3月2日 10:00より、藤沢市議会2月定例会(3日目)が開催されました。内容の抜粋は次の通りです。
議案第57号 市道の認定について(鵠沼923号線ほか17路線)
議案第58号 市道の廃止について(明治66号線ほか3路線)
上記2議案は、全会一致で可決されました。
議案第70号 藤沢市地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部改正について
この議案は、共産党が反対しましたが、賛成多数で可決されました。
請願28第4号 年金の毎月支給を求める意見書を国に提出することについての請願
この請願は、共産党が賛成しましたが、反対多数で不採択となりました。
※私の所属する「民主クラブ」は、厚生環境常任委員会では採択すべきとしましたが、様々な理由から、意見書を出す状況にはないとし、採択すべきと判断した永井議員も、納得したため、請願に対する態度が変わりました。このことは、大変に恥ずかしいことであり、永井議員も、今後、委員になった際には、根拠と責任を持って、適切な判断をしてもらいたいと思います。
議案第59号 藤沢市表彰条例の一部改正について
この議案は、共産党が反対しましたが、賛成多数で可決されました。
議案第64号 藤沢市職員の勤務時間等に関する条例等の一部改正について
議案第65号 藤沢市職員の配偶者同行休業に関する条例の一部改正について
議案第67号 結核性疾患により休養を命ぜられた藤沢市職員の給与等に関する条例の廃止について
上記3議案は、全会一致で可決されました。
議案第75号 平成28年度藤沢市一般会計補正予算(第6号)
議案第76号 平成28年度藤沢市北部第二(三地区)土地区画整理事業費特別会計補正予算(第1号)
議案第78号 平成28年度藤沢市国民健康保険事業費特別会計補正予算(第2号)
議案第79号 平成28年度藤沢市柄沢特定土地区画整理事業費特別会計補正予算(第1号)
議案第81号 平成28年度藤沢市後期高齢者医療事業費特別会計補正予算(第1号)
議案第82号 平成28年度藤沢市下水道事業費特別会計補正予算(第1号)
上記5議案は、共産党が反対しましたが、賛成多数で可決されました。
議案第77号 平成28年度藤沢市墓園事業費特別会計補正予算(第1号)
議案第80号 平成28年度藤沢市介護保険事業費特別会計補正予算(第2号)
議案第83号 平成28年度藤沢市市民病院事業会計補正予算(第4号)
上記3議案は、全会一致で可決されました。
議案第56号 工事請負契約の変更契約の締結について(藤沢市新庁舎建設工事)
この議案は、全会一致で可決されました。
ここから、平成29年度一般会計予算ほか18議案に対する代表質問
※なお、代表質問については、私が所属する「民主クラブ」の質疑は質問~答弁の概要を掲載し、その他の代表質問は、件名・要旨等、概要のみ掲載することとします(答弁は割愛)。
1. 佐賀和樹議員 【市民クラブ 質問時間90分】
(1)市長の政治姿勢について
① 鈴木市長2期目の2年目を迎え、現状の課題への取り組みと重点項目の実現に向けて
質問の項目のみ掲載します。
・2025年問題に向けた、藤沢型地域包括支援システムについて
・2025年問題に向けた、組織改正における庁内横断的連携について
・在宅医療と介護保険との連携について
・自治会役員や民生委員の担い手不足について
・高齢者の孤立死について
・単身高齢者の住居確保について
・健康寿命日本一に向けた目標値について
・健康寿命日本一に向けた運動習慣づくりについて
・健康増進に向けて取り組んでいる優良な企業の表彰について
・保育所整備計画に見直しについて
・公立保育園の役割について
・子育て支援センターについて
・困難を抱える子どもへの対応について
・商店街独自の新しい取組みへの支援について
・ふじさわ元気バザールの今後の方向性について
・市民や事業者等が主体的に行うイベント、マルシェ等への支援について
・農業振興のあり方について
・農業委員会制度改定に伴う農地利用最適化委員の選定について
・2020オリンピックに向けた、観光関連の特定財源確保に向た県への要望について
・江の島、シーキャンドルなど、オリンピック会場以外の観光スポットへの誘導について
・2020までの藤沢市ゆかりの選手のクローズアップについて
・2020に向けて体育協会との協力・連携について
・年間を通じた海岸の安全確保について
・指定文化財等、地域で守られている文化財や文化の保全・支援について
・受動喫煙防止と禁煙対策について
・再生可能エネルギーについて
・北部環境事業所の機能強化について
・教職員の危険ドラッグや少女買春などの不祥事について
・小中学校でのいじめの認識について
・学校から児童クラブへの児童の動線について
・津波一時避難対策について
・津波避難訓練について
・北部(2-3地区)区画整理事業について
・幹線道路整備の方向性について
・都市拠点の整備順位について
・藤沢駅周辺再整備の方向性について
・民間活力を活用した市民会館再整備の方向性について
・自転車走行環境、駐輪場の確保について
・高齢者の交通安全対策について
・国、県などの特定財源の確保について
・不交付団体に伴う財政的不利に対する国への要望について
2. 浜元輝喜議員 【民主クラブ 質問時間80分】
(1)市長の政治姿勢について
① 新たな行財政運営への挑戦について
2003年(H15年)の自治法改正の際に「公の施設」の管理に「指定管理者」制度が導入され、これに伴い本市は「藤沢市指定管理者制度導入の基本方針」を定めて制度についての考え方を示しています。そして、現在本市では20種類の施設で指定管理者が管理を行っています。
さて、制度導入から10余年が経過し、指定管理者制度について様々な評価がきかれるようになりました。導入に際し、当初、国はこの制度の目的を「住民サービスの向上を図るとともに『経費の縮減』等を図ることを目的とする」としていました。
平成15年の国の方針の中身は次の通り。
(1)指定対象に民間事業者等が幅広く含まれる
(2)住民の平等利用、物的能力・人的能力、そして「施設の効用を最大限に発揮するとともに『軽費の縮減』が図られるものであること」
というものでした。
そして、本市の「基本方針」によると、指定期間は5年間を基本に10年を上限としています。しかし、5年ごとの指定変更では、次のような課題があります。
・指定管理者が変わることにより、引継ぎ等で一時的にサービスの低下が発生する
・指定期間が短いと、事業ノウハウが蓄積されない、あるいは中長期的な事業計画が策定しにくくなる
・指定期間移行の雇用が不透明で、選定されなかった場合は雇用面の不安があるので優秀な人材が確保しづらい
・経験を持たない団体が指定された結果、十分なサービスの量や質が確保されない など、問題点が「指定管理者事例研究会」によって指摘されました。
