2月21日 9:30より、藤沢市議会厚生環境常任委員会が開催され、傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。
議案第101号 藤沢市国民健康保険条例の一部改正について
持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備に関する政令が制定され、国民健康保険法施行令の一部が改正されたことに伴い、所要の改正をするものです。
味村委員
低所得者の保険料について、更なる軽減策が必要だが?⇒国が7割・5割・2割軽減をしている。平成30年度についても、5割、2割軽減の範囲が拡大の改正がされている。また、住民税非課税世帯への30%軽減も行っている。
議会への報告をすべきだが?⇒賦課限度額の議会上程はなくなるが、6月議会で報告をしていく。
※この議案は、味村委員が反対しましたが、賛成多数で可決すべきものと決定しました。
議案第103号 藤沢市指定居宅介護支援等の基準に関する条例の制定について
地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律が制定され、介護保険法が改正されたことに伴い、指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について、新たに本市の条例において定めるものです。
味村委員
多数回利用につして、今後、地域ケア会議で検証するとの事だが、回数の制限につながらないのか?⇒ケアマネから訪問回数が多い人は届け出があるので、必要に応じて確認、是正することとなるが、利用者個々の状況を十分考慮したうえで、適正なケアプランかどうか判断する。
佐賀委員
県からの権限移譲で、市で何ができるようになるのか?⇒居宅介護事業者の指定の権限、市とケアマネの積極的に関われる環境づくり、指導・監査の権限も移譲される。
業務が増えるが体制は大丈夫か?⇒集団指導を増やしたり、指導項目を絞るなどで対応していく。
ケアマネとの関わりで今後の課題は?⇒医療機関との連携、介護保険外サービスとの関わりなど、質の向上が必要。ケアプラン点検を強化する中で取り組んでいく。
※この議案は、味村委員が反対しましたが、賛成多数で可決すべきものと決定しました。
議案第110号 藤沢市民病院事業に係る公営企業の設置等に関する条例の一部改正について
乳がんその他の乳腺疾患に対応し、診療体制の強化を図るため、新たな診療科目を設けるものです。
栗原委員
乳腺外科を設置の経緯は?⇒これまで専門外科で診療してきたが、専門の資格を取得したため、独立させるもの。
患者数の見込みは?⇒外科は毎週100人の患者がいるが、4月からは週20人の患者の増を見込む。手術件数は年間100人に50人の増を見込む。
設置による収益の見込みは?⇒7,000万円を見込む。
地域医療機関との連携は?⇒手術、放射線治療など急性期医療を担う。乳がん患者へは、地域医療機関と連携が図れるようにしていく。
今後、新たな診療科設置の考えは?⇒新たな診療科の検討が必要になった場合は、適切に対応していく。
※この議案は、全会一致で可決すべきものと決定しました。
報告(1)市民病院の経営健全化に向けた取組状況と今後の病院経営の方向性について
市民病院の経営健全化に向けたこれまでの取組状況や収支状況、及び今後の病院経営の方向性などが報告されたものです。
1. 収支改善に向けた取組状況について
(1)健全経営推進計画書による取組
①経営の強化、②医療機能の充実、③患者サービス及び運営面での取組の3つの柱を掲げ、「退院支援の強化」「収益単価の向上」「がん患者の受け入れ促進」「分娩受入れ件数の確保」など、計24項目の取組を進めることで経営を改善し、持続可能な病院経営をめざしています。
(2)院長ヒアリングによる取組趣旨の徹底
院長や事務局長による全所属へのヒアリングを実施し、健全経営推進計画書の趣旨を徹底するとともに、本年度の収益目標値や今後の収益確保に向けた考え方を確認するなどの取組を行っています。
(3)経営戦略会議による取組の推進
取組による成果として、患者数や病床利用率などは増加しており、平成29年11月時点での数値(各年度4~11月の数値)や推移は次の通りとなっています。
① 新入院患者数 平成27年度 10,006人/28年度 9,840人/29年度 10,628人
