2月6日 9:30より、藤沢市議会行政改革等特別委員会が開催され、傍聴しました。今回の委員会では、昨年、11月16日に「藤沢市行財政改革2020基本方針(素案)」が示されましたが、その後のパブリックコメント等を踏まえて、若干修正をしたものが(案)として示されたものです。なお、内容については、11月16日の報告で改革の柱を掲載していますので、割愛します。
また、今日の委員会では、実行プラン骨格(素案)が示されました。
1. 行政改革
(1)BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)の推進
① 業務の見える化
a)内部統制制度の活用
b)事務事業評価シートの活用
c)「カイゼンふじさわ(外部評価)」の再構築
② ナレッジマネジメントの推進
a)庁内に存在する多様な知識や経験、ノウハウの横展開
③ アウトソースの活用
a)外部の資源(多様な主体)の活用を検討
b)先進市等で取り組まれている事例の研究
④ ICTの活用
a)ICTやマイナンバーの更なる活用についての検討
b)庁内システムのクラウド化の検討
c)情報セキュリティの強化
⑤ 広域行政の取組
a)現在の広域連携の取組等を踏まえた、他自治体との協働による新たな事業展開等の検討
(2)適正な定員管理の推進
① 適正な定員管理の推進
a)定員管理基本方針に基づく適正な定員管理の推進
b)重点化する分野と省力化する分野を検討し、業務量による職員配置の見直しや組織改正を推進
② 総人件費の抑制
a)時間外勤務手当の縮減に向けて取り組む
b)人事院勧告を尊重するとともに、近隣他市との均衡を図る
c)業務平準化に対する取組の推進
d)働き方に関する制度改革
(3)多様な主体との連携(マルチパートナーシップ)の推進
① 地域の担い手育成、ボランティアの育成
② 公民連携の推進
(4)出資団体改革の推進
① 出資団体のあり方検討
2. 財政改革
(1)中期財政フレームに基づく財政運営
① 中期財政フレームに基づく財政運営
a)中期財政フレームの作成(改訂)、公表
b)健全な財政運営を示す数値目標、基準の設定
② 企業会計のマネジメント(健全経営)
a)市民病院の健全経営(新・行財政改革 継続課題)
b)下水道事業「アセットマネジメントの導入」
(2)予算編成手法の見直し
① 予算編成手法の見直し
a)平成29年度当初予算編成において試行した部局別枠配分方式の見直し
(3)事務事業の抜本的な見直し
① 歳出改革
a)補助金の見直し
b)扶助費の見直し
c)建設事業の事業選択、実施スケジュールの見直し
d)その他、報償金や委託事業等の見直し
② 歳入改革
a)税・料等収入確保対策、新たな国県補助金の獲得、また売却可能資産の洗い直しなど、既存の取組の強化
b)ふるさと納税やクラウドファンディングなど、寄付金収入に関する取組の強化
c)広告料収入や企業協賛金の獲得、またネーミングライツ等の積極的な導入
d)法定外税の導入検討
(4)基金の効果的な活用
① 財政調整基金
a)年度間の財源調整機能の効果的活用
② 公共施設整備基金
a)公共施設再整備プランの短期プラン(実施事業)の実施を見据えた積み立ての実施
3. 職員の意識改革
(1)本市の将来課題の共有
(2)働き方に関する意識改革
① 職場環境の改善に対する意識の醸成
② ワーク・ライフ・バランスの実現
(3)職員研修
(4)内部統制制度の更なる活用
① 内部統制制度を活用した不祥事再発防止策の研究・検討
(5)法令遵守の徹底
(6)公民の領域検証
4. 市民サービスの質的改革(「新・行財政改革」の統合)
(1)新・行財政改革「全庁課題」の継承
① あいさつ・声かけ運動の推進
② 5S運動
(2)新・行財政改革「個別課題」の継承
① 出資団体改革⇒行政改革の項へ
② 市民病院の健全経営⇒財政改革の項へ
吉田委員
現在の行革期間終了前から新たな行革に着手するとのことだが、現在の取組をどう検証するのか?⇒現行の行革4年間の検証は、今年度の取組の結果と合わせて検証し、平成28年度決算後、11月の行革委員会で報告していく。
第3次行革での人員削減の実績は?⇒平成18年度、目標15人に対して66人/19年度、目標40人に対して43人/20年度、目標45人に対して9人/21年度、目標40人に対して26人/22年度、目標420に対して32人、合計176人の人員削減を行った。
第3次行革以降の職員数の推移は?⇒職員定数は、平成23年度、3,279人/24年度、3,295人/25年度、3,323人/26年度、3,362人/27年度、3,388人/28年度、3,459人
総人件費の抑制は必要だが、行政需要は増えている。次の行革2020の中での職員体制の考えは?⇒多様な任用形態の活用で対応してきた。更にニーズが増えるが、基本スタンスは変えずに多様な任用形態を活用していく。