こうした指摘を受けて、国は平成20年に総務次官通知を出し、経費縮減というよりも「公共サービスの水準の確保」という観点が重要と強調しましたが、自治体の側では当初の国方針の「軽費の縮減」という考え方が根強く残っていると思われます。
また、図書館や病院などは指定管理に向いていないと考えます。図書館は地域の文化、地域の社会教育の中核施設であり、開館時間・日数や単なる利用者数・貸し出し本数など量的なものだけで評価出来るものではありませんし、病院にいたっては、短期間で運営者が変わることは患者や地域医療に混乱を招くだけであり、やるべきではありません。
しかしながら市の「基本方針」では、これらの指摘について、明確でないように思われます。そこで質問です。
本市の指定管理者制度について、コスト優先・サービス優先・地域経済あるいは雇用など、どこに重点を置いているのか。指定管理者制度に対する基本的な考え方について伺いします。
【答弁】 武田総務部長
「本市の指定管理者制度の基本的な考え方について」でございますが、指定管理者制度は,公の施設の管理について民間事業者等の有する能力、経験、知識等を広く活用することにより、多様化する市民ニーズに効率的・効果的に対応するとともに、市民サービスの質の向上と経費の節減等を図ることを目的とするものです。本市におきましては、平成16年度から指定管理者制度の導入を進め、平成28年6月1日現在で、20種140施設を導入しております。
また、指定管理者制度の運用については、総務省から平成22年12月28日に発出されております「指定管理者制度の運用について」の中でも、「指定管理者制度は、公共サービスの水準の確保という要請を果たす最も適切なサービスの提供者を」「議会の議決を経て指定するものであり」「単なる価格競争」とは異なるものとされております。
本市としましては、指定管理者には、「公の施設の設置目的をより効果的に達成すること」「適正なサービス水準の確保」及び「コストメリット」を同時に求めていくべきものと考えております。
【引き続き質問】
本市における指定管理期間はほぼ全ての施設において5年とされていますが、この限られた期間の中で指定管理者にできることには限度があると考えますが、ご見解を伺います。
【答弁】 武田総務部長
本市では「指定管理者制度導入及び運用の基本方針」を定めており、その中で指定管理期間は5年間を基本とし、最長で10年とすることとしております。また、指定管理者制度を導入した本市の施設における管理運営サービスの質の向上を実現するため、平成21年度から指定管理者と市の双方で定期的なモニタリングを毎年度実施するとともに、指定管理期間の中間年には外部有識者をまじえた第三者評価を行い、その
業務水準について確認をしているところです。
このようなことから,指定管理が適切に行われているかを定期的に見直す機会としての意味もあることから、一つの目安として定めているもので、その期間については施設の特性等を勘案した上で設定するものとしております。
【引き続き質問】
民間事業者の企画提案や合理的な運営は素晴らしく、そのような民間の力を活用することを頭から否定するものではありませんが、民間のサービスを税金で買う、という面があるのも否定できないのではないでしょうか。やはり、市民と市行政で共同し、「藤沢で」「手づくり」していく施設のあり方を追求すべきだと考えます。ご見解を伺います。
【答弁】 武田総務部長
本市の指定管理者審査選定に際しては、特に地域住民との協働が必要な施設については、その評価に際して地域住民との協働に関する項目を加えるなど、住民と一体となった施設運営についての取組を進めております。
また、地域市民の家のように、これまで指定管理者による管理運営によって得られた市民運営の長所を生かしながら、地域市民の家の有効活用と老朽化に伴う再整備の視点を踏まえるとともに、13地区のコミュニティエリアのマネジメントを行う市民センター・公民館と各運営委員会との連携の強化を図ることも含めまして、それぞれの地域市民の家における個別の特性を活かした運営への移行も検討しているところでございます。
今後につきましても、市と指定管理者が一体となり、「市民サービスの向上」につながるような指定管理者制度の運用に取り組んでいきたいと考えております。
【引き続き質問】
施政方針の中に、職員の意識改革に関連する部分がいくつかあります。まずは一連の不祥事からの信頼回復。そして、新たな行革の中で「前例踏襲」「マニュアル偏重」といった姿勢を改めていくという部分、更に、組織改正を行い、業務プロセス改革として、すべての事業を対象に、業務の目的や目標を改めて見つめなおし、業務執行体制、内容の改善を図ることで、事務作業の手順や量と質を適切なものに刷新していくとあります。加えて、予算編成における部局別枠配分も関係します。
行革の中で、今後5年間の収支乖離545億円を踏まえて、すべての事業についてゼロベースでの見直しをするとしています。
行革実行プランを検討するにあたり、本来、職員一人一人が、自分の仕事について、その事業の背景や目的、これまでの経過や課題を改めて考える。そして、担当が集まって議論し、更に課全体として十分議論したうえで、実行プランを出していく。こういうプロセスが必要になりますが、職員は目の前の仕事をこなすことに精一杯で、十分な議論がされているのか、多少疑問に感じています。
そのような中で、「前例踏襲」「マニュアル偏重」の姿勢をどのように改めていくのか。前年の仕事を、今年バージョンに置き換えて仕事をしていくことは簡単なことです。
先程述べたように、その仕事の背景や目的を改めて確認し、現在の手法が最善なのかどうか、常に考えて仕事をしていく必要があります。しかし、そのような仕事に対する考え方は研修だけでは身につきません。市役所に採用されて、職場の先輩、上司から教えられるもので、更に言えば、先輩や上司の仕事の仕方を見ながら身についていくものだと思います。
藤沢市では、平成12年度の組織改正において、部門総務課を廃止しました。廃止する前は、部門総務課に大きな権限があり、各事業課職員は、総務課の了承を得なければ、事業を進められなかったと言ってもいい状況だったと思います。総務課からの指導を受けた時に、その職員が「調整が足りなかった」と反省したり、「そういう視点が必要だったのか」と反省したり、総務課は、ある意味、仕事を通じた人材育成の役割を果たしていたのだと思います。
しかし、大きな権限が中央集権的だとして、組織改正により、総務課が廃止、調整課となりました。権限がなくなったことにより、上下のない並列組織として、一見良いように見えましたが、言い換えれば、責任を持たない職員や組織になってしまったのではないでしょうか。
