2月21日 9:30より、藤沢市議会厚生環境常任委員会が開催され、傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。
議案第76号 藤沢市災害弔慰金の支給等に関する条例の一部改正について
災害弔慰金の支給等に関する法律の一部が改正され、据置期間経過後の貸付利率について、条例で定めることとされたこと等に伴い、所要の改正をするものです。
※この議案は、全会一致で可決すべきものと決定しました。
請願30第4号 地域共生社会にむけての請願
この請願は次の次の項目について、市に働きかけるよう求めるものです。
1. 子ども、障がいのお持ちの方、高齢者まで見守りあう全世代型の見守りシステムの確立。
2. 認知症一人歩き問題に関して早期発見と連絡の実現。
3. 大災害時に助け合えることができる機能を将来備えていること。(エリアコミュニケーションの発想)
4. 平時にも機能するしくみを確立し災害時に備えること。
永井委員【陳述者への質疑】
スマホアプリの活用で、地域の見守り合いを市として導入してほしいとの事だが、特定のアプリの導入ではなく、仕組みづくりということか?⇒その通り。
導入とは、アプリの活用を支援して、地域の互助を高めるということか?⇒その通り。
武藤委員【陳述者への質疑】
アプリの導入について、私の居住している地域ではアプリを導入しているが、更に調査・研究するということか?⇒地域によりアプリで見守りしているところある。誰でも、使いやすく見守りができるように調査・研究してほしい。
アプリの活用で互助力を高めるとのことだが、自治会などの力を高めていくべきと思うが?⇒待ったなしの課題。市が先頭に立ち、進めていくことで、互助の仕組みが確立されると思う。
永井委員【市への質疑】
テクノロジーを活用した高齢者の見守りへの考えは?⇒スマホ、SNS、家電の人感センサーの活用など開発が進められている。地域で様々な仕組みが重なり合うことが重要。情報提供をしながら進めていく。
武藤委員【市への質疑】
辻堂・明治地区で企業と地元自治会連合会と連携してアプリを実験している。その取組状況と今後の方向性は?⇒ウルトラ見守りチャレンジとして、3/8.9に見守り専用アプリ「SOYLINK」により、行方不明役の35人を見まもる実証実験企画。効果を3/16に発表されるので、結果を見て今後検討していく。
請願の要望と現在の取組の違いは?⇒ウルトラ見守りチャレンジでのアプリもあり、市内で様々な取組がある。市が特定するのではなく、地域の中での広がりを支援するのが市の役割と考える。
請願項目に、子ども、障がいのお持ちの方、高齢者まで見守りあう全世代型の見守りシステムの確立とあるが、藤沢型地域包括ケアシステムと違いあるのか?⇒市民・行政・企業が一体となった仕組みづくりを検討していく。
※この請願は、永井委員、味村委員が賛同しましたが、採決の結果、不採択すべきものと決定しました。
陳情30第22号 精神障がい者にも他障がい者同等の交通運賃割引の適用を求める意見書提出を求める陳情
この陳情は、精神障がい者への交通運賃割引の拡大に取組むよう、国及び県に意見書提出を求めるものです。
味村委員
精神障がい者への割引が遅れている理由は?⇒鉄道事業者への国からの通知の中に、精神障がい者が含まれていない。また、バス事業者へは平成24年に国交省の約款に精神障がい者が加えられているが、事業者負担なので導入が進んでいない。
市が実施している障がい者福祉タクシー利用券の交付状況は?⇒平成27年度7,618人/28年度7,749人/29年度7,849人。
市として障がい者の移動支援を充実していくべきだが?⇒精神障がい者に対する割引の拡大は必要と考える。国や交通事業者に働きかけしていく。
※この陳情は、全会一致で主旨了承となりました。
報告(1)介護保険課における不適正な事務処理の対応状況について
平成30年11月26日の決算特別委員会において、第三者行為求償事務の処理を放置してきた126件のうち、介護保険サービスの利用があり求償が必要と判断した件数が46件となることが説明されました。
