水道事業におけるアセットマネジメントとは、社会ニーズに対応した下水道事業の役割を踏まえ、下水道施設(資産)に対し、施設管理に必要な費用と人員を、経営管理や執行体制の確保に投入し、良好な下水道サービスを持続的に提供するための事業運営であり、多くの市民に利用されている下水道資産の道路や施設を効率的に維持・管理し、さらに施設整備・維持において効果的に機能を発揮させる「ストックマネジメント」を包括的にコントロールする行政運営の仕組みと考えられます。
平成29年度の組織改正で、一般会計と企業会計が混在している部を見直して、下水道部を設置。アセットマネジメント手法導入に向けて、「(仮称)アセットマネジメント推進担当」を設置し、事業経営の把握とその解決策を継続して研究するとともに、部内各課と連携して機動的な取組みを進めます。 導入のスケジュールとしては、平成35年度を目標に、本格的に導入・運用することを予定しています。
北橋委員
下水道事業運営を更に安定させるための取り組みは?⇒現状課題を把握し、組織づくりをしている。ワーキンググループでの検討、研修を行い、事例研究もしている。今後、各台帳のデータ化が必須で、アセットマネジメント手法の導入には職員の意識改革も必要。
仙台市の視察で何を得てきたのか?⇒アセットマネジメントが下水道課題を解決する方法である。業務改善につながるシステムでなければ継続性の確保はできない。本市のメリットを確認できた。
平成35年度を目標に3段階で進めるとなっているが、各段階での指標は?⇒システム導入の検討をしているので指標は難しい。下水道ビジョンの実現を具体化するもので、経費回収率を90.8%から100%の目標としている。
塚本委員
ストックマネジメントの必須がデータベース化だが、これまでもデータ化、固定資産台帳の整備を進めてきたが?⇒固定資産台帳と下水道台帳を管理している。それぞれのデータはあるが連携ができていない。リンク付けをしていく。
GISにストック情報をアップしている。GISと統合して公開していくべきだが?⇒GISにより、公共施設が見やすくなる。連携について検討していく。
仙台市では、ワークショップを市長が責任者として進めていた。トップを下水道部とするのではなく、市長が先頭に立って進めるべきだが?⇒将来的には公共施設そのものをアセットマネジメント手法としていくこととなる。ストックの更新は下水道に限らない。大きな方向性は委員指摘の通り。独立している企業会計でアセットマネジメント手法を導入していくが、全てに必要と考えている。公共施設再整備の中に組み込んでいく。
仙台市では財源効果の数値が出ていた。本市での財源効果は?⇒試算は難しい。下水道施設の老朽化をどう保全していくかが課題で、耐用年数を考慮し、詳細な調査をして、把握しながら効果を示せるように検討していく。
仙台市は、ISO55001の認証取得している。本市も取得していくべきだが?⇒現段階では認証について研究段階であり、検討をしていく。
柳沢委員
アセットマネジメント手法について、仙台市以外で導入しているところは?⇒静岡市、横浜市、名古屋市。
管渠の維持管理に国がもっと負担すべき。国に働きかけていくべきだが?⇒社会資本整備総合交付金をもらえるよう要望している。制度が有効活用できるように取り組みを進めている。
陳情28第23号 「最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書」の提出を求める陳情
国へ最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書の提出を求めているものです。
この陳情は、私、浜元委員、柳沢委員、北橋委員、西委員が賛成したため、採決の結果、主旨了承になりました。
陳情28第28号 認定書の開示と特定行政庁の対応についての陳情
建築行政について、建物と設計図書の整合性について、次の2点を求めるものです。
(1)専門部署を設け、認定の解釈を普遍的にすることについて、国への意見書提出及び、特定行政庁に速やかに説明することと、業者に対し、是正命令若しくは賠償責任の追及をするよう働きかけてください。