そして、廃止された総務機能は、平成21年度の組織改正で復活することになります。ある程度の権限も復活したのですが、廃止されて9年が経過したこともあり、以前のような強い指示や指導に戻ったという状況にはありません。総務課が強い権限を持って、強烈に指導すべきと言っているのではなく、総務課の指導、助言などにより、職員の仕事に対する意識や調整能力の向上につながる役割が必要だということです。
良く議会の答弁でも、「庁内横断的連携により」と言われますが、権限を付さない横断的連携では上手く機能するとは思えません。どの部長、どの課長が責任者なのか、指示するための権限がなければ、責任の押し付け合いになってしまいます。更に、現在の総務課は事業を持っていますが、事業を持ちながら、部内、部門間の調整をすることは困難だと思います。
平成29年度は、組織改正、試行的な予算の部局別枠配分、全ての事業をゼロベースから見直すことなど、藤沢市役所の再生に向けたスタートが切られると言ってもいいでしょう。
職員一人一人が、事業の背景、目的、手段を改めて検証することになりますが、おそらく、今の職員の多くは、その仕方が分からないのだと思います。この機会を捉えて、研修やOJTでは得られない仕事の仕方、人材育成のためにも、部門総務課のあり方を改めて検討するべきだと思います。以前のような、部門総務課があれば、一連の不祥事、縦割り組織という指摘、先日の委員会でありました辻堂市民センター再整備における手続き課題など、もしかしたら、起きなかったかも知れません。藤沢市の再生に向けて、部門総務課を位置づけていく検討をすべきだと思いますが、市の見解を伺います。
【答弁】 武田総務部長
人材育成の視点も含めた各部総務課の在り方の検討についてのご質問でございますが、これまでの組織改正におきましては、まず、一貫した視点といたしまして、市民の利便性の維持・向上と合わせ、簡素でより効率的な組織とすることに主眼を置き、課題への対応を図るため見直しを行ってきたところでございます。
今後、新たな行財政改革に取り組む中でも、これまでの「前例踏襲」「マニュアル偏重」といった姿勢を改め、職員一人ひとりの意識改革を行うこととしており、これらの取り組みを進めていく上におきましても、各部総務課の役割は大変重要なものとなってまいります。
行政サービスを担う職員には、市民から信頼され、期待に応えられるよう、行政課題を的確に捉えた上で、解決方法を自ら考え、行動することが求められています。本市では「藤沢市人材育成基本方針」を定め、求められる職員像を「考える職員」「行動する職員」「信頼される職員」と位置づけており、全職員の成長に向けた人材育成を目指しております。
一方、住民ニーズの多様化等により、部局横断的な業務も増加傾向にある中で、他部局との調整を図ることなど、各総務課職員の役割は益々重要になってくると認識をしております。平成29年度へ向けて組織改正を実施いたしますが、さらに高まる各総務課の役割につきまして、今後、継続して検討してまいりたいと考えております。
② 「安全で安心な暮らしを築く」
「安全で安心な暮らし」は,だれもが願うことであり,そのためには,全ての市民が人権を尊重され,擁護されることが重要です。
子どもも高齢者も障がいのある人も,全ての市民が安心して暮らせる藤沢をつくるためには,人権の尊重と擁護の視点から市の施策を作っていく必要があります。
このことを踏まえ、本市において、「全ての市民が安全で安心な暮らしを築く」上で重要となる、人権尊重の取り組みについての考え方、政策について、お聞かせください。
【答弁】 渡辺企画政策部長
本市では、一人ひとりの市民が尊重される社会の実現をめざして,平成19年2月に「藤沢市人権施策推進指針」を策定いたしました。昨年3月には、社会情勢の変化や新たな人権課題等を踏まえてこの指針を改定し、「人権を大切にし、『人権文化』を育むまちづくり」の基本理念のもと、あらゆる施策に人権尊重の視点を取り入れ、総合的に人権施策を推進しております。
具体的には、講演会や研修会をはじめ、法務大臣から委嘱された人権擁護委員との連携による「中学生人権作文コンテスト」などの様々な啓発事業や、相談窓口の充実等に取り組んでいるところでございます。
今後とも、すべての市民にとっての「安全で安心な暮らし」を築き、あらゆる人がお互いの人権を尊重し、ともに支えあい、ともに生きる社会の実現をめざして、関係機関等とも連携しながら、人権施策の推進及び人権啓発の取組に努めてまいります。
【引き続き質問】
次に犯罪被害を受けた方への支援について伺います。
我が会派で視察した明石市では,犯罪被害者を支援する条例を平成23年に制定し、犯罪被害者が加害者に対して有する損害賠償債権を市に譲渡することを条件として支援金を支給する「立替支援金制度」の設定、法律相談、心理相談など、様々な犯罪被害者に対する支援制度を設定し,「不幸にして事故・事件が発生した場合のセーフティーネット」として,全国から注目されております。
犯罪被害者への支援制度は,実際に被害に遭われた方々への支援と同時に,いつだれが被害者になるかわからない中で,全ての市民の安心な暮らしを支えるためのセーフティーネットとなります。このような制度があることで,市民が安心して暮らせる社会が構築されると考えます。「安全で安心な暮らしを築く」視点から、犯罪被害者の方に対する支援について、本市の基本的な考え方と取組み方針についてお聞かせください。
【答弁】 渡辺企画政策部長
平成17年に施行された「犯罪被害者等基本法」におきましては、犯罪被害者等支援施策に関する基本理念と、国及び地方公共団体等の責務を定めており、地方公共団体については、国との適切な役割分担を踏まえて、地域の状況に応じた施策を策定、実施することとされており
ます。
この法律に基づき、県においては、「神奈川県犯罪被害者等支援条例」及び「神奈川県犯罪被害者等支援推進計画」を定め、また、警察及び支援団体とともに「かながわ犯罪被害者サポートステーション」を運営して情報提供や相談対応を行い、ニーズに応じた総合的な支援を
実施しております。
本市におきましては、「藤沢市人権施策推進指針」の中で、犯罪被害者の人権尊重を人権課題の一つとして掲げ、犯罪被害者やその家族が被る、物理的、精神的な被害への理解を深め、その人権が擁護されるよう、意識啓発に努めるとともに、犯罪被害者等が適切な支援を受け
られるよう、県や警察、及びサポートステーション等の関係機関との連携を図っているところでございます。
市民のだれもが犯罪被害者になる可能性があるなかで、市としての役割を踏まえ、今後とも、関係機関との連携に努めるとともに、他市の先進的な取組事例についての情報収集や、施策の充実に向けた研究、検討を行ってまいりたいと考えております。
③ 『2020』に向けてまちの魅力を創出するについて
来る2020年は、半世紀の時を超え再び平和の祭典として東京2020オリンピック・パラリンピックが開催されます。