② 紹介患者数 平成27年度 14,549人/28年度 14,528人/29年度 15,048人
③ 逆紹介患者数 平成27年度 8,301人/28年度 8,520人/29年度 11,164人
④ 病床利用率 平成27年度 87.3%/28年度 87.1%/29年度 88.8%
⑤ 平均入院診療収益 平成27年度 63,573円/28年度 64,889円/29年度 66,606円
⑥ 平均外来診療収益 平成27年度 13,674円/28年度 14,037円/29年度 14,854円
2. 収支状況について
現時点では、当初予算で計上していた経常損失約16億5,800万円は、約5億円程度縮減できる見通しです。
3. 今後の病院経営の方向性について
(1)高度急性期医療・急性期医療に、より特化した医療体制の充実
(2)「地域完結型」医療体制に向けた地域医療機関との機能分担と連携の推進
(3)経営基盤につながる診療体制の強化
収益性など経営改善が見込まれる範囲内において、医師や看護師、医療技術職員などの増員による診療体制の強化が必要となります。平成30年度の診療体制づくりに向けて、市民病院職員の定数についての条例改正を、今議会に上程しています。
4. 健全経営推進計画書の見直しについて
(1)経営形態の見直しの検討
経営責任を病院が担い、より自律的な経営を目指す姿勢を明らかにする観点からも、地方公営企業法の一部適用から全部適用に経営形態をを変更することについて、前向きに検討を進めます。
(2)健全経営推進計画書の見直し
平成29年度の収支決算見込みや、平成30年度の診療報酬改定の影響見込みなどを踏まえた上で、平成32年度までの収支計画や数値目標、具体的な取組項目の見直しを行います。
5. 駐車場料金制度の見直しについて
市民病院再整備事業が平成30年7月に完了し、グランドオープンを迎えます。正面入り口前のロータリー内に平面駐車場を増設することに伴い、受益者負担の公平性確保と経営健全化に向けた取組の一環として駐車場料金制度の見直しを検討しています。
(1)料金制度の見直し内容
① 外来患者 現状30分を超え1時間まで免除/1時間以降免除 ⇒ 見直し後、30分を超え6時間まで200円/6時間以降、30分ごとに100円加算
② 予約・相談での来院者 現状30分を超え1時間まで免除/1時間以降免除 ⇒ 見直し後、30分を超え6時間まで200円/6時間以降、30分ごとに100円加算
③ 入院患者の家族等 現状30分を超え1時間まで免除/1時間以降免除 ⇒ 見直し後、30分を超え6時間まで200円/6時間以降、30分ごとに100円加算
④ 一般利用 現状30分を超え1時間まで200円/1時間以降、30ごとに100円加算 ⇒ 現状と同じ
※免除対象者 現状、身体に障がいを有する者 ⇒ 見直し後、身体・知的・精神障がい者
清水委員
経営改善に向けて、ライバル病院との差別化が必要だが?⇒選ばれる病院となるためには信頼される病院となること。地域医療機関との連携により、高度急性期医療を提供することが、患者や地域から信頼される。紹介患者の急性期が終われば紹介元に戻していくことが重要。
地域医療機関からの紹介率、逆紹介率の状況は?⇒平成29年4月~12月で、紹介率は80.6%、逆紹介率は77.7%。
紹介率の向上が必要だが?⇒地域医療連携室職員が120の医療機関を訪問し、予約方法、MRI・CTの共同利用、救命救急センターの案内などをしている。
救急などは不採算部門と言われる。どう取り組んでいくのか?⇒公立病院として不採算部門を担うことは重要なこと。そのうえで、新患の獲得、診療報酬改定による新たな施設基準の確保をしていく必要がある。
阿部委員
健全経営推進計画書の見直しの中で、医師・看護師など専門職の働き方改善にについて、どう考えていくのか?⇒医師については、長時間労働になる傾向がある。1部の診療科ではシフトを組み総勤務時間の縮減に効果が出ている。医師の増員も図る必要がある。医師の長時間労働に対しては、負担の軽減を今後どうしていくか、病院の大きなポイントとなる。医師事務補助を活用するなど、工夫、改善をしていくことが求められる。
地方公営企業法の全部適用の検討がされているが、効果と課題は?⇒予算・人事・給与が事業管理者に委ねられ、効率的な運営が期待できる。経営意識の醸成にもつながる。一方、自治体の一組織として変更ないので、定数の制約、市長部局との均衡などあり、効果も限定的となる。