(2)基礎や構造のみの違法でなく、家屋全体の契約の仕様書の違反をも処罰の対象とした法律の制定を国に要求する意見書を提出してください。
この陳情は、委員全員が主旨不了承としました。
報告(2) 藤沢市建築基準等に関する条例(素案)
建築基準法では、法に定められた全国一律の基準に加え、地方公共団体(市町村)が、地域風土の特殊性を考慮したきめ細かい独自の基準や制限を条例で強化することができるとなっています。雑居ビルでの火災事故による死傷者の事件、災害時における、批難行動要支援者が利用する施設の安全性の確保、旧藤沢宿等における歴史的建築物の保存や活用を踏まえて、これまで適用してきた「神奈川県建築基準条例」に替わるものとして、新たに「藤沢市建築基準等に関する条例」制定に向けた取組を進めています。今回は、その条例素案が報告されたものです。なお、県条例から追加・強化・合理化をする主な内容は次の通りです(抜粋)。
1. 災害危険区域内の建築物
崖崩れを考慮した安全な構造の外壁とした場合は、崖に対して居室を設けることができることとします。(合理化)
2. 崖付近の建築物
(1)高さが2mを超えるものを崖とします。(強化)
(2)崖の上部の盛土の高さを1mまでとします。(強化)
(3)倉庫などの居室のない建築物については、崖付近に建築することができることとします。(合理化)
3. 大規模な建築物の敷地と道路の関係
大規模な建築物については、幅員6m以上の道路に接しなければならないこととします。(強化)
4. 住宅等地下室の容積率に関する地盤高の指定
本市で定めている「藤沢市住宅等地下室の容積率緩和の制限に関する条例」を本条例に取り入れます。内容の変更なし。(追加)
5. 日影による高さの制限に関する区域等の指定
本市で定めている「藤沢市中高層建築物の日影に関する条例」を本条例に取り入れます。内容の変更なし。(追加)
6. 特殊建築物等の敷地と道路の関係
(1)長屋・キャバレー・ナイトクラブについて、接道の長さを強化します。(強化)
(2)必要接道長さに係る面積区分を見直します。(合理化)
7. 特殊建築物等の避難上有効な出口
(1)避難行動要支援者等が利用する用途や、就寝の用に供する用途について、避難上必要な敷地内の通路の幅を強化します。(強化)
(2)敷地内通路の幅員を3mとし、幅員に係る面積区分を見直します。(合理化)
8. 学校の廊下の幅と階段の幅等
特別支援学校及び幼稚園について、廊下の幅と階段の幅等の規定を強化します。(強化)
9. 特殊建築物等の設置の禁止
病院・診療所及び長屋の下部のの用途を制限することとします。(強化)
10. 特殊建築物等の床等の構造
共同住宅・寄宿舎・長屋及び児童福祉施設等の2階の床及び階段裏の構造の規定を設けることとします。(強化)
11. 特殊建築物等の廊下の幅
共同住宅・寄宿舎・下宿及び児童福祉施設等の廊下の幅の規定を強化します。(強化)
12. 特殊建築物の階段の構造
(1)病院・診療所・共同住宅・寄宿舎・下宿及び児童福祉施設等の階段の幅の規定を強化します。(強化)
(2)共同住宅及び寄宿舎のうち、高齢者や障がい者が利用するものについいは、2以上の直通階段の設置を義務付けることとします。(強化)
13. 共同住宅及び長屋の居室の規模
長屋の居室の床面積に関する規定を設け、棚状寝所を原則禁止とします。(強化)
14. 長屋の構造等
(1)一定規模以上の長屋については、直接階段とこれに代わる避難施設の設置を義務付ける規定を設けます。(強化)
(2)長屋の各戸の堺壁の最低長さを2.7mとします。(合理化)
15. 大規模店舗及びマーケット
(1)物品販売業を営む店舗について、延べ面積1,000㎡を超えるものを規制の対象とします。(強化)
(2)マーケットについては、延べ面積1,000㎡を超えるものを規制の対象とします。(合理化)
16. 大規模店舗及びマーケットの敷地と道路との関係
(1)敷地が接する前面道路の条件を強化します。(強化)
(2)敷地が2以上の道路に接する場合の接道長さと前面道路の幅員に関する規定を強化します。(強化)
(3)前面道路の幅員を整理します。(合理化)