国籍を超え、同じルールの下各国の代表選手が国の威信をかけて自身の肉体の限界に挑戦する姿を目の当たりにするとき、改めて世界平和の祭典としての重みを体感することができます。
1964年の前回東京大会は、戦後の廃墟から高度経済成長に向かうきっかけにもなったまさに、国家プロジェクトであり、成果として金メダル第1号に輝いた重量挙げの三宅義信さんや東洋の魔女と賞賛された女子バレー、日本のお家芸であった柔道や体操でも日本人選手が大活躍を見せました。東京大会で獲得した金メダル16個は現在も記録に残っています。
また、昨年のリオ五輪でも新たな歴史を刻んだ選手がいました。レスリング女子の伊調馨選手は五輪史上初めて女子個人種目で4連覇の偉業を達成しました。バドミントン女子のダブルスでの金、カヌーの銅メダルは日本選手が初めて獲得したメダルでもありました。注目のセーリング競技に出場した吉田愛選手はアウェーながら堂々5位に入る素晴らしい勇姿を日本国民、藤沢市民に見せてくれました。来る2020大会は地の利を生かして是非とも金メダルを期待しています。
さて、セーリング競技ですが、前回大会に続いての誘致成功は1世紀の間に2回も同じ会場で開催されるということでまさに奇跡というしかありません。この機会を千載一遇のチャンスと捉え、市長が施政方針で示されているとおり、2020東京大会を契機に更なる国際的な魅力あるまちづくりが求められることになります。
観光立市を掲げている本市への観光客はここのところのインバウンド効果等により、うなぎのぼりで2020年は藤沢市を日本全国、全世界中の人々にアピールする絶好の機会であります。この国家プロジェクトとも言える平和の祭典、オリンピック・パラリンピックセーリング競技の運営を本市として昨年4月から組織化して最高のおもてなしで大会の成功を目指すことになりました。
コンセプトは「市民参加型のオリンピック」としています。言い換えればオール藤沢で大会を成功させよう!であります。
そこで1点目の質問です。昨年4月にオリンピック・パラリンピック開催準備室を設置した以降、現在までセーリング競技を成功させるためにどのような事業をどのように進捗されているのかお聞きします。
【答弁】 宮治副市長
東京2020大会のセーリング競技の江の島開催決定以降、「市民参加型のオリンピック・パラリンピックの推進」と、「未来に向けたレガシーの創出」の方針のもと、環境整備の促進や気運の醸成、ボランティアの推進を中心に取り組んでまいりました。
まず、環境整備の促進としては、関係機関との調整を進めた結果,神奈川県が江の島大橋の3車線化に着手したほか、セーリングセンター、臨時駐車場などの整備が県の平成29年度予算案に盛り込まれたところでございます。
また、気運の醸成としては、リオ大会におけるセーリング競技のパブリックビューイングや藤沢市ゆかりの選手の応援、現地視察報告会、セーリング体験教室などの普及・啓発事業に,積極的に取り組んでおります。平成29年度中には大会開催まで1,000日を切ることから、カウントダウンイベントの開催はもとより、様々な普及啓発イベントを開催し、更なる盛り上げを図ってまいります。
そして、ボランティアの推進としては、2018年夏からの都市ボランティアの募集を視野に、大会後のボランティア活動の継承も見据えた推進計画について、平成29年度早期の策定を目途に進めているところでございます。今後は、東京2020大会の成功と大会後に続く本市の発展を目指し、2020年が市制施行80周年にあたることも十分に意識しながら、関係団体や市民の皆様との協働により、市の歴史と市民の心に残る大会となるよう取り組んでまいります。
【引き続き質問】
次に、2018年から本番の年2020年まで3年に渡りプレオリンピックとワールド杯が開催されるとお聞きしています。1世紀に2回のオリンピック開催も奇跡ですが、本番前のプレイベントとは言いながら、世界最大級の大会が連続開催ですからこれも奇跡というしかありません。運営のノウハウを学ぶには最高の舞台です。そこで2点目を伺いますが、幸運にも連続開催できるプレイベント、ワールド杯を本番の2020大会にどのように活かしていかれるのかお聞きします。
【答弁】 渡辺企画政策部長
2020年の本大会までに、プレ大会やセーリングワールドカップなどの数々の国際競技大会が江の島で開催されることになっております。このような国際大会を、本大会に向けた事前体験の場として、多くの分野において、実際の課題等を捉える貴重な機会と位置づけ、活用していくことは、大変重要であります。
リオ大会の視察により、ボランティアを中心とした市民参加の状況、市民生活への影響、本市が担う緊急時への対応、また、セーリング競技会場の運営など様々な課題が明らかになりましたので、今後、これらに的確に対応していくため、ワールドカップなどの国際競技大会に
おいて、情報収集と経験を重ね、2020年に向けて、積極的に準備を進めてまいりたいと考えております。
【引き続き質問】
次に3点目、プレイベントを含め、2020大会までにどのような準備を進めていかれるのかお聞きしたいと思います。当然のことながら、プレイベント、ワールド杯からの開催となるわけですが海が相手という、ヨットの競技特性からしても最悪の事態を想定しながらの準備が肝要と思っています。
選手対応はもちろん、オール藤沢での取り組みへの啓発活動、世界中から集まるインバウンドへの多言語対応、テロへの対応、会場周辺の混雑対策、江ノ島島内のバリアフリー化、人、車の整流化、オリンピック・パラリンピック大会エンブレムとセーリング競技のロゴマークの市内全域への掲揚の検討などなど課題が山積していますが、これら諸課題についてどのように対策を講じられていくのか。
例えば、先日開催された「2020東京オリンピック・パラリンピックを見据えて」と題した市民講座では多国語観光ボランティアガイドの育成の講座もありましたが、すでに国内電気メーカーでは多言語音声翻訳機能や案内ロボットも商品化されています。こういった最先端の先進技術を駆使したICT機器も積極的に導入すべきと考えますがいかがでしょうか。
もちろん、世紀の大事業であるし国家的プロジェクトを担当する本市にとっては前回大会以下の評価は絶対あってはならないし、日本のお家芸である最高のおもてなしの心を総動員し世界中のお客様に提供することが日本のファンを増やし、引いては観光産業の発展、経済活性化に大きく貢献することになるでしょう。
しかるにこれらを達成するのは人であります。今、開催準備室に配置されている人数は何人ですか、6人ぐらいですか、大丈夫かと心配になります。もちろんこのままの体勢で本番まで行くとは考えられませんが、世紀の大事業ですから人も物も金も必要な投資は惜しんではいけないと考えます。決して大盤振る舞いしろと言っているのではありません。けちったばかりに非難されるようなことは万が一でもあってはなりません。半世紀前とは言え、なんせオリンピック開催は2回目ですから。短期決戦ですのでここはメリハリをつけた思い切った投資が必要と考えます。以上、これら諸課題についての本市の考え方をお聞きします。