味村委員
地方公営企業法の全部適用について、職員の給与はどうなっていくのか?⇒全部適用となっても、基準は条例で定める。
給与は下がらないということか?⇒基本的には現状の形を維持していく。
予算・決算の議会報告はどうなるのか?⇒全部適用となると、事業管理者が予算原案をつくり、市長に提出され、議会の審議となる。
組合との協議の状況は?⇒労働協約を結ぶこととなる。十分協議していく。
駐車場料金の見直しについて、県内の自治体病院の状況は?⇒都市部の横浜市民病院と県立がんセンターは基本料金が300円以上、他は200円を基本としている。
見直しによる収入見込みは?⇒平成28年度は24万台分を免除しているので単純計算で年4,800万円の収入増となるが、修繕、誘導員配置で4,140万円の支出があり、660万円の収入増となる見込む。
患者に負担させることは止めるべきだが?⇒駐車場整備、修繕、誘導員など維持管理費かかる。利用者に一定の負担をお願いするもの。
佐賀委員
市民病院として、適正な定数をどう考えるか?⇒健全経営推進計画書に基づき平成32年度までに改善をしていく中で、総合的に人数、人件費を踏まえて検討しているところ。
報告(2)藤沢型地域包括ケアシステムの推進について
藤沢型地域包括ケアシステムの推進について、平成29年度の取組状況、平成30年度の取組の方向性及び、平成32年度までの短期目標に向けたロードマップが報告されたものです。ここでは、平成30年度の重点テーマごとの主な取組の方向性を掲載します。
1. 「地域の相談支援体制づくり」
(1)「頼りになる拠点施設」としての、市民センター・公民館機能の見直し及び適正な職員配置等の検討
(2)本庁舎における福祉総合相談支援センターを中心とした相談の流れの把握と、移転に伴って生じた課題の解消に向けた取組
2. 「地域活動の支援・担い手の育成等」
(1)各種補助金の庁内横断的な把握及び類似補助金の整理・改編
(2)一定の年代や対象に焦点を当てた、多様なアプローチ方法による、地域活動やボランティア活動等に関する周知啓発
3. 「健康づくり・生きがいづくり」
(1)健康寿命日本一に向けた、データ活用による地域健康課題の見える化と市民への普及啓発
(2)多職種と連携したフレイル予防及びオーラルフレイル予防の推進
4. 「在宅生活の支援」
(1)認知症に関する取組として「藤沢版おれんじプラン」の策定
(2)医療的ケアを要する障がい児者への課題に対する具体的な取組等の検討
5. 「社会的孤立の防止」
(1)多様な手法等による新たな見守りの仕組みの導入に向けた取組
(2)コミュニティソーシャルワーカー(CSW)の配置拡充
6. 「環境整備等」
(1)住環境の困りごとに関する「発見」「予防」等に関する庁内・庁外の連携強化
(2)交通不便地域における移動支援の充実に向けた関係機関との調整
阿部委員
13地区ごとの住民主体の地域づくりについて、平成30年度はどう位置付けるのか?⇒平成30年度は、地域生活課題について、どう解消していくか具体策を検討していく。
佐賀委員
昨年12月に、国から地域共生社会の実現に向けた指針が示された。本市の地域包括ケアシステムの取組への影響はあるか?⇒藤沢型地域包括ケアシステムを全世代・全対象型として進めるうえで、後押しとなっている。
味村委員
地域活動の支援・担い手の育成について、自治会・町内会の実態は、担い手不足だが?⇒自治会・町内会をはじめ地域活動団体と意見交換をしてきた。担い手課題は分野を越えて取組む課題と捉えている。今後も、地域の実態を把握し、市民センター・公民館と連携して取組んでいく。
生活保護世帯の高校進学など、制度のはざまについて、国・県へ制度改善を求めていくべきだが?⇒自治体だけでは解決できない課題は、他市と連携し、情報収集を行い、国・県へ働きかけていく。
清水委員
高齢者が賃貸住宅に入れない課題ある。県が住宅供給の仕組みを始めている。市としての取組の考えは?⇒県より、市町村単位で居住支援協議会の設置が求められている。市としては、住宅マスタープラン(中間報告)の中で、設立を施策展開で位置付けている。
報告(3)藤沢市地域福祉計画2020の中間見直しについて
昨年12月の当委員会に中間報告として報告されて以降、パブリックコメントの意見等を踏まえて、報告がされたものです。内容については割愛します。