17. 大規模店舗の屋外への出口
政令第125条第3項の規定で制限する大規模店舗の屋外への出口の幅の合計の規定について、面積の下限を引き下げます。(強化)
18. 大規模店舗の前面空地
(1)客用の屋外への出口に設ける前面空地について、出口の幅に応じた空間の確保を義務付けることとします。
(2)前面空地の部分に一定の条件を満たせば、ホーチ等を設けることができることとします。(合理化)
19. 大規模店舗の敷地内通路
大規模店舗には床面積が最大の階の面積区分に応じて、それぞれ定める幅員の敷地内通路を設けなければならないとします。(強化)
20. 興行場等(劇場・映画館・演芸場・観覧場・公会堂及び集会場)
客席の床面積等の合計が200㎡以上の興行場を規制の対象とします。(合理化)
21. 興行場等の敷地と道路との関係
(1)敷地が接する前面道路の条件を強化します。(強化)
(2)興行場等の敷地の前面道路の幅員の規定を整理します。(強化)
(3)同一敷地内の2以上の興行場等について、一定の条件を満たした場合は、それぞれの興行場等ごとに一部の規定を適用できることとします。(合理化)
22. 興行場等の前面空地
(1)客用の屋外への出口の空地について、出口の幅の2倍以上の幅と、出口の1/2以上の奥行きを有する前面空地を設けることとします。(強化)
(2)屋外への出口の前面空地の部分に設けるポーチ等について十分な開放性を要することとします。(強化)
23. 興行場等の屋外への出口
(1)屋外への出口の部分には、段を設けてはならない規定を設けます。(強化)
(2)屋外への出口の幅を客席の床面積が最大の階の面積に応じて規定することとします。(合理化)
24. 興行場等の階段
階段の幅を客席の床面積が最大の階の面積に応じて規定します。(合理化)
25. 興行場等の敷地内通路
客席の床面積の区分に応じて定める幅員の敷地内通路を設けなければならないこととし、幅員の上限を4mとします。
26. 興行場等の廊下及び広間
(1)廊下等(広間・ホワイエを含む)の勾配の上限を規定します。(強化)
(2)廊下等は、直通階段又は客用の屋外への出口に通ずるものとします。(強化)
(3)集会場に設置すべき廊下等は1方向で良いこととします。(合理化)
27. 興行場等の客席の構造
(1)集会場及び公会堂も劇場や演芸場等と同様に制限します。(強化)
(2)立見席の位置等や客席内の通路等の位置や幅に関する基準を廃止します。(合理化)
28. 興行場等の舞台部の構造
舞台と舞台周辺の各室とを区画する壁の構造を強化します。(強化)
29. 遊技場
個室ビデオ店等の個室を有する用途について規制を設けることとします。
30. 遊技場の居室の廊下の幅
個室に面する廊下の幅の規定を設けます。
31. 遊技場の直通階段
(1)2以上の直通階段を設置しなければならない規定を設けます。(強化)
(2)直通階段までの避難経路の重複を制限します。(強化)
32. 遊技場の客室の出口
(1)2以上の客室の出口を設置しなければならない規定を設けます。(強化)
(2)個室の戸が避難時に支障とならないよう戸の開閉方法について規制します。
33. 自動車車庫及び自動車修理工場
(1)床面積等の合計が50㎡を超える自動車修理工場を規制の対象とします。(合理化)
34. 自動車車庫及び自動車修理工場の敷地と道路との関係
敷地と道路と接する長さの規定を強化します。(強化)
35. 自動車車庫及び自動車修理工場の自動車用の出口
(1)一定規模の自動車車庫及び自動車修理工場について、自動車用の道路への出口に見通し角を有する空地を設ける規定を設けます。(強化)
(2)建築物である機械式の自動車車庫等の出口の前に空地を設けることとします。(強化)
36. 屋上を自動車の駐車の用に供する建築物
(1)建築物の屋上を駐車場とする場合は、延焼の恐れのある部分への駐車を防止する規定を設けます。(強化)
(2)建築物の屋上を駐車場とする場合についても、条例の規定の一部を受けることとします。(強化)
37. エレベーターの機械室
非常用エレベーターの機械室とその他の部分との区画の規定を強化します。(強化)