【答弁】 渡辺企画政策部長
江の島において、ふたたびオリンピック競技大会が開催されることは、本市にとって誠に名誉なことであり、この大きなチャンスをしっかりと掴むことが、本市のさらなる発展につながるものと認識しておりますが、議員ご指摘のとおり、課題解決に向けて取り組むべき施策は
多岐にわたってまいります。市といたしましては、市政運営の総合指針2020の重点施策の一つに、「『2020年』に向けてまちの魅力を創出する」を位置づけ、東京2020大会に多くの市民の方に関わっていただき、希望や元気を得て、都市の持続的な活力となるよう、スポーツ、ボランティア、観光関連、産業の振興、都市の魅力づくりなど、オリンピックレガシーの創出に向けて、多様な魅力の創造、発信に、戦略的、重点的に取り組んでまいります。
ただいま、市内全域を対象とする盛り上げに関する取組など、いただいたご提案等も踏まえまして、開催準備に向けた体制の強化に当たるとともに、市民の皆さま、関係機関・団体の方々にご協力をいただき、国内外から本市を訪れる多くの選手や観光客の皆さまを、心のこもったおもてなしでお迎えできるよう、湘南の元気都市としてのさらなる発展と、大会の成功に向けて、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
【引き続き質問】
次に4点目の質問です。ここのところの決算委員会の審査資料によりますと、本市の市税収入は今後大幅な増加は見込めない中、今後は新たな税収確保策を講じられたいと結んでいますが観光立市を標榜している本市にとってはこの機会を逃す手はない、千載一遇のチャンスと捉えています。幸い、本市は江ノ島を始め、湘南海岸を有し、西には伊豆の山々と富士山、南には相模湾に浮かぶ伊豆大島を始め伊豆諸島の島々と絶好のロケーションにあります。
その大自然に恵まれた環境で開催されるセーリング競技をメモリアル施設として後世に残せないものだろうかというのが提案であります。
現在、江の島島内を訪れる観光客は仲見世通りを散策しながら山頂巡りし、途中、土産物屋や食堂等に立ち寄りながら、自家用車や電車で帰路に着くというのが主な観光ルートになっていると思います。
こういった既存の観光ルートに新たな観光名所として2020セーリング競技の模様を展示紹介できるような施設を設け、そこを江ノ島の新たな観光スポットの一つにしたらどうかという内容です。2020大会会場の江の島が「セーリングの聖地」として国内外にアピールできる最後のチャンスとも言えます。もちろん、新たな税収確保策、新たな観光資源への貢献は簡単にはいかないでしょうが、しかし、1964年前回大会の関係資料が現在のヨットハウス内にしまってあるとのことからしても、今回は人目に簡単に触れる場所で展示紹介できるような手法を検討すべきと考えますが本市の考え方をお聞きします。
【答弁】 渡辺企画政策部長
ご提案いただきましたオリンピックに関するメモリアル施設につきましては、新たな収入の確保と同時に、観光振興にも寄与する取組であると捉えております。
一方で、現在のヨットハウス内にございます県のメモリアルルームの活用をはじめ、島内での回遊性の向上や、住民要望も高い駐車場の一層の確保など、関係者とともに多角的な視野での検討も必要であると考えております。レガシーの創出に向けましては、セーリング競技の浸
透やオリンピック後も見据えたボランティアの育成をはじめとしたソフト面の取組の充実も重要となってまいります。
こうしたハード、ソフトの両面での総合的かつ積極的な取組を推進することにより、次の世代に引き継がれる魅力づくりにつなげてまいりたいと考えております。
【引き続き質問】
文化庁は、「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会においては、スポーツの祭典とともに、文化の祭典として、史上最大規模の文化プログラムに取り組みます」と、大々的に文化プログラムが催す方針を示し、「全国津々浦々で魅力ある文化プログラムを展開し、国内外の人々を日本文化で魅了したいと考えています」とのことです。
文化庁は、2012年のロンドン五輪にならい、五輪開催の4年前から全国でのべ20万件のイベント、参加アーティスト5万人、参加人数5,000万人という空前の規模で文化イベントを開催するという方針で、五輪を契機に文化芸術立国をめざすと高らかに宣言しています。
東京五輪を契機に、スポーツはもとよりかつてないほど文化に注目が集まることでしょう。国の大きな後押しがある今、自治体にとっては文化芸術振興を推進する絶好の機会の到来です。昨年の代表質問でも触れましたが、本市の姉妹都市マイアミビーチ市のバレエ団は全米でもトップクラスの実力と聞いています。
そこで、あらためて藤沢の誇る市民オペラとの共演といった国際的な、空前絶後のイベントを企画してはいかがでしょうか、というのが提案です。もちろんオペラは日本固有の文化芸術ではありませんが、市民オペラは藤沢が長年育んできた「市民文化」の代表格で、オペラやバレエは国際性・普遍性があり日本にも愛好者が多く、日本人アーティストが海外で活躍しています。これが実現すれば、国内はもとより外国の方を「魅了する」こと間違いありません。
このような機会は二度と無いのですから、思い切ってお金をかけ、末長く語り継がれるような事業を展開するべきだと考えます。
そこで質問します。このような国の方針が示されている中で、本市はどのような計画を進めているのか、現在の状況を伺います。
【答弁】 秋山生涯学習部長
本市独自の文化プログラムの検討状況についてでございますが、市民組織である「未来につなぐ東京オリンピック・パラリンピック藤沢市支援委員会」では、その支援方針において、文化プログラムの策定や、その事業推進を位置づけております。
これを受けまして、文化プログラムの素案をまとめるため、庁内の関係各課による「文化プログラム専門部会」を設置し、本市の文化芸術活動や地域における文化行事など文化プログラムに取り込むべき候補事業の調査、ジャンル分けを行い、体系化を図っているところでござ
います。
その基本的な方向性でございますが、文化オリンピアードのコンセプトである、日本文化の再認識と継承・発展、次世代育成と新たな文化芸術の創造、日本文化の世界への発信と国際交流、全国展開によるあらゆる人の参加・交流と地域の活性化といった4つのコンセプトに沿い、様々な文化資源の活用を前提として、進めてまいりたいと考えております。
