6月13日 9:30より、こども文教常任委員会が開催され、傍聴出席しました。審議の内容(抜粋)は、次の通りです。
陳情24第4号 藤沢市内の小学校・保育園における放射能汚染対策を求める陳情
この陳情は、藤沢市内で提供されている給食について、内部被ばくを可能な限り避けるため、食材の使用基準値40ベクレル/kgを中止して、少しでも放射性物質が検出された食材は使用しないこと。他の自治体の検査で放射性物質が検出された食材は、他の代替食材を使用した献立への変更を求めるものです。
浜元委員
仮に40ベクレル/kgから3ベクレル/kg未満にしたとき、どのような影響がでるのか?→レンコン・乾しいたけ・さつまいも・冷凍みかんなど、4品目が3ベクレル/kgを超えていた。前日検査のため、代替食材の手配、献立変更、買った食材の処理、損害補償などが考えられる。
東木委員
横浜市・鎌倉市の基準は?→国と同じ基準
資料の中に松本市のことが紹介されているが、松本市の基準は?→検出された場合は。代替か献立変更。
基準値について、全国的な状況は?→札幌市4・京都市50・信濃市50・須賀川市10・牛久市20・常総市25~30など。いずれも単位はベクレル/kg
冷凍みかんを中止した場合のコスト負担は?→174,000個で770万円。
横浜市・鎌倉市の冷凍みかんは、特別で、代替可能だったから不使用としたのか?→冷凍みかんは100ベクレル/kgを下回っていたが、子どもへの配慮から、可能な限り変更した。
脇委員
養護学校は含まれるのか?→含む。
ホームページでは3ベクレル未満が並んでいるが、以前は不検出だったと思うが?→厚労省の食品マニュアルで、マニュアルに沿った検査の場合は、不検出ではなく、3未満という表示となった。
加藤(なを子)委員
基準値40ベクレル/kgが安全だという根拠は?→昨年11月の研修会で、菅谷松本市長の講話や、文科省からだされた補助採択基準などから40ベクレル/kgとした。安全だと言える数値はないが、行政としては一定の基準を考えるべき。国の基準をまず考えるが、更に厳しいので安全と考える。
鎌倉市は、児童への影響を考慮して、冷凍みかんの使用を中止した。なぜ、藤沢市は中止できないのか?→12月頃に37万個を先行で予約している。代金支払いの問題、保護者からの給食費に加えての公費投入など、大きな課題がある。
子どもたちの身体への影響調査は?→現在、調査していない。
藤沢市の体制、不十分では?→4月より、給食担当を1人増員して対応している。
丸ごと検査で、1日の1食で、どのくらいの摂取になっているのか?→ホームページで公開しているが、5日分を丸ごと検査したもので、1日分はその平均値。
国の基準100ベクレル/kgが安心できるものではない。安全だという根拠はない。39ベクレル/kgを使用することはDNAを39回傷つけること。もっと深刻に考えるべきだが?→健康被害をどう考えるか。放射線による健康被害について、定まっている見地がないのが現実。日々の業務の中で対応を決めていかなければならない。その中で、松本市の菅谷市長の話を参考に40ベクレル/kgに設定しているもの。外部被ばくの問題は茅ヶ崎のモニタリングポストの値を見ても、そう問題ではない。内部被ばくは、食物からの摂取をなくしていくことが重要。国が、4/1から基準を厳格化したが、何度も基準を変えることで信頼感はなくなる。これまでにない対応をする時代に入った。そのうえで何ができるか。まずは情報提供、どのくらいの数値なのか。そして、40ベクレル/kgの基準あるが、代替可能なものは努力すること。費用保障をどうするか、藤沢産だった場合に、農家への補償どうしていくかなど、総合的な判断をしていく。
武藤委員
少しでも検出されたら使用しないこととあるが、給食成り立つのか?→成り立つと考えるが、牛乳、米、小麦など主食系から出たら、厳しい状況となる。
弁当にした時、給食と弁当の安全性は?→弁当は食材の選択による。家庭の事情なので何とも言えない。
※取扱い休憩~再開
佐賀委員