この46件について、神奈川県国保連合会の協力のもと、求償に向けた処理を進めてきましたので、現在の対応状況が報告されたものです。
1. 時効により求償不能となった8件について
時効により求償不能となった件数は8件で、合計は2,620,953円です。
2. 今後の事務処理について
求償不能の8件については、賠償金額が確定できず、歳入の調定手続きを行えないことから、公費負担分の清算処理はできないものです。
3. 再発防止に向けての対応
再発防止に向けて、第三者行為求償事務の作業手順を見直していきます。
味村委員
最大の原因をどう捉えているか?⇒職員の業務に対する認識が欠けていた。担当者のみしか知らない状況で、課内で共有できていなかったこと。チェック体制が出来ていなかったことなど。
職員の処分は?⇒今後、職員綱紀審査委員会を開催していく。
武藤委員
求償不能となった2,620,953円はどうなるのか?⇒今後、任意で対象者へ対応をお願いしていく。
3年以上たっているのに、お願いできるのか?⇒請求権は消滅しているが、任意で、相手側に直接アプローチしていく。
支払われなかった場合、福祉部や介護保険課としての責任は?⇒法的責任については、弁護士と相談していくが、道義的責任は、今後検討していく。
西委員
事故の被害者への影響は?⇒ない。
国民健康保険の求償の状況は?⇒済んでいると聞いている。
国保との連携で防止につなげられないか?⇒互いの情報や取組の連携は必要と考えている。今後、連携を図っていきたい。
定期的に国保連に情報確認できないか?⇒市から国保連に確認する方法も必要と考える。
処理簿の22項目はすべて必要なのか?⇒不適切事務処理を踏まえて、1つ1つ確認することが必要であり、見える化を図ったもの。
作業ばかり増える。取るべき対策とコストのバランスが必要だが?⇒最低限必要な項目。
抱え込んだ職員が相談できなかったことが問題。コミュニケーション不足の認識は?⇒意見が言える職場環境づくりが管理職に求められている。担当の職員と話して常に改善していきたい。
報告(2)保険年金課「窓口業務のあり方の検討」結果等について
藤沢市行財政改革2020実行プランの個別課題に位置付けられている「窓口業務のあり方の検討」の中で、検討対象の1つとなっている保険年金課の窓口業務等について、一定の結論に至ったので、その内容が報告されたものです。
1. 検討結果と今後の方向性
保険年金課窓口業務については、民間事業者との協働事業(業務委託)として実施することにより、コストメリットを含めた市民サービスの向上に資することが可能との結論に至りました。
(1)協働事業実施開始年度は、平成32年度とする。
(2)保険年金課における各種申請受付事務、当該申請に係るシステムのへの入力などの補助的業務、電話対応、収納管理業務など、各担当において、概ね5割から7割程度の業務を委託範囲と想定する。
(3)十分な準備期間(約10か月)を確保する。
(4)業務を2ヵ年(第1期/国民健康保険・第2期/後期高齢者医療、国民年金)に分けて引き継ぐこととする。
2. 今後のスケジュール
(1)平成31年6月 協働事業実施設計業務開始
(2)平成31年9月 当委員会に実施設計業務の進捗状況及び協働事業実施可否の最終報告
※最終報告にて実施可とした場合
(3)平成32年4月 第1期協働事業開始
(4)平成33年4月 第2期協働事業開始
神村委員
検討の結果、コストメリットを含めた市民サービスの向上に資することが可能との結論に至ったとのことだが、どのようなメリットか?⇒業務委託により生み出された人員を、他の担当へ配置できることで人件費などの縮減が図られる。
他の職場へもスピード感をもって展開していくべきだが?⇒行革の対象となっている市民窓口センター、介護保険課もスピード感をもって検討していく。
山口委員
窓口で気付く点あると思う。委託先にスキルがないと、ただの事務処理になってしまうと思うが?⇒プロポーザルの中で、他市での業務委託実績、従業員の研修などを踏まえていく。単年度契約とし、モニタリング指標を履行できるかを見て、翌年度の判断をしていく。
味村委員
個人情報の漏えいのリスク、偽装請負のリスクある。公務員が責任をもって行っていくべき。民間委託はやめるべきだが?⇒行財政改革2020で、外部資源の活用を位置付けている。窓口業務は総務省から民間委託できる業務範囲が示されている。