38. 小荷物専用昇降機の機械室
小荷物専用昇降機の機械室には、点検用の照明施設の代わりに照明用コンセント設備とすることができることとします。(合理化)
39. 道に関する基準
藤沢市道路位置指定要領で定めている道路の構造に関する規定を条例化します。(追加)
40. 私道の変更または廃止
建築基準法42条に基づく道路である私道の変更または廃止の手続きに関することについて条例化します。(追加)
41. 道路の位置の標示
位置指定道路の位置を標示くい等によって明示するものとします。(追加)
42. 歴史的建築物の建築基準法適用除外
歴史的な価値を有する建築物の保存・活用のための建築基準法の適用除外に関して、必要な事項を条例化します。(追加)
43. 既存建築物に対する規制の緩和
(1)県条例の規定から、一定の条件を満たすことで、既存不適格として、取り扱うことができることとします。(合理化)
(2)増築・改築をする場合において、一定の条件を満たすことで、既存不適格として取り扱うことができることとします。(合理化)
(3)用途変更をする場合の、用途を変更する部分以外の部分は、一部の条例の制限について、既存不適格として取り扱うことができることとします。(合理化)
※なお、今後のスケジュールは、平成29年9月議会に議案として上程し、平成30年4月施行を予定しています。
西委員
避難行動要支援者が利用する施設の安全性について、小規模多機能施設や家庭的保育などを行う共同住宅への影響はあるか?⇒共同住宅を活用している場合は、影響ない。
柳沢委員
歴史的建造物の保存・活用について、建築基準法より緩和されるのか?⇒適用除外とする場合、同等の安全性の代替えを確保することとなる。
報告(3) 藤沢市都市農業振興基本計画の策定について
都市農業振興基本法が平成27年4月に施行され、28年5月に国が都市農業振興基本計画を策定しました。同法では、地方公共団体は、国の計画を基本として、地方計画を定めるように努めなければならないとされていることから、藤沢市としても策定を進めており、その計画案が報告されたものです。
同法では、都市農業は6つの多様な機能を有しているとされています。ここでは、計画案の中で示されている、藤沢市として、その機能を発揮するための取組み(抜粋)を掲載します。
1. 農産物を供給する機能を発揮するための取組
(1)地産地消の推進
「藤沢市地産地消推進計画」に位置付けられた各種事業の進捗及び進捗管理。
(2)ホームページでの情報発信
消費者と生産者の交流を図るホームページ「おいしい藤沢産」での情報発信の充実。
(3)農家レストランの推進
「農林水産省関係国家戦略特別区域法第二十六条に規定する政令等規制事業に係る省令の特例に関する措置を定める命令」により、農業用施設とみなされた農家レストラン開設の推進。
(4)産地競争力の強化
産地競争力を強化するための機械の導入や施設の維持・整備への支援。
(5)野菜の生産出荷への支援
安定生産、安定出荷を図るための、ダンボール箱等出荷資材購入に対する支援。
(6)野菜価格の安定
天候不順等により、野菜の価格が著しく低落した場合の「神奈川県野菜価格安定事業」の生産者負担への支援。
(7)新規就農希望者の研修受け入れの促進
本市農業の新たな担い手となり得る新規就農希望者の研修受け入れに対する支援。
(8)青年就農給付金の交付
青年就農者に対して、経営が不安定な就農初期段階に国が実施する「新規就農総合支援事業」に基づいた給付金を交付。
(9)学校給食用農産物の生産出荷の推進
学校給食食材として市内産農産物を安定的に提供するための支援。
(10)畜産経営の環境整備の支援
畜産業の活性化や生産性向上のための畜舎や設備等の更新・導入に対する支援。
(11)JAさがみ「みどりの仲間プラン」及び「営農・経済改革プラン」との連携
JAさがみが掲げる「みどりの仲間プラン」及び「営農・経済改革プラン」との連携を図り、販売力の強化や担い手の育成・確保の推進
(12)人・農地プランの推進
人と農地の問題解決を図るため、人・農地プランによる地域の話し合いを推進