今後は、文化プログラム専門部会が作成を進めている素案をもとに、支援委員会における議論を踏まえ、平成29年度において策定してまいたいと考えております。東京2020大会は本市の文化振興にとっても、大変貴重な機会でございますので、文化団体連合会をはじめ、文化芸術活動を行っている様々な団体と情報共有、連携を進めてまいります。また、「東京2020参画プログラム」の認証も活用するなかで、市民のみなさんの心に残る藤沢らしい文化プログラムによる取組を進めてまいりたいと考えております。
④ 「笑顔と元気あふれる子どもたちを育てる」について
藤沢市の学校教育において取り組まれてきた「支援教育」の理念は、単に障がいのある子どもだけの問題ではなく、貧困や国籍・民族、性指向や性自認など、すべての子どもが支援を必要としているという観点に立つものとして、いまや全国的にも高い評価を得ていると言って過言ではありません。
もちろん、さまざまな課題があることも事実です。これまでの取り組みを総括した上で、現状の課題をどのように把握しておられるか、うかがいます。その上で、今後の「子どもたちの笑顔あふれる」教育のいっそうの推進に向けた方針をうかがいたいと思います。
【答弁】 吉田教育長
「藤沢の支援教育」につきましては、平成27年4月に、今までも推進してきた 一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導をさらに充実させ、障がいのある、なしにかかわらず、すべての困りごとを抱える児童生徒に対して、支援を行うことを方針として示し,各学校で取り組んで
きているものでございます。
この2年間、学校では、教室環境を整え、すべての子どもにとって分かりやすい授業づくりに努めるとともに、必要に応じて、スクールカウンセラー等専門的な視点から児童生徒のニーズを把握して、適切な支援が行えるよう取り組んでまいりました。その成果として、子どもたちの支援に係る教職員の意識と支援の仕方に、変化が見られるようになったと感じております。
現在、支援を必要とする児童生徒が増加している状況があり、一人ひとりのニーズに、より適切に対応するために、次の3点を課題と捉えております。
1点目は、教職員の指導力の向上でございます。教職員が、「この子どもには、どのような支援が必要か」を見極める力が大切になってくるため、全ての教職員が、支援にかかる専門的な知識や理解を深め、指導力の向上を図る必要があると捉えております。
2点目は、校内支援体制の構築でございます。これまでも、学校では、スクールカウンセラーや介助員等を配置して支援にあたってきました。平成27年度より小学校の校内支援体制の充実を図るため、その中心的な役割を担う児童支援担当教諭を順次配置しているところでございます。この児童支援担当教諭が、コーディネーター役を担い、組織的に支援を行う上で、大変成果をあげていることから、今後も、計画的に配置を進めていきたいと考えております。
3点目は、多様な学びの場を整えることでございます。特別支援学校、特別支援学級、通級指導教室など、子どものニーズに対応できる教育環境の整備を進めるとともに、特別支援教育を担当する教員の人材育成についても計画的に進めていく必要があると捉えております。これらの課題の解消に真摯に取り組み、子どもたち一人ひとりが抱える困りごとに、よりきめ細かく対応していくために、今後も、「藤沢の支援教育」を推進し、子どもたちのえがおあふれる学校づくりに向けて、一層、取り組んでまいります。
【引き続き質問】
藤沢でも課題となっている「子どもの貧困」について、うかがいます。全国でも先進的な給付型奨学金の創設を、わが会派は高く評価します。この実現に向けて取り組んでいただいた鈴木市長をはじめ、職員のみなさんのご努力に敬意を心から敬意を表します。
いま、市内でもさまざまな主体による「居場所」づくりや「子ども食堂」の取り組みなどが始まっていますが、子どもの貧困は単に「経済的な貧困」の問題だけではなく、セーフティーネットの不足や支援の制度の不足などの「関係性の貧困」や「つながりの貧困」の問題でもあります。この際、さまざまな事業を見直し、総合的な子どもの貧困対策の基本的な方針を論議する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
【答弁】 平岩子ども青少年部長
本市の「子どもの貧困対策」につきましては、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が施行されたことを受けて、「藤沢市子ども・子育て支援事業計画」の施策の柱に位置づけを行い、取り組んでいるところでございます。
具体的には、子どもの貧困対策に関する大綱に示された4つの支援の視点により、ひとり親家庭に対する就労・生活への支援をはじめとして、生活困窮世帯・生活保護世帯の子どもに対する就学・進学等の学習支援や、世帯に対する就学援助費の支給等、子どもへの支援、保護者への支援を行っているところでございます。
平成29年度は、この事業計画の中間見直しの年度となることから、子どもの貧困対策の推進について、基本方針の策定や、施策の体系化の検討を行い、庁内各部の取組が有機的に連携し、支援が必要な子どもや世帯に、必要な支援が行き届くよう、取組を進めてまいりたいと考えております。
【引き続き質問】
困難を有する若者への支援については、「ユースワーク」の取り組みは評価したいと思います。その上で、今回示された「(仮称)若者サポート事業」の概要について、お聞かせください。
【答弁】 平岩子ども青少年部長
「(仮称)若者サポート事業」の概要でございますが、これまでは、若者の自立・就労に向けた支援を行うユースワークふじさわが、就労を含めた様々な悩みを抱える若者に対する一次相談機能を担い、個別サポート事業との連携により対応してまいりました。今回、市民にとってわかりやすく、誰もが相談できる窓口とするため、一次相談機能をユースワークふじさわから移管し、個別サポート事業を「(仮称)若者サポート事業」として、名称も含めた見直しを行ったものであります。(仮称)若者サポート事業において、相談窓口機能を担うとともに、個別支援計画の作成や同行支援などを行ってまいりますが、今後も,ユースワークふじさわと連携し、若者の自立支援に向け取り組んでまいります。
【引き続き質問】
しかし、問題はそれら支援の窓口にたどりつくことのできない孤立したケースへの支援ではないでしょうか。そもそも支援の窓口を作っても、そこにたどり着くことのできない「引きこもり」状態の人たちや、その人たちを介護している家族の皆さんにこそ、支援が必要です。
横浜ですでに全区で実施されるようになった訪問支援である「後見的支援制度」のような、アウトリーチ型の支援がぜひ必要と考えますが、お考えをうかがいます。
【答弁】 平岩子ども青少年部長
