12月11日 9:30より、藤沢市議会総務常任委員会が開催され、傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。
議案第69号 藤沢市職員の育児休業等に関する条例の一部改正について
地方公務員の育児休業等に関する法律の一部が改正されたことに伴い、非常勤職員に係る育児休業の期間を延長することが出来る場合を規定するため、所要の改正をするものです。
柳沢委員
非正規職員が対象だが、全ての非正規職員が対象なのか?⇒今回の対象は、週4日の任期付短時間職員と週2日を超える非正規職員が対象。
対象者の人数と今まで育児休業取得の状況は?⇒任期付き100人、非正規650人。育児休業取得者は、平27年度142人/28年度161人/29年10月末で143人。うち、非正規・任期付きは、平成27年度、非正規8人・任期付き短時間4人/28年度、非正規7人・任期付き短時間3人/29年10月末で、非正規5人・任期付き短時間2人。
育児休業によるハラスメントがないようにする対応は?⇒あくまで復帰の判断は本人。ハラスメントは防止の要項があるので、引き続き対応していく。
西委員
2年育休をとるなら、辞めてもらって採用すればいいと思うが?⇒知識・経験あるので復帰後、業務に活かすものでマイナスとは考えていない。ハラスメントについて、研修中心に周知啓発している。職場の中で、管理職が意識を持ってなくしている。
※この議案は、全会一致で可決すべきものと決定しました。
議案第70号 藤沢市市税条例等の一部改正について
地方税法の一部が改正されたことに伴い、平成30年度分及び平成31年度分における軽自動車税の税率に特例を設けるため、所要の改正をするものです。
柳沢委員
2016年度から軽自動車税が7,200円から10,800円に引き上げられた。平成31年度までグリーン化特例がある。32年度以降はどうなるのか?⇒平成31年10月から軽自動車税について大きな変化があると考える。
※この議案は、全会一致で可決すべきものと決定しました。
議案第71号 藤沢市地域市民の家条例の一部改正について
地域市民の家について、新たな管理運営手法を実施するため、所要の改正をするものです。
塚本委員
地域市民の家は、家連協で一元的に管理してきた。今回、直営に戻す背景は?⇒平成17年度から家連協にお願いしてきた。41か所の管理運営が負担となったため、個別の契約にしていくもの。運営委員の高齢化による負担感もあるため。
稼働率の低い市民の家は、廃止、統廃合も考えるべきだが?⇒今後のまちづくりの拠点としていくために、地域の縁側など、利用目的の緩和、NPOの拠点などを検討していく。利用率の低いところは、公共施設再整備基本方針にある統廃合なども視野に入ってくる。
来年4月から運営が決まっていない市民の家は?⇒6か所。
家連協の方から、拙速に実施すべきでないとの声あるが、合意形成の状況は?⇒昨年9月の当委員会で報告したが、その前から、家連協に話をしている。今後、4月までに連絡を密にしていく。
家連協には、これまでのノウハウがある。直営後、一定期間は意見を聞いたりしていくべきだが?⇒直営後もアドバイスをいただけるよう、意見交換をしていく。
柳田委員
国の方針で指定管理者制度で管理運営をしてきたと思うが、今回、直営に戻す。指定管理者制度について、市の考えは?⇒市民の家を指定管理者制度で管理運営するメリットは一元的管理運営にある。13地区それぞれ特徴がある。本来の住民自治のために直営にするもの。
指定管理者制度に向くもの、向かないものあると思うが?⇒主体的企画を含めて民間のノウハウを活用するもので、今後も活用していく。一方で、地域の意思、使い方など、公共の視点も必要。施設の特性を活かすように選択をしていく。
柳沢委員
6か所で応募がない。4月までにみつからなかったらどうするのか?⇒近隣自治会・町内会、サークルなどにお願いしていく。
※この議案は、全会一致で可決すべきものと決定しました。