(13)農作業受託組織の法人化支援
土地利用型作物の農作業受託による効率化を推進するため、法人化を支援するとともに、乾燥調製施設等についても支援を検討。
(14)認定農業者等に対する支援
農業経営改善計画の作成・見直しを支援するとともに、県と連携し、セミナーの開催等を通じて、技術や経営の課題解決を支援。
(15)農道及び水路の整備に対する支援(生産性の向上)
生産性の向上を図るため、農道及び水路の整備を推進。
(16)直売所や農業用施設等の建設にかかる規制の緩和に対する要望
直売所や農業用施設等を建設する際の規制に対し、都市農業の視点で制度の見直しを国・県に要望。
2. 防災の機能を発揮するための取組
(1)防災協力農地の推進
災害時、市民の一時避難場所としての活用と円滑な復旧活動用地を確保するための防災協力農地の推進。
(2)水田の保全(治水)
治水効果のある水田の保全のため、奨励金を交付。
(3)農道及び水路の整備に対する支援(災害の未然防止)
災害の未然防止を図るため、農道及び水路の整備を推進。
3. 良好な景観形成機能を発揮するための取組
(1)水田の保全(景観)
田園景観を形成する水田の保全のため、奨励金を交付。
(2)景観形成事業の実施
遊休農地を借り受けて景観形成作物の播種を行い、開花後には摘み取りのイベントを行う「景観形成事業」の実施。
4. 環境を保全する機能を発揮するための取組
(1)環境保全型農業の推進
環境保全型農業の普及、定着を図るための資材・設備の導入に対する支援
(2)水田の保全(生物多様性)
貴重な緑地空間や生物の生息環境を創出する水田の保全のための奨励金を交付。
(3)耕畜連携の推進
市内畜産農家が生産する堆肥を市内耕種農家が利用することで、環境負荷を低減する耕畜連携を推進。
5. 農業体験・学習・交流の場を提供する機能を発揮するための取組
(1)地産地消講座の開催(栽培収穫型、料理学習型)
旬の市内産農作物を使用する栽培収穫型や料理学習型の「地産地消講座」の開催。
(2)援農ボランティア養成講座の実施
農業に関心があり、農作業を体験したいという人を対象にした「援農ボランティア養成講座」の実施。
(3)農業体験講座の実施
地域住民との交流や農業理解促進を目的とした「農業体験講座」の実施。
(4)畜産共進会等の開催
畜産業と市民との交流を図るために「畜産共進会」及び「畜産ふれあいまつり」を開催。
(5)農福連携の実施
大型直売所出荷者の協力による「子ども食堂」等への食材提供を推進。
(6)「藤沢市観光振興計画」との連携
「藤沢市観光振興計画」との連携を図り、観光客誘致に向けた事業に対しての支援を検討。
6. 農業に対する理解醸成機能を発揮するための取組
(1)市内農産物の品評会等の実施
多くの市民が集まる場所での「果樹品評会」・「植木品評会」・「園芸まつり農産物品評会」の実施。
(2)地産地消講座の開催(収穫体験型)
参加者に幅広く理解を得ることを目的とした収穫体験型の「地産地消講座」の開催。
(3)農業体験や農園見学の推進
学校等との連携による、児童・生徒等の農業体験や農園見学を推進。
(4)藤沢市地産地消推進事業実行委員会への負担金
イベント等の開催により、地産地消推進事業を展開している実行委員会への負担金の支出。
(5)畜産共進会等の開催(再掲)
畜産業の理解の促進を図るために「畜産共進会」及び「畜産ふれあいまつり」を開催。
北橋委員
農家レストランの進捗状況は?⇒国の特区を活用したもので、現在、農家レストラン開設要望が1件あるので、関係各課と進めているところ。
JAのみどりの仲間プラン等と市の政策との関係は?⇒策定協議会で更なる強化の要望があった。JAさがみで、集荷がバラバラであり、一元化を図り販売力を上げることが重要として位置付けたもの。
わいわい市について、路線バスがなく不便だが?⇒地域の強い要望があれば、JAさがみに伝えていく。
商店街の空き店舗を直売所として活用すべきだが?⇒数年前に取り組んでがうまくいかなかった。マルシェの要望あり、意見を聞きながら駅周辺の推進を検討していく。
柳沢委員