陳情理由の解釈について陳情者に確認を願いたい。→委員長として、陳情者に確認する。
※休憩~再開
竹村委員長
陳情者から、陳情文の訂正したいとの申し出があり、審議することとなりました。訂正の内容は次の通り。
①少しでも放射性物質が検出されているものは使用しないこと。→藤沢市が実施する食材の放射能検査において、検出下限値を超えたものは、可及的速やかに使用を中止すること。
②他の自治体による給食放射能検査にて放射能物質が検出されている食材は~中略~代替食材を使用した献立に変更すること。→他市町村による食材検査にて放射性物質が検出され、メディアで報じられるなど問題となった食材は、同じ産地のものを使用する場合、これを優先して検査計画に加えること。
この陳情の訂正について、認めるかどうか採決することとなり、採決した結果、賛成3、反対4で認められず、当初の陳情文で採決することとなりました。採決した結果、陳情は、趣旨不了承となりました。
報告(1) 待機児童の状況と今後の保育所整備について
①待機児童の状況
平成24年4月1日現在の国基準による待機児童数は379人で前年より125人増加している。全国的には少子高齢化が進んでるが、藤沢市は転入人口の増加とともに、子どもの数も増加している。
②定員拡大目標の修正
平成21年度に策定した、「藤沢市保育所整備計画」では、平成26年度までの5年間で730人の定員拡大を目標として、目標を上回るペースで保育所整備を行ってきたが、待機児童の増加に追い付かないため、状況分析と保育需要の増加を想定し、定員拡大目標値を修正し取り組んでいく。
③今年度の取り組み
前年度からの継続事業として、ときわぎ保育園分園の開設で50人増。柄沢地区内の法人立保育所整備で140人増。計190人増を図る。
また、藤沢駅、辻堂駅周辺において、賃貸ビル等を改装した賃借型保育所整備を2か所程度。鵠沼・藤沢・明治・湘南台のいずれかの地区に2か所程度、整備する。
④中・長期的な取り組み
待機児童の多い地域を優先に新設設置を進めるとともに、既存保育所の建替えに合わせて定員拡大を図る。
また、認可外保育施設の充実として、藤沢型認定保育所制度の創設や、認可保育所との保育料格差の是正などを行っていく。
⑤公立保育所の整備について
しぶやがはら保育園については、北部の子育て支援の拠点として、建て替えを考えている。今後、湘南台文化センター内にある、子育て支援センターの併設なども視野に入れ、3~4年後の完成・移転を目途に整備していく。
高砂保育園の移転については、UR辻堂団地の再整備事業に伴い、平成27年4月を目途に移転してほしいとの依頼があり、今後、建設手法や運営主体の見直しを含めて保護者、関係団体と協議しながら、年度内に検討していく。
加藤(なを子)委員
保育所に申し込んでも入れない人数は?→2,126人申し込みがあり、入れないのは1,082人。しかし、この中には、転園希望や入れたら就労するなど624人を含んでいる。
転入により子どもの数増えている。開発等に対する政策は?→開発については、基金への寄付を検討してきたが、まだ、出来ていない。
賃貸型2か所、新設2か所では、なかなか進まない。市の土地を活用しては?→平成25年度以降、検討していく。
湘南台文化センター内の子育て支援センターをしぶやがはらに併設すると、不便になるのでは?→拠点という事で、理想的な検討であり、利用者の意見聞いて、どちらにするか検討していく。現行のままなら、保育所の中に、子育て支援室の設置を検討する。
高砂保育園は、直営で運営するべきと考えるが?→民営化ありきではない。建替え時が、国の補助も含めて、一つの機会である。
藤沢型認定保育所の施設面・人材面への助成とは?→届け出保育施設が、認可保育施設に足りるように施設補助を考えている。
一時保育の拡大は?→需要は増えている。改築時に付加をお願いしていく。
栗原委員
柄沢地区内の法人立の保育所について、今まで、年度途中で開設した実績あるか?→実績ある。
開設時の市民への募集の仕方は?→10/1開設予定。8/10を申し込みの締め切り予定で、7/10号広報やホームページで案内する。