陳情29第20号 平成30年度の「給与所得に係る市町村民税・道府県税 特別徴収税額決定・変更通知書(特別徴収義務者用)」へのマイナンバー記載の中止などを求める陳情
この陳情は、次の点について求めるものです。
1. 平成30年度の「給与所得等に係る市町村民税・都道府県民税 特別徴収税額の決定・変更通知書(特別徴収義務者用)」(第三号様式)に、納税者(従業員)のマイナンバーを記載しないこと。
2. 上記通知書にマイナンバーの記載欄を追加した「地方税法施行規則等の一部を改正する省令(平成27年総務省令第91号)」の撤回を求める旨の意見書を国に提出すること。
※この陳情については、次の報告(1)と関連がありますので、一括して審査を行いました。
※この陳情は、柳沢委員が主旨了承としましたが、採決の結果、主旨不了承となりました。
報告(1) 個人住民税に係る特別徴収税額通知(特別徴収義務者用)へのマイナンバー記載について
個人住民税に係る「特別徴収税額通知(特別徴収義務者用)」については、毎年5月31日までに、特別徴収義務者である給与支払者に送付していますが、番号法が平成25年に施行されたことを受けて、平成27年10月に地方税法施行規則が改正され、税額通知の中にマイナンバーの記載欄が設けられました。
こうした法整備を背景に、国からは平成29年度の税額通知からマイナンバーを記載するよう、数回にわたり技術的助言の通知がありました。本市としては、平成29年度は、マイナンバーの記載を見送っていますが、今回、平成30年度以降のマイナンバー記載について、検討した結果が報告されたものです。
※検討した結果は、税額通知へのマイナンバーの記載は、当分の間、見送ることとなりました。なお、税額通知にマイナンバーを記載しないことで、納税者に不利益となることはないと考えています。
塚本委員
総務省からの通知内容と回数は?⇒平成28年11月25日から29年5月18日の間で、6回の通知があった。内容は、マイナンバーを記載する法的根拠、理由、Q&Aなど。
5月31日までに送付といっても、実際に特別徴収するのは6月の給与から。1~2日ぐらい遅れても間に合うのではないか?⇒法で5月31日と定まっているマイナンバーをの記載については、助言によるもので法的義務はない。
法で決まっている。市の姿勢は?⇒送付の安全性の確保、事業者側の体制が整っていないという2つの理由がある。実施する方向でシステム改修のスケジュール、費用も検討した。
有賀委員
5月31日の期限がある中で、実際にマイナンバーを記載している自治体の状況は?⇒29自治体で、うち普通郵便が18自治体、簡易書留が9自治体、特定記録郵便が2自治体。
普通郵便でも課題をクリアできるということか?⇒送達方法は自治体に委ねられている。
藤沢市は、普通郵便では個人情報が守れないということで、他市と考え方が違うということか?⇒その通り。
マイナンバーの記載がないことで不都合はないか?⇒納税者にも、市側にも問題はない。
吉田委員
本市は、簡易書留を検討したが5/31までに送付できないなら、普通郵便で送付すればいいのでは?⇒普通郵便では、送付、受け取りの記録が残らない。ポストに入れることとなるので、安全管理も出来ない。普通郵便で送付している自治体では、ご配達、ご送付の事実がある。
柳沢委員
藤沢市で検討した送達方法について、個人情報保護制度運営審議会から安全確保できないと指摘受けた。全国で個人情報の漏えいがあったとのことだが、県内の状況は?⇒7自治体。
漏えいした個人情報に、どのように対応したのか?⇒郵便局ではなく、自治体側のミス。マイナンバーの変更に至ったケースもあると聞いている。
今後の見通しは?⇒市としては、マイナンバー制度の主旨からして、基本的には導入すべきと考えるが、現時点では利便性向上につながっていないこと、特別徴収義務者の管理体制が十分でないため、当分の間、見送るもの。住民の利便性向上、義務者の課題が整理できたら、速やかに導入していく。
陳情29第28号 辻堂市民センター再整備を見直すことを求める陳情