これまでもアウトリーチ型の支援として、個別サポート事業において、市内中学校や高校への訪問による相談支援を実施するとともに、ユースワークふじさわにおいて、市民センター・公民館での地域出張相談を実施してきたところでございます。
今後につきましては、訪問型支援の必要性は認識しており、支援の窓口にたどり着くことができない方々を孤立させないよう、地域や関係機関と連携し、支援の方策を検討してまいりたいと考えております。
【引き続き質問】
放課後児童クラブについては、「量」の確保の見通しは立ちましたが、問題は「質」の確保です。これについてはどのように取り組むのでしょうか。
【答弁】 平岩子ども青少年部長
放課後児童クラブの「質」の確保への取り組みでございますが、各クラブの指導員については都道府県が行う認定資格研修を順次受講しているほか、みらい創造財団においては年間研修計画に基づき、経験年数別研修、課題別研修などを行い、児童クラブ運営に必要な知識の習得・スキルの向上を図っております。なお、受講後各クラブにおいて情報共有を行い、クラブ全体の質の確保・向上に取り組んでおります。
また、放課後児童クラブ整備計画に基づく児童クラブ数の増加に対応するため、大規模クラブにおいて常勤指導員を複数配置し、ベテラン指導員が経験の浅い指導員を育てる環境を作るなど、人材育成を図っているところでございます。
【引き続き質問】
また、要支援児童の受け入れの「試行」が始まって2年が経ちましたが、その総括と、今後の展開についてお聞きします。
【答弁】 平岩子ども青少年部長
試行については、平成27年4月から身体に障がいのある児童を週1回、専属の介助員を1名配置して当該児童の生活援助を行い、試行的受け入れを行っております。約2年間の試行の総括といたしましては、施設面におけるバリアフリーが条件とはなりますが、介助員を確保し、学校との連携、保護者との関係づくりといった体制を築くこと、また、児童同士がお互いを気遣うような関係づくりを築くことにより、身体に障がいがある児童についても児童クラブでの生活が可能であることが確認されたと認識しております。
また、発達障がい児への対応も含めた今後の展開についてでございますが、現在も指導員相互のケースワークの形での研修を実施するなど、対応に係る知識の習得・資質向上を図る中で、多くのクラブにおいて要支援児童の受け入れを行っているところでございます。
今後につきましては、受入体制の充実に向け、障がいの特性に応じた職員配置のあり方の検討や、クールダウンできるような専用スペースの確保等、施設面の整備などにも取り組んでまいりたいと考えております。
⑤ 「健康で豊かな長寿社会をつくる」について
昨年10月から介護予防・日常生活支援総合事業がスタートし、これまで全国一律の基準により提供されていた訪問介護や通所介護が、藤沢市の独自の事業として、多様な主体によるサービスへと段階的に展開されることになると思います。
新たな取組が期待される反面、利用者にとっての課題や不安も多くあると思います。こうしたことを踏まえ、藤沢型地域包括ケアシステムに関する市議会への報告をしっかりといただいて、議論を進めながら、より良い制度、より良い仕組みの構築を図るべきと考えておりましたが、実質的なスタートとなるこの4月を前にして、今定例会での報告がありませんでした。そこで、若干細部になりますが、あえて代表質問でお聞きをしてまいります。
まず、藤沢型地域包括ケアシステムの要とも言える、コミュニティ・ソーシャルワーカーについては、今年度モデル地区への配置を行い、2017年度には2名の増員を予定されております。神奈川県社会福祉協議会の市町村社協部会では、2013年に、コミュニティワークの問題点、阻害要因として、専門性やスキルの不足、地域のキーパーソンの不在、チームアプローチの希薄さなどを指摘しています。こうした点を踏まえ、モデル導入後の効果や課題、今後の取組の方向性について、総括的にお聞かせください。
【答弁】 片山福祉部長
モデル3地区で昨年12月までに延べ959件の相談に対応するとともに、地域住民や民生委員児童委員をはじめとした様々な関係機関と
連携し、支援が必要な世帯を早期に把握することができました。その結果、地域生活の継続に向けた支援や、関係機関等における地域課題の共有につながったものと考えております。
次に、課題といたしましては、地域の中にコミュニティソーシャルワーカーという存在を浸透させること、また、住民に地域課題への気づきを促し、解決を図ろうとする活動に参加する動機付けへとつなげるなど、地域づくりに結びつく取組を広げる必要があると考えており
ます。そして、このような地域を基盤としたソーシャルワークを実践できる人材を計画的に育成することや、各地区における活動の経験を蓄積し、共有を図るナレッジマネジメントを市社会福祉協議会と市の両者で進めていくことが、重要であると考えております。
今後につきましては、平成29年度に配置地区を拡大するとともに、市社会福祉協議会に人材育成の協力をいただきながら、藤沢型地域包括ケアシステムにおける短期目標である平成32年までに、全地区をカバーできる体制づくりをめざしてまいります。
【引き続き質問】
また、昨年10月には藤沢市で総合事業がスタートしました。実際に導入された訪問型サービスAをはじめ、どのように具現化されているのか、現状をお聞きするとともに、藤沢型地域包括ケアシステムに基づき、市として目指す事業の今後のあり方についてお聞かせください。
【答弁】 片山福祉部長
現在の状況は、平成29年2月1日時点で指定事業所は25事業所となっており、サービスの担い手となるヘルパーにつきましては、これまで市独自の研修により68人の担い手の養成を行い、そのうち15人については就労につながっております。
また、利用状況につきましては、要支援認定者に加え、基本チェックリストにより該当した事業対象者も加わりましたが、現時点での利用者は少ない状況でございます。
次に、課題でございますが、指定事業所のサービス提供体制は整ってまいりましたが、ケアマネジャー等を通じて、利用者への更なる事業の周知・啓発を図るとともに、その担い手の養成も引き続き計画的に行うことが重要であると考えております。
今後の展開でございますが、本事業は、これまで介護保険事業者のみが提供していたサービス体制から、多様な担い手による多様なサービスの第一歩としての中間的な役割を担うものと考えており、引き続き充実を図るとともに、その方向性についても検証を進めてまいります。
【引き続き質問】
13地区の協議体については、地域の特性と要支援者のニーズを的確に把握し、サービスとして成立させていくことが求められているものと考えます。これまでの各地区協議体の取組の概要をお聞かせください。
【答弁】 片山福祉部長