武藤委員
どのくらいのコスト縮減になるのか?⇒最大の見積もりで、5年間で約1億円、10年間で約4億円弱。今後、プロポーザルの提案で変動する。人員の削減効果は、正規15人、任期付短時間10人、非常勤20人程度。
偽装請負の話もあるが、市職員側の研修も必要だが?⇒業務の一部を委託するので、法的な認識をした上で、仕事をしていくことが求められる。OJTの中で研修していく。
報告(3)消費税引き上げに伴う、介護保険料等に係る措置等の内容について
10月1日からの消費税引上げに伴う、本市における介護保険料等に係る措置等の内容が報告されたものです。
1. 介護保険第1号被保険者の保険料軽減強化
介護保険の第1号被保険者(65歳以上)の保険料については、政令において、所得区分が第5段階の者の保険料(基準額)に、所得に応じた「標準とする保険料率」を乗じて得た額を保険料としていますが、消費税引上げに伴う措置として、第1段階から第3段階までの低所得者区分について「標準とする保険料率」を引下げることで、保険料負担の軽減を強化するための政令改正が予定されています。
(1)政令改正の要点
政令で定める標準とする保険料率の改定予定は次の通りです。
① 保険料段階 第1段階:標準保険料率 現行0.45⇒0.3
② 保険料段階 第2段階:標準保険料率 現行0.75⇒0.5
③ 保険料段階 第3段階:標準保険料率 現行0.75⇒0.7
※標準保険料率とは、基準額となる第5段階(本市4,700円)に対する割合
※保険料段階は、本市では12段階に設定しています。
なお、10月から消費税が引上げられる予定なので、平成31年度分は引下げ割合の半分(6か月分)を軽減する見込みです。
(2)本市独自軽減の現状
市独自で次の通り、第2・第3段階を国標準より低い割合に設定しています。
① 保険料段階 第1段階:標準保険料率0.45/本市保険料率0.3/本市保険料月額2,115円
② 保険料段階 第2段階:標準保険料率0.75/本市保険料率0.6/本市保険料月額2,820円
③ 保険料段階 第3段階:標準保険料率0.75/本市保険料率0.7/本市保険料月額3,290円
(3)政令改正に伴う本市の考え方
本市では、特に低所得者に配慮した保険料段階の設定を独自に行ってきましたが、今回、低所得者に配慮した政令改正が予定されていることから、改正の対象となる保険料段階の割合を国の標準とする保険料率に改めることを基本とします。
しかし、現行の第3段階については、既に国の改正後の保険料率としてきたため、国の引き下げ幅に応じた引き下げを行うこととします。
① 保険料段階 第1段階:改正後の標準保険料率0.3/改正後の本市保険料率(案)0.3/改正後の本市保険料月額(案)1,410円
② 保険料段階 第2段階:改正後の標準保険料率0.5/改正後の本市保険料率(案)0.5/改正後の本市保険料月額(案)2,350円
③ 保険料段階 第3段階:改正後の標準保険料率0.7/改正後の本市保険料率(案)0.65/改正後の本市保険料月額(案)3,055円
(4)条例改正の時期
本定例会中に政令が公布され、所要の準備が整った場合には、本定例会最終日に条例改正(案)を上程します。なお、最終日までに上程が間に合わない場合は、5月臨時会に上程します。
(5)予算の対応について
適切な時期に補正予算として措置していきます。予算見込み額は次の通りで、平成31年度は、10月からの消費税率の引き上げとなることから、適用期間を6か月として計算しています。
市負担額/当初予算額 1,223万7千円/改正後公費負担 3,673万4千円/差額 2,449万7千円
報告(4)藤沢型地域包括ケアシステムの推進について
藤沢型地域包括ケアシステムの推進について、平成30年度の取組状況、31年度の取組の方向性、13地区における地域主体の協議体による具体的取組などが報告されました。内容は割愛します。
武藤委員
民間事業者との協働による農福連携とは?⇒農業分野との連携により、社会復帰への足掛かりとなるよう、民間と連携して取組んでいく。