この陳情は、「市政運営の総合指針2020」に沿った、まともな行政運営をするよう、辻堂市民センター再整備を見直すことについて、市長に働きかけるよう求めるものです。
※この陳情は、次の報告(2)と関連がありますので、一括して審査を行いました。
※この陳情は、柳沢委員が主旨了承としましたが、採決の結果、主旨不了承となりました。
報告(2) 市民センター改築事業の取組状況について
辻堂市民センター改築基本設計の進捗状況と善行市民センター改築実施計画の進捗状況が報告されたものです。
1. 辻堂市民センター改築基本設計の進捗状況について
(1)基本設計の概要
① 市民センター・公民館の延べ床面積 4,061㎡
② 消防出張所の延べ床面積 1,159㎡
③ テニスコート2面/駐車場(公用車含む21台分)/駐輪場(56台分)/バイク・スクーター置き場(8台分)
(2)諸室の配置計画
① 市民センター・公民館
【1階】 地域交流スペース/市民図書室/事務室/地域包括支援センター/地区ボランティアセンター
【2階】 工作室兼談話室/実習室/和室/保育室/談話室2室/地区防災拠点本部/防災備蓄倉庫/サークルロッカー室/体育室
【3階】 ホール/音楽室
② 消防出張所
【1階】 消防車庫/防火衣ロッカー室/署倉庫/分団倉庫/救急消毒室/事務室/仮眠室
【2階】 仮眠室/更衣室/食堂/洗面所/浴室
【3階】 分団待機室/多機能訓練室/トレーニング室
(3)今後のスケジュール
① ~平成30年度 基本・実施・解体設計
② 平成29年度~30年度 元県職員住宅解体工事
③ 平成31年度~33年度初旬 建設工事・テニスコート整備
④ 平成33年度 供用開始
2. 善行市民センター改築実施設計の進捗状況について
(1)実施設計の概要
① 新施設の延べ床面積 3,384.21㎡(市民センター棟2,566.56㎡/健康プラザ棟817.65㎡)
② 地域利用倉庫 99㎡
③ 駐車場(55台分)/駐輪場(32台分)/バイク置き場(10台分)
(2)諸室の配置計画
【1階】 事務室181㎡/地域包括支援センター77㎡/ぜんぎょうプラザ65㎡/健康プラザ(体育室)478㎡/防災備蓄倉庫82㎡
【2階】 第1談話室52㎡/第2談話室72㎡/市民図書室166㎡/和室46㎡/保育室42㎡/地区ボランティアセンター37㎡/地域活動団体コーナー39㎡
【3階】 多目的ホール252㎡/文化室(音楽室)57㎡/実習室(調理室)72㎡/第3談話室85㎡
(3)新施設の特徴
① バリアフリー・ユニバーサルデザイン
点字ブロック・点字サインの表示、エレベーターの設置、各階にみんなのトイレ・おむつ交換台(1階へはおとな用ベッド)を設置、1階には授乳室、2階の保育室内には幼児用トイレを設置します。
② 環境への配慮
太陽光発電システムの導入、省エネに配慮した空調、人感センサーによる省エネ化、トイレ洗浄への雨水利用、屋上緑化など、環境に配慮した設計としています。
③ 災害時への対応
自家発電設備による電源の確保、非常用飲料水の確保、防災備蓄倉庫の設置、埋設型防災トイレの設置などを行います。
(3)今後のスケジュール
① ~平成29年度 基本・実施・解体設計
② 平成30年度~31年度 市民センター棟建設工事 ※平成31年度下旬 市民センター棟供用開始
③ 平成32年度 現センター解体
④ 平成33年度 健康プラザ棟建設工事 ※平成33年度下旬 健康プラザ棟供用開始
⑤ ※体育室が利用できない期間 平成32年度~33年度
⑥ 平成30年2月議会に予算案として、建設工事費を上程する予定
柳沢委員
住民説明会での意見・要望は?⇒主な要望は、図書室が2階なので使いにくくなる。小さい子どものトイレはどうなるのかなど。図書室は2階になるが、エレベーターを設置する。
善行・善行乳児保育園も移転する。送迎のための駐車場が心配になる。駐車場は55台で足りるのか?⇒保育園は同時期の整備ではない。保育園と市民センター・公民館利用者とでは利用時間が違うので、問題ないと考えるが、足りなくなった場合は、公民館利用者に配慮を求めたい。