これまで市内13の日常生活圏域ごとの協議体の設置に向けましては、既に多くの地域の方々にご参加いただいております小地域ケア会議の機能を充実させる形で、働きかけを進めてまいりました。その結果、現在までに11の地区におきまして、ご理解をいただくことができましたので、順次、各地区の現状や課題を共有するための作業や意見交換等を進め、地区の特性を活かした支えあいの体制づくりを図ってまい
ります。
また,残りの2地区におきましては、地域のご意見を伺いながら早期に設置できるよう、取組を進めてまいります。
【引き続き質問】
訪問型サービスBの導入は施政方針によれば、本年10月から開始の予定となっています。このサービスBは、実施しないと決めている自治体もあります。サービスの提供者も利用者も混乱に陥る可能性もあり、有償、無償、あるいは責任の所在など課題は多く、拙速な導入は避けるべきだと思います。本市で10月実施に向けては、その地域特性や要支援者のニーズに基づいて、範囲、内容等をしっかりと定めていくべきだと考えます。市民に寄り添い、支援を必要とする市民に適切に応えるサービスとして、どのように構築されていくか、取組の方向性をお聞かせください。
【答弁】 片山福祉部長
訪問型サービスBについてでございますが、このサービスは、住民等が主体となって行われる生活援助であるため、本年10月の円滑な実施に向け、まずは既に地域で活動をされている団体に課題やニーズについてご説明をさせていただき、当該事業の対象となる高齢者を各団体の支援対象として受け入れ、現在の活動の中で支えていただく体制を整備してまいります。
今後は、この体制を基盤としつつ、各地区に設置した協議体におきまして、さらなる課題やニーズ等を共有したうえで地域に働きかけを行い、地域全体の支え合い活動の充実を図ってまいります。
⑥ 「都市の機能と活力を高める」について
1点目、日本は少子高齢化を迎えますが、藤沢市も例外ではありません。藤沢市の人口も2030年の43万人をピークに徐々に減っていくことが予想されています。ところが、藤沢市は重点的な都市拠点の整備を進めるため、新たな街を作ろうとしています。
コンパクトシティの概念からも、新たな街を作るのではなく、いまある街を充実させていくべきだと考えますが、方針をお聞かせ下さい。
【答弁】 石原計画建築部長
本市では、「藤沢市都市マスタープラン」「藤沢市立地適正化計画」において、コンパクトなまちづくりの基本的な方向性を示しております。内容といたしましては、新たなまちづくりを含む個性ある都市拠点を形成して、それらを鉄道網などの交通体系によって効率よく連絡することで、市民の交流、産業の創出・発信を促し、都市全体の活力創出を目指すものでございます。
これらの都市の骨格に加えて、市民の身近な生活を支える地区拠点の充実を図ることで、少子超高齢社会においても、豊かで効率的な都市生活を実現していくものです。したがいまして、新たなまちづくりを進めながら、今あるまちの充実も図り、持続可能な都市づくりを進めて
いく方針でございます。
【引き続き質問】
次に、藤沢市の交通マスタープランでは、災害に強い避難経路の確保が盛り込まれており、都市計画道路の整備が進められています。
しかし、特に藤沢南部については、用地の取得も進まない状況となっています。藤沢市としては、都市計画道路を見直した上で、優先順位をつけて整備を進めておられると承知しています。
災害時の避難経路の整備も必要とされる中、まだ整備されていない都市計画道路について今後、どのように進めていくお考えなのかお聞かせください。
【答弁】 田代土木部長
本市では、平成22年12月に、都市計画道路が担う様々な機能からその必要性の検証を行い、未着手となっている路線・区間を「廃止」と「存続」に振り分けし、また、今後のまちづくりに必要とされる路線を「追加」するなど、「都市計画道路の見直し」を行いました。
そして、都市計画道路全体の計画延長の約12%にあたる延長約19kmの未着手の路線・区間について、整備の「有効性」と「費用対効果」の観点からさらに検証を行い、平成28年3月に策定した「藤沢市道路整備プログラム」の中に優先度の位置付けをいたしました。
現在、最も順位の高い「優先着手区間」の「鵠沼奥田線」、「藤沢石川線・善行南工区」及び「高倉下長後線」について、「公有地の拡大の推進に関する法律」に基づく土地の先行取得を行うとともに、事業着手に向けた、地元町内会等への説明を進めているところです。都市計画道路は、自動車交通の円滑化や駅等へのアクセス性の向上、歩行者や自転車走行の安全性の向上に資することはもとより、災害時における避難路の確保や火災時の延焼遮断など、防災上の機能を有する不可欠な都市計画施設でございます。
今後も引き続き、「優先着手区間」の早期事業化に向けて、その路線の持つ必要性や役割について、地権者や地域住民の方々に丁寧な説明を行い、理解を得ながら作業を進めてまいります。
【引き続き質問】
最後の質問です。エネルギーの地産地消は、地球温暖化対策の面からも、そして環境にやさしいまちづくりに向けても重要だと考えます。藤沢市の計画によりますと、市内のエネルギー需要総量にしめる再生可能エネルギーの供給量は、2%にとどまっています。
一方、市内のエネルギーの消費量の4割ほどが、製造業など第二次産業によるということです。太陽光発電などについては、導入するところも出てきていますが、まだ全体的に消極的な対応となっています。
藤沢市としては、全体としてどのように再生可能エネルギーの利用を促進されるお考えかお聞かせください。
【答弁】 金子環境部長
エネルギーの地産地消を見据えた、再生可能エネルギーの普及につきましては、地球温暖化対策や環境負荷の低減、また、災害時におきます安全・安心なエネルギー対策という点からも、大変重要であると考えております。
本市では、『藤沢市エネルギーの地産地消推進計画』に基づき、再生可能エネルギーの普及に取り組んでいるところでございます。この2月に実施いたしました「北部環境事業所余剰電力地産地消事業」のプロポーザル審査では、余剰電力を公共施設に供給する「電力の地産地消」のほか、地域の電気事業者を活用して、地域の一般家庭などにも電力を供給する、エネルギーの地産地消の拡充が提案されました。
また、児童・生徒を対象とした電力の地産地消についての環境教育の実施や、エネルギーの地産地消に関する啓発事業の実施など、再生可能エネルギーの普及への寄与が期待される提案も受けておりますことから、4月から実効性のある事業を展開できるよう、準備を進めてい
るところでございます。また、改定を予定しております『藤沢市地球温暖化対策実行計画』におきましても、新たに「再生可能エネルギー・分散型電源の導入促進」を重点プロジェクトに加えるなど、今後も、引き続き、エネルギーの地産地消を見据えた再生可能エネルギーの普及に向けて、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
以上、報告とします。