予算配分について、枠配分としているが、現在の課題は?⇒初めての取組なので、枠内に収める調整の仕方が分からないとの声がある。
職員の意識改革について、人事に反映すべきだが?⇒現在も人材育成方針に基づき、人事評価をしている。適材適所への配置、今後の人事評価に反映していく。
質から量への改革となる。市民と共有していくべきだが?⇒情報の共有については、様々な機会を通じて情報提供していく。
土屋委員
中期財政フレームが示されたが、平成27年度決算にあてはめるとどうなるのか?⇒単純な比較はできないが、歳入974億円、歳出923億円となる。
扶助費について、国県の特定財源の見込みは?⇒概ね全体の2/3を見込んでいる。
中期財政フレームは、一般財源ベースだが、投資的経費における特定財源の見込みは?⇒概算事業費から試算したうえで、見通している。
北部2-3区画整理事業の増額分や村岡新駅の分も入っているのか?⇒北部2-3については、特別会計だが、一般会計の繰出分は含まれている。村岡新駅は、今後の都市拠点事業として含まれている。
大型公共事業を見直すべきだが?⇒大型公共事業は将来の財源確保からも必要。総合指針2020の中でも重点事業と位置付けている。市民と情報共有しながら、事業の規模、スケジュールについて、検証するとともに、重点事業も毎年度見直していく。
消防職員について、消防力の整備指針の状況と充足率は?⇒平成28年10月1日現在で、基準人数は513人で、468人分、91%が充足されている。
充足を満たしていくべきだが?⇒今後の取組の中で聖域なく見直していくもので、適正な人員配置をしていく。
市民病院について、看護師7対1看護としている。職員数を減らすべきではないが?⇒病院についても、人員削減から除外してきたが、今後は除外せず、適切な人員体制としていく。
市職員の削減の考えは?⇒削減ありきではない。定員管理基本方針の中で運用している。今後の実行プランに沿って、定員管理基本方針の見直しも必要となる。適正な人員配置をしていく。
行革2020の基本的な考えは?⇒定員管理は最小の経費で最大の効果を生み出すことが基本となる。消防、病院も除外せずに進めていく。これまでのプロセスを見たうえで、必要な配置をしていく。
竹村委員
アウトソースの活用における、障がい者差別解消法の施行に伴う合理的配慮について、市役所や公立学校は義務化がされているが、民間企業や団体は努力義務。市の出資団体は公と同水準の合理的配慮をすると言っているが、財政上の問題や職員研修の差でギャップある。サービス低下にならないようにすべきだが?⇒出資団体への委託については、行政と同等の合理的配慮の義務をお願いしている。仕様書に入れたり、出資団体へは情報提供していく。
不祥事について、お金の不祥事は、この取組む内容で良いが、児童買春や薬物については内部統制だけでは防げない。しないから何をすべきかを考えるべきだが?⇒なぜ起きるのか、統制や取り締まりだけでは不十分。教員も公務員であり、税金が給与となっている意識を持つ必要ある。全国で発生している原因、意識改革など、研修に取り組んでいく。
柳田委員
行財政改革協議会の委員に大学の先生がいるが何の専門か?⇒神奈川大学にお願いをしている。経営学部だが本市の行財政にアドバイスできる人をお願いしている。慶応大学は、総合政策学部から参画してもらっている。
地方自治や政策の専門が必要ではないか?⇒大学の先生のほか、県職員のOB、経済学の識者も入っている。
井上委員
中期財政フレームの545億円の財源不足に対するシンプルな取組みが必要だが?⇒新たな行革の目標に収支乖離の解消がある。必要な手法は今後の検討となる。分かりやすく示していく。
東木委員
BPRについて、総務省が示した考えの一部を適用するということか?⇒国から助言通知が出ている。それを参考にしている。
実行プランは、いつ頃示されるのか?⇒各課にヒアリングし、7月上旬頃に具体的実行プランを示していきたい。
有賀委員
扶助費について、今後、市の負担は増えていくのか?⇒国県の制度なので、制度如何によるが、見込みは変えていない。扶助費の市単は約40億円あり、削減を検討していく。
ICTの活用について、クラウドの考えは?⇒クラウド化は賃借料の削減が見込めるが、セキュリティの課題がある。総合的に検討していく。
補助金の見直しについて、具体的な考えは?⇒3年に一度の見直しをしてきたが、時代的役割を終えたものについては見直していく。
時代的役割を終えたということを、補助金を受けている団体とどう共通認識にしていくのか?⇒例えば、太陽光パネル設置補助は当初は費用が高かったが、量産化で安くなったため、補助額を下げてきたように、社会的な流れの中で、見直すものは見直していく。特定の団体への補助は協議する中で、見直せるものがあれば見直していく。
以上、報告とします。