価格保障について、所得保障を考えるべきだが?⇒地産地消を推進する中で、見合った価格で販売できるように取組んでいく。
生産緑地について、30年が経過するが?⇒2022年には30年が経過し、市へ買取りを求めることができる。全て市が買い取ることは難しい。緑地、防災空地として守っていくことを検討していく必要がある。
計画は4年間だが、長期的な方針化が必要だが?⇒今後、基本計画の中で、政策、見通しなどを明記することを検討していく。
藤沢の農業を将来的にどうしていくか示すべきだが?⇒計画期間は4年間だが、4年ごとに見直す中で、市としての考え方を示していく。
友田委員
福祉分野との連携について、高齢者、障がい者、生活困窮者などの観点がないが?⇒子ども食堂など、福祉部門との連携をしてきた。今後、高齢者や障がい者との連携に発展させていきたい。
計画の中に記載していくべきだが?⇒今後、福祉事業者参入の際の対応など、次回の策定委員会で協議していく。
報告(4) 農業委員会制度改正について
農業委員会等に関する法律が一部改正され、平成28年4月1日に施行されたことに伴い、農業委員会制度の見直しが必要となったため、その内容が報告されたものです。内容の抜粋は次の通りです。
【改正内容】
1. 農業委員会の事務の重点化
(1)農地法等に基づく許認可事務に加え、農地等の利用の最適化(担い手への農地利用の集積・集約化、遊休農地の発生防止・解消、新規参入の促進)の推進が必須事務に位置付けられました。
(2)従来の市長への建議が廃止され、農地等利用最適化施策の改善について、意見を提出することができるとされました。
2. 農業委員の選出方法の変更
選挙及び選任(議会及び団体)制から、市長が議会同意を得て任命する任命制に変更となりました。また、委員の定数は、藤沢市の場合、14人を上限として条例で定めることになります。
3. 農地利用最適化推進委員の新設
農業委員会は、農地利用等の最適化の推進に熱意と識見を有する者のうちから農地利用最適化推進委員を委嘱します。
主な活動内容は、農地等利用の最適化に係る日常的な現場活動、農業委員会の総会または部会で、農地利用の最適化に関する活動について報告、農地の権利移転、転用について意見を述べるなどで、区域ごとに農業者、農業者団体、その他関係者からの推薦及び公募とします。
推進委員の定数は、11人を上限として、条例で定めることとなります。
【今後のスケジュール】
1. 平成29年2月議会 新農業委員会制度移行に係る条例制定及び改廃
2. 平成29年3月下旬~5月初旬 農業委員及び農地利用最適化推進委員の推薦公募
3. 平成29年5月中旬 市長が推薦応募結果に基づき新農業委員候補者選任
4. 平成29年6月 農業委員会が推薦応募結果に基づき農地利用最適化推進委員候補者を選任
5. 平成29年6月議会 次期農業委員任命に係る同意議案提案
6. 平成29年7月20日 新農業委員任命
7. 平成29年7月20日以降 農地利用最適化推進委員の決定、委嘱
報告(5) 北部第二(三地区)土地区画整理事業の事業計画変更について
北部第二(三地区)土地区画整理事業は、平成3年度に当初事業計画を策定し、全体事業費440億円、建物移転戸数550戸、事業期間を平成3年度~17年度としてスタートしました。平成15年度には、全体事業費555億円、建物移転戸数867戸、事業期間を平成3年度~32年度の現事業計画へ見直しを行いました。
現段階の進捗状況からして、平成32年度での事業完了が困難となったため、2回目の事業計画の見直しを行うこととし、その見直し内容が報告されたものです。内容の抜粋は次の通りです。
1. 事業費の変更 555億円⇒778億円(223億円の増額)
(1)公共施設整備費(施工単価の増、調整池の変更等) +29億3,400万円
(2)移転移設補償費(75戸の増加、移転費の単価の増、工作物移転費の単価の増等) +112億4,700万円
(3)宅地整備費(品確法の制定に伴う軟弱地盤対策費の増) +31億9,400万円
(4)上下水道負担金(下水道受益者負担金の減) ▲2億8,900万円
(5)その他工事費(事業期間延伸に伴う事業用地管理費等の増) +4億4,700万円