横浜市、川崎市、相模原市は、新聞報道によれば待機児童少なくなった。藤沢市は、今後、どのような推定で考えているか?→藤沢は、交通の利便性高く、住宅が建つ敷地も多くあるため、これからも、しばらく増える想定である。
いずれは人口減少する。高齢社会との整合をどう図っていくのか?→子どもが、ずっと増えるわけではない。これから建てる保育所は転用可能な建物としていくことを検討していく。
藤間副市長(理事者答弁)
待機児童の解消は、なかなか、この取り組みだけでよいのかと考えている。(仮称)待機児童解消緊急対策本部を設置して、取り組むことを考えている。産業界には事業所内保育所設置を。待機児童のいるエリアは限られている。駅前型整備をどのようにやっていくかは、建設部門や企画部門も含めて関係部門との調整をしていく。施策については、ランニングコストを考えれば、どこまでできるか、ということを改めて検討する必要がある。新たな組織を内部につくり、具体的施策の検討をしていき、補正予算の提案をしていきたい。
報告(2) 学校事故の防止について
この報告は、平成23年度に、藤沢市立学校において、児童生徒が負傷する事故発生が続いたことから、今後の防止に向けた取組について報告がされたものです。
①平成23年度の主な学校における事故
明治中学校で野球部の練習中に、強風にあおられた防球ネットが倒れ、3年男子生徒の後頭部を直撃、現在も治療中で、後遺症が残る見込み。
亀井野小学校の理科の授業中に、担任教諭が、消火方法を示すために、自ら倒したアルコールランプから炎が吹出し、女子児童が重い火傷を負い、担任教諭は停職6か月の処分を受けた。
浜見小学校の授業(ティーボール)中に、打者が振った金属バットが後方にいた児童の歯を直撃し、負傷した。
②教育委員会の認識
教育委員会では、事故の大きさや事故後の状況に応じて、学校に対して指導を行い、学校と連携して対応してきたが、今後も更なる努力が必要と考える。事故が続いたことについて、教育委員会として責任があり、再発防止に向けて取組を強化する必要があると考える。このことから、新たに、学校事故防止検討委員会を設置することとした。
③学校事故防止委員会について
6月議会報告後、速やかに検討委員会を発足させ、事故防止に向けた有効策を検討する。本年度中に一定の報告をまとめ、来年度以降に反映させ、事故防止に取り組む。
浜元委員
本年度中に一定の報告をまとめるのではなく、一刻も早くまとめるべきでは?→3つの事故を見ても、共通の課題があり、充分分析し、出来るだけ早く、とりまとめていく。
脇委員
事故防止委員会のメンバーは?→教育次長・教育総務部長・各課長・職員代表・保護者代表など。
ケガをしたとき、日本スポーツ振興センターから医療費出るが、どのくらいの期間で出るのか?→ケガして申請し、翌々月に保護者に払われる。
治療費の立替え、保護者は負担であり、迅速に出来ないのか?→現行の制度の中で、出来るだけ早く対応したい。課題を整理する。
柔道が必修となったが、対策は?→施設面の対策として、畳、ずれ防止を完了した。指導者の研修を計画している。専門家を協力者としてサポート配置する。
教員の多忙化の放置が事故につながっているのでは?→多忙化の状況は認識している。その中で、どのように対応できるか、チームワークを含めて検討していく。
亀井野小学校の事故、危険を教える視点あってしかるべきと思うが?→必要だが、子どもが消すものではない。教員が消すもの。
報告(3) 藤沢市八ヶ岳野外体験教室について
この報告は、八ヶ岳野外体験教室の管理運営について、平成17年度から、指定管理者制度が導入され、(株)東急コミュニティーが行っていますが、指定管理者の選定時期となったことから、平成25年度からの選定にあたり、これまでの取組及び、選定に向けた考えかたについて報告がされたものです。
①管理運営上の課題
稼働率の向上、指定管理者への委託料の軽減、修繕コスト、一般宿泊料の改定や一般利用者の範囲の拡大など。