体育室が2年使用できなくなる。代替の考えは?⇒近隣の体育施設を利用してもらうこととなる。
報告(3) 市職員の不祥事事案に係るこの間の経過及び再発防止に向けた取組状況について
市職員の不祥事のその後の経過、再発防止の取組状況などが報告されたものです。
1. 生活援護課職員による生活保護費の不正支出及び私的流用について
(1)一時扶助費の不正支出及び私的流用
平成28年5月26日に本人から全額(5,105,800円)が弁済されましたが、平成28年7月22日に神奈川県警察本部において詐欺の告訴状が受理されており、市としては、藤沢警察署へ捜査の進捗状況の確認を継続して行っています。
(2)施術費(鍼灸・按摩・マッサージ等)の不正支出及び私的流用
平成28年10月24日に藤沢警察署へ詐欺の被害届(被疑者不詳・被害額1,651,500円)を提出しました。その後、平成29年9月までに警察が関係職員への追加聴取等を終了しており、①の事件と同様に、藤沢警察署へ捜査の進捗状況の確認を継続して行っています。
2. 学校給食課職員による給食費の不正支出及び私的流用
(1)損害賠償金の支払い及び元職員への求償
平成28年9月9日に神奈川県警察本部において、横領の告訴状が受理されており、生活援護課職員による事案と同様に、藤沢警察署へ捜査の進捗状況の確認を継続して行っています。
元職員には、損害賠償額64,702,873円を平成28年10月31日までに支払うよう内容証明郵便で請求しましたが、現在も支払われておりません。ただし、支払期限当日に元職員から、支払意思のある旨が記載された回答書が内容証明郵便で届いています。
(2)回答を受けての対応
期日までに支払いがなかったため、平成29年1月31日付で、横浜地方裁判所へ求償請求事件の訴状を提出しています。第1回口頭弁論は、3月22日に開かれ、その後現在までに5回の弁論準備手続きが行われ、その中で元職員が本市に支払うべき額について双方の主張の整理をしています。
(3)退職手当の返納命令及び催告
平成27年4月に支給した退職手当について、平成29年4月24日に返納を命じました。その後、10月31日までに全額を返納するよう催告しましたが、現在も返納されていません。今後は、退職手当返納請求の訴えについて議決がされましたので、訴状を横浜地方裁判所に提出します。
3. 「藤沢市職員による不祥事の再発防止策」に基づく今年度の取組状況について
事務の取扱い手順の適正化、内部統制・法令遵守の更なる徹底について、今年度の取組が報告されましたが、ここでは割愛します。
塚本委員
生活援護課職員の施術費の件について、客観的に見て内部の犯行が疑われるが、未だに特定されない。どうなっているのか?⇒関係職員を内部調査したが特定できず、警察に調査を委ねている。
内部で追及すべきだが?⇒調査チームを作りヒアリングしたが、確実な証拠がないため、警察に委ねた。
準公金の扱いを点検したところ、一部不十分とのことだが内容は?⇒地域の賀詞交歓会の参加費の管理について、個別表で管理していて、一覧の記載が漏れていたもの。
再発防止について、意識啓発が主となっている。電子マネーなど、構造的に現金の取扱いをなくすことが必要だが?⇒なるべく現金を扱わないように見直しを進めていく。
柳沢委員
藤沢警察署で捜査の進捗状況を確認しているとのことだが、状況を示してほしいが?⇒1年が経過している。市としては、定期的に確認しているが、報告できる内容はない。
公務員としての自覚をどう引き出していくかが重要。研修の中心にすべきだが?⇒新採用、3.6.8.年目、主査、上級主査、管理職の研修で全体の奉仕者の基本を繰り返し取り上げて取組んでいる。
市の理事者が先頭に立って取り組んでいく必要があると思うが?⇒新採用時に、服務の「宣誓」に署名している。情報を共有し、他人事としないということを職員一人一人が認識することで、組織風土を作り上げていくための取組を進めていく。
※以上、報告とします。