(6)調査設計費(埋蔵文化財包蔵区域の拡大、換地設計の見直しによる増) +27億1,300万円
(7)借入金利子 ▲3億2,700万円
(8)事務費等(事業期間延伸による人件費・事務費の増) +23億8,100万円
※なお、歳入については、保留地処分金▲9億2,200万円、市単独費+232億2,200万円で、全額、市の単独費で補てんすることとなります。
2. 事業期間の延伸 平成3年度~32年度⇒平成3年度~47年度(15年間の延伸)
3. 延伸期間内での事業完成に向けた取組み
(1)事業のスピードアップ
① 集団移転手法の活用
② 換地の買取りによる事業空地の確保
③ 5ヶ年整備計画の策定と単年度毎の進捗管理
(2)財源の確保
① 起債の活用
② 計画的な保留地の処分(随意契約など処分方法の検討)
加藤委員
平成15年度の見直しの検証は?⇒当時の資料で検証したところ、大幅な換地設計の変更をしたもので、総事業費を555億円、建物移転を867戸の事業計画としたもの。いずれ土地価格が上がるだろうとの認識だった。結果からして、見通しが甘かった。
進捗が遅れた原因は?⇒大幅な換地設計の見直しで地権者に混乱を招いた。2種類の仮換地を示したため、地権者への個別対応に時間を費やした。
地権者が一番の被害者。どう考えるか?⇒地権者と話し合い、仮換地や代替え案の提示などをしていく。
西委員
現時点での財源効果額は?⇒平成27年度末で、固定資産税、都市計画税で25億円、市民税で19億円、経済効果として60億円。
事業による便益は?⇒国交省のマニュアルからは、平成24年度基準で、区域内便益で1,279億円、周辺便益は1,379億円。
いずみ野線延伸で駅設置となる。影響は?⇒地価が上昇することとなりことにより、保留地処分金が増加することが想定される。
事業を確実に終わらせる必要があるが?⇒市税収入と同レベルの巨額のプロジェクトとなる。平成47年度までの18年間で実施しなければならない。非常に厳しく重たい決断をした。いずみ野線の延伸もあり、本市の発展には不可欠な事業であり、経済の活性化に資すると捉え、おなじてつをふまないよう、不退転の決意で取り組んでいく。
大矢委員(私)
年21億円の執行額となる。事業量と職員定数の関係は?⇒4人で20戸の移転補償を変更後は平均25戸となる。工事は、1人平均年5件の発注が今後は10件以上と想定される。
業務量に見合った執行体制が担保されなければ、平成47年度での完了を確信できない。必要な体制の確保について理事者の考えは?⇒(宮治副市長)必要な体制を確保していく。
柳沢委員
建物移転が75戸増える理由は?⇒換地設計は変えないが、危険な交差点の改善に伴う移転件数が増となる。
調整池を地下方式にした場合、いくら増額となるのか?⇒24億3,000万円。
変更の必要があるのか?⇒現行は秋葉台公園内だが、いずみ野線A駅、公園整備計画により、公園内が困難になったため、湘南の丘公園の地下として貯留量を確保することとし、深い地下式にするもの。
開発経営公社の土地買い取りについて、どのくらいの予定か?⇒平成12年度当時、仮換地が進まなかったため、事業用空地の必要性がでてきた。公社へ32,000㎡を買ってほしいと要望し、5年間で27,000㎡を買ってもらった。造成が進み、27,000㎡のうち5,500㎡の処分がされている。さらに買ってもらうよう公社に打診している。売れた分で買うことが可能と回答を得ている。
32,000㎡の範囲内で考えているのか?⇒32,000㎡は平成12年度時の考え。現在は、公社の状況を踏まえて、実現可能な範囲で進めていく。
投資効果について、人口が増えることによる行政需要を見ているのか?⇒加味していない。
増額分223億円を縮減できないか?⇒将来の地価も勘案しているが、社会情勢の変化に応じて、できるだけ縮減に努めていく。
塚本委員
更に投資効果を上げられないか検討すべき。価値を高めることを研究すべきだが?⇒単なる地価の上昇ではなく、土地利用を図ることが重要。藤沢厚木線など幹線道路沿線は土地利用が進んでいる。宅地の整備については、上手に誘導しないと土地利用は図れない。十分に検討していく。