居住支援協議会について、県では借りられる所を紹介している。市としても取組むべきだが?⇒不動産物件の情報は県の協議会と情報を共有する。市は、住宅要配慮者の入居前の物件探し、入居後の居住支援を県の協議会と連携して進めていく。
居住支援協議会のスケジュールは?⇒出来るだけ早い時期の設置を目指していく。
報告(5)「ふじさわ自殺対策計画」(案)について
「ふじさわ自殺対策計画」については、平成30年12月議会の当委員会で素案が報告されました。その後実施された、「藤沢市自殺対策協議会」の意見等に基づき、計画(案)として報告がされたものです。内容は割愛します。
報告(6)市民病院免震用オイルダンパー事案の対応状況及び施設の整備・改修について
市民病院施設における諸課題への対応について報告がされたものです。
1. 免震用オイルダンパー事案について
検査データの書き換え行為が行われた、KYB(株)及び、その子会社であるカヤバシステムマシナリー(株)が製造した免震性オイルダンパーが市民病院で使用されています。製造者への対応(抜粋)は次の通りです。
(1)平成30年12月4日 製造者へ次の事項を申入れ
① 当院に設置されている免震用オイルダンパーについての安全性の検証を速やかに行い、結果を報告すること。
② 安全性が担保できない場合は、速やかに免震用オイルダンパーの交換を製造者の責任で実施すること。
③ 交換工事にあたっては、病院運営に支障がない方法とすること。
【製造者からの説明】
① 市民病院に設置されている免震用オイルダンパーは、不明な製品なので、不適合品とみなし全数を交換する。
② 平成32年9月までに全数を交換する計画である。
③ 交換に係る費用は、製造者が負担する。
④ 不適切行為の追加事象の影響を考慮した構造計算による当面の安全性の検証を速やかに実施する。
(2)平成31年1月11日
施工者から、交換工事に伴う病院への影響について報告があり、空調の一時停止やカフェの水道利用などに一定の制約が生じる以外、外来診療や入院患者の療養環境に影響がないこと、工期は最大1か月程度であることが確認されました。
2. 平成30年台風24号により破損した市民病院ロータリー周りの金属製屋根の改修について
(1)破損の責任について
施工者からは、設計上予見できない強風による破損であることから、瑕疵担保責任による対応は難しいとの考えが示されましたが、その後の協議の結果、施工者が一定負担するとの回答があり、その負担割合について、現在も引き続き協議をしています。
(2)庇の改修工事について
工事請負費等は、8,030万円で、平成31年度予算案に計上します。
(3)今後のスケジュール
平成31年5月頃に契約し、12月までに工事を完了する予定です。
3. 周産期救急医療中核病院としての施設環境の整備について
(1)これまでの経過
周産期救急医療中核病院としての施設環境の整備については、家族とともに安心して分娩に臨める分娩環境のの整備とハイリスク周産期の需要に応えるための施設整備を目的に、平成30年9月から産婦人科LDR室(陣痛分娩室)の設計に着手し、現在までに現地調査や医師・看護師からの聞き取りを行い、概ね設計は終了しました。
(2)LDR室の整備概要について
① 場所 西館5階(現状は倉庫)
② 整備内容 LDR室2室の他、付属の諸室
③ 工事費用等 平成31年度予算案に計上
工事請負費4,734万2千円+工事監督委託費265万1千円+医療器械等購入費2,921万円+消耗品123万円=8,043万3千円
(3)今後のスケジュール
平成31年6月頃に契約、32年1月までに工事を完了する予定です。その後、医療器械等を配置し、2月には供用を開始する予定です。また、平成31年度中には、母児同室実現に向けた西館5階病床のセキュリティ強化を行うための設計も予定しています。
(4)LDR室の料金設定
LDR室2室については、病室として運用し、利用者の方にLDR室利用料の負担をお願いする予定です。
(5)分娩介助料の見直しについて
分娩に係る費用負担について見直しを検討しています。具体的には、条例で定める分娩介助料を適正な料金に見直す方向で検討を進めます。
※以上、報告とします。