②今後の方向性と改善策
今後も、児童生徒にとって、自然の中での充実した活動を通して、豊かな人間性を育成していける場となるよう、施設面、運営面における環境整備を行っていく。また、改善策として、さらなる事業の充実、管理運営体制や業務内容の見直しによるコストの適正化を図る。更に、一般利用者の範囲や料金改定など、平年度に行われる公共料金の見直しを見据えて検討していく。
③スケジュール
平成24年6月27~10月中旬 第1回~3回審査選定委員会
平成24年12月議会で、指定管理者の議決
平成25年1月~3月 新指定管理者へ引き継ぎ
平成25年4月 協定締結・新指定管理者による運営開始
脇委員
八ヶ岳野外体験教室は、存続という事か?→その通り。
加藤(なを子)委員
コストの適正化とは?→今後の検討。
平日の高齢者利用など、利用拡大の対策は?→今後の検討。
報告(4) 平成23年度 体力・運動能力、運動習慣等調査の結果について
この報告は、毎年実施している、体力・運動能力、運動習慣等調査の結果について、平成23年度の結果が報告されたものです。対象は、小学校5年生5校147名、中学校2年生5校179名で、握力・上体起こし・長座体前屈・反復横跳び・(持久走)・20mシャトルラン・50m走・立ち幅跳び・ソフトボール投げ・(ハンドボール投げ)など。()内は中学2年。
小学5年生の傾向は、男子は、8種目のうち5種目、女子は6種目で神奈川県の数値を上回っている。全般的に体力・運動能力は向上しているが、男女とも、長座体前屈とソフトボール投げは神奈川県を下回る結果となっている。柔軟性と巧ち性(タイミングをのよい動き)を高める運動の日常化が課題となっている。生活習慣については、男女ともに、運動の機会が高い割合で確保されている。朝食の摂取率は、男女ともに、毎日食べる児童の割合は神奈川県の数値を下回る結果だったが、食べない児童はおらず、睡眠時間とともに望ましい傾向として現れている。
中学2年生の傾向は、男子は全ての種目で神奈川県の数値を上回っている。特に柔軟性と持久力に優れている。女子についても、上体起こしを除いた8種目で神奈川県の数値を上回る結果となっており、全般的に体力が備わっていることが分かる。生活習慣については、男子は運動の機会が高い割合で確保されているが、女子は、運動する生徒と少ない生徒にはっきりと分かれる傾向にあるため、運動機会の少ない女子生徒の運動機会の確保は、引き続きの課題である。多忙な時期ではあるが、藤沢市の中学生は、朝食の摂取、睡眠時間の確保といった体づくりの基本となる生活習慣については、望ましい傾向が現れている。
加藤(なを子)委員
テレビを視る時間、インターネットやメールを含めるべきだが?→携帯電話からゲームサイトに入るなど弊害がある。情報モラル教室など各校で取り組んでいる。
栗原委員
運動すればケガをするが、歯を折るケース多い。普通、手をつくと思うが、そのことに関する設問したことあるか?→設問はないが、認識はしている。昔では考えられないと思う。
報告(5) 「地震-そのとき学校は-」平成24年改訂版について
この報告は、 「地震-そのとき学校は-」について、東日本大震災を踏まえて、地震発生の初動体制について、必要な見直しを行ったので、報告がされたものです。改正の主なポイントと今後の取り扱いは次の通りです。
①大規模地震を震度5弱以上と定義し、学校は授業を打ち切り、学校防災対策本部を設置する。
②児童生徒の預かり措置と下校方法を明記。大規模地震発生時の下校は、保護者への引き渡しとし、保護者が引き取りに来るまでは、学校に留め置くこととする。
③津波警報、大津波警報発令時の初期対応を明記し、原則として、沿岸部の学校は、警報発令時には校庭に集合せず、速やかに最上階等に避難する。
④風水害の警報発令時の対応を明記し、午前7時時点で「大雨」「洪水」「暴風」「暴風雪」「大雪」警報が発令されている場合、原則、自宅待機とする。
今後については、各学校において、この冊子を基に実情に合わせて防災計画を作成する。
以上、報告とします。