清水委員
安否確認、見守りが重要。孤独死の早期発見の考えは?⇒13地区ごとに小地域ケア会議で話し合いを進めてきた。住民一人ひとりが関心を持つための啓発を進めていく。
相談相手に地域団体はなり得ていない。CSWがカギとなるがどう考えるか?⇒隣の情報の気づきをCSWや地域包括支援センター、民生委員などにつなげるための連携が必要。そうできるように意識啓発をしていく。
見守りには民間企業の協力が必要。セブンイレブンとの協定に見守りを追加できないか?⇒現在、5つの事業者と協定を結んでいる。今後もひとり暮らし高齢者など、多くの目で見守る体制を強化していく。
ボランティア活動について、参加時間の課題があるが?⇒市内のボランティア活動には様々あり、歴史や経過も様々。行政が活動時間の制約などはしないが、魅力ある活動の普及啓発に力を入れていく。
報告(4)いきいき長寿プランふじさわ2020 ~藤沢市高齢者保健福祉計画・第7期藤沢市介護保険事業計画~ の策定について
昨年12月の当委員会に中間報告として報告されて以降、パブリックコメントの意見等を踏まえて、報告がされたものです。内容については割愛します。
清水委員
認知症への支援について、徘徊に伴う鉄道事故に対しる損害賠償について、大和市では、行政が保険に入り市が賠償している。本市でも考えられないか?⇒本市では保険加入の予定はないが、大和市など、他市の状況を把握していく。
徘徊する人の早期発見のため、キーホルダーなどの目印やITの活用の考えは?⇒GPSを貸与しているが、キーホルダーやアプリとの連動などのある。ツールの表示で早期発見につながるが身につけなければならない。他市での効果を検証し、地域包括ケアシステムを進める中で、検討していく。
味村委員
特養の施設整備が追い付いていない。公立で建設を進めるべきだが?⇒特養の整備については、今後も社会福祉法人に担ってもらう考え。
阿部委員
介護保険料の基準月額4,700円について、基金を取り崩さなかった場合は、いくらになるのか?⇒5,195円。
平成32年度まで、4,700円ということか?⇒その通り。
佐賀委員
小規模多機能施設は、地域ニーズに応じた整備が必要だが?⇒第7期では3施設整備する計画となっている。地域ニーズについては、市内19施設478人定員となっているが、実際は、12/1現在357人が実登録人数。登録率を上げていくと受入れ者を増やせる。新設だけでなく、施設の認知度の向上にも努めていく。
堺委員
財源捻出の考えは?⇒財源確保のために藤沢型地域包括ケアシステムを進める。健康管理の意識改革を含め、地域の支え手と連携して、地域包括ケアシステムを進めることが重要と考える。
報告(5)ふじさわ障がい者プラン2020「きらり ふじさわ」の中間見直しについて
昨年12月の当委員会に中間報告として報告されて以降、パブリックコメントの意見等を踏まえて、報告がされたものです。内容については割愛します。
清水委員
施設で生活してきた障がい者は、自分で自分のことを決める機会が少ないと思う。意思決定の考えは?⇒意思決定は当然の権利だが、障がいの状況により、意思決定が困難な人もいる。支援者の認識が重要となる。意思決定の支援ができるよう、障がい者総合支援協議会で意思決定支援を検討している。今後は、実施したアンケートを集約し支援の取組集としてまとめ、普及啓発をしていく。
阿部委員
医療的ケア児に対する関連分野の支援を調整するコーディネーターの配置について、平成32年度に1人配置するとしているが、どのような施設への配置を想定しているのか?⇒相談機能を持っている施設を想定している。
障がい者の高齢化とあわせて、家族やきょうだいの高齢化もある。どう認識してるか?⇒支援者の高齢化もでてくる。高齢化により支援ができなくならないように、事前の働きかけが必要で、課題として認識している。
障がい者が避難訓練を体験することが重要。避難所運営ゲーム(HUG)の実施の考えは?⇒障がい児者の避難支援は、実践が必要。全市的に取り入れられるよう、働きかけをしていく。
報告(6)藤沢市災害廃棄物処理計画(案)について
昨年12月の当委員会に素案として報告されて以降、藤沢市廃棄物減量推進審議会での審議、パブリックコメントを経て、(案)として報告がされたものです。内容については割愛します。
以上、報告とします。