110haはいすゞ自動車。タイアップしてまちづくりをしていくべき。移動手段が進んだまちづくりとか、全国に先駆けたまちづくりとなるような仕掛けをしていくべきだが?⇒魅力あるまちづくりが必要。いすゞ自動車との連携は重要なポイントで、大学、地理的魅力もある。付加価値を高めることが必要。市単独費が232億円で保留地処分金が減額している。住宅地を高く売ることで、プラスにしていきたい。
報告(6) 健康と文化の森地区浸水対策基本計画(素案)
近年、本市西北部に位置する「健康と文化の森地区」では、集中豪雨に伴う浸水被害が度々発生しており、平成26年10月に接近した台風18号では、最大で時間77mmの記録的な豪雨により、藤沢慶応前郵便局を中心に広い範囲で深刻な被害が発生しました。
同地区は、藤沢都市マスタープランにおいて、市内にある6つの都市拠点の1つ「学術文化新産業拠点」に位置付けられているほか、いずみ野線延伸計画において新駅設置の構想、(仮称)湘南台寒川線整備計画、湘南藤沢記念病院の開院が見込まれているなど、重要な地区であり、早急に浸水対策を図る必要があります。
以上のことから、同地区周辺を「相模川水系小出川・千の川河川整備計画」と同じ、時間雨量50mm対応とし、浸水被害の被害軽減を図るため、「健康と文化の森地区浸水対策基本計画」を策定するもので、その計画案が報告されたものです。浸水対策のポイントは次の通りです。
1. 必要な貯留量
(1)計画降雨時の小出川の流域約224haから流出する排水は、約69,800㎥
(2)現状で対応できる排水量は、河川や雨水管で、約15,700㎥。調整池で約22,100㎥で、合計約37,800㎥。
(3)(1)-(2)= 約32,000㎥分の貯留が必要となります。
流域をA地区~G地区の7つの地区に分けて整備をしていくこととします。
2. 全体計画
浸水対策は、平成29年度から着手し、概ね4年を第一段階、それ以降を第二段階として進めていく予定です。
(1)第一段階 平成29年度着手から概ね4年間
① 自然型雨水調整池新設(概ね3年間) 事業費9,000万円(一般会計)
② 既設調整池改良(概ね3年間) 事業費5,000万円(一般会計)
③ 雨水調整池新設(概ね4年間+第二段階概ね4年間) 事業費23億5,000万円(一般会計)
④ 下水道事業計画策定(概ね3年間) 事業費1億1,000万円(下水道特別会計)
⑤ 路面排水の排除(概ね1年間) 事業費2,000万円(一般会計)
⑥ 地区外からの排水遮断(概ね1年間) 事業費1,000万円(一般会計)
(2)第二段階 着手後5年~15年
① 雨水幹線及び雨水管の整備・改良(概ね5年間) 事業費19億7,000万円(下水道特別会計)
(3)概算事業費
① 防災対策 雨水調整池等整備 24億9,000万円(一般会計)
② 防災対策 雨水幹線約700m+雨水管約5,600m 20億8,000万円(下水道特別会計)
③ 減災対策 路面排水の排除等 3,000万円(一般会計)
合計は、一般会計25億2,000万円+下水道特別会計20億8,000万円=46億円。
柳沢委員
周辺住民への説明は?⇒今後、基本計画の説明をしていく。
C地区の自然型調整池は、どのように工事していくのか?⇒土が谷戸の底にあるので、掘削して整備していく。
3大谷戸の一つ。動植物への影響と活動団体への対応は?⇒3月からワークショップを開催し、地域代表、活動団体から意見を聞いている。谷戸の復元となることから影響は少ないと聞いている。
地区外からの排水遮断とあるが、具体的にはどうするのか?⇒六地蔵の交差点から北側100mぐらいのところに、北側から流入しているが、正規ルートは一色川となる。側溝や雨水管の整備で切り替えていく。
浸水対策が必要となった原因をして、菖蒲沢境の開発にも原因があると思う。小出川50mmの整備も一緒に進めるべきだったと思うが?⇒菖蒲沢境の開発では、防災調整池をつくっており、下流への影響はないようにしている。今後のまちづくりも同様な対応をしていく必要ある。県の小出川の整備計画は30年かかるため、今回の基本計画案をつくったもの。
以上